銀狼哀歌~逸般人が征くホロライブラバーズ難易度『オーディション』ゆっくり実況プレイ~   作:LR44(ゆっくり)

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 時報投稿第十七回(投稿予定 16:00)




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(いつもの、何かそれっぽいOP )

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閑話:狼と博士/狐と逆叉

 

 博衣こよりと大神ミオが戦闘を行っている広間。

 こちらの戦況は、膠着状態となっていた。

 

鳳仙牙(ほうせんか)ッ!」

「──っ、薬品3番(防壁・水)ッ!!」

 

 大神ミオのメインウエポンは炎を纏った徒手空拳。

 博衣こよりのメインウエポンは自らが作成した薬品。

 

 ミオは攻防共に高い水準で揃っており、炎を射出する事で遠距離攻撃もこなせるが……あくまで攻撃手段は直接接触メイン。接触が危険な可能性がある以上、うかつに自分から攻めることは出来ない。

 

 こよりは多種多様な効果を有する薬品を、状況に応じて使い分けるが……どれだけ強力でもあくまで液体。炎系妖術をメインに扱っているミオ相手では効果を発揮する前に蒸発させられてしまう。

 

 故にどちらも相性不利。故に互いに攻めあぐねる、という形での膠着状態。

 互いに()()()()()()()()()()という、不健全な形での膠着状態。

 薬品の残量と魔力の残量という、有限のリソースを削り合う不毛な戦いが引き起こされていた。

 

「あぁもう、埒が明かないッ!」

「それにはこよりも同感ですねッ」

 

 そして、そんな戦況が続けば苛立(いらだ)ちが募るのは当然で。

 ……故に、()()()()()()()()()()()()()痺れを切らして動き出す者が現れるのは至極当然の流れで。

 

「一気に決めるっ、《センカノマトイ》出力全開ッ!!」

 

 “拳に焔を纏わせる”、ミオの戦闘における基本の術式。

 ソレの出力を最大まで引き上げ、無理矢理にでも勝負を付けにかかる。

 

 思い切り踏み込み、拳を振りかぶる。例え何かしらの薬品を使われたとしても、強化された焔で焼き払える……と判断したのだろうが──

 

「こうなりゃヤケです。もってけ泥棒!!」

 

 ──流石に甘かった。

 こよりは、手持ちの薬品をすべて投擲。

 強化された焔とは言え、この量の薬品を蒸発させ切るのは難しく、ミオは大量の薬品を一気に被ってしまう。

 

 ……と、ここでこよりも想定外の事象が起こる。

()()()()()()()()()()()()し、()()()()()()()()()のだ。

 当然、混ざってはいけない薬品も混じりあう結果となり──

 

「──ッ!!」

「──ァッ!!」

 

 ──引き起こされるのは、大爆発。

 爆炎が広間を包み込んだ。

 

 ◇

 

 沙花叉クロヱと白上フブキ。

 最後の戦場は、これまでの3カ所とは真逆の様相を呈していた。

 

「そこッ!」

「──っ、後r……また消えた!?」

 

 神出鬼没な沙花叉クロヱを相手に、白上フブキは苦戦していた。

 後ろに現れ攻撃されたかと思えば、次の瞬間には消えている。そんな状況が延々と続いているのだ。

 

『おい、いい加減変われ。奇襲のタネを見抜けなけりゃ一方的に負けるだけだぞ』

『そんなっ、簡単にっ、言われてもさぁッ!!』

 

 フブキにとっては、脳内に語り掛けてくる黒上は奇襲のタネを理解していそうなのもタチが悪い。

 昔からそうだった。戦闘においては黒上の方が一歩も二歩も上を行っている。自分は手がかりさえ掴めない“極致”を、黒上は完璧に使いこなしている。同じ()()だというのに……。

 

「ほらほら、さっきから防戦一方じゃないですか。そんなんじゃ()()()()()()()()()()()()?」

『あぁ、ほら。なんでお前は昔っから戦闘になるとそう意気地になるんだよ。そのままじゃ()()()()()()!?』

 

 負ける……負ける、か。

 ……あぁ、それは嫌だ。でも黒ちゃん(黒上)に任せるのも嫌だ。自分は()()()()()()()なんだ。

 じゃあ、どうする? どうすれば、この勝負に()()ことが出来るんだ……? 

