本当音沙汰なくすいませんでした
受験に力を入れていたら最後に更新したのが5月だった…
無事一段落したので更新します
今回のオリキャラ提供者は〈妄想のKioku〉様です
それでは、久しぶりの物語をどうぞ
目が覚めた
・・・ひかりの悶絶声で起きた
最悪な目覚めってのはこの事だろう
目覚めが悪いなんて当たり前だ
二度寝をしようと布団に埋もれても一向に寝れる気配がない
仕方なく起きる事にした
ガタガタと震える音がする
余程辛いのだろうな
少し辛抱をしてくれ
リビングに顔を出すと暗い顔をしている栞が座り込んでいた
「…おはよ。どうしたの?」
理由など簡単に察せれる
が、かける言葉が見つからなかった
友達が1日中苦しみ悶えている
こんなの普通に生きる事すら難しいだろう
夏芽の声に反応した栞が顔をあげる
「ごめんね。こんな姿見せちゃって」
出来るだけ明るい声を心掛けたんだろうがバレバレだ
「良いよ。座っときな」
先制攻撃を受けた
それはこの世界ならば日常だ
…そんな事知っているのに
なんで苦しんでいるのか
殺し屋として良心は捨てたはずだったのに
なんとも醜く生きている
自分の良心に反吐が出る
…空気が重い
翔はひかりの治療に専念している
翔曰く、何時力が暴走するか分からないらしい
早く元に戻さなきゃあの吸血鬼野郎の『お姉ちゃん』になる
それは勘弁してほしい
龍は何か動き始めているが中々進歩していない
睦はジャクソンと作戦会議をしているが互いに譲れないのか言い争いも少なくはない
…僕も何か行動しないとな
「栞ちゃん皆に外出するって伝えておいて」
特別何かある訳ではないが、動かないのは嫌だった
夏芽が歩きながら考えていたこと
それは『取捨選択』
処理屋の中じゃ仲間を見捨てるなんて選択肢は少なくない
むしろ王道パターンだ
夏芽達もひかりの事は仕方ないと腹を括り見捨てるべきだろう
本来の目的は【店長の奪還及びイデアを消滅させる】事だ
そこに仲間とか友情とかは一切持ち合わせてはない
…はずなのに誰一人諦めようとしていない
全員がひかりを救出したいと願っている
処理屋に優しさはいらない
変な優しさを持って死ぬとかバカみたいだ
だからこそ夏芽は迷っていた
本当は何かしてあげたいとか嘘だ
ここからは慈悲も愛もない無慈悲な殺し屋だけが生き残り
愛情を込めた人間から死ぬ世界だ
本当は、もう一度元の自分に戻ろうと思った
自分を愛してくれた人間を悉く殺したあの時に
救いを求めた手を躊躇なく払えたあの時に
未来を夢見て進む子供の明日を消したあの時に
良心を殺したあの時に
無心で無常で無慈悲な刃を振れば金が貰えた昔
人間の温かさ知り常に隣で誰かが笑っている今
夏芽は2つを知っている
人間は卑怯で醜悪な生物であると
人間は綺麗で美しい生物であると
故に心をヘタに生かしている
今朝だってひかりが悶えてる声を聴いて嫌な気持ちになり
栞が涙をこらえてるのを見て胸が苦しくなった
・・・仲間思いなどと自分を偽っているのか
自分がわからなくなる
本当に生きるというのは難しい
そんな事を思いながら歩いていると
突然電話が鳴った
相手は…翔であった
「もしもし。どうしたんだい?」
「夏芽くん!今すぐ彼方くんの所に向かうじゃんよ!」
随分焦っている様子だ
「彼方に何かあったの?」
「敵襲じゃんよ!彼方くんが危ない!」
イデアか…またクソみたいな事してくれるな
今から駅に行っても…間に合わないか
さて、どうしたものか
すると近くで踏切の音がした
…賭けるか
夏芽は出来るだけ距離をとった
その方が楽だから
そして目の端に電車の影が映った瞬間
全速力で走る
踏切近くになった瞬間に足に能力を使って飛び込む
勢いよく電車にぶつかった
そのまま窓を開けて中に飛び込んだ
「…よし電車に乗ったよ」
息を切らしながら話す夏芽に翔は圧巻されていた
「何があったじゃんよ?」
さっきまでの事情を説明すると翔は若干引いていた
「夏芽くん…少しは無茶しない方がいいじゃんよ?」
でしょうね!
