忌み子の僕を拾ってくれた魔女の師匠、ハレンチな修行ばかりしてくるけどおかげで最強になれました   作:青ヤギ

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Lesson⑬師匠のヌイグルミ

 

    * * *

 

 実技試験の後の面接試験はアッサリと終わった。

 ビスケさん曰く「人格に問題がなければ、あとは形式上のやり取りみたいもので済むの。実技試験でだいたい見たいものは見れるからね」とのことだ。

 そういうわけで僕もフィーユも無事にすべての試験を終えて、冒険者になることができた。

 

「これから同期としてよろしくね、ローくん!」

「ああ!」

 

 フィーユとは笑顔で別れることができ、お互いに再会を楽しみにした。

 

「ローエンス、ギルド試験合格おめでとう!」

「おめでとうです! さすがはローエンス様です!」

 

 無事に冒険者になれたことで師匠とキャディがご馳走を用意してお祝いをしてくれた。

 

「まあ、ローエンスだったら確実に合格すると思ってたから、私は何も心配してなかったけどね」

「いや、でもひとりだけだったらどうなっていたかわかりません。キャディの補助やフィーユの殲滅力がなかったら、危うかったかもしれないです」

「そう。なら、その反省は次に活かしなさい。……ところでその一緒に合格したっていうフィーユってもちろん男よね? オス? XY染色体?」

「いえ、同い年の女の子ですよ?」

「キエエエエエエエ!! ほらね! 私の恐れていたことが起こってしまったわあああ!!!」

 

 師匠は急に奇声を上げて頭を抱えだした。

 

「こんなにも早く愛弟子に女の影が! 私には見える! 同期のよしみでローエンスとお近づきになって、一緒にクエストを受けてあ~んなことやこ~んなこと的なラキスケイベントが起こる未来が見える!」

「師匠! これが件の泥棒猫でございます! キャディの視覚共有でご確認ください!」

「キィィィ! 何よこの小娘! モンスターを魅了するフェロモン持ちとか、あざといわね! どこの官能小説のヒロインよ! ローエンスの性癖が歪んだらどうするの! おっぱいも無駄に大きく育っちゃって! ふんっ! でも目測によると所詮はFカップってところかしら! 貧乳ね! Gカップ以上になってから出直してらっしゃい!」

 

 キャディの視覚共有で実技試験の光景を見ているのだろう。

 師匠はどうもフィーユが気にくわない様子だ。

 まあ熟練者の師匠からすると、フィーユの未熟な部分が目立って見えてしまうのかもしれないが……。

 

「師匠、フィーユは確かにおっちょこちょいなところもありますけど、まっすぐな良い子ですよ? 僕には使えない高火力魔法も使えますし」

「っ!? ローエンス。あとで高火力魔法教えてあげるわ。その小娘の力が必要なくなるくらいに」

「何で僕とフィーユを遠ざけるようなことするんですか!? やめてくださいよ! せっかく初めてできた同年代のお友達なんですから!」

「向こうが同じことを思ってるとは限らないでしょ?」

「どうしてそんな心にグサリと来るようなことおっしゃるんですか!? あと目のハイライト消さないでください! 怖いから!」

「私はただローエンスが心配なのよ! ついでにこのままじゃ私の出番が減りそうで危機感が募るのよ!」

「何の話ですか!?」

 

 もう師匠ってば、弟子の僕を心配してくれる気持ちは嬉しいけど、ちょっと過保護だよ。

 こうして冒険者になれたのだから少しは門出を祝ってほしい。

 

「いいことローエンス? ギルドのクエストはいつだって予定通りに行くわけじゃないわ。簡単な内容かと思いきや、突然強力なモンスターに出くわすイレギュラーな事態も起こりえるんだから」

「む」

 

 確かに師匠の言葉も一理ある。

 実際、簡単に思えた洞窟のスライム殲滅だって、予想外の事態で危うく全滅しまいかねなかった。あれが仮想空間でなく、現実だったら……。

 冒険者になることはできたけど、僕はまだスタート地点に立っただけだ。今後うまくいくかどうかは、僕次第なのだ。

 

「というわけで、不測の事態に備えてこんなものを用意してみたわ」

 

 そう言って師匠は何かを取り出す。

 

「師匠の、ヌイグルミ?」

 

 そう、それはデフォルメされた師匠のヌイグルミだった。

 

「これは『肩代わりの人形』よ。私と遠く離れていても、この人形に魔力を込めれば私と同じ魔法を使う自立人形として起動するようになっているわ。ただし、使えるのは一回きりだから気をつけなさい? どうしても自分じゃ手に負えない状況になったときに使うようにするのよ?」

 

 師匠と同じ魔法を使う人形!? すごい! 一回限りとはいえ、自分と同等の力を持つ分身ということか!

 そんな人形を作れるなんてやはり師匠は凄い!

