蓮ノ空学院に過ごす青年の日録   作:好き好きクラブの開拓者

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お待たせしましたー


チャプター10

 

部室にて……

 

花帆「…………はぁ。」

 

梢「なにか、心配事?もうライブは明日よ。」

 

花帆「そーですね…。でも、あたしが出るわけじゃありませんし……。」

 

梢「だったら出てみる?」

 

花帆「え!?」

 

梢「うふふ。」

 

花帆「じょ、冗談ですよね……?」

 

梢「そうね。でも冗談かどうかは、あなた次第。」

 

花帆「それは……。」

 

梢「これまで、沢山手伝ってもらったわね。でもそうしてくれたのは、今までずっと、ただの親切だけ?」

 

花帆「そ、そうですよ!梢センパイが困っていたから、あだからあたしは、少しでもお役に立てたら、って!」

 

梢「本当に?」

 

花帆「えっ……。」

 

梢「本当にそれだけだった?」

 

下を向く花帆…何か迷っている…

 

花帆「………。」

 

梢「私はね。あなたの胸の内に、強い気持ちが眠っているように見えたわ。今にも飛び出したくてうずうずしている、そんな気持ちが。新しい世界を見せてあげる。あなたにそう言ったことは、間違いじゃなかった。だけど、私にできるのはここまで。ここから先はあなた自身が踏み出さなければ、始まらない物語なの。」

 

花帆「あたしは……。あたしは。」

 

花帆はこれまでの事を思い出す……。初めて見たスクールアイドルのステージ、花を咲きたい気持ち…しかし自分の気持ちと迷いがある中……そして周りからの言葉も……。

 

さやか(花帆さんは、スクールアイドルになったら、きっと楽しい毎日が待っているって思いませんか?)

 

快斗(蘭丸とスクールアイドルクラブの前ではもっとありのままの自分をさらけ出してもいいんじゃないですかね)

 

航(蘭丸の奴、お前のことめちゃくちゃ気にかけてたぞ。「出来る限り日野下さんのことをサポートしたい」ってオレたちに言ってたしさ。)

 

蘭丸(自分の気持ちは正直に!ファイトだよ!!)

 

滝谷くん、川上くん、クラスメイトの皆、さやかちゃん、朽木くん……あたしは………あたしは……。

 

花帆「…………。あの、梢センパイ。あたしの……友達の話!なんですけど。」

 

梢「ええ。」

 

花帆「実は、まだ学校を辞めたいと思ってて……。あたしはそれを止めたいのか止めたくないのか、よくわからないんです。その子は、新しい世界に飛び出したくて。それは、梢センパイに言ってもらったのとはちょっと違っているんですけど……。だけど、もしかしたらその子は、ただ逃げてるだけなんじゃないかって思ったりもするんです。楽しいことがしたかっただけなのに……。梢センパイの見せてくれた景色も、本当に眩しくて。その先があるなら、あたしは……。あたしは……。あたしは、どうしたらいいですか。梢センパイ……。」

 

梢「前にも、言ったわよね。私の家系はみんな音楽をしているって。父も母も、祖父も祖母も。」

 

花帆「はい。」

 

梢「だからね、最初、スクールアイドルをやりたいって言ったときには、ずいぶんと反対されちゃったの。」

 

花帆「えっ、そうなんですか?あんなにすごいのに!?」

 

梢「ありがとう。でも、今までたくさん習い事に通わせてもらったのに、私はその中からではなく、スクールアイドルを選んでしまった。あまつさえ、衣装作りのために指に傷を作って針仕事をしているなんて知られたら、もしかしたら卒倒しちゃうかも。」

 

花帆「それじゃあ、どうしたんですか。やっぱりセンパイも、親の反対を押し切って!?」

 

梢「いいえ。」

 

花帆「えっ……。」

 

梢「ちゃんと親と話し合ってね。自分のやりたいことを、正直に伝えたの。全部を理解してもらえたとは思わないけれど、でも、好きな気持ちはきっと伝わったはずだから。」

 

花帆「自分のやりたいことを正直に……。」

 

梢「もし親の反対を押し切ってスクールアイドルを続けていたら、それはきっとどこかで、親に反発するための活動になっていたから。それが本当に私のやりたかったことだとは、思えないの。」

 

花帆「―!??」

 

梢「だからね、スクールアイドル活動だって、立派な芸術。音楽なんだって。そう分かってもらえれば、いつかはきっと私を認めてくれるはずだから。それなら私は、好きなことをただひたむきに、続けていけばいい。」

 

梢「センパイは……センパイは、スクールアイドル、楽しいですか?」

 