僕だって本意じゃなかったけど仕方ないから
「まあ、アッチには朱音も居るから大丈夫だと思うけどね」
その発言が安心故に放ったのか願って言った言葉なのかはよく分からない
…がどちらにせよ行くに越したことはない
夏芽を乗せた電車は2人の方へ向かって走っていく
勿論無賃乗車なのでキリが良い場所で飛び降りた
ゴロゴロと転がって無事最小限の痛みで降りる事が出来た
「ココに来るのも久しぶりだな」
確か最後に来たのは…栞ちゃん達に会った時以来だ
変わらない街並みに浸りつつ目的地を目指していく
ゆっくりはしてられない。安全に居てほしいが最悪を引く場合だってある
急ぎ足で向かうと…普段と変わらない顔をしていた彼方と朱音の姿があった
「2人ともお久しぶり…」
夏芽が挨拶をすると朱音はムスッとした顔を示した
(そう言えば、彼方の事を事情も話さずに急に押し付けたっけ)
朱音とは真逆に彼方は勢いよく夏芽に抱きついてきた
「お兄ちゃん久しぶり~」
「うん。久しぶり」
やはり生きてる人間の温もりは不思議だ
決して同じ温度を作れないという訳ではない
でも、絶対に違う
何が違うかとかではないが、違うということは断言できる
「朱音ちゃんも久しぶり…」
朱音は無言で夏芽を睨む
圧が凄い
もう本当…すごく怖い
「あの…何か言ってもらえると嬉しいのですが」
夏芽も威圧に負けて敬語になっている
「周りに事情を話すの大変でした」
ソウデスヨネ
いや、緊急事態だったんだよ
…なんて関係ないよね
今も全然顔を合わせてくれない
「はい…本当…すいません」
咄嗟に出た言葉がコレだった
ってかこれしか出ねぇよ
すると気持ちが伝わったのか
「…まあ、以後気を付けるというなら許す手もありま」
「約束する!」
食らい気味に約束する事で何とか一命を得た
一悶着あって、なんとか行動できるようになった訳だが
「・・・見てない?誰も?」
なんと2人は接敵などしてないらしい
バレてない・・・訳はないが、まだ捕まってないって事は
限度はあるが大胆に行動しても良いって事だ
(まあ、僕と一緒に居たらいつかはバレるか)
夏芽は指示を出す
「申し訳ないけど2人とも先にココに行ってて」
指した場所は翔が用意してくれた通信遮断付きの車が停めてある駐車場だった
「嫌だよ。僕はお兄ちゃんと一緒が良い!」
「折角一緒に居るんだったら離れる利点がないと思うます」
う〜ん。駄々か・・・いや一理あるのだ
しばらく頭を悩ませた後
「わかった・・・けど2人の顔が知られるのはマズいからね」
夏芽が渡したのは簡易的な変装道具だった
「なんで変装するの?お兄ちゃん」
彼方は不思議そうな顔を浮かべている
「情報を誤認させる事で行動を遅らせるってのは処理屋の常識だよ」
バレてないから堂々と…なんて物はバカのする事だ
今回は何戦も勝ち進まなきゃならないだろう
その所詮一回を不意打ちで勝った所で次の戦闘で負けるだけだ
それに不意打ちなら変装しても出来る
早速三人は変装用の服に袖を通した
「まあ、知ってはいましたが…」
朱音は微妙な顔をしていた
夏芽と彼方はサイズピッタリで如何にも変装であった
ただ、夏芽は朱音の服のサイズなど知ってる訳もない
夏芽が持ってきた服は朱音が着るには少々デカすぎた
「…いや、無理に着なくても良いんじゃないかな」
「別に構いませんよ」
夏芽の言葉を遮るように朱音は歩いた
何と言うか…年頃の男女って難しいよな
なんて思いながら夏芽達も朱音の後に続いた
それから雑魚敵を蹴散らしたり
強い奴らをボコボコにしたり
・
・
・
しなかった
本当に普通に歩いている
いや、変装が効いてるなんて事だったら嬉しい話だけど
流石に簡単すぎる
妙な気持ち悪さと嫌な予感がしている
