TS転生者だけど絶対に唱(うた)ったりしないんだから!   作:桜霧島

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次に生まれ変わっても
キミのことを愛してる
ただ キミの歌を愛してる



はじまりの終わり

 

 

 

「今日もモルモット〜♪ 明日もモルモット〜♪ たぶん明後日もモルモット〜♪ 世の中どうせやってもダメなことばかり〜♪ どうせダメなら酒飲んで寝よか〜♪」

「何だその歌は」

 

 ヒェッ!? つ、翼さんじゃないっスか。へへへ、ご機嫌麗しゅう。靴でもお舐めしましょうか……?

 

 誰も居ないと思ったからご機嫌にお風呂で自作の適当な歌を歌ってたというのに……

 

 なお、二人ともタオルを巻いただけの状態だ。ふふん、何とは言わないが俺の勝ちだな。

 

 湯船に入り会話をする。ちなみに俺は湯船に浸かる派だ。女の身体での入浴にもだいぶ慣れちまった。

 

「アハ……ドーモ=ツバササン……オヒサシブリデェス」

「なぜカタコトなんだ……」

 

 あのライブ事件以来の翼さんだ。やっぱ可愛い。

 取調べとか検査とか引越しとか研修とかで一週間強。ようやく解放されたと思ったら了子さん(フィーネ)のモルモット係(比喩無し)ばっかりで中々会う機会が無かったんだよな。

 

「ワタシ、宝泉アリアというネ!」

「む、外国の方だったか……」

 

 ん〜天然の翼さん可愛いぃッ! そして天然の奈々様VOICE!!

 

「いや、日本人だけど」

(からか)っているのか!」

「いやぁ良い反応するから、つい」

「……知ってると思うが、天羽々斬の装者、風鳴翼だ」

「改めまして、俺は宝泉アリア、13歳。リリアン女学院の1年に編入されたけど今のところあまり学校には行ってない。好きなものはご飯&歌。訳あってマヘーシュヴァラの装者になった美少女デス♡」

 

【挿絵表示】

 

 

 立花響の自己紹介を若干引用する。ごめんね、ビッキー!

 

「歳下だったのか……その胸で

「あ、あの時はごめんなさい! 初めてのせいか、やたら精神が昂ぶっちゃって煽るようなマネを……」

「いや、結果的にノイズを倒せたんだ。それに、これから一緒に戦うんだろう?」

「そういうことになりますかね。まあ、その辺は風鳴司令が何か考えてるでしょう」

「いい加減な奴だ……」

「先輩はもう上がりますか? 良かったら、先輩ともう少しお話がしたいのですが」

「ん、構わんぞ」

「じゃ、じゃあ着替えたら先輩のお部屋に伺いますね!」

「ああ」

 

 ざばん、と音を立て、翼さんが私より先に上がっていく。

 脚が長くてお尻が小さい……いや、俺だって負けていない!

 

 ん? だがちょっと待てよ……風鳴翼のお部屋って……汚部屋ってコト!?

 

 

 

♪♫♬ ♪♫♬ ♪♫♬ ♪♫♬ ♪♫♬

 

 

 

 

「片付けてもらってすまない……どうも苦手で」

 

 うん、知ってた。これあれでしょ、テレビのリモコンとかすぐ失くすタイプの人でしょ。

 

「まあ、これぐらい平気っスよ! そう言えば先輩、ご飯は食べましたか?」

「まだだが……」

「良ければ俺、部屋から少しばかり食材を持ってきたので何か作りましょうか!」

「良いのか?」

「あたぼーですよ!」

 

 間もなく夜の8時。あまり重いものは食べられないだろう。

 こんな時は俺特製『虚無お好み焼き』だ!

 

 作り方は簡単!

 ①スーパーで売ってる千切りキャベツ1袋と卵2個をボウルで混ぜる。

 ②混ぜたものに紅生姜(適量、無くてもいい)と刻みネギ、味の素2振りをぶち込み混ぜる

 ③フライパンに油を引いて熱し、豚バラ肉(少量)に塩コショウを振って軽く炒める

 ④その上に②を投入してよく焼く

 ⑤お好みでソースとマヨネーズと鰹節をかけて完成!

 

「カロリーが気になるならマヨはかけなくても大丈夫です。一応、カロリーハーフのものを持ってきましたが」

「美味しそう……! マヨネーズは少しだけ頂こうかな」

 

 この『虚無お好み焼き』の良いところは、圧倒的に洗い物が楽なのと、焼く時間が短くて済むことなのだ!

 多くの人は『お好み焼き粉』がないと作れないと思ってるだろうが、似たような味ならこれで十分。むしろ糖質カットな分、アイドルである風鳴翼にはオススメの一品だ!

