【本編完結】魔法使いフリーレンとくだらない魔法 作:SUN'S
とある日の封印後────。
勇者ヒンメルとその仲間達は各々の無事と生還を祝って今日もお酒を飲んでいる時だった。ヒンメルは「クヴァールに使ったあの魔法はなんだったんだい?」とフリーレンに問いかける。
「あれは『服を生乾きにする魔法』だよ」
「それに、どの様な効果が?」
「ほんの一瞬だけ生乾きに不快感を感じて、服を脱ごうかと考える隙を作ることが出来る。クヴァールにも通じて良かったね」
そうフリーレンは楽しそうに話す。
ヒンメル達は「だからクヴァールの動きが鈍ったのか」と納得し、なんとも可哀想な事をしてしまったと思う。きっと彼は今も尚、自分の服の生乾きに悩まされているのだろう。
「けど。クヴァールの
「えぇ、驚きました。まさか本当に岩壁を打ち砕くのではなく、突き抜ける攻撃とは……」
「俺の斧も穴だらけだ」
「買い換えるの?」
そんなことを四人は話しながら運ばれてきた料理を頬張る。アイゼンに関しては、その身体のどこに蓄えているのかと聞きたくなるほど食べ続け、フリーレンも同じく「美味しいものは沢山食べておかないとね」と言って美味しそうに食べ続ける。
「そういえばフリーレン」
「なに?ハイター」
「いつも同じ魔導書を読んでいますが。他のメレブの魔導書はどうしたのですか?」
「ちゃんと読んでるよ?」
ふと疑問に思ったことをハイターが問うとフリーレンはメレブの魔導書を差し出す。三冊だった魔導書が、いつの間にか六冊になっていることにハイターは驚きつつ、鍵付きの魔導書に目をつける。
「……これは?」
「メレブの最強魔法を綴ったやつだよ。まだ読めてないけど。たぶん、どうしようもなくくだらない魔法なのは分かる」
「確かに分かるね」
「ああ、絶対にくだらんぞ」
「それは私も断言できます」
みんな揃って何度も頷いた。
フリーレンは魔法は好きだけれど。
こいつの魔法をずっと学び続けるのは正直に言ってしまえば億劫になるし。あまりにも冒険に役立つ魔法がないし。これを覚えるだけ無駄としか思えないのも事実だ。
「あっ」
フリーレンの服に「べちゃっ」とハイターが食べていた焼き肉のタレが飛び散った。フリーレンの真っ白な服に茶色い斑のような染みが出来上がり、彼女はジーーーッとその染みを見つめる。
「『
「うわああああああっ!?くさ、臭いッ!なんか天日干ししたのに乾ききっていないような、雨の日に部屋で干してる服の臭いがします!!」
「ハイター。早く謝って」
「いやでも、さっきのは不可抗力で」
「『
「ぐわああああっ!!!さらにっ、更に臭く!?」
フリーレン、乙女の怒り爆発である。
〈
くだらない魔法
自称・大魔法使いのメレブの作った魔法。ムカつく相手の服を生乾きにすることで不快感を与えて、その隙に攻撃するという狡猾な魔法となっているが。単純に不快感を与えるだけ。