『ノロノロビーム 』   作:その原因は〝ノロマ光子〟!!

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 「フェッフェッ。ご指名感謝する!」


「フォクシー七変化」

 

 職場体験当日。

 雄英高校最寄り駅。そこには雄英高校ヒーロー科一年生、総勢40名が居た。

 捕縛布をマフラーの様に首に巻き、口元まで隠れている長髪の男性──相澤消太ことイレイザーヘッドが口を開く。

 

 「さて、お前らコスチューム持ったな。本来なら、公共の場じゃ着用禁止の身だ。落としたりすんなよ」

 

 それに対して、ピンク色の髪に同色の肌。色が反転した瞳に薄黄色の触覚を持つ少女──芦戸三奈が反応する。

 

 「はーい!!」

 「伸ばすな、「はい」だ芦戸。」

 

 そしてB組の担任ブラドキングが全員に向けて話をする。

 

 「いいかお前ら!くれぐれも先方に迷惑をかけないように!B組A組全員、しっかりと学んで来いよ!」

 

 髪が茨な少女──塩崎茨、顔がカラスの様な小柄な少年──常闇踏陰とフォクシーが話していた。

 

 「私はシンリンカムイの所でお世話になります。常闇さんは確か…」

 「ホークスだ。まだまだ未熟だが、指名された以上全力で学ばせてもらうつもりだ」

 「フェッフェッフェ。全力で学ぶのだ。将来、それが〝フォクシー海賊団〟の財産となるだろう!」

 「…私はまだ決めておりません。あくまでも、卑怯で姑息な貴方を改心させる為に一緒に居るのです」

 「…俺は、まだ決めきれない。悪いが時間をくれ」

 「あぁ。卒業までに決めてくれたら構わねぇさ」

 

 

 

 東京都内。とあるホテルの一室。

 そこには、褐色肌に白髪赤眼。白い兎耳と尻尾が生えていて、かなり際どいハイレグの様なヒーローコスチュームを来たプロヒーロー──ミルコと、フォクシーが話していた。

 

 「フェーッフェッフェッ!ご指名感謝する!ラビットヒーローミルコ!」

 「お前!本当に頭割れてんだな!」

  「…割れ頭」ずーん

 「そんな事はどうでもいいんだよ!お前を指名した理由は、戦いたいと思ったからだ!裏山行くぞ!着いてこい!」

 「そ、そんな事…。ゴホン!フェーッフェッフェッ!望む所だ!コテンパンにしてやる!」

 「下で待ってる!さっさと着替えて降りてこい!」

 

 ミルコはそう言い残し、高速で部屋から出た。

 残されたフォクシーは、ヒーローコスチュームに着替えて、手にした棒──木製で刀の柄部分の様な物──を見ながら呟く。

 

 「…フェッフェ。新しい()()もある。目に物見せてやるぜ」

 

 フォクシーがホテルを出ると、ミルコが様々なファンサをしていた。

 

 「あ、あの!俺、写真撮って貰っていいですか!」

 「あぁ!良いぞ。ポーズの指定とかあるか!」

 「あ、脚の筋肉強調する感じで…」

 「ははっ!変態かよ!こんな感じでいいか?」

 「うおおおおぉ!ありがとうございます!ミルコ!これからも応援します!」

 「あぁ、応援ありがとう!さて、フォクシー。行くぞ!」

 

 ミルコとフォクシーは、歩きながら会話をする。

 

 「フェーッフェッフェッ!模擬戦にサポートアイテムは使っていいのか?」

 「あぁ!?構わねぇよ!どうせ私が勝つ!…ん。フォクシー、個性の使用を許可する。私に着いてこい!」

 「なんだってんだ!」

 

 ミルコはそう言うと跳躍し、ぴょんぴょんと三階建ての建物の屋上に登った。

 フォクシーは文句を言いつつも、道程にある建物を伝い、ミルコの居る場所に辿り着く。

 

