【本編完結】魔法使いフリーレンとくだらない魔法   作:SUN'S

66 / 97
大魔法使いメレブと無名の大魔族 PART 14

とある日のお昼過ぎ────。

 

大魔法使いのメレブと女神様のソリテールは勇者ヨシヒコ一行と一緒に悪霊の鍵を持つ大魔族のデスタークを打ち倒した帰り道だった。

 

「デスタークさん、すごかったわ」

 

「うむ、中々に姑息だった」

 

ふたりはヨシヒコ達と別れ、人間の感情を知る旅を続ける。自称・大魔法使いのメレブはゼーリエのために数多く魔導書を書き綴ることになり、ソリテールは「もっとも人間らしい魔族」になるだろう。

 

「あ、そういえばね。メレブさん」

 

「どうした、ソリテールよ」

 

「私も使えるようになったの!」

 

「なぬ!?」

 

そう言うとソリテールは片手をメレブに向けると「スイーツ!」と唱えた。メレブは驚愕とともに猛烈に甘いものが食べたくて食べたくて仕方なくなり、密かに購入していたお饅頭にかぶりついた。

 

「ふう…」

 

「ふふふっ。すごいでしょう」

 

「うん、すごいわ。ソリテール」

 

お饅頭を食べ終えたメレブはソリテールを素直に褒めながら強迫観念のごとくスイーツを求めるという奇妙な体験をし、わりとスイーツにかかるのがクセになりそうだった。

 

しかし、それは内緒である。

 

メレブは自分の魔法を使えるようになったソリテールのいたずらを警戒し、そのことがバレないように振る舞っている……のだが、やっぱりメレブの魔法を使えるようになった彼女はいたずらをした。

 

「スイーツ!」

 

「ぬっ!」

 

メレブは魔法の杖を翻し、彼女の魔法を防ぐ。

 

ヨシヒコ達との冒険でもそれぐらい機敏に動けば良かっただろうと天界の仏は思いつつ、スイーツの掛け合い合戦を始めたふたりを見下ろす。

 

「スイーツ!」

 

「スイーツ!」

 

ほとんど同じタイミングで魔法を掛け合ったふたりは物凄く甘いものが食べたくなり。なにかないかと辺りを見渡すけれど。

 

とくに甘いものはなく。渋々といった感じでローブの袖やカバンから甘いお菓子を取りだし、パクパクと食べ始める。

 

「ふっ。中々やるな」

 

「ふふっ。メレブさんのおかげよ」

 

「だがしかし、ソリテールよ。お前はまだ『猛烈に甘いものが食べたくなる魔法』の真の恐ろしさを知らないだろう…」

 

「真の恐ろしさ…!」

 

その一言にソリテールはキラキラと瞳を輝かせてながらメレブを見つめる。それもそうだろう。今の彼女にとってスイーツの魔法こそ人間の感情を知るために必要な最高の魔法なのだ。

 

「『お菓子の楽園を作り出す魔法(    スイーツバイキング    )』」

 

メレブが魔法を唱えた瞬間、ソリテールと彼を包み込むように巨大なお菓子の家が出現し、甘くて優しい香りがふたりを包んだ。

 

「どんな子供でも一度は夢見るであろう。私のとっておきの最高に幸せなお菓子の家を召喚する、この魔法を私は『お菓子の楽園を作り出す魔法(    スイーツバイキング    )』と……そう名付けたよ」

 

「ふふふっ、素敵な魔法ね」

 

ソリテールはお菓子の家を見渡しながら楽しそうにクッキーでできた椅子に腰掛け、テーブルに置かれたお菓子をぱくりと食べた。

 

 

 




〈ソリテール〉

人間の感情を知った大魔族

大魔法使いのメレブの編み出した「スイーツ」の魔法を気に入っている。たまに自分に掛けたりして、遊んでいたりもする。

お菓子の楽園を作り出す魔法(     スイーツバイキング     )

くだらない魔法・禁書

自称・大魔法使いのメレブの作った魔法。どんなに小さな子供でも一度は夢見るお菓子の家を作り出す魔法。この魔法は、かつてメレブと旅をしたお菓子好きの魔族のために作られた魔法だ。


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。