処理屋   作:無NO神

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お久しぶりです
最近現実が少々忙しくて投稿が遅れてしまいました
すいません
今回出てきたオリキャラの制作者様は
〈黒崎 好太郎〉さんです
それでは4話どうぞ


未来の宝

夏芽が目を覚ますといつもと変わらない風景の部屋だった

街は朝日がようやく上がったようで綺麗だった

(少し早く起きすぎたな)と思いつつも2度寝なんかしたら遅刻する

「準備しなきゃな」

特別なにかを欲してる訳ではない。依頼がないなら万々歳だ

まあ。そんな事は決してないが

そんな当たり前の事を考えながら台所へ向かった

まだたっぷり時間があるんだ。今日は何か外食でもしよう

支度を済ませて顔を洗えば眠気は完全に消えさった

ドアを開けて涼しい街を歩いていく

目的地は既に決まっている

周辺まで来るといい香りが漂ってきた

「久々に来たな」

夏芽は行きつけのパン屋の扉を開けた

「いらっしゃい…って夏芽じゃないか!」

店員の男が近づいてくる

そして少し痛いくらい背中をバンバン叩いてくる

「元気にしてたか?俺はもう心配でな」「元気なようで良かったですよ」

なんとなく返事を返していると

「全く。朝から騒がしいヤツだね。お前は」と言い店主が出てきた

「ガハハ!そりゃ顔を見せてくれたら嬉しいだろ」

本当に豪快な男だな。本当にパン屋とは思えないくらいの声量だ

だが、この豪快男の焼いた食パンが絶品なのだから不思議だ

「知ってると思うけど、いつもの」決まった物を頼んだ

メロンパンと食パン。そしてフルーツ牛乳

夏芽は『いつもの』を飲食コーナーに運んでいく

「やっぱ美味しいよな」サクサクなメロンパンを頬張ってつくづく実感する

 

1人で食べていると何やら面白い男が止まる

「さてと。今日も頑張るじゃん」

じゃん?え?じゃん?

独特な奴が来たな。と期待を膨らましていると

何やら道具を出していた

(なるほど。パフォーマーだな)

折角なので見てみる事にすると

トランプが出たり消えたり増えたり移動したり、とにかく最高だった

夏芽は男に拍手を送る

「良いね最高だったよ!」

夏芽に気付いた男は「まさか練習に観客が居るなんて、嬉しいじゃん」

と素直に喜んでいた

夏芽はパフォーマーに近づいて話をする

「やぁ。僕は夏芽。普通の掃除屋さんとでも覚えてくれ」

処理屋の事は話さなかった。一般人に殺しの世界など教えたくないからだ

「オレは栗真 翔。この街の子供達を全員笑顔にしたくて活動してるんじゃん」

根っからの善人か。まだ生きていたとは

夏芽は1つの疑問を問う

「翔さんくらいの実力者だったらテレビとか出たら大儲けだと思うよ?」

その質問を翔は当たり前のように簡単そうに答えた

「確かにお金は大切だと思うけど、若者の笑顔は何物にも勝る宝物じゃんよ」

負けた。絶対に負けた。なんか志とか思念とか生き様とか全部負けた

口先だけで夢を語るのは簡単だ。だが、この男なら全員が笑う世界を作れるかも

夏芽は気持ちのチップを翔に投げると、しっかりキャッチした

「朝から楽しいショーをありがと」「滅茶苦茶に嬉しいじゃん!」

喜んでくれたようで大変良かった

 

店を出ようとすると店主に相談をうけた

「少し良いかい?」「分かった」

店主は奥の部屋に案内してくれた。夏芽がこの店に来る理由は2つだ

パンが美味しいのと、この店の本来の姿は情報屋だからだ

夏芽は椅子に腰かける

「それで?何があったのさ?」「子供を売買してるバカ共を駆除して欲しくてね」

店主は様々な資料を提出してくれた

昔の時代ならこの資料を警察に持ち込めば一発でアウトに出来るほど完璧に調査されている

「主犯の野郎は最近入ってきたばかりの新米なんだが、金持ちってだけで手下が集まったそうだ」

確かに金さえあればバカ共はハイハイ着いてくるだろう

夏芽は首を縦に振った

「良いよ。見返しは朝のパン無料券ね?」と頼むと

「だと思ったよ。何枚持てば気が済むんだい」と呆れながらも渡してくれる

夏芽は一応職場へ向かった

 

