TS転生者だけど絶対に唱(うた)ったりしないんだから! 作:桜霧島
今更ながらXDをDLしました。ガチャ80連くらいしたけど何でアリアいないの…? 課金が足りないせいかな……?
初心者パックで出たSUPERNOVA∞BLINK奏さん(上限解放済)と80連で5枚出た群星393強すぎ問題。奏さんのこれ、槍2本持ちだし実質マヘーシュヴァラでは?(名推理)
「「ぶっ飛ばす!!」」
俺とクリスは同時に叫ぶ。俺はバーニアを噴かし地上付近の敵へ向かい、クリスは瞳を閉じフォニックゲインを集中させ始めた。
「アリアさん!?」
「クリスは臨界までフォニックゲインを高めた後、広域殲滅攻撃をしようとしている!」
「だが、チャージ中は無防備になってしまう!」
「……だから、私達がクリスちゃんを守ればいいってことですね!」
「そーゆーこと!」
(こいつら……頼んでもねぇことを。あたしも引き下がれねえじゃねーか)
(砕いて壊すも、束ねて繋ぐも力……これが、立花響のアームドギア……!)
いいねぇいいねぇ、若いって良いねぇ。みんな滾ってる!
俺……? もちろんよ!
空はもうクリスに任せる! やっぱ地に足を付けてこそ突撃の醍醐味よ!
槍の穂先にフォニックゲインを集め、地上付近の大小ノイズに向かって高速の突撃をかます。
「おぉぉぉぉりゃぁぁぁぁぁッ!」
「馬鹿アリア! 雪音から離れすぎるな!」
「馬鹿って言う方が馬鹿なんですぅ! そらぁッ!」
翼に言い返しながら反転し、空からクリスを襲おうとしているノイズに向かってヴァジュラを投擲する。こりゃ一人武器庫というより大道芸の範疇だな。ヴァジュラを手放した隙に右手からエネルギー波を敵集団に打ち込み牽制する。
響ちゃんも幾度かの実践を経て風鳴式マーシャルアーツ(仮称)を身につけてきているみたいだ。パンチとキックだけだが、安定して捌けるようになったことで戦場への視野も広がっている。
「アリアさん!」
「わかってる! クリスの射線上から離れろッ!」
フォニックゲインが高まるにつれ、クリスのシンフォギアが展開され、変形していく……かぁっくいい!
俺、前世ではイチイバルが一番好きだったんだよなぁ。こんな広域殲滅武器とかロマンだし、胸元がセクシーなのもそうだけど、何より足元にリボンの意匠があったりしてクリスの可愛さが際立つというか何と言うか、控えめに言って最ッッッ高。*1
俺が見惚れている間にもイチイバルはガトリングガンと腰部ミサイル射出器を展開、背部に大型ミサイルを左右に各2基、計4基を連装する射出器を形成する。
脚からはアンカーが射出され、ギア自体を地面に固定する形で射撃体勢を取る。
ミサイルポッドが敵集団内に達すると内蔵ミサイルが乱射される。ガトリングは弾幕となり空に広がる鳥型を撃ち減らしていく。うひょー、みるみる敵が溶けていくぜ。
大型ミサイルが発射され2体いる空母型にそれぞれ2発ずつが向かっていく。こりゃあオーバーキルだな。着弾すると響ちゃんや俺が仕留めた奴と同様に大爆発を起こす。
「やった……のか?」
「ったりめーだ!」
地上付近のノイズを殲滅した俺たちはクリスのところに向かう。
「クリスぅぅぅ! お前、最ッッッ高だよ!」
「やーったやったー♪ あはは♪」
「やめろっ! 何しやがるんだ、てめーら!」
俺と響は左右からクリスに抱きつく。赤くなったクリスもきゃわわ〜!