「朱音ちゃん。なんか変じゃないか?」
「そうですね。あまりにも静かすぎます」
そう。静かすぎる
夏芽達以外の人間が退出したような感じ
行く時は多少人の影を見たはずなのに
今はゴーストタウンを歩いている感覚
不気味だ
「2人とも大丈…」
居なかった
「何が起こったの?」
朱音は急な出来事に混乱していた
瞬きをした瞬間夏芽が消えた
いや、どちらかと言うと私達が元居た道へ戻った
いつも通り人々がワイワイ駄弁っている
「あれ?お兄ちゃんは?」
彼方は居る
と言う事は、夏芽だけ離れたのか
「彼なら殆どの事は大丈夫だと思うけど…」
「青年だけを誘拐する変態はアンタか」
犯人は逃げ隠れもせず夏芽の前に現れた
車椅子に座っている女は足を組み夏芽を見ていた
「何言ってんの?あんたなんか趣味じゃないわ」
ダルそうに女が口を開いた
『死ね』
突如夏芽は潰れて死んだ
「…っはぁ」
夏芽は倒れていた
目の前には夏芽を殺した張本人
「起きた?私も暇じゃないんだけど」
スマホは勿論圏外
30分くらいは死んでいたのか
夏芽はすぐに能力を使い女の首元をナイフで斬る
…前に顔面が溶けて死んだ
「駄目だ。何処にも居ない」
朱音達は必死に探しているが影すら見つからない
彼方も人々に聞いているが誰も見ていないようだ
あの一瞬で人が消えた
しかも夏芽は中々に高身長
見失った説は極めて低い
と言う事は『消えた』
あの一瞬で何者かが夏芽を消した
夏芽だけを消した
おそらく敵は自分達を一般人の類だと勘違いしているのだろう
流石策士…などと消えた本人を讃えても何も起きないので
探しまくる
手掛かりもなく探し回って1時間が経過した時
朱音に向かって歩いてくる女性に出会った
「こんにちは。朱音様」
突如自分の名を呼ばれた事に驚いた朱音は戦闘態勢に入る
「貴方に会った事ないのですが、何の用でしょう?」
相手が何か起こした瞬間に切り伏せる為に刀を掴んだ
女性はゆっくりと近づいてくる
「そうですね…夏芽様の捜索のお手伝いに来た。とでも言っときましょう」
朱音の顔色が変わった
「そう。で、あの子を何処にやったの?」
女性は足を止めた
「落ち着いてください朱音様。私は犯人ではありませんよ」
じりじりと女性に近づいていく朱音
「何処に…やったの?」
女性はすぐに察した
(危ないですね。感情によって能力が制御できてません)
女性は小道具セットからフックガンを取り出して近くの屋根へ撃った
そのまま女性は離脱する
が、朱音はすぐに追いかける
人混みを押しのけて一直線に走る
言葉通りの猪突猛進
「凄まじいですね。これが能力者ですか」
朱音は近くの電柱をよじ登り女性の前に立った
息が荒い
感情のコントロールが上手くいってない
今にでも飛び掛かってきそうだ
「夏芽くんを何処にやったの?」
「ですから私は犯人では…」
「何処にやったの!」
瓦を巻き込んでの薙ぎ払い
並の人間なら対処できない乱暴な一撃
「随分我儘なお客様ですよ」
次に女性が居たのは朱音の頭上だった
そのまま羽交い締めにして拘束する
「私は犯人じゃありませんよ。何回言えば理解できます?」
怒り少々呆れ少々の声で朱音に接する女
朱音も理性が戻ってきたのか謝っていた
「そうですね。能力自体は凄まじいですが、制御ができない…何とも言えませんね」
「…好きで身についた能力じゃないよ」
朱音達は女性の後をついていく
「そうですか。それは残念でしたね」
女は淡々と話している
「お姉ちゃん。あの女の人は?」
彼方は2人の歩くスピードについていけないので朱音に背負われてる
「おそらく味方だと思う。私達に興味はなさそうですけど」
女性は振り返らずに朱音達に話す
「興味ですか…私からすれば人間全てがお客様ですから」