店についても店長は何処にも居なかった

まあ、当たり前か

夏芽が遅すぎるだけで店長も遅く出勤するのだ

一般的な出社をすると誰も居ないに決まってる

夏芽はいつものお礼で店長の大好きなコーヒーと近くのコンビニで買ったクッキーでも置いといてやろう

自分の分のココアを作り上げた後に店長分を作った

コーヒーを注いでいると

「おっと。今日は早起きさんだね」と店長の声が

「そうですね。早く起きたもので」と注ぎ終えたコーヒーを置くと

「本当に夏芽くんを誘ってよかったよ~」と嬉しそうな店長

(あんまり言わないけど、店長も普通に美人だよな)

と思いつつ「さてと、ゆっくりしますかね」と席に座った

いつもより早く2人は優雅な時間を過ごした

最近の事情とか金欠だとか好みのタイプとか些細な事をベラベラと話しまくった

「そろそろ良い時間になったね」と夏芽は席をたつ

「おや?何か予定でも?」と質問されたので

「ああ、依頼を受けてるんだよ」と依頼が書いてる紙を見せびらかす

「成程ね。気を付けてね」店長は少し真面目トーンで話してきた

こんな声を出すのは少しズルだろ

「わかりやしたよ」夏芽は現場に向かった

 

敵のアジトは豪邸だった。裏でも存在感を放ちたいのだろう

「クソみたいな事してるのに職場は随分豪華だね」ため息を吐く

まあ、真正面に行くのはバカだよな

裏口を探していると何やら壁に刺さるものがあった

「コレは…トランプ?」

いや、意味が分からん

何故刺さってるのか。そもそも普通のトランプが刺さるとか意味が分からんぞ?

どんなテク使ったら刺さるんだよ

キュウリや柔らかい物じゃないんだぞ?壁だぞ?

(今回も一筋縄ではいかなそうだね)

すると「助けてくれ!」と声が聞こえた

(まさか人質が居るタイプか。これは急がないと!)

少し無茶をするしかないか

夏芽はナイフを握って、能力を発動する

ゆっくりと正確に近くの窓を斬る

窓が落ちて音が鳴る前に目的地まで走る!

走っていると少し違和感があった

(あれ?手下共は?)

さっきから人に会わないのだ。人質をとってるのだ

護衛やら見張りやらが居なきゃ簡単に侵入できてしまう

新人とはいえ、これは初歩的な事だ

散々大金を払って下っ端を雇ったのに何もさせないなど呆れを通り越して悲しくなる

なんて、思っていたが答えが見えてくる

夏芽は能力を解除して止まった

一気に眩暈が襲ったので必死に我慢する

「なるほど。そりゃ来ないわ」

手下は床に転がっていた。既に殲滅されていたのだ

それもトランプで

刺さってるトランプを一枚引き抜いたが、何の変哲もないトランプだった

すると敵と思われる男が「助けてくれ!」とドアから飛び出た

男は夏芽を見ると「助けてくれ!頼む!頼むから!」と這いつくばって懇願してきた

夏芽は男の顔面を蹴り上げた

「いや、お前が懇願してるの敵なんですけど」

まあ、要するに何者かが暴れてる訳だ

夏芽は敵が出てきた扉を開けた

 

トランプが夏芽を襲った

「あっぶねぇ!」夏芽はトランプを斬る

今度はカーブしながら左右に飛んでくるので両方とも斬る

様々な角度から的確に狙ってくる

夏芽は防戦一方でしかなかった

いや、咄嗟な反応だったから気にならなかったが、手裏剣みたいにトランプを投げるな!

隙をついて一気に走り出した

人影が1つ(コイツを狙う!)

すると後ろからトランプが飛んできた

流石に捌けない。少し掠ってでも!

トランプが頬を掠ったが、仕方ない

…と思っていたが、甘い考えが裏目に出てしまった

(手先が痺れる。これは麻痺系の毒か!)