「えへへー♪ 勝てたのはクリスちゃんのお陰だよ!」
「やめろって! あたしはお前たちの仲間になったつもりはねえ! あたしはただ、フィーネと決着をつけて、やっと見つけた本当の夢を果たしたいだけだ!」
「夢……? クリスちゃんの夢? どんな夢なの、聞かせてよ〜♪」
「バカ! お前ほんとうのバカ!」
野良猫のように威嚇するも、
《prrrrrr.... 》
「響ちゃん、通信機が」
「はい、立花……」
『響! リディアンがノイズに襲われて……《プツッ》』
「おいッ! 一体何だってんだよ!」
未来ちゃんからのSOSだ。響はショックを受けたのか、茫然としている。
「
「……俺たちはまんまと陽動に引っ掛かったということだ。本命は―――」
「デュランダルかっ!?」
翼が正解にたどり着く。
「アリアッ!」
「ああ、すぐに行こう。―――ちなみに翼、バイクは?」
「……すまぬ、御釈迦にしてしまった」
「しゃあない、自力で行くしかねぇな」
やっぱそうだよねー。そうすると、この中で最速は俺かな。
「よし、俺は先行してリディアンの安全確保に努める。みんなは可及的速やかに追いついてきてくれ」
「しかし、単独行動は危険だ」
「なに、クリスに見せ場を奪われて不完全燃焼気味だったんだ。ちょうど良かったぜ」
「すぐに追いつく。生徒や二課のみんなを頼んだぞ」
「お任せ! でもみんながあんまり遅いと、俺だけで倒してしまうかもしれねえぞ?」
「ふっ。それならそれで構わぬとも。だが十分に気を付けるんだ」
安全に戦うのは俺の流儀だ。だが、フィーネが相手なら……どうなるかわからないな。
「クリス……頼みがある。俺たちと共にリディアンまで来てくれ。多分、フィーネがデュランダルを奪取するために来ているはずだ」
「言われるまでもねえ。あたしはアイツと決着を……!」
よし、翼とクリスは大丈夫だ。後は……
「響ちゃん!」
「えぁ……あっ……」
「大丈夫だ。こんな時だからこそ、落ち着いて、冷静に」
「はい……」
「『守りたいものを守るための力』、響ちゃんは持っているだろう?」
「……ッ! はいっ!」
「じゃ、そーゆーことで! 後で落ち合おう!」
俺はギアのバーニアを全開にして空へ飛び出した。
♪♫♬ ♪♫♬ ♪♫♬ ♪♫♬ ♪♫♬
さて、ここから先はクライマックスまでノンストップだ。
風鳴司令は上手く彼女を説得できただろうか……? いや、難しいだろうな。出来ていたらそもそもリディアンの混乱は直ぐに収めることが出来たはずだ。
幾度かの自走によるクールタイムを挟みながら、リディアンを目指す。
櫻井了子、フィーネ。彼女は俺の……良い表現が見つからないが、仲間であり、家族みたいなもんだと思ってる。
仲間というのは「二課の」という意味もあるが、俺がそういう奇妙な同族意識を持つのは、彼女が転生を繰り返していることも理由の一つだ。俺も一度だけだが転生を経験しており、本当なら色々と曝け出して「ああだこうだ」と議論したい気持ちはあった。
だがその曝け出した結果について俺は何も保障できない。一歩間違えればすぐさま命を落とすこの世界において、最悪の場合は世界自体が終わってしまう。既に俺というイレギュラーが存在している以上、更なるイレギュラーを抱えられる余裕は、少なくとも俺には無い。
でも……彼女はいつも見守ってくれていた。ママを亡くしてから、小学校の卒業式も、中等部の卒業式も。風鳴司令と共に、俺を見守ってくれていた。河原でギター片手に歌っている時も、駅前でゲリラライブして警察に追いかけられそうになった時も。「呆れた」みたいな顔をして、いつも。
―――家族、なんだ。
本当は言ってあげたい。貴女の愛は届いていたんだって。愚かなのはルル・アメルだけじゃない、アヌンナキもまた愚かだったんだって。全知全能でさえ、他者を理解することは難しかったんだって。
魂が健在なら転生するとは言え、本当に次にまた会えるかはわからない。原作では調ちゃんにフィーネの魂が宿ったが、この世界でもそうなるかは確証がない。さらに言えば、調ちゃんが原作通りF.I.S.にいて、日本に来て、フロンティア事変を経て、フィーネの魂を顕現させるのか。切歌ちゃんのアレを経てフィーネによる救済を調ちゃんが受けることが出来るのか、俺にはわからない。
さっきの話に戻るけど、いくら原作知識があると言ったって、俺という一つの異物によってどうなるかわからないんだ。
―――怖い。
でも俺は生きたい、この世界で。翼と、一緒に。
そこだけはブレちゃ駄目だ。
そう決意しながら一人、空を駆けた。
♪♫♬ ♪♫♬ ♪♫♬ ♪♫♬ ♪♫♬
30分ほどぶっ通しで飛んだ頃だろうか。ようやくリディアンが見えてきた。日もだいぶ傾いてきている。
踏ん張ってくれてありがとう、一課と自衛隊。遅くなってごめんね、とココロの中で念仏を唱える。散っていった彼らとだって、いつか星の煌めく彼方で会えるだろう。
「……まずは周囲のノイズを掃討する!