一見『全員大切です』と聞こえる言葉
ただ、真実は『全員利用価値のある奴』
朱音はそれを察した
「…助けてくれた事感謝します」
「依頼なので」
女は走りながら何処かに電話をかける
「お姉ちゃん。この人見た事ある」
彼方は必死に思い出そうとする
「コレは失敬。名乗るのを忘れていました」
すると女は振り返り内ポケットから名刺を取り出す
名刺に書いてある名前は【竜胆 華】
「竜胆華?それってあのリンドウカンパニーの?」
「そうです。もしかして良く私共の商品などを購入なさっているのですか?」
さっきまで(ちょっと怪しい人だな)などと思っていた事など忘れて朱音は目を輝かせる
「もう…最高ですよ!新商品の化粧品すごく可愛いです」
「これはこれは。熱心なお客様ですね。良ければ今後の商品開発の為の改善案なども聞きたい所ですね」
興味津々の朱音とは裏腹に彼方はキョトンとしていた
「CEO?リンドウカンパニー?お姉ちゃん何それ?」
すると少し我に返った朱音は彼方に説明する
「〈高品質な商品でお客様に全力で尽くす)がモットーの大企業の重大責任者…う~ん。偉い人って事」
「おやおや。本社のモットーすら覚えて頂いているとは。相当のお得意様ですね」
すると彼方は疑問を口にする
「…そんな偉い人が何でお兄ちゃんの場所を知ってるの?」
竜胆は理由を説明する
「実は、最近私達が大事に開発しました最先端の銃が何やら不細工に改造されてるようで…」
「銃作ってるんですか?」
朱音はビックリしてた
当たり前だ。今まで信頼していた会社の裏とか聞かされちゃ驚くに決まっている
空気を遮るかのように竜胆のスマホに電話がかかる
「すいません。詳しい話はまた今度」
そして何やら話していた
朱音は驚きすぎて放心状態になっていた
暫く走っていると突如竜胆が止まる
「はい。着きましたよ」
そこは何もない坂道だった
「竜胆さん。ココに何が?」
2人とも分かっていないようだ
「ココに夏芽様がいらっしゃるのですよ」
「夏芽くんが?」「お兄ちゃんが?」
竜胆は坂を上っていく
「先に敵のトリックを話しましょう。犯人は能力者です。ただ消耗が激しくですね。コレが必要なんです」
「これは札?」
彼方は首を傾げる
「名を〈陣〉と呼びます。この札は気力の消費量を4割弱肩代わりしてくれるんです」
そして電柱に貼ってある札の前に立つ
「実は陣は依頼品でして。少し前に部下に頼まれたので試作品を渡した所なんです。要するに…」
そして思い切り札を引き剥がす
「犯人は会社の社員ですよ」
すると倒れている夏芽と車椅子に乗った女が現れた
「如何お過ごしですか?マヌケさん」
車椅子に乗った女を竜胆は睨む
「あ?誰…これは…竜胆様!」
女は竜胆の顔を認識した瞬間に汗が滝のように流れていく
「貴方が外道の方に夢中なのは知っていましたが、貴方が搾取されて棄てられるのはどうでも良かったので放っておいたのですが本社に泥を塗るというのであれば…」
「竜胆様!お許しを!」
女は必死に命乞いをした。が、時すでに遅し
超えちゃいけない一線を盛大に超えてしまった
「死ねば良い」
竜胆は内ポケットの銃を引き抜いた
そして容赦なく女に発砲した
女は車椅子から転げ落ち素足で逃げる
すると夏芽は目を開けた
起き上がった夏芽はナイフを構えた。が、向ける先の相手は絶賛逃亡中
しかも知らない女と一緒に朱音と彼方が居る
「…状況説明お願いしていい?」
「えっと。あっと…とりあえず、彼女は味方で逃走してる女が敵です」
朱音のあまりにも大雑把な説明
ここで座り込んでる時間はなさそうだ
で…竜胆の姿が見当たらない
「夏芽様!感動の再開は喜ばしいですが今は後にしてもらえます?」
竜胆は空を飛んでいた