梢「ええ、とっても。ねえ日野下さん。あなたのお友達が花咲くために必要なことって、本当はどんなことなのかしら。他の学校に移ること?それとも。」

 

花帆「……それは。」

 

花帆「…あの!!」

 

梢「わ。」

 

突然立ち上がる花帆にびっくりしながら立ち上がる梢

 

花帆「お話聞いてもらって、ありがとうございます!ただ、あの、もうちょっとだけ、待ってもらってもいいですか!?」

 

梢「え、ええ、それはもちろん。」

 

花帆「センパイのライブまでにぜんぶ、気持ちの整理をつけてきますから!だから、その、とにかく、がんばりますから!」

 

梢「ええ、わかった。待ってるわ。」

 

花帆「はい!それじゃあまた明日、おつかれさまでした!」

 

走りながら部室に出ていく花帆

 

 

さやか「あの、乙宗先輩。今、すごい勢いで花帆さんが出ていったんですけど、なにかあったんですか?」

 

梢「なにかが起こるのは、これから、かしらねぇ。」

 

さやか「?」

 

梢「でも、よかったわ。もしかしたら、無駄にならずに済むかもしれないから。」

 

さやか「先輩、これって……」

 

場面は変わり…。走る花帆

 

花帆「あたしが、ほんとはどうすればよかったのか…!あたし、花咲きたい。だけど、諦めてた。この学校じゃムリだって、ここは日の光も差し込まない日陰なんだって、勝手に思い込んでた。でも……ほんとは、違うのかも!梢センパイみたいにきれいに咲いてる人がいて……。だからきっと、どこにだってヒカリはあって。あたしがそれを、掴めるかどうかなんだ。星の光でも咲く花はあって、まっすぐに手を伸ばせば、きっと!」

 

止まる花帆

 

花帆「好きってその気持ちだけで、どこでだって花咲けるはずなんだ!光を、雨を、風を、待っているだけじゃない!あたしはあたしの力で、咲いてみせる!あたし、決めた。あたし……もう、逃げないから!」

 

花帆「やるぞー!!!!」

 

また走り出す花帆……走っていく途中にて……

 

蘭丸「はぁ……はぁ……あれ……日野下さん!?どうしたの!??」

 

花帆「あれ、朽木くん!? 朽木くん練習してたの?」

 

蘭丸「いや〜 落ち着かなくね。たまに夜で運動することもあるんだ……」

 

花帆「そうなんだね…。あっ、朽木くん!!」

 

至近距離に詰めてくる花帆

 

蘭丸「ん???」

 

花帆「あたし、もう迷わない、逃げないから大丈夫!!朽木くんがあたしにしてくれたように今度はあたしも!!もちろんみんなや朽木くんにも花咲いてみせるから!!」

 

蘭丸「その感じだと迷いと悩みが無くなったんだね!!」

 

花帆「うん!!だからあたしにはその……」

 

ガタッ……

 

ガタッ!!バキ……!!

 

蘭丸「(ん??法面の上の木が倒れてきそうなんですけど!???)日野下さん、危ない!!」

 

花帆「えっ?」

 

ドン!!

 

花帆の所に倒れてきた木を思いっきりダイナミックなシュートをかます蘭丸。木がバラバラになる威力だった。

 

花帆「ええ…!???」

 

蘭丸「大丈夫、日野下さん!??」

 

花帆「う、うん…//////」

 

蘭丸「怪我がなくて良かったぁ……。快斗くんにおすすめされた漫画のブルーロックのシュートの真似をしてみたけど意外といけた……」

 

花帆(真似しただけで、木が木っ端微塵になるの?…。朽木くんの身体能力すごいな…)

 

花帆「あっ、朽木くんは足、大丈夫!?」

 

蘭丸「うん、痛みも何もないから大丈夫だよ!被害もないし、粉々になった木を少し片付けてから僕は戻ろうかな!」

 

花帆「う、うん、あの……!あたし、頑張るから!!!!だから!!」

 

蘭丸「うん、待ってるよ!!」

 

また走り出す花帆

 

花帆「あたし、決めたのに……。なんか心がこんなにドキドキするの初めて//////」

 

次の日

 

えな「どうしたの、花帆ちゃん。こんなところに呼び出して。」

 

航「てか、なんで俺と快斗もなんだ?」

 

快斗「右に同じ。でもなんか覚悟を決めたのかな?」

 

びわこ「まさか、もう転校しちゃうから、きょうでお別れのご挨拶、ってこと!?」

 

しいな「そ、そうなの!?」

 

花帆「うん、実は…。これを、こうしてやるんだ!」

 

転入届を堂々と破る花帆、覚悟を決めた表情はキリッとしいてる

 