 

「そういうわけだから、クエストをこなすときはこれを肌身離さず持ってなさい」

「ありがとうございます師匠!」

「できれば他の女に見せつけるように鞄のストラップとしてくくりつけなさい」

「それは恥ずかしいんでイヤです」

 

 師匠からヌイグルミを受け取る。

 よくできてるな~。師匠って裁縫も上手なんだ。

 デフォルメされているけど、ちゃんと師匠の面影を感じるデザインだし、なんだか愛らしさを覚えてくる。

 ちょんちょんとほっぺの部分を突いてみる。

 

「んっ♡」

「え?」

 

 師匠から何やら艶っぽいが上がる。

 

「どうかしましたか師匠?」

「な、何でもないわ♡」

「そうですか……」

 

 再びヌイグルミの観察に戻る。

 一見すると、ただのヌイグルミにしか見えないけれど師匠の肩代わりができるほどの性能を持つ代物なんだよな。

 いったいどんな術式が仕掛けられているんだろう?

 知的好奇心に駆られ、背中の部分をスーッと指でなぞってみる。

 

「ああっ♡」

「あれ?」

 

 またもや色っぽい声を上げながら体をビクビクとさせる師匠。

 普段からそうだけど、どうも様子が変だ。

 

「師匠、どこか具合が悪いんですか?」

「そ、そうね♡ ちょっと部屋で発散……じゃなくて休んでくるわ♡」

 

 と言って、荒い息を吐きながら師匠は自室に入っていった。

 

「なんか心配だな……キャディ、僕の代わりに様子見てあげてくれないか? 男の僕だと看病しにくい場合もあるし」

「了解です~。まあ心配するようなことはないと思いますけど……」

 

 師匠はキャディに任せ、リビングでひとりになる僕。

 することもないので、また人形の観察を始める。

 

「ふむふむ。なるほど。本人の髪を加えることで人形と同調するようになっているんだ。さすがは師匠。なんて複雑な術式だ」

 

 改めて師匠の技術に感心しながら、もっと細かくヌイグルミを調べる。

 頭を撫でたり、胸元の辺りを指でこすったり、お尻の部分をぺしぺしと叩いてみる。

 どこもかしこも複雑な術式が込めれていて非常に興味深い。

 僕は夢中になってヌイグルミを観察した。

 

 

    * * *

 

 

 一方その頃、クレアは自室で快感に悶えていた。

 

「あはあああん♡ ダメよローエンスぅぅぅ♡ ヌイグルミだからってそんなエッチなところばかり弄っちゃ……んほおおおおおお♡ 嘘♡ もっと♡ もっと弄ってえええん♡ 好きなところ触ってええええん♡♡♡」

「さすがは師匠! こっそりヌイグルミに感覚を共有する術式を組み込んで間接的にローエンス様にペッティングされる方法を思いつくとは! サキュバスとして憧れざるを得ない!」

 

 ベッドの上でビクンビクンと体を跳ねるクレアを見て、キャディは感動の涙を流した。

 愛する弟子と淫らなことをするためならば、どんな手段でも利用するクレアの性欲旺盛ぶり! 新米サキュバスとして、見習わないワケにはいかなかった!

 

「ああっ、使い魔のキャディには見えます! 無垢なローエンス様が何も知らずヌイグルミを弄くり回す様子が!」

「キャディ! なら実況してえええん♡♡♡」

「了解! ああっ! たったいま心臓のある部分をツンツンと突いてます!」

「おひぃぃぃん♡ そこは敏感にゃのおおおおお♡♡♡」

「まあ、位置的に師匠のお乳首を突いているわけですね! おっとおおお! 今度はスカートの中を覗きだした! まあローエンス様ったら! いくら人形だからって()()()()()()を指でこするだなんて! やっぱり男の子なんですね!」

「んひいぃぃぃぃい♡♡♡ ローエンスったらテクニシャアアアアアン♡♡♡」

「そして今日一番の嬌声が上がったああああ! エロい! エロすぎます師匠! アンタ本当に魔女なんですか!? どう見てもサキュバス以上にサキュバスだああああ!!!」

 

 かくして、ふたりの変態は大変白熱した。

 そして、とうとうクレアに限界が訪れた。

 スッと、ベッドから立ち上がり、衣服を脱ぎ出す。

 

「よし。犯そう」

 

 真顔で言った。

 

「もう無理。もう我慢できない。今夜こそ私、ヤル。ローエンスの童貞、貰う。他のメスに奪われる前に」

 

 片言で呟きながらクレアは全裸となる。

 めでたく冒険者となった愛弟子。今夜はさらに、めでたく大人の男にさせてあげよう。

 

「ヤルんですね師匠!? サポートはキャディにお任せを! サキュバスの力があれば媚薬いらずですぜ!」

「感謝するわキャディ。サキュバスとしてよく目に焼き付けておきなさい。愛し合う男女の激しい営みを」

 

 るんるんとスキップせん勢いで全裸姿のクレアはリビングに直行した。

 ……しかし、そこにローエンスの姿はなかった。

 テーブルの上に書き置きだけが置かれている。

 

『ちょっと用事を思い出したので転移魔法で出かけてきます。今夜中に戻るので心配しないでください』

 

 全裸のクレアは床に手をついて項垂れた。

 ちっくしょおおおおお! と叫びたい気分だった。

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