…いや比喩ではない
マジで空を飛んでいる
おそらく靴底にジェットの類でも付いているのだろう
一体どんな発明してるんだよ
夏芽は敵の方に走り出した
(なんで出会う奴ら全員クソ速いんだよ)と苦言を飲み込む
一方絶賛逃走中の女は近くのクラブに入った
「私よ!奥に通して!」
そしてスタッフにポケットから取り出したIDを見せると
奥の部屋に案内され、そのまま入っていく
女が奥に通されたのと同時に夏芽と竜胆がクラブに着いた
「さて。こうなったら中々に面倒だ…」「関係ないです」
竜胆はズカズカと奥に進みスタッフに尋ねた
「2つ選択肢を与えます。あの女を譲るか、この店が潰れるか。どっちが良いです?」
スタッフは近くに置いてあった瓶で竜胆を殴ろうとしたが、夏芽が瓶を取り上げて身動きを封じていた
「レディの話は最後まで聞いた方が良いと思うよ」
勿論そんな事は微塵も思ってない
「そのままでお願いしますね」「何が…」
気付けば竜胆が敵の顔面にフルスイングで瓶をぶつけてた
男は勢いよく吹き飛んだ
「アンタ中々に大胆だよな」
「この店がどうなろうと知ったこっちゃないですからね」
そのまま竜胆は鍵をこじ開ける
「こちらわが社の商品でして、どんな鍵にでも合致するんですよ」
カチコミの時にでも商売するとか…逆に天晴だ
「そりゃ素晴らしい商品だね。でも生憎マスターキーなら持ってる」
そうやって夏芽はナイフを取り出す
「そうですか。それは残念」
竜胆はすぐに扉を開けた
(少しはツッコんで欲しかったな…)
夏芽も中に入った
中に入ると部下の姿は見当たらない
その代わり大勢の部下が歓迎してくれた
「待ってたぜ…」
隣で銃声が響いた
音の正体は竜胆が握ってる銃だった
「どうしました?何か顔についてますかね」
そう言うともう一度引き金を引いた
「別に悪い訳じゃないけど…なんというか…複雑」
暗黙の了解と言うか
変身中のヒーローをぶん殴っている感覚
まあ、悪い訳じゃないけど
2人を犠牲にして敵は言葉もなしに襲い掛かる
竜胆は淡々と発砲していく
その度に一人ずつ地面に倒れていく
申し訳ないが、敵に同乗してしまう
「夏芽様は戦わないのですか?」
「まるで僕を狂戦士みたいに言わないでくれる?僕戦闘は…」
後ろから襲ってくる敵の首を斬る
「戦闘は嫌いなんだ」
夏芽は次々と敵の身体を斬っていく
すると朱音達が到着する
「えっと。もう始めてるの?」
朱音は彼方を後ろに隠して敵を斬っていく
クラブは既に血生臭い戦場と化した
いや、戦場は表現が違う
無駄な抵抗虚しく散る大勢のバカ共と蹂躙する3人
質より数とは言うが、流石に質が場違い過ぎた
「悲しいですね。そんなに1人のマヌケが大切ですか」
竜胆はリロードしながら愚痴をこぼした
その隙を狙おうとした敵の背後から夏芽のナイフが飛んできた
「大丈夫かい?お偉いさん」
夏芽は敵に刺さったナイフを抜き竜胆に話しかける
「そうですね・・・感謝します」
竜胆は軽く会釈をしてその場を後にする
夏芽も後に続こうとしたが、手前に罠が仕掛けられている事に気付いた
(なるほど。自分で対処可能だったんだな)
上に立つ者は蛇足すら上手に対処するのか
「全く・・・社会勉強だね」
夏芽は賞賛と皮肉をたっぷり混ぜた独り言を呟いた
残りを朱音に(勝手に)任せて奥に進むと絶賛銃の改造中だった
「一応聞いておくんだけど、この後はどうするの?」
絶対に知ってる質問を投げかけると勿論返ってきたのは
「勿論全員殺しますよ」
凄くニコニコしている竜胆だった
二人は銃を乱射した
とはいえ、夏芽が放った弾は敵に当たる事は滅多になかった
逆に竜胆は逃がすまいと敵の額に鉛球をプレゼントしていた