えな、びわこ、しいな、快斗「ええー!?!????」

 

航「おおお〜 そうきたか」

 

花帆「あたしね、学校やめるの、やめることにする!」

 

えな「どうして、花帆ちゃん!?」

 

びわこ「まさか、私たちとの別れを惜しんで!?」

 

快斗「自分が少し言い過ぎたせいでもあるのか…」

 

しいな「えええっ、そ、そんな……そりゃ、行かないでくれた方が嬉しいけど、でも、離れてても友達だから……!」

 

花帆「ありがとう!うん、でもそうじゃなくて!あ、ちょっとはそうだけど、でもほんとはそうじゃなくて!…ごめん!あのね、あたしね……今まで、ちょっと、かっこ悪かった。ぜんぶ蓮ノ空のせいにしてた。環境が悪いから仕方ないんだって、そう思い込んでた。でもね、まだまだあたしにも出来ることがあるんだって、分かったんだ。」

 

えな「でも……。」

 

びわこ「そんなこと言っても、この学校じゃ…」

 

しいな「他の学校に比べて、できることも限られちゃうし……」

 

航「たしかになぁ…」

 

花帆「できるよ!」

 

快斗(日野下氏のこの感じ誰かに似てる……)

 

えな「できるって……どうするつもりなの?」

 

花帆「あたしが、この学校を変えてみせる!あたしがもっともっと、この学校を楽しくしてみせるから!どんな都会にも負けないぐらい!」

 

クラスメイトたち「えええっ!???」

 

花帆「あたしな花咲いて……ううん、あたしだけじゃなくて!みんなで花開くの!そしたらもっと楽しくなるよ!あたし、この学校を、みんなの笑顔で満開にしてみせる! だからー。あたしに任せて!ぜったいに楽しませてみせるから!」

 

しいな、えな、びわこ「おおお!!」

 

快斗「ッ!???」

 

??(辛いこと、大変なこと、疲れたこともこのめぐちゃんが元気にしてあげる!だからめぐ党の諸君は無理しなくていいんだぞ〜〜)

 

快斗「日野下氏……なんかめぐちゃんみたいだなぁ……」

 

航「快斗??」

 

快斗「ううん、なんでもない」

 

時と場面は変わり放課後、ステージ裏にて

 

衣装を着た衣装の梢

 

蘭丸「わぁぁぁぁ、梢先輩……綺麗です!!」

 

梢「あ、ありがとう//////。それにしても日野さん、大丈夫かしら……」

 

蘭丸「梢先輩、大丈夫ですよ!」

 

梢「そうね!」

 

蘭丸「昨日、日野下さんを見かけたんですけど迷いも何もかもなかったですし、梢先輩も日野下さんと一緒にスクールアイドルやること楽しみにしてましたもんね!」

 

梢「そ、それは…もう//////……でも、ありがとう。日野下さんに気にかけたり、ステージと衣装作りの手伝ったり、綴理と村野さんの面倒を見たり、ほんと新人マネージャーさんは頼もしいわ」

 

蘭丸「僕のことをもっと頼ってもいいんですよ! あっ、走ってる音が聞こえてきました!!」

 

駆けつけた花帆

 

梢・蘭丸「日野下さん!!」

 

花帆「あたし、いっぱい考えて、それで。ほんとはどうしたかったのか、わかったんです。この学校を笑顔でいっぱいにしたい。あたしが楽しいだけじゃなくて……。この学校で同じように退屈を感じてる子たちを、楽しませたい。あたしが梢センパイに、そうしてもらったみたいに!」

 

梢「ええ」

 

花帆「だから、決めたんです。あたし、スクールアイドルやります!みんなを花咲かせるスクールアイドルに、なります!」

 

蘭丸(おおお、よかった……!)

 

梢「なんだか不思議ね。」

 

花帆「なにが、ですか?」

 

梢「不思議と、こうなる気がしていたの。あなたが私と一緒に、スクールアイドルをやってくれるような気が。ステージの上に立って、あなたを見た時から。いいえ、もしかしたら、あなたと初めて会ったときから、だったのかもしれないわ。」

 

梢「花帆さん、あなたを歓迎するわ。ようこそスクールアイドルクラブへ。」

 

花帆「梢センパイ!ありがとうございます。」

 

梢「そしてこれは、私からあなたへ、最初の贈り物。」

 

贈り物を開く蘭丸

 

花帆「わぁ……。」

 

梢「それじゃあ、いきましょう。あなたと私で、新しい世界へ。」

 

花帆「はい!みんなの笑顔を咲かせに!」

 

LIVEを披露する花帆、梢、それはまるで新しい世界を見つけたかようにキラキラしていてとても輝いてた

ステージ袖で見守る蘭丸

 