トランプの柄は『J』

今までの投擲は布石に過ぎなかったのだ

夏芽はその場に蹲った

すると物陰の男は楽しそうに語った

「ただのトランプ。でもオレが投げれば……この通りイチコロじゃん」

僕はこの喋り方の人間を知っている

「アンタは…翔さん!」「なんでオレの名前を知っている…って夏芽くんじゃん」

夏芽は痺れながらも壁に寄りかかりながら立ち上がった

「なんで翔さんみたいな善人がこんなカスの溜まり場に?」

翔は少し驚いていた

「それはこっちのセリフじゃん。掃除屋はどうした…そうゆう事」

気付いたそうだな。良い事だ…って痺れてるのは悪い事だけど

「翔さんもこの業界の者なんだね」と質問すると

「本業はパフォーマーじゃん。こんなの唯の副業に決まってるじゃんよ」と当たり前な感じだ

…命のやり取りをする仕事を副業にしてるなんて頭飛んでる人なのかな?

「それより、夏芽くんがクソみたいなヤツの仲間をするなんて、悲しいじゃんよ」

翔は悲しそうにも怒ってるように思える声でトランプを構えた

「ちょっとタンマ!全然違うから!」夏芽は必死に止める

「それじゃ、どうゆう事じゃんよ?」

夏芽は翔に必死に説明した

話を聞いた翔は「そうだったのか。悪かったじゃん」と謝った

「いや、素晴らしいテクニックだったよ。長年やってきたけど不意を突かれたのは久しぶりだよ」

「手品師が不意の一撃を放つのは当たり前じゃんよ」と何やら薬をくれた

「これ使ったら痺れを治す事が出来るから、使うじゃん」と渡された物を「ありがと」夏芽は使った

「何分くらいで効き始めるの?」「まあ、1時間程度じゃんよ」

なるほどね。1時間も待ってられるか。能力を発動した

薬の効き目を何倍も高速化させる。

5分も経たない内に動けるようになった

「おお!これ凄いね!ありがと翔さん」「え?そんな早く効き目は出ないハズじゃんよ」

一応説明すると「能力者か。初めて見るじゃん!」と興奮気味だった

夏芽は立ち上がって提案する

「僕達の狙いも思いも一緒のはずです。一時共闘しませんか?」翔は夏芽の手を強く握った

「当たり前じゃん!それにオレのトランプを綺麗に斬った人なんか初めてだったじゃんね」

成程。あちらも僕の事をバケモノだと思ってるらしい

2人は目的地まで走り出した

 

「翔さんは何でこの業界に?」夏芽はさっきまでの疑問を聞いた

「子供の笑顔を守るためって言ったらカッコつけになるじゃんね。でも、そんな単純な理由で動ける」

度肝を抜かれた。「それだけで命を賭けれるのか?」

「俺が望んでるのは皆の笑顔。笑顔の為なら怖い物ないじゃん」

驚いた。パフォーマの意志と思っていたが、この『守りたい』は栗真 翔の生き様なのだから

圧倒的な善人なのだ。コイツやはり勝てない

翔の覚悟を聞いたところで目的地に着いた

「じゃあ、入るじゃんよ?」「うん。上等!」

扉を開けた

「コレは…すごいな」言葉を失った

夏芽より幼い子供達が奴隷のように…いや、人扱いはされてない

まるで消耗品。背中には焼印がくっきり残っており、傷だらけ

生気などない。物を運び、殺され、環境も劣悪

少し奥には刃物を持った子供が殺し合っていた

それを大人達が賭け事に使う

「もっと行け!」「そこだ!殺せ!」

まるでコロッセオ

すると隣から歪な殺気を感じた

 

「殺す」

翔は怒りを露わにしていた。隠すこともない

単純な『殺す』

夏芽でも言葉だけで震え上がる

唖然とするしかない

(今隣に居るのは誰だ?)

脳内では分かっている。だが細胞が拒否しているのだ

(隣の男は栗真翔ではない。地獄の閻魔だ)と囁く

冷汗が止まらない。喉が渇く

不意にナイフを握る手が強くなる

怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い

いや、怖がっても何も変わらないのは重々承知している

実際、動けなくて無駄死にした奴なんて幾万と見て来た

だからこそ、怖かった

怖がっている自分の愚かしさが怖い

一つ深呼吸をした。頭をクリーンにする

すると恐怖が薄れて活路を見いだせる気がした

「行くぞ。夏芽くん」「当たり前だ。『徹底的に』だろ?」

2人は目的地まで走った

 