 「お前、思ったより身体能力高いな」

 「フェッフェッ。俺様を誰だと思ってる?ちゃんと鍛えてるからな」

 「…この先のコンビニで強盗してるバカが居る。お前が止めてこい!」

 「兎の聴覚か。便利だな、どうだ?ミルコ。〝フォクシー海賊団〟に来ないか?」

 「お前が私に勝てたら考えてやるよ。その為にもさっさと捕まえて来い!一応何時でもカバー出来るようにしといてやる、強盗犯三人に店員が一人だな」

 

 フォクシーはそれを聞き、屋上や屋根を伝いながらコンビニの上まで向かった。

 コンビニ内には三人の強盗犯──コンビニの裏口に立ち、チラチラと周りを警戒する全身が岩の様な異形型の巨漢。右手が筒状になっており、それをレジの外から店員に向けている男。レジのお金を取り出す、何処かの空間に移している男──が居る。

 

 「ノロノロビーム」

 

 フォクシーは屋根上から、裏口に居た岩男に『ノロノロビーム』を当てた。

 

 「なあぁぁーーーーんんんーーーだああぁぁ」

 「悪ぃな。お前らはここまでだ『九尾ラッシュ』」

 

 そう言いながら高速のジャブを放つ。

 フォクシーはとあるアイテムを取り出し呟く。

 「フォクシー七変化!」

 

 

 

 

 【強盗犯side】

 

 

 

 良し!良いぞ、順調だ!!俺の『腕砲』で店員を脅している内に、仲間の『ポケット』で金を回収。裏口で待っている『岩』に暴れてもらい、俺達は逃げる!完璧な作戦だ!

 

 「あーたたち。ちょっと掃除するわねぇ」

 「あぁ。掃除のおばちゃん。何時もお疲れ様です」

 「あーらやだわねー。気にしなくていーのよーん」

 

 掃除のおばちゃんが裏口からやって来た。何時もご苦労さまだ。

 ちょっと鼻がとがっているが、この超人社会。そういう人も居るだろう。

 ………ちょっと待てよ。……何で掃除のおばちゃんが居るんだ!?

 

 「ちょっとい…」

 「馬鹿め!遅いわ!『ノロノロビーム』!」

 

 コイツ…!雄英高校の体育祭で優勝していた…!何でこんな所に居るんだよ!

 遅くなった身体と動かせない視界で俺は、仲間の戸惑った声を聞いた。

 

 「っ!?お前!何なんだよ!なんでそんな…」

 「『ノロノロビーム』!へっ。楽勝だぜ」

 

 クソが!『ポケット』もやられた!コイツが裏口から来た事も考えて、『岩』もやられてるだろう。ていうか本当にこんな遅くなるんだな。俺は聞こえてくる警察の声から現実逃避し、そんな事を考えた。

 

 

 

 事件解決から10分後。

 フォクシーは警察と店員から感謝の声を、市民からは賛美の声を送られていた。ミルコは近くのビルの屋上に居る。

 

 「ご苦労さまです!敵制圧、感謝します!」

 「本当に助かりました!貴方のお陰でお店の物も殆ど無事ですよ!」

 「フェーッフェッフェ!気にするな!これがヒーローの仕事というやつだ!」

 

 そこに、何処かのテレビか新聞か、記者が現れる。

 

 「新人ヒーロー、フォクシー!初めてのヒーロー活動ですが、どういった気分でしょうか!」

 「フェッフェッフェ。人に感謝されるのは気分が良い!」

 「そうですか!これからの活躍も期待していますよ!」

 

 ミルコがビルから降りてきた。そしてフォクシーに声を掛ける。

 

 「かなり良かったぞ!無駄な破壊行動も一切無し!でもあの変装は辞めとけ。何時か絶対バレる」

 「む、むむむ。そうか。かなり完璧な変装だと思ってたが、使い所を考えるか…」

 「反省は後にして裏山行くぞ!」




鮪漁港様。誤字報告ありがとうございます!


多分発目さんは歴史に残るレベルの天才。

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