【本編完結】魔法使いフリーレンとくだらない魔法   作:SUN'S

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お使いじゃない

とある日のお昼過ぎ────。

 

大魔王の奥義を目指すちっちゃい魔族のリーニエはクラフトとアウラに頼まれた買い物をするため北側諸国の小規模都市に来ていた。

 

ソリテールに習った私は「綺麗に変わる魔法(   モシャス   )」でしっかりと角は隠し、のんびりとリーニエは街を歩き回っている。

 

そんな彼女の後ろを変装したアウラとソリテール、クラフトはこそこそとついていく。その姿は娘のお使いを心配して、こっそりと着いてきちゃったお母さんそのものである。

 

「ここは野菜を売ってる?」

 

「おう。取れ立て新鮮な野菜だぜ!」

 

「じゃあ。……このかっこいいやつ」

 

そう言うとリーニエはスッとドラゴンフルーツっぽい何かを鷲掴みにする。アウラは「そ、それじゃないんだけど。まあ、ちゃんと調理すればいいわね」とひとりで納得する。

 

「次はお肉屋さん」

 

その言葉に八百屋の店主は振り返った。

 

まあ、それもそうだろう。だってリーニエは明らかにお肉とは一緒に使えないドラゴンフルーツっぽい何かを購入しているのだ。

 

そんなことを知らないリーニエは順調にお使いを全うしていると思っている。ちなみにアウラはこっそりと料理に必要な野菜を購入した。

 

「お肉はこれ?」

 

そう言ってリーニエは加工されていない巨大な猪を鷲掴みにして、そのまま歩き出す。アウラの教えた通り、しっかりとお金は払っているけれど。

 

あの量は食べきれないとアウラは思う。

 

「だれ?」

 

リーニエはくるりと後ろに振り返る。

 

「まあいいや」

 

彼女の野生の本能、あるいは戦士としての勘による気配察知能力はクラフトのおかげで格段に上がっている。だが、やはり彼女は子供なのだ。

 

「お嬢ちゃん。すごい荷物だねえ」

 

「うん。すごい荷物」

 

「あたしも昔はよう運んだねえ」

 

「むかし?」

 

おばあちゃんと話しはじめてしまったリーニエを微笑ましく思いつつ、ソリテールは「無事に人間と共生できてるわね」と安堵する。

 

「ところで。それはなに?」

 

「これかい?これはねえ」

 

リーニエはお使いのことを忘れて。おばあちゃんとのお話に夢中になっている。それもまた可愛いとアウラは思い、クラフトも変な人に着いていかないだろうかと心配している。

 

「むう。やっぱり誰かいる」

 

「あらまあ。こわいねえ」

 

「…………そこ!」

 

リーニエは猪を頭上に放り投げるとアウラ達の隠れていた路地に突撃する。しかし、そこにアウラ達はいない。正確にはソリテールの魔法のおかげで見えなくなっているだけなのだが。

 

「お母さんの匂いがする」

 

そう呟くとリーニエは落ちてきた猪をキャッチして、またおばあちゃんのところに戻った。いつお使いの途中だったことを思い出すだろう。

 

 

 




〈リーニエ〉

完璧にお使いできた魔族

しっかりと頼まれていたものを買ってきたので褒めてもらえた。おばあちゃんともお茶友達になれたし、良いことばっかりだった。


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