今の俺は何も関係ない。無害だろうと武装してなかろうと殺す

翔はトランプを投げて次々と敵を抹殺していく

そこに入る隙はない

そこに優しさはない

そこに感情などない

そこに絶望しかない

そこにはパーフォーマーの栗真翔は居ない

居るのは残酷な殺し屋が1人

「もうお前らの生きてる意味なんかないじゃん」

淡々と物を整理するが如く殺していく

屍を築くだけの仕事

ドッキリ?パフォーマンス?そんなものは彼にはない

善には徹底的に善を

悪には徹底的に悪を

救えぬゴミには終幕を

彼の凄いところは善の者には見えない角度で投げているところだ

子供たちに返り血などは見せない

淡々と倒れていくゲス

カードの柄は『K』

我が思想の邪魔となる悪を殺す毒

致死性の毒が血管を流れて死ぬ

翔は非道な殺し屋であった

 

「いや、さっきまでの優しい彼は何処行ったんだよ」

夏芽は残党狩りをしながら呟く

いや、別人だよな~

これは推測でしかないが、彼の善は余りにも強すぎた結果狂ってるのだろう

「何よそ見してんだよ!」敵が攻撃を繰り出している

避けてから斬る。「大丈夫。よそ見しててもお前は弱いから」

実際にコイツは弱い

すると、こちらを睨みつける子供が居た

「もう大丈夫。助けにきたよ」

跪いて手を差し伸べる

子供は怖がっている。まあ、こんな不審者恐怖の対象ド真ん中だけど

「お兄さんなんで来たの?」泣きながら質問された

「助ける為だよ、ほら、おいで?」出来る限り優しく答えた

…つもりなんだけどな~ また睨まれちゃった

(重度のショタコンだから良いけど少し嫌だな~)

すると、子供が懐から銃を抜いた

「嘘つき!お兄さんは僕の事を殺しに来たんだろ」

なるほどね。クソみたいに刷り込んでやがる

本当は絶対に持ってたいけど、致し方ない

夏芽はナイフを投げ捨て。降参のジェスチャーをとる

「これで丸腰だ。殺意なんか無いだろ?」

…手が震えている。多分怖いんだろう

銃を撃つことが・人を殺す事が・裏切る事が

全部が怖いんだろう。当たり前だ

彼らは一般的な感情を持ち、一般的な育て方をされるべき純粋な生物だ

自分の意志じゃない殺しの罪は重い

「撃たないと。撃たないと。皆の為に」

こんな純粋な子に何を持たせて命じてんだ

すると後ろに男が居た

「早く撃ち殺せよ!クソガキが!今更いい子ちゃんぶってんじゃねぇ!」

それを聞いた瞬間、子供が引き金をひいた

「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい」

悲痛な叫びを絶え間なく放つ

彼は圧と罪で押し殺されそうだ

本当は逃げたかったのだろう

本当は泣きたかったのだろう

本当は助かりたいのだろう

それすらも後ろの男が押しつぶすのだろう

「いつもの調子は何処に行った!テメェは仲間を殺した社会のゴミだろ!」

手が震えて照準があってない。これじゃ当たらない

弾薬が空になったのだろう

カチャカチャと音が鳴る

「おい!さっさと次入れろ!殺すぞ!ゴミが!」

男の罵声はやまない

泣きながらリロードする彼に夏芽は優しく放った

「君の本当の気持ちを聞かせてよ」「え?」

一瞬行動が止まった

「何立ってんだ!目の前の男を殺せよ!お前はそれに快感を覚える馬鹿だろうが!」

男が何を言おうか知らないが、聞いてみる

「君は一生言いなりで良いのかい?」

「だって…無理だよ」

子供は純粋だ。助けにきた僕が死んで罰を受けるのが怖いのだろう

こんな優しい子供に銃を持たせやがって

「最後のチャンスだ。助けてほしいなら頼む。一生飼われたいなら弾をこめる。どっちだ!」

強く投げ掛ける。もう迷わないように

もう純粋で過ごせるように

「僕は…」

リロードが再開される

…そうか。分かったよ

コッキングされて銃を構えた

「ははは!やっぱり救えないゴミだな!良いぞ!そのまま殺せ!」

ゲスの笑いが聞こえる

子供は一つ息を吐いて

 

後ろの男に向けて射撃した

瞬間、能力を発動して一気にスピードアップ

男は突然の行動に驚いている

が、もうコイツの声が気色悪すぎて吐きそうだったんだ

声すら聴きたくない。そうだ!首を噛み切ろう!

