【本編完結】魔法使いフリーレンとくだらない魔法 作:SUN'S
とある日の夕暮れ───。
大魔法使いのメレブはゼーリエにどうしても書いてくれと懇願されていた魔導書を黙々と書き綴るついでにムラサキの覚えたドラクエ的な魔法の事も書き綴っている。
自分の従者として。
「ヨシヒコ。それは不味いだろ」
「しかし、ダンジョーさん。こうしなければ門を開けることは出来ないと言っているんです。私と一緒にブラザーズになりましょう。イヤッフー!」
「えぇい!俺はやらんぞ!そもそも俺は永遠の二番手っぽいやつが着ている緑なのが気に食わん!せめて黄色か紫色にしてくれ!」
ダンジョーはそう叫びながら全身モザイクになったヨシヒコと口論している傍らでムラサキとソリテールはきらびやかなドレスを身に付け、ちゃんと正装らしい正装になっている。
「ソリテール。私達だけ先に行こっか」
「えぇ。いいのかしら?」
こてんと可愛らしく小首を傾げるソリテールは小さな角をティアラで上手く隠し、ムラサキに連れられて仮装しなければ通ることの出来ない王族主催の舞踏会に向かってしまう。
メレブは大魔法使いなので仮装する必要もなく。そのままお城に入ることが出来るのだが、いまだに二番手は嫌だと言ってヨシヒコと口論しているダンジョーのせいで足止めを食らっている。
「よし、もう良かろう」
そう言ってメレブは魔導書を閉じる。ちゃっかりムラサキの魔法でページをかさ増ししているけれど。たぶんゼーリエは気付かないだろう。
「ヨシヒコ、ダンジョー、行こう!」
「イヤッフー!」
「俺は絶対に着んからな!」
ヨシヒコがマリなんちゃブラザーズっぽい格好で跳び跳ねる傍らでダンジョーはカメっぽい甲羅を背負うだけでなんとも言えない仮装だ。
頑なに嫌がり続けるダンジョーの背中を押すメレブの頭に緑色と黄色の帽子を被せようとするヨシヒコに気づいたふたりはペシッと彼の手を弾く。
「私とブラザーズになりましょう!」
「ならん!」
「私はもう仮装してるでしょうが!」
ふたりはお城の門前で仮装を剥ぎ取ろうとするヨシヒコの暴挙に驚きつつ、必死に自分の衣服を守っているがダンジョーはルイなんちゃらになってしまい、メレブは逃げ出した。
「イヤッフー!」
「くっ殺せ!」
どこぞの姫騎士みたいなことを叫びながら全身モザイクになったダンジョーはヨシヒコと一緒に舞踏会に参戦する。きらびやかな舞踏会に二つのモザイクが混ざり、とんでもないことになる。
メレブはバレないように会場の片隅で来賓者に振る舞われていた高級料理を堪能し、ムラサキはモザイクから逃げて、ソリテールは楽しそうにケーキを食べ尽くしていた。
〈ソリテール〉
私はお姫様にしか思えない魔族
なんちゃらブラザーズになったヨシヒコとダンジョーの騒動を楽しみつつ、宮廷料理人の作った甘味をひとりで食べ尽くし、ヨシヒコ達と一緒になって「イヤッフー!」をした。