銀狼哀歌~逸般人が征くホロライブラバーズ難易度『オーディション』ゆっくり実況プレイ~   作:LR44(ゆっくり)

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 時報投稿第十四回(投稿予定 13:00)




 ◆

(いつもの、何かそれっぽいOP )

 ◆



part26『狼は天の月を(こいねが)う②』

 

渇望よ、世界を喰らえ──果て無き蒼穹(そら)を掴む為

 

 ラプラスが右腕を(ソラ)に挙げると同時、頭上に止まっていた(カラス)が飛び立った。

 

刮目せよ! 絶望の(とき)は訪れた

 

 烏が右袖の拘束具をつつくと、拘束具が外れ地面に落ちる。

 

渇望せよ! 吾輩はここにあり

 

 烏が左袖の拘束具をつつけば、先ほどと同様にソレが地面へと落ちる。

 

覚悟せよ! 我らエデンの星を統べる者

 

 拘束具が外れると同時に、ラプラスから感じる力がどんどん大きくなっていく。

 ……成程、本来の力を封印されているタイプか。で、あの烏がそれを管理している、と。

 

暗黒(6)終焉(6)破滅(6)の名の下に、悪魔の術理を見せてやろう

 

 最後に、烏が首の拘束具をつつく……が、ソレは完全には外れないようで。

 亀裂のような模様が走っただけだが……それだけで両袖の拘束具が外れた時を上回る力を感じた。

 ……アレが、封印の本体か。アイツ、全力は一体どれだけなんだ……? 

 

 ──己の渇望(エゴ)で世界を塗り潰す、一つの極致。

 世界のルールを塗り替える故、その空間内では同種の“極致”に至っていない者に対して、圧倒的な優位性を誇る。戦闘者にとって辿り着くべき切り札の一つ。

 “封印を解く”という形式上、俺や黒いの(黒上)が使っている()()()()()とは根本が違うのだろうが……それでもソレが必殺の術式であることには変わらない。

 

 その名も──

 

天候制圧──

 

 ──() ()

 (おの)が渇望こそ、蒼穹(そら)に満ちるルールであると。

 世界に高々と宣言し、自我(E.G.O)の形を世界に刻み込む、一種の結界──自我結界を形成する。

 

ラプラスの悪魔──限定開放──

 

 ソラが、大地が。紫に染まる。空間の雰囲気が一変する。

 コレが、あいつの天候……自我(E.G.O)の形。

 

 動きを止めるのは一瞬の逡巡。“このまま俺も天候を展開していいのか”という心配。

 複数人が天候を展開すると、天候どうしが喰い合う事になり、それぞれの効果がある程度中和される。

 故に、今すぐ天候を展開するべきではあるのだが……問題は()()()()()()()()()()()な点。万が一“天候どうしの喰い合いに有利”な特性を持っていた場合、逆に不利になる可能性もある。

 

 故に一瞬動きが止まり……そしてラプラスはそれを見逃すような奴ではなく。

 

「どうした、動きが止まっているぞ!」

 

 ラプラスがそう言うと同時、猛烈に嫌な予感がし前方へ飛び退く。

 ……次の瞬間、ついさっきまでいた場所に()()()()()()()()()()

 まるで、瓦礫が落下した時のような……

 

「戦闘中に考え事か? 随分(ずいぶん)と余裕だな」

 

 思考で動きが止まっていた事に舌打ちを打ちながら、再びその場を飛び退く……が、今度は回避することが出来なかったようで体に激痛が走る。

 ……これの正体は一体? 受ける衝撃は瓦礫のソレだが……突如発生している原理が理解できない。

 どうするべきか思案していると、ラプラスが口を開いた。

 

「“ラプラスの魔”を知っているか? 

 世界の()()()状態を把握できれば、そこから未来を演算できる、という理論だ」

 

 突如襲い来る衝撃を避けるため全力で駆け、時には地面を転がりまわる。

 それでも完全には回避する事は出来ず、身体にはいくつもの傷跡が現れてくる。

 

「まあ、当然この理論には穴があってな。高校科学レベルの知識でも『粒子の位置と速度は、片方しか確定しない』という反論が可能なのだ

 ……逆に、この壁さえ超えられれば未来の演算も不可能ではない、という事だ」

 

 ただ、流石にここまで喰らっていればある程度法則性も読めてくる。

 襲ってくる衝撃は2種類。こちらを直接狙うものと、こちらの移動先を狙ってくるものと、だ。

 こちらを直接狙うものは、動き続けていれば脅威ではない。移動先を狙ってくるものも、急制動急加速を織り交ぜることで被害を軽微に抑えられている。

 故に単純な攻防であればさほど脅威ではなくなったのだが……このばにいるような強者が、これで終わる訳も無く──

 

「当然、吾輩の全ての封印が外れれば未来の演算など容易……なのだが、それはカラスが許してはくれないのでな。

 限定開放では出来ることは限られている。まあ、限られていると言っても“粒子の位置と速度を、両方確定させる”ようなインチキだがな」

 

 ──目の前に突如現れた瓦礫によって、こちらの動きが止まる。

 更に、前だけでなく左右、後ろにも瓦礫が現れ……目の前の瓦礫を共鳴振(レゾナンス)にて破壊し、即座に駆けだす。

 直後、背後の瓦礫が衝撃により弾け飛ぶ。砕け散った瓦礫が身体を傷つけるが……それよりも先に駆ける、駆ける、駆ける、駆ける。

 

「つまりは『因果関係の逆転』。“原因”を伴わず“結果”を発生させる天候だ。“位置を観測せずに位置を確定させる” “位置を観測していないため速度を観測出来る”なんて、頓智(トンチ)みたいな能力だが……戦闘に応用すればどうなるか、お前ならよく理解できているだろう?」

「見ての通り、“瓦礫を落下させずに、瓦礫を落下させる”なんて曲芸じみた芸当が出来るって訳か

 とんだインチキ能力じゃねぇか、クソったれ」

 

 思わず悪態をつき……先ほどから悪態をついてばかりな事に、思わず苦笑する。

 ここまで何度も何度も悪態をつきたい気分になるとは久しぶり──でもないか。

 双子宮(ジェミニ)双魚宮(ピスケス)。ここ最近理不尽な奴らと立て続けに戦う羽目になってやがる。

 

 そいつらと比べれば、こっちは幾分かマシだ。

『“原因”を伴わず“結果”を発生させる』。成程確かに理不尽なほど強力だが……どうにもならないレベルではない。現に今、瓦礫の落下にある程度は対処出来ている。

 そして何より()()()()()()()()()()()()()()()()。これで気兼ねなくこちらも天候を展開できる。

 

「先ほどからちょこまかと……ならば、これはどうだっ!!」

 

 ラプラスがそう言うと同時……()()()()()()

 まあ、考えるまでも無く当然だ。瓦礫を降らす以外にも出来ることがあるのは当たり前だろう。

 上空に打ち上げられ、身動きが取れなくなる。この状態では敵の攻撃を避けること等不可能。絶体絶命──とはいかない。

 

渇望よ、世界を喰らえ──果て無き蒼穹(そら)を掴む為

 

 ──さあ、ここからが逆襲だ。

 





 本作に登場させるスキル募集 詠唱募集を行っています。
 気が向いたら、是非。

<今回のネタ解説>

・ラプラスの詠唱
 詠唱募集に『湯瀬 煉』さんが送って下さった詠唱案をアレンジしたもの。
 『ラプラスの魔』の内容が間違っていたので、主にソコを修正。(文系らしいのでしょうがない部分はある。大学の理学部に進学したガチ理系の自分でも100%正確には理解できない)
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