そうすれば不協和音も止まる!

…何を思っていたんだ!怒りで我を忘れていた

殺しは厳禁だ

殺さないように四肢の骨を折った

何かを言いたげな男の口に銃口を突っ込む

モゴモゴ何言ってるかが、聞いても意味はない

「黙れゴミが。発言権はくれてやっただろ?時間切れだ」

殺せないなら殺気駄々洩れの声で告げるまで

全然足りないけど、幾分のマシではあるだろう

それでも黙らないので念のために顔面をぶん殴った

しまった。更にうるさくなってしまった

夏芽は近くの砂を男の口の中に敷き詰めていく

何か言いたげだが知らん。聞いて良い事など無い

「は~い。黙れよカス~ テメェの声とか聴いてられないから」

パンパンに砂を詰め込んで子供の場に行く

「お兄ちゃん!お兄ちゃん!」抱きついてくる彼を抱き返す

ああ、僕が役に立ったんだな。温かい。まだ生きているんだな

彼は自分の罪を認めているんだ。悔やんでいるんだ

この先辛い事ばかりだけど、頑張って欲しい

だって、彼の身体は温かく生きてる

「お兄ちゃん。ありがとね」彼が笑った

やはり僕は善人ではない

唯の殺人衝動が酷い殺し屋だ

でも、弱者の手を掴んだこの瞬間は絶対に忘れてやらない

ピッピッピッピッピッピッピッピッピッ

…なんだろう。この音

凄く近くで鳴ってる

そうだすごく近く

僕の目の前で

とても大きく

うるさく

嫌に

ずっと

鳴ってる

その音が子供につけられた爆弾と気付く前に

作動した

 

 

「こんなものじゃんね。あの世で後悔するじゃん」

辺り一帯のゲスを制圧した翔は少し休憩をする

怖がっていた子供の為にパフォーマンスもした

こっちは子供の部屋だったようで沢山の子供が住んでいた

全員を安全な方に逃げさせた後、黒幕の部屋を探していた時だった

爆発音と共に落下する影が2つ

「あれは…夏芽くんじゃん!」

階段を急いで降りる

少し強引でも良い!急げ

翔は近くの窓をトランプで割ってジャンプした

しっかりと着地した後に夏芽の傍に近寄る

「何があったじゃん?意識はあるじゃん?」

ゆすぶっても反応しない

すると夏芽に駆け寄る子供が居た

「お兄ちゃん!お兄ちゃん!起きてよ!」

必死に起こそうとしている

「君は…何が起こったじゃんよ?」翔は子供に聞いた

「お兄ちゃんがね…僕の爆弾に気付いてね…庇ってくれたの…でも、でもお兄ちゃんいっぱい血が出て!」

かなり混乱状態だが、事情は分かった

「ありがとうね。少し下がるじゃんよ」翔は止血剤を夏芽にぶっ刺した

「少し痛いけど我慢して欲しいじゃん。死ぬな!夏芽くんを心配してる子が待ってるじゃんよ!無事じゃんよ!」

必死に蘇生させる。夏芽くんが死ねばこの子が悲しむ

それに、彼は仲間だ。死なせる訳にはいかないんだ

訴える事しかできないが。頑張れ!

すると「うっ…」と夏芽が目を開けた

「良かった!少し休むじゃん」と簡易的な治療を施してくれた

「あの子は…良かった」子供を見て微笑む夏芽に「お兄ちゃん!良かった!良かったよ!」と飛び込んでくる

「あはは。痛い痛い。傷口が開くって」少しなだめると

「ごめん。ぶっちゃけ俺は夏芽くんの事を信用できないと思ってた。唯の殺し屋と勘違いしちゃってたじゃん。そんな事なかった。夏芽くんは立派な善人じゃんよ」と翔から謝罪と感謝を伝えられた

「参ったな~ 僕は悪人だよ」と照れる夏芽

それを「そんな事ないよ?強くて優しいお兄ちゃんだよ」と彼が否定してくる

軽蔑されるのは慣れてるけど褒められるのは耐性がないんだよな~

少し団欒した後に立ちあがる

「それじゃ、黒幕を潰しに行くじゃ…」翔の声が止まった

見ると胸元が血で染まっていた

そのまま翔は倒れた

 