「夏芽様…敵を自動追尾する弾丸などありますが、購入します?」
夏芽のエイム力は数多の客にも動じなかった竜胆でさえ予想外だったらしい
「是非とも欲しい物だね!」
必死に撃ち抜こうと思っているが当たる気配をみせない弾丸にイラついてる夏芽
勿論弾に意思などないので、ただの実力不足である
夏芽はナイフを取り出し突撃していく
「やはり、ナイフ使いですか」「当たり前でしょ」
夏芽は敵を切り裂いていく
敵の攻撃を避けてから反撃
竜胆の射撃に合わせて攻撃
敵の懐に入り近距離で射撃
竜胆も夏芽の行動に合わせて狙う相手を変えている
近・中・遠の全てに対応している最強の布陣が2人の人間によって完成されている
斬って撃って裂いて殴って蹴って殺す
竜胆はポケットから特殊な弾を装填した
「夏芽様!屈んで!」
それと同時に夏芽はしゃがむ
すると竜胆が発射した弾は空中で破裂し中から無数の小型爆弾が落ちて来た
爆弾は敵の頭上すれすれで爆発しババババっとうるさく鳴り響いた
「…これもリンドウカンパニーってやつの発明品?」
地獄絵図の中1人だけ立ち上がった夏芽が竜胆に問いかける
「当然です。他の不用品とは質が違いますから」
なんで最後まで営業してんだか…まあ、それも個性だ
そう思いながら夏芽達はクラブを後にした
「夏芽様。こちらの商品は如何でしょう?」
絶賛帰宅中の夏芽一行は翔が事前に用意した車でアジトまで帰っている
その間に竜胆は夏芽に会社の商品をずっっっっっっと紹介してくる
「あのね…さっきからコーヒーメーカーとか化粧品とかブランド品とか。僕を何だと思ってるの?」
確かに竜胆が紹介してくる商品はとても魅力的だ
ただ、コーヒー飲めなければ化粧もしなければ高級品にも興味がない
そう。夏芽には
朱音がスゲェ食いついてる
余程常連なのだろうな
(まあ、ボリス達はコーヒーとか飲むか…)
「んじゃ、コーヒーメーカーは買うよ」
許せボリス…これで最後だ
家に帰ると翔が玄関で待っていた
「お~ 無事回収できたじゃんね。お疲れ様じゃん…それと、リンちゃんも」
「ただい…ちょい待ち。リンちゃん?」
「相変わらずね。翔くんは」
ダメだ。意味が分からない
「あれ?言ってなかった?リンちゃんと俺は昔馴染みじゃんよ」
…よし。疲れた
夏芽はリビングのソファで寝転んだ
「とにかく。戦力が増えて助かったよ」
彼方は夏芽の傍まで来て改めて抱きついた
「えへへ。お兄ちゃん~」
夏芽は優しく頭を撫でる
「彼方の顔も見れたしね」
一方朱音は睦の元へ向かっていた
「睦さんお久しぶりです」
「朱音ちゃん。これから頼りにしてますよ」
なんとも微笑ましい家庭なんだ
部屋決めで彼方は夏芽を指名した
朱音は徳川親子の部屋に住むようだ
竜胆は栗真と一緒に住むようだ
翔は何かと反対していたが「いや。アンタ達昔馴染みだろ?」で完封させてやった
全員が寝静まった頃夏芽はひかりの前に立っていた
「…はぁ」
ナイフを抜いてひかりの首筋に先端が当てる
このまま体重をかければ殺せる
大丈夫。数多の人間を殺したじゃないか
思い切り力を込めた
…本当に罪深い
片手が必死に殺すのを止めてくる
殺せない
どんなに頑張っても手が震えて狙いが定まらない
ナイフを離した
「…僕と言う男はどんだけ醜いんだ」
ナイフをしまい布団に潜った
彼方の手を握り眠りについた
夜は静かに過ぎていった
如何でしたでしょうか
結構関係性考えるの好きなんですよね~
もしかすると他にも色々あるかもですね
やっぱり栗真翔という男
とても面白い!
え~改めまして
本当にすいませんでした!
どんだけ更新しなくても決して辞める事はないので気長に待って下さると光栄です
以上!カタツムリ系作家の無NO神でした
皆様、体調にはお気をつけて下さい