 

 何故お好み焼きかって? そりゃあシンフォギアの世界なんだからそうするしかないでしょ。

 

「ま、素人の手抜き料理なんで味は期待しないでください。いつか、この街にあると聞く美味しいお好み焼き屋さんにも行ってみたいですね」

「そんなところがあるのか……。では、早速冷めないうちに頂くとしよう」

 

 小さな口でもぐもぐと食べる翼さん、控えめに言って最ッッ高なんすけど!

 アグネス●ジタル先生……ここにエデンは在りました……!

 

「それで、その……」

「アリア、って呼んでください!」

「……アリアは、何故ギア装者になったんだ?」

 

 あ、いきなりそれ聞いちゃう? だけど直球しか投げられないところに尊みを感じる。

 

「あの日、俺の育ての親みたいな人と一緒にツヴァイウィングのライブを観に行ってたんです」

 

 翼さんはあからさまに顔色を悪くし、夜食を食べる手を止めた。

 

「すっごくキラキラしてて、すっごくカッコよくて。翼さんも奏さんも。それで、ノイズが現れた時にその育ての親みたいな人は……俺を庇って死んじゃって……」

 

 あ、やべぇ。俺も気を抜けば泣きそう。

 

「俺自身もノイズに追い詰められて……でも、その時、奏さんの歌が私を救ってくれたんです」

「奏の、歌が……?」

「はい。あの生命を燃やし尽くすような、この世で1番美しくて、1番悲しくなる歌が」

「そうか、奏の『絶唱』が……」

 

 遠い目をして彼方を見つめる翼さん。その網膜には奏さんの生命が焼き付いているんだろう。

 実際、原作でも事あるたびに幻影と会話していた。風鳴翼にとって天羽奏は生きる指針であり、ある意味では家族だったのだ。

 

「このペンダント、見てください」

 

 俺は胸下から翼さんのとは少し異なる装者のペンダントを引っ張り出す。

 彼女の――あるいは他の娘達の――ペンダントは、櫻井了子らが聖遺物の欠片を加工したものだ。だが俺のペンダントはほぼ欠片そのものなのだ。

 

「私のとは色が少し違うな」

「これは俺のママが櫻井女史と一緒に発掘した聖遺物の欠片です。―――あの時、奏さんは生命を燃やし尽くした後だった。翼さんは戦えそうに無かった。誰かが戦わなけりゃ、俺も、翼さんも、あの女の子も死んでいたかもしれない」

「そう、だな……。その、アリアのお母様は?」

「これを発掘した時、ノイズに襲われて死んじゃいました」

「それは! すまない……!」

「いいんですよ。この戦う力は、ママが遺してくれた大事な……守るための力なんです」

「守るための、力……」

「はい! ……正直、寂しくはあります。なんてったって、身寄りがなくなっちゃいましたからね。親類友人もありません。でもこのギアがある限り、ママも、ダリアも、私の中で生き続けるんです」

 

 そう、俺は一人じゃない。大好きなママやダリアが見ていてくれるのだから。

 いつかまた、星の導く彼方で会えると信じてる。

 

「……アリアっ!」

「うぇぇっ!?」

 

 翼さん!? いきなり抱きつかれても! 俺、まだ心の準備が出来てないというか何と言うか……ほら、一応女の子同士だけど心は半分男というか……

 

「アリア、よく頑張ったな。君は強い娘だ……」

 

 胸に抱きかかえられ、頭を撫でられる。

 

「私にもっと力があれば、アリアの育ての親という人も救えたのかもしれない。奏も死ななくて済んだのかもしれない」

「……そんなことありません。それに、俺は弱い人間です」

「今は弱くても良い。一緒に強くなろう、アリア」

「翼さぁん……!」

「私たちは強くなって、守りたいものを守れる人間になるんだ」

 

 これが……SAKIMORI(防人)たる風鳴翼の暖かさ……

 

「翼さん……」

「何だ?」

「俺と、友達になってくれませんか?」

「もちろんだとも」

「ふふ、言いましたね? 俺はもう離しませんよ?」

「私だって離してやるものか」

 

 その後食べた残りのお好み焼きモドキはすっかり冷めてたけど、ここに来て食べたもののなかで一番温かかった気がした。

 

 

 

 

♪♫♬ ♪♫♬ ♪♫♬ ♪♫♬ ♪♫♬

 

 

 

 

「―――お姉様、()()をやるわ」

「お姉様、ですか? アレとは……?」

「そこは『ええ、良くってよ』って言ってくれればそれでいいんですよ、緒川さん!」

「アリアさんは一体何を言っているんでしょうか……」

「近隣住民の退避は!?」

「……完了しています!」

「了解!」

 

 眼下にはノイズの群れ。

 此処は日本某所、ノイズ発生の報を受けた俺は緒川さんの操縦するヘリの上から目標を補足。

 翼さんは学業優先のため待機。俺がやるしか無い!