(撃たれた!)と認識できた夏芽は子供を後ろにどかした

「危ないから下がってな」

すると奥から人が出てくる

「俺の完璧な趣味部屋を汚しやがって。代償は高くつくぞ?」

「こんな悪趣味な部屋はこの世から抹殺された方が良いんだよ変態が」

夏芽はナイフを抜こうとしたが無かった

(そういえば、あの時に投げ捨てたんだ!)と思い出した

仕方ないので拳を握る

すると「オイオイ。自慢のナイフ術が無いと何もできない癖に粋がるね~」と笑われる

(そんなの、こっちが一番知ってるさ)と歯を食いしばる

「それでも、翔さんの為にもこの子の為にも立ち向かわなきゃならねぇんだよ!」

夏芽は走り出した。敵はどんどん撃ってくる

あの銃はクラブの時に置いていたものだ

バカみたいな火力を誇ってる違法銃

そんなものは簡単に避けれる

…はずだった

(まさか、軌道は彼を狙ってる)

夏芽は能力を使ってその身で受けた

「やはりな。殺し屋が聞いて呆れる」

(コイツ!面倒な事ばかり!)

夏芽は頑張って受けきる

後ろから「お兄ちゃん!血がいっぱい出てるよ!死んじゃうよ」と縋ってくる

だから守るんだよ。戦う為じゃない守るしかない

「逃げるんだ!頑張って逃げて!」一応軌道は読める

というか感じれる

能力病と言ったところか。神経動かしてると殺気を肌で感じられるようになる

致命傷は避けて当たっていく

すると「お兄ちゃん。これ使って」と銃を渡される

あの時の銃。持っていたのか

夏芽は受け取って全弾発砲する

当たったドアは勝手に開いた

「何してるのお兄ちゃん!」

そうだろうな。夏芽は彼を必死に投げた

まあ。外の茂みに当たるだけだ。誰かが助けてくれるだろう

だが、限界でもあった

「もう終わりか。死ね」と撃つのと同時に声が聞こえた

「さぁて。こっからのショータイムは、子供に見せちゃ……ダメじゃんよ」

すると同時にトランプが投げられる

みると翔が立ち上がっていた

「お前は、殺したはずだろ!」

「マジシャンから目を離すなんて愚かじゃん」

聞いた男が発砲するとトランプ一枚で弾かれる

絵柄は『joker』切り札である

「お前に生きる事は許されないじゃん」と翔が投げた物は夏芽のナイフだった

空中でナイフをとり、敵を切り裂く

そして翔の完全切り札が敵に刺さった

「未来を食い物にするゲス共。生きる資格はないじゃんよ」

これにて任務が完了した

 

翔は夏芽を職場まで運んでくれた

夏芽の様子をみた店長には「無茶しないでって言ったよね?」と叱られた

一応治療をしてもらってから家に帰った

「本当に何から何までありがとじゃ…」

「おっと。夏芽くん俺の口調が移ったじゃんね~」

2人…3人は笑って帰った

彼の処罰としては親が亡くなったようでウチで面倒見る事になった

「翔さん本当にありがとう」と感謝すると

「俺は皆を笑顔にしたい。当たり前じゃんよ」と善人モード

握手を交わした後に去っていった

家に帰って料理を振舞った

まあ、久しぶりの自炊だから楽しくはあった

唐突だったからオムライスくらいしか作れなかったけど美味しそうに食べてくれてよかった

ベッドは明日買うか

ソファーで寝ようとしたら「お兄ちゃん。一緒に居て?」と子猫のように頼まれたので

今夜は添い寝してやろう

(食費も衣類も雑貨も多くなるだろうな。まあ楽しいなら良いか)

苦しさと共に来た幸せを噛みしめて夏芽は眠った




如何でしたでしょうか?
送られてきた内容を見た時に面白過ぎてウハウハしました(笑)
マジシャンと言う事で『人を騙す』と言う事に力を入れましたね~
善人だからこその悪 を書くのが楽しかったですね~
ところで脱線しますが、拾った少年の名付け親を探しています
凄く内気な男の子ですね。
コメントから参加してください。
特別[〇〇日まで]などはないですが、採用された名は次回に紹介します

こんな風にゆっくり活動していきますが、よろしくです
以上!
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