目測の感じ、強襲型*2、巨人型*3、あと小型中型が多数といったところ。昼間の二の轍を踏まないよう、まずは空と大きい所から撃ち減らしていく!
「どっっっせぇぇぇぇいッ! 全部もってけッ!」
空に展開する鳥型はファンネルが、強襲型と巨人型はヴァジュラとトリーシュラが撃ち抜いていく。昼間も小手調べなんかせずにこうやっておけばよかった……!
周囲を見ると、一般人の避難はほぼ完了しているようだ。この先、ノイズが相手なら彼らはお役御免だろう。
「一課と自衛隊、戦線を下げろッ! 援護する!」
「すまない!」「頼む……ッ!」
「謝意はいずれ形のあるものでお受けしますよ!」
回収したトリーシュラを構え、中小ノイズを掃討していく。彼らの退路は大型を殲滅したことで既に開けている。追撃をさせないように近い敵から順番に逃さぬよう、殲滅していく。
「おらおらおらおらおらッ! ここから先は一方通行だぜッ!」
景気よく叫ぶが、倒れないために必死だ。ここまでの強行軍とさっきの投擲で実は結構ヤバいところまで来ている。
フィーネとの連戦は正直勘弁してほしいところではあるが……クリスと同様、いや、それ以上に俺には彼女と
「だが、今は
大地への讃歌とともに、第三の眼から収束したエネルギー波を打ち出し地上付近のノイズを一掃する。
「ハァ、ハァ、ハァ……」
トリーシュラを支えにして一息入れようとするが上手く呼吸が出来ない。歌えない。
下を向いていると夕陽をバックに長い人影が地面に差した。
―――もちろん、ネフシュタンの鎧に身を包んだ彼女だ。
「あらぁアリア、随分とボロボロだし、それに遅かったじゃない」
「……なぁに、まだカ・ディンギルは動いてねえ。遅いことはねえさ。それより二課のみんなは無事なんだろうな?」
「さあ、運が良ければ無事なんじゃないかしら」
こんなに近くに寄っても通信は一切回復しない。きっと司令部は壊滅に近い状態なんだろう。
「……カ・ディンギルは撃たせねえ」
「気づいたのね、アレがここに在ると」
「まぁな、
「相変わらず聡い娘……。最後に一度だけ聞いておくわ。私と一緒に来なさい、アリア。統一された意思を以て、過去を超越し、未来をも超越するのよ」
「……進んだ相互理解ってのは、つまらない世界だと俺は思う。確かにアンタの言う通り愚かだよ、人間ってのは。だけど、そんなことは翼だって、クリスだって、あのクソ真っ直ぐな響ちゃんでさえ知っている」
「ならば、何故」
「『わかりたい』と手を伸ばすその行為こそが、その心こそが人間の本質であり美しさなんだ! それがわからないアンタじゃないだろう!?」
「その愚かさが、
「シンフォギアってのは! 想いを伝えるための道具なんだよ! ならそれを作ったアンタが、人を愛することを知るアンタが! 手を伸ばすことを諦めるなんて、やっていいことじゃねえ!」
「紛い物の装者が……
「紛い物でも! 異物でも! それでも、俺は此処にいるんだ!」
「ならば物言わぬ屍にして、二度とその生意気な口を開かぬようしてやろう、マヘーシュヴァラの装者よ!」
アンタを愛してるって伝えるために俺は戦うよ、りょーこさん!
「……推して参る!」
ヨミタカさん、瀬戸島燦八さん、妃宮 千早さん、dilfisさん、評価ありがとうございました。
原作ではスカイタワーのノイズを殲滅した時、十分に日は高い状態でした。一方、装者たちがリディアンに戻ったのは日暮れ過ぎ。明言はされていませんが、時期としては恐らく夏前(夏至前後)であろうことから、戻るまでに2時間は少なくとも掛かっているはず。
アリアがシャアよろしく他の子の3倍のスピードで戻れたとしたら、このエピソードも螺子込めるはず……!