【本編完結】魔法使いフリーレンとくだらない魔法 作:SUN'S
ごめんね。
とある日の夕暮れ───。
かつて大魔法使いのメレブと旅をした大魔族のソリテールは魔法使いのフリーレン達と暫く行動を一緒にするようだ。
「ソリテールおばあちゃん!」
「なあに?グリーゼルちゃん」
ソリテールはグリーゼルのおばあちゃん呼びに怒ったりすることなく優しく受け入れている。のちにゼーリエもグリーゼルにおばあちゃんと呼ばれるが、彼女も普通に受け入れる。
「私にも魔法を教えて!」
「まあ。メレブさんの魔法に興味があるのね」
にこにこと嬉しそうにソリテールは微笑み。ゆっくりとメレブの使っていた魔法の杖をシュタルクに向けて構えると「スイーツ」と唱えて魔法を使った。
「ジャンボベリーパフェが食べたい…!」
「えっ。いきなりですね」
「私もハイターに使ったけど。シュタルクより半狂乱して取り押さえるのに苦労したな。ちなみに効果は甘いものを食べると消えるよ」
「どうぞ。シュタルク様」
「あ、うん。ありがとう」
フリーレンの説明を聞きつつフェルンは甘いものを求めてアンデッドのようにさ迷う彼にスッとクッキーを差し出した瞬間、シュタルクはパクリと彼女の持つクッキーに噛みついた。
ようやく自分のしたことに気づいたシュタルクはピシッと固まり、フェルンはどこか恥ずかしそうに自分の持っているクッキーとシュタルクを見比べて、うろうろと視線を動かす。
「まあ。すてきね」
「ふーん。やるね」
ソリテールとフリーレンの長寿組は甘酸っぱい雰囲気になってしまったふたりを冷やかし。ミーネは「貴女にはまだ早いんじゃないかしら?」と言ってグリーゼルの両目を隠している。
「ところで。フリーレンさん」
「なに」
「彼は闘気を使えるの?」
「さあ。どうだろう」
とても素敵な雰囲気に包まれているふたりを見ていたはずのソリテールだったが。なんとなく頭の中に過った疑問をそのままフリーレンにぶつける。
「シュタルク。ちょっといい?」
「お、おう!」
「シュタルクって闘気は使えるよね」
「…………なにそれ?」
どうやらアイゼンは闘気の使い方を教える前にシュタルクと喧嘩別れしてしまったようだ。フリーレンは「どうしようか?」とソリテールに問う。
フリーレンもソリテールも前衛は出来るけど、本職は魔法使いだ。ミーネもフェルンも生粋の魔法使いであり、唯一グリーゼルだけが魔法剣士だ。
「よし。やってみましょうか!」
ギュッと小さな手で握り拳を作ったソリテールはシュタルクに向かって構える。やりなれていないのが丸分かりな構えだが、シュタルクもしっかりと拳を握りしめて彼女に向き合う。
「まずは全身の闘気を拳に集める」
キラキラと目映い光の闘気を放つソリテールにフリーレン以外のみんなは驚き、シュタルクだけは光の闘気に見覚えを感じた。
かつてアイゼンも使ったものだ。
「…なるほど。こうか」
そう呟くとシュタルクは構えを変える。
両の手を腰の近くに溜めると一気に全身に力を込めた瞬間、彼はソリテールよりも遥かに強大な光の闘気を放出した。
それを見たフェルンは「えっ。なにそれ知らない」と呟いた。それは百年近く前にフリーレンも彼女とおなじようにヒンメルに向かって呟いた。
〈ソリテール〉
光の闘気を宿す大魔族
わりと器用なので大抵の技術は身に付けているけれど。メレブの魔法を広めるために魔法の研鑽のみに人生を費やしている。
〈シュタルク〉
闘気を知った戦士
ソリテールの光の闘気を見ただけで理解し、すぐに使えるようになった。やっぱり化け物っぽいアイゼンの弟子もまた化け物かもしれない。
〈フェルン〉
純情な魔法使い
シュタルクに「あーん」しちゃったりして、ドキドキしていたら。いきなり光の闘気を放出するシュタルクにドン引きした。ハイターにそっくりである。