【本編完結】魔法使いフリーレンとくだらない魔法   作:SUN'S

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大魔法使いメレブと無名の大魔族 PART 21

とある日のお昼過ぎ────。

 

最強の戦士アイゼンの弟子であるシュタルクは目の前に立つリンゴ入りの籠を持った小さな魔族の女の子に困惑と恐怖を抱いていた。

 

昨日のアウラなんかより数十倍は格上だとシュタルクは戦士の本能で理解していた。事実、彼の目の前にいるのは魔族最強の戦士であり、全盛期のアイゼンと渡り合える実力者だ。

 

「怯えなくて良い。ここは街中だし」

 

「あ、ああ、そうだな」

 

彼女の言葉にシュタルクは頷く。

 

だが、シュタルクの彼女の動きを見つめる目には警戒と畏敬の念が入り雑じっていた。どれだけ研鑽を積めば辿り着けるのだろう。

 

「私はリーニエ。たぶん魔族最強の戦士」

 

「俺はシュタルク。ただの戦士だ」

 

「そう。じゃあね、シュタルク」

 

「…………」

 

そう言うと魔族の女の子リーニエはリンゴをひとつだけシュタルクに手渡すと歩いて、どこかに行ってしまう。その歩き方は並大抵の鍛練では身に付けることの出来ない洗練された美しさがあった。

 

「シュタルク様、年下が好きなんですか?」

 

「えっ。うおぉあ!?」

 

ずいっと隣に出てきたフェルンに驚き、シュタルクは大袈裟に飛び退く。その行動にちょっとだけショックを受け、無表情ながらフェルンは落ち込んだ。

 

シュタルクとしては近づかれ過ぎてビックリしただけなのだが「どっちも恋愛未経験のひよこちゃんなので仕方ないだろう」と密かにふたりを見守っていたミーネとフリーレンは思った。

 

「ご、ごめん、傷つけるつもりはなかった」

 

「あ、手が…」

 

「えっ。いやだった?」

 

「……そういうわけじゃないです」

 

なんとなくフェルンが傷ついていることを察したシュタルクはわちゃわちゃとしながら彼女に謝り、ギュッと彼女の両手を掴んだ。

 

その行為にさっきまで落ち込んでいたとは思えないほどご機嫌になっているフェルンに「チョロすぎるよ、フェルン」とか「シュタルクも純情すぎるわね」と長寿組は言いつつ、ふたりのやり取りを微笑ましく見守る。

 

「……ところでさ。明日、暇だよな?」

 

「はい」

 

「俺とデートしないか?」

 

「…………えっ。あ、はい」

 

シュタルクの突然の申し込みにフェルンは困惑したまま頷いてしまった。フリーレンに相談すれば良いのだろうか。それともソリテールに聞けば良いのだろうか。はたまたミーネに教えてもらえば良いのだろうか。

 

そんなことを考えながらフェルンは少なからず好意を寄せている男の子との初めてのデートにドキドキしながら歩き出した。

 

「デート。デートかあ、ふふっ」

 

フェルンは自然と口許が綻び、笑顔になる。

 

 

 




〈シュタルク〉

やるときはやる戦士

リーニエと名乗った魔族の女の子の強さに畏敬を抱いているところをフェルンに見られたけど。もともと彼女を探していたので、とくに問題になることなくデートに誘えた。

〈フェルン〉

デートが楽しみな魔法使い

小さな魔族の女の子にデレデレするシュタルクにムッスーとしながら話しかけたらデートすることになった。ちょっとビックリしたけど。ものすごく嬉しくて表情筋が緩んだ。

〈リーニエ〉

魔族最強の戦士

アウラに仕える魔族の少女。実はアウラより強いし、彼女の魔法も効かない。とくにやりたいことはないので彼女の部下になっているだけ。

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