【本編完結】魔法使いフリーレンとくだらない魔法 作:SUN'S
とある日の夕暮れ───。
かつて大魔法使いのメレブと一緒に旅をした大魔族のソリテールは久しぶりにやって来た弟子のミーネと彼女のお友だちと仲良くお話をしていた。
「まあ。メレブさんの魔導書を?」
「うん。結構集めたよ」
とくにフリーレンというエルフの魔法使いとは意気投合したように大魔法使いのメレブの話では盛り上がり、ソリテールは彼と過ごした日々を優しく彼女達に教えてあげる。
「フェルン。これ美味しいぞ」
「シュタルク様、はしたないです」
「ええぇ……」
とてつもなく巨大なマシュマロを持ってきたシュタルクにフェルンは文句を言いつつ、しっかりとマシュマロは受け取り、モチモチでふわふわした感触のソレに顔をくっ付ける。
それは柔らかさの暴力である。
このマシュマロに埋もれていたらダメ人間になると即座に理解したフェルンはモグモグとマシュマロを食べ始める。
ソリテールの『お菓子の楽園を作り出す魔法』は子供の夢をそのまま具現化した───。つまり、このお菓子の楽園はソリテールの願いによって生み出されたものであり、いくら食べても太らないのだ。
シュタルクとフェルンがお菓子を食べている間、フリーレンとヒンメルの娘であるグリーゼルは自称・大魔族のミーネとお菓子を食べていた。
「ミーネ、これ美味しいよ」
「あら。ありがとう。これなに?」
「さあ?」
「……甘いけど、硬いわ」
ガリッ。ゴリッ。
なんとも鈍い音を出しながらミーネは粒状のお菓子の金平糖を噛み砕き、飲み込む。
ちなみに普段はいがみ合っているフリーレンとミーネだが、グリーゼルのいるときは危ない魔法も使わないし、おたがいに攻撃を仕掛けることも……まあ、そうそうない。
「えっ。あの魔法ってソリテールに?」
「ふふふっ。実はそうなの……あの魔法はメレブさんが私のために作ってくれたものでね。ゼーリエさんがどうしても欲しいって言うから教えたのよ?」
「ゼーリエ。そこまでするのか…!」
「本当にビックリしたわ。ゼーリエさんったら往来の場で大泣きして、私もメレブさんも泣き止ますのに苦労したわ」
そう言うとソリテールは魔法の杖を撫でた。昔の想い出を懐かしむ。メレブと出会う前だったら絶対にしなかったであろうことだ。
それほどまでに彼女は
「ところで。フリーレン」
「なに。ソリテール」
「グリーゼルは貴女の子供なのよね?」
「そうだけど、どうしたの?」
ソリテールの問いかけにフリーレンは頷いて「私とヒンメルの大切な宝物だよ」と言ってお菓子をミーネに差し出すグリーゼルを愛しそうに見つめる。
「つまり。エッチなことしたのね!」
「ブホォッ!?ゲホッ、ゴホッゴホッ!」
フリーレンは噎せて紅茶を噴き出し、フェルンとシュタルクは驚愕し、グリーゼルは小首を傾げながら噎せているフリーレンを見上げ、ミーネはまたかと溜め息を吐いた。
〈ソリテール〉
わりとアホかもしれない魔族
大魔法使いのメレブの仲間だった勇者ヨシヒコとはマブダチのような関係であり。わりと感性や趣味も似ていたため彼の口癖がかなり移っている。ただし、ムッツリでも変態でもない。
フリーレン
エルフの子持ち未亡人
メレブの旅仲間にして一番弟子のソリテールの言い放った一言に噎せて紅茶を噴き出した。あとで勇者ヨシヒコの口癖と聞き、もう二度と使わないようにフェルンやミーネと一緒に怒った。