銀狼哀歌~逸般人が征くホロライブラバーズ難易度『オーディション』ゆっくり実況プレイ~ 作:LR44(ゆっくり)
時報投稿第八回(投稿予定 7:00)
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(いつもの、何かそれっぽいOP )
◆
歌声が聞こえると同時。突如、目の前が
突然の衝撃に、後ろに弾き飛ばされる。
地面を3回程転がり、どうにか体制を立て直すと、目の前には空中に描かれた五線譜が広がっていた。
その五線譜を音符たちが流れて行き、俺の目の前に到達した所で……爆ぜた。
「悪趣味な術式をッ……」
思わず悪態をつきながら、大きく横に飛び退き爆発を回避する。
やっている事は何ということも無い、“歌を歌うことで魔法を発動する”魔法【歌魔法】のオーソドックスな攻撃術式だ。
AZKiが“歌姫”である以上、ソレを使えることは十二分に予想が出来たことだが……本当に嫌なものを思い出させる。
俺が
しかし、この術式は実に効果的な精神攻撃としても機能して
「悪趣味、かぁ。流石に酷いよ?」
「頭では分かってるんだがな。どうしても嫌なものを思い出しちまう」
「【歌魔法】って言うと……もしかして、ピアニストと戦った当事者だった、とか?」
冗談のつもりで言ったであろうその言葉に、俺は自嘲的な笑みを浮かべながら肩をすくめてやる。
あいつは俺のことを良く知っている。こういう時、本当に冗談であれば“その話に乗っかってくる”ことも、よく理解しているはずだ。
「そう、だったんだ……悪い事しちゃったね」
「個人的な問題だし、気にすることじゃ無ぇよ。
俺自身、相当酷い戦い方をしてるしな。ま、それはそれとして悪態はつかせて貰うが」
「そういうことならッ!!」
俺が言い切るや否や。再び歌声が聞こえだしたと同時に、五線譜と音符が再び動き出した。
こちらの行く先を的確に塞いでくる嫌らしい術式に、ピアニスト関係なく悪態が出そうになる。
そうして稼いだ時間を使い光剣を拾いなおし、こちらに向けて構えている。
【歌魔法】は、
──
「消えちまえ」
音は振動。逆位相の振動をぶつけてやればきれいさっぱり消えちまう。
“声を発する” “音を出す”この二点が重要な【音魔法】なんざ、ただのカモでしか無ぇ。
「──ッ、だけど【歌魔法】が使えないからって、状況が戻っただけ。
むしろ、打ち消しにリソースを割く分、こっちのが有利!!」
ご自慢の隠し札が霧散した事実に一瞬の動揺を見せる。
が、AZKiの言う通り。状況は【歌魔法】が使われる前に戻っただけ。むしろリソースを割く要素が増えた分、悪化したと言っていい。
……でもな。隠し札の一つや二つ、こっちにも残ってるんだよ。
「おおぉぉっ!!」
斬る、斬る、斬る、斬る。
銀と桃、二筋の剣閃がぶつかり合い作り上げる軌跡は、さながら天に描かれた星辰のようであった。
体感では5分程──あるいは、それ以上──経った頃。膠着した状況が続く戦況の中。ふと、AZKiが口を開いた。
「……やっぱり、キレが落ちてる。さっきまでの方がはるかにマシだったよ」
その言葉は、まるで俺の現状を残念がっているかのようで。
“キレが落ちた”、か。確かにそう感じるのも仕方ないだろ。光剣による剣戟に加えて、適当に【歌魔法】での妨害だけしてればいいあちらとは違って、やることが多いんだ。
剣戟に【歌魔法】への対処。それに加えて【制限解除】でのダメージを適宜簡易的な回復妖術で誤魔化しながら
はっきり言って、勝負になってることが奇跡なくらい、一度に吐き出してるリソースに違いがありすぎてる。
「ねえ、見せてよ。キミの
「……と、言うと?」
「隠さなくてもいいよ。最後まで隠し通そうとしてる切り札があることくらい、こっちは分かってるんだよ?」
切り札、か。……アレは存在すら匂わせてないはずだが。
その口ぶりに嘘をついているような様子は見られない。一体どこで存在がバレたんだ?