 

「行きます! 緒川さんは目標殲滅まで離脱!」

「了解!」

 

 ヘリの扉を開け、空へ飛び出す。

 

 

 

 

Prajatroi Mahesvara tron...

 

 

 

 

「スーパー! イナズマ! キィィィィック!」

 

 位置エネルギーを最大限に活かし、敵の直上から奇襲! 半径30メートルほどのノイズは殲滅出来たようだ。

 

「とうっ!」

 

 高台に飛び移り、ガイナ立ちで周囲の状況を確認する。さしづめ宇宙怪獣の群れに突撃するガン●スターの心境だ。

 

「特訓の成果、見せてやる! トリシューラ!」

 

 腰のハッチから三叉の槍を取り出して構えると、地面に向かって再度跳躍する。

 

「うおぉぉぉぉぉぉ!!」

 

 ふくらはぎと踵のブースターが開き、地面を滑るように移動。構えた槍は突き出すだけじゃない、薙ぎ払うことも出来るんだ!

 

「ハッ! セィヤッ!」

 

 何十体かのノイズを葬ったが、攻撃されたノイズ達が槍状に形を変え、こちらに高速で向かってくる!

 

「ヤァァァァァァッ!」

 

 トリシューラを回転させて受ける!

 ……チッ、市街地だと遮蔽物が多くて機動力を活かせない。何か良い方法は―――あった。

 大通りは……こっちだ!

 

「大人しくついてこい!」

 

 人型ノイズ達を押し出すように路地から大通りに移動していく。ここなら……!

 

「ファンネル! 空の鬱陶しい鳥型を撃ち落とせ!」

 

 トリシューラをしまい、全身を集中させ、体中のエネルギー……フォニックゲインを両手の甲、黒珠と白珠に集める。

 特訓の最中、ここからエネルギー波が撃てることに気づいたんだけど、溜めることでプラズマ化した爆発的なエネルギーをぶつけることが出来るんだ!

 拳を打ち合わせ、両腕を敵集団に向けるッ!

 

「こいつで決めるッ! いっけぇぇぇぇッ!!」

 

 

 

Thunder Indra

 

 

 

♪♫♬ ♪♫♬ ♪♫♬ ♪♫♬ ♪♫♬

 

 

 

 新たなるシンフォギア装者、か……。

 

 三号聖遺物、ガングニールと装者・天羽奏の損失の影響は少なくない。だが一号と二号、天羽々斬とイチイバルは私の手元にある。

 適合者の問題もあり、F.I.Sに流したデータはまだ使用に耐えうる段階ではない。

 そういう事情を鑑みれば、今の状態は悪くはないといったところ。

 

 カ・ディンギルの塔の完成までは今少しの時間を要する。その間に完全聖遺物たるデュランダルを制御する方法を確立しなければならない。

 もしデュランダルが制御出来ないとなれば、マヘーシュヴァラ、宝泉アリアを利用することは代替として可能だろうか。

 

 私の見立てでは、宝泉アリアは装者としての適合は高くなかったはずだ。だが、現状マヘーシュヴァラの力を安定的に引き出せているし、適合率、装者の技量共にまだ改善の余地がある。そして何より『絶唱』を使った力は未知数だ。

 恐らく、長年アリアが欠片に溜めてきたフォニックゲインが、あのライブ会場の高まったそれと反応し、装者として覚醒したのだと思う。

 

 気に入らない……。神の名を冠するシンフォギアなど存在してはならない。少なくとも()()()()()()()()()()()()()()。バビロニアの宝物庫にでもあったというのだろうか。

 当時から天才考古学者であった、櫻井了子の研究室の先輩である宝泉カノン。彼女の死に()()()()()()()()()

 恐らくだが彼女は触れてはならぬものに触れようとしてしまったのだ。かつての私のように。その結果、彼女は命を落とし、私は愛する人を失った。

 

 マヘーシュヴァラ……ヒンドゥー神、司るものは『再生と破壊』。三千世界の主。

 

 造物主様の世界を壊すモノであるのなら―――私は神殺しにだってなろう。

 

 

「フィーネ」

「どうしたんだい、クリス?」

「あたしに手伝うことはあるか」

 

 

「今は大丈夫よ―――今は」

 

 






構想してたのはとりあえずここまで!

もし少しでもいいなと思っていただけたらお気に入り登録などしていただいてお待ちくだされば、とっっても嬉しいでござあす!

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