【本編完結】魔法使いフリーレンとくだらない魔法 作:SUN'S
とある日の夕暮れ────。
元・七崩賢のアウラはグラナト伯爵領を離れて殲滅派の魔族と向かい合っていた。魔力量に関してはアウラのほうが絶対的に有利な状況であり、彼女もとくに危機感は感じていない。
「我らと共に来い。アウラよ」
「そのお誘いは断るわ。そもそも人類と魔族の戦争は終わったじゃない。いつまで、そうやって人を食らう化け物でいるつもりなの?」
「我らは死ぬまで化け物だ」
「そういうことじゃないんだけど」
どうしたものかとアウラは悩む。
リーニエやリュグナーはグラナト伯爵領にいるため増援は期待できない。しかし、アウラの魔法であれば目の前に立つ魔族なぞ烏合の衆に等しい。
ゆっくりとアウラは天秤を構える。
「『
そうアウラが呟いた瞬間、彼女の周りにいたすべての生き物が彼女の支配下になった。ソリテールとの交流を経て、アウラの魔法は格段に進化を遂げた。
元々『服従させる魔法』は魔力の総量を対象として、お互いの所有権を天秤に委ねるものだ。その魔法にアウラはソリテールの助言もあるけれど。
確かに『慈愛の心』を加えることに成功した。
つまり人間を愛すれば愛するほどアウラの魔法は絶対的な強さを誇り、どれだけ生き永らえようと殲滅派の魔族はアウラに勝つことは出来ない。
「さあ、これで貴方達はもう共生派になったわ。みんなで仲良く人間とケーキを食べましょう」
そう言ってアウラは微笑み。かつてソリテールにしてもらったように「誰もが笑い泣きする魔法」を魔族達に施していく。
一応、メレブの
「ところで。私を嗅ぎ回っているのは誰なの?」
「はっ。神技のレヴォルテ様です」
「…………ああ。あれね、四つ腕の」
やっぱり糖分不足でまともに頭が回っていないのだろうかとアウラは悩みつつ、面倒臭い魔族に付け狙われてしまったと溜め息を吐く。
神技のレヴォルテの事はアウラも知っている。
変幻自在の剣技を操る剣士の魔族であり、今どき珍しい正統派の決闘を好む変わり者の魔族だそうだ。だが、数十年前に敗北したというウワサも聞いた覚えがアウラにはある。
「まあ。レヴォルテの目当てはリーニエね」
だって、私より強いし。そうアウラは思いながらグラナト伯爵領の衛兵に新しくやって来た共生派の魔族について話をする。
〈アウラ〉
本気になれば強い大魔族
よく殲滅派の魔族に狙われるのが悩み。どちらにも属せず苦悩する魔族の相談を聞いたり、ソリテールのところを薦めたりなど真面目に共生派としてのお仕事をやっている。