「キミが戦ってる時。特に強敵相手に必死に
使えない何かを求めるみたいな、無意識に奥の手を欲しているみたいな。そんなそぶりがあったんだよ?」
「……俺もまだまだ甘いってことか」
自分の詰めの甘さに思わず舌打ちを打つ。
いくら結構な交流があるからと言って、
こりゃあ後で
「さあ、キミの切り札を。人類最高峰の全力を。私に見せてよ」
「人類最高峰? んな訳ないだろ。俺の強さなんて、比較対象を真剣に吟味すりゃ、吹けば飛ぶ木の葉と変わらないぞ。
俺より上の奴なんて、
「それは真剣に吟味してるんじゃなくて、比較対象が狂ってるって言うんだよ。
人類の域を出た人たちを比較対象に出来てる時点で自分も十分人外側って理解して欲しいな」
AZKiと話すといつもこうだ。
人外連中と比べて劣っているから弱いと言う俺と、人外連中を比較対象に出来るから強いというAZKi。
この話題になると、俺たちはいつも平行線だ。
「……このくらい時間を稼いじゃえば、計算もずれたかな?」
「チッ、バレてやがったか」
「そりゃそうだよ。あそこまで露骨にキレが落ちてたなら、正確性が必要な何かを狙ってるのは確実。
“振動操作”で“正確性が必要”、なら計算をずらしちゃえば大体は無力化できる、よね?」
「あぁ、その通りだよ」
吐き捨てるように、そう言い放つ。
あぁ、その通りだよ。俺が使おうとしてた手札……ソレは緻密な計算の下、打ち込んだ特殊な振動を重ね合わせることで爆発的な破壊力を生み出すもの。
相手を塵にするレベルの破壊力を生み出す強力な一撃だが、用意に時間がかかる欠点により容易に妨害できてしまう……丁度今のように。
半ば博打だったのだがコレが駄目となると、本格的に使えそうな手札が無い。
こうなってしまえば……腹をくくるしかない、だろうな。
「さあ、これで選択肢が無くなった訳だけど……ここまですれば見せてくれるかな?」
「……はぁ、しょうがない。よな」
最後まで温存しておくつもりだったのだが……
「渇望よ、世界を喰らえ──」
──己の
同じ“極致”に至っていない者に対しては圧倒的優位性を誇る、絶対の切り札。
消費が重い故無計画に使える訳では無いが、その消費の重さ以上の働きはしてくれる。
むしろ、消費の重さにさえ目をつぶれば“相手を殺す”という効果を確実に
励起した術式が、紡ぐ
──その、直前。轟音が鳴り響いた。
巨大な影が、俺とAZKiの頭上に降り注いだ。
◆
>「の……」
>「の……」
>>「乗り切ったぁぁぁぁぁ……」
>「いやぁ……いきなりホロメンに襲撃された時はマジで焦った。
死ぬかと思ったぞ……」
>「ただでさえ、上級生とのタイマンって時点で大分絶望的なのに、相手が強キャラ揃いな0期生の一人、あずきちだったからな。
結局、中断されなければ“切り札”切るところまで追い詰められた訳だし」
>「まあ、切ってたらほぼ勝ち確なんだが……消費がきつくて優勝は諦めるしかなくなるからな。切らずに済んだのは有難い。
……まぁ、更にとんでもない厄ネタが襲来したっぽいんだけどな」
>「巨大な轟音と影……轟音だけなら
>「
……まぁ、一応心当たりがない事はないんだがな。テストプレイでも1~2回しか確認できなかったレアパターンだが……」
>「言いよどむってことは相当面倒なパターンって事か……」
>「そういうこった。……まぁ、対策は次回考えることにするか。
じゃあ、ご視聴ありがとうございました」