蘭丸「2人ともすごい///良かったね…日野下さん!」

 

LIVEを終え

 

えな「ライブ凄かった!花帆ちゃん!」

 

花帆「わ、わわわ!そ、そうかな?」

 

びわこ「うん!すっごくよかったよ!ドキドキしちゃった!!」

 

航「日野下、めちゃくちゃすげぇよ!!」

 

快斗「もう最高だったよ!!やっぱりスクールアイドルは最高だぁぁぁ!!」

 

花帆「えへへ嬉しい。」

 

しいな「ね、ね、サインちょうたいよ!サイン!!」

 

快斗「俺も俺も!!!」

 

花帆「えええー!!??」

 

梢「早速、応援してくれる人ができたのね、日野下さん。」

 

花帆「あはは、そうみたいです。でもこれからもっともっとがんばりますから。退屈なんて感じる暇がないくらい、夢中にしてみせるから!!あたしは、願えばどこだって花咲ける。今はまだ、ひょっこり芽が出たばかりの、ちっちゃなお花でも。まずはこれが、第一歩!みんなも一緒に、ここで花咲こうね!」

 

蘭丸(日野下さん、凄いな……心がトキメク……)

 

蘭丸「あっ、梢センパイ、僕はステージの片付けしてきますね!」

 

梢「え、大丈夫なの?1人に任せちゃうのは申し訳ないわ。」

 

航「蘭丸は休んでろよ。俺が代わりにやるからさ。」

 

蘭丸「でも、マネージャーの仕事だし…」

 

びわこ「朽木くんは休んでてもいいんだよ!」

 

しいな「そうだよ!日頃お世話になってるし」

 

えな「そうそう!」

 

快斗「蘭丸氏は日野下氏や乙宗先輩と話したり、褒めたりしな、ここは俺たちに任せろ」

 

蘭丸「皆……。ありがとう!」

 

ステージの片付けをしてくるクラスメイト

 

花帆「朽木くん、どうだった?あたしのステージ。」

 

蘭丸「うん、とっっっても綺麗だったよ!!心がときめいて無意識に笑顔になっちゃったそれくらい凄かった!!」

 

花帆「!!あ、ありがとう/////////」

 

顔真っ赤になりながら照れる花帆

 

梢(うふふ、良かったわね…日野下さん)

 

蘭丸「一緒に頑張ろうね、日野下さん!!ん?日野下さ……」

 

花帆「って…呼んで」

 

震える花帆

 

蘭丸「え??」

 

花帆「花帆って呼び捨てで呼んで!あたしも朽木くんのことを下の名前で呼ぶからさ!ダメかな?蘭丸くん?//////」

 

蘭丸「うん!いいよ!!これからもよろしくね、花帆!!」

 

花帆の手を掴む蘭丸

 

花帆「!????////、う、うん!!!」

 

満面な笑みの蘭丸、彼の笑顔で更にドキドキと顔が照れる花帆

 

梢(むぅぅぅぅ……私がなんか気まずいけど、羨ましいわ/////////)

 

梢「こ、コホン!マネージャー…いや蘭丸くん。これからの仕事は増えるかもしれないけど改めて一緒に頑張りましょ!」

 

蘭丸「はい!梢センパイ!!センパイのステージもとても綺麗でしたよ!!綺麗で可愛い笑顔も!!」

 

梢「も、もう//////(嬉しいわ//////)」

安心したかのように喜ぶ梢

 

蘭丸「2人とものステージ凄かった!!僕はスクールアイドルはそこまでプロではないけど2人の化学反応といいますか、何もかも凄いけどこれからもっと凄くなりそうな気がします!!2人ともの笑顔を守るために僕は背中を押したり見守ったりします!!よろしくお願いします!!」

 

 

蘭丸、梢、花帆の様子をずっと見てたクラスメイト

 

快斗「なぁ、えな氏……乙宗先輩と日野下氏って蘭丸氏の事を……」

 

えな「ええ、本人達は自覚ないけど私もそんな気がするわ」

 

びわこ「朽木くん、ぜったい気づいてないよね」

 

しいな「ええ、もしかして恋愛系は鈍感なのかしら?」

 

航「まあいいじゃねぇか。そんなことより片付けするぞ〜〜」

 

 

第1章~完~




第1章こと1話が終えました〜
紆余曲折なこともあり長くなりましたが、これからも続きますので気ままに待ってていただけると助かります……

年度末になんとか間に合えてよかった!!104期もどうなるか楽しみですね!! ps.2ndLIVE千葉公演2日目当選したのでめちゃくちゃ楽しみ!!
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