 

『黒ちゃん』

『お、どうした? 変わる気になったのか?』

『ヒントだけ、下さい。奇襲のタネは、何なのか』

 

 コレが、白上なりの妥協案。

 黒ちゃんに任せる訳では無く、かといって勝負を投げる訳でも無い。

 

『……アイツの種族をよく思い出してみろ。そして耳を澄ませれば分かるはずだ。

 お前でも普段なら分かると思うと思うんだがな。何か焦ってんのか?』

 

 種族……確かシャチの獣人だったはず……

 後は、音……音……

 

 背後からの奇襲を受け、地面を転がった直後。よくよく耳を澄ませてみる。

 狐獣人としての他種族よりも優秀な聴覚は、頭頂部についた獣耳は、確かにその音を捉えてみせた。

 

『とぷん』という、水に潜るような音を

 

「水……音……?」

『そっか。そういう事だったんだ。じゃあ──』

『やっと気付いたか。じゃあ分かるだろ。お前なら──』

 

『『──相性、抜群だ』』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「《永久凍土(イテツクセカイ)》ッ!!」

 

『とぷん』という音が聞こえたと同時に、氷系に属する上位妖術を使用する。

 その効果は“地面の凍結”。足場を悪くする程度の効果しか無い妖術だが……今はコレが逆転の一手になる。

 

「──っ、地面がッ! これじゃあ」

「潜れない、でしょ?」

 

 “シャチ獣人” “水に潜るような音”。ここから想像できる彼女の能力は『地面を水中と定義する事』。海の中のように、地面に潜り自由自在に泳ぎ回ることが出来る能力。

 この予想が当たっているなら……()()()()()()()しまえば、無力化できる。例えどれほど優れた泳ぎ手だろうと、凍った海には潜れない。

 

「でも。でも、まだ潜れなくなっただけ。

 こっちのアドバンテージは揺るがないっ!!」

 

 戦闘が始まって以来、初めて向き合った彼女。

 ナイフを持った立ち姿は強者の雰囲気を醸し出していて。

 

「そうですね。もし万全だったとしても、()()()()()勝てるかどうか分からないでしょうね

 だから──」

 

 こちらは既に何発も攻撃を貰っており、対するあちらはほぼ万全の状態。

 こんな状態では、まず間違いなく勝てないだろう。

 故に──

 

「──お願い、黒ちゃん」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おうよ、任せとけ」

 

 ──黒ちゃんに変わる。

 “白上”でダメなら“()()”に。私たちは二人で一人なのだから。

 

「姿が……?」

「さあて、先ずは小手調べだ。

《狐火・球》

 

 小手調べ、として巨大な火球が放たれる。

 速度は速いが、十分避けられる程度で。流石に避けられてしまうが……凍った地面に足を取られて、若干バランスを崩しているように見えた。

 

「次は……これがいいな。

《狐火・柱》

「──ッ、不味っ!」

 

 その隙を狙って、地面から火柱が立ち上る。

 こちらもかろうじて避けられるが……今度こそ、致命的に体制を崩す結果となった。

 

「ほらよ、《狐火・(むしばみ)

 

 放たれたのは、サイズも小さく弾速も遅い。戦闘で使うには不相応としか思えない炎。

 相手が体勢を崩していない限り、どれだけ重装備だろうと余裕で避けられてしまうだろう一撃。

 しかし、その真の恐ろしさは着弾後に発揮される。

 

「う、腕がッ!?」

 

 左腕に着弾した次の瞬間、腕が蝕まれるように()()していった。

 放置すれば腕から胴体、そして内臓へと届き相手を死に追いやる。見た目こそえげつないが……“敵を殺す”という一点に限れば、これ以上なく優秀な技だ。

 

 とは言え、進行速度はそこまで早い訳でも無く。彼女ほどの実力者ならば……と思って見ていると、やっぱり。

 左腕を根元から切断することで、被害を左腕一本に抑えて見せた。

 と、ここで彼女は何かに気付いたようでニヤリとした笑みを浮かべて見せた。

 

「炎技の扱いには気を付けるべきだったねっ!!」

 

 そう言って、こちらの狐火で氷が溶けた地点から地面に潜っていった。……そう、()()()()()()()()()()んだ。

 ダメだよ、ダメなんだよ。それじゃあ。そんな、()()()()()()()()()()()()()()

 

「そっちこそ、あまり必勝パターンに固執しすぎるなよ。

 必勝っつっても、100%じゃねぇんだからな。

《狐火・灼》

 

 地面を、かかとでコツンと叩く。動作は僅かそれだけだと言うのに……地面に張っていた氷が跡形も無く消え去った。

 それだけじゃない。地面そのものが煮え立っている。

 地面そのものを超高温に熱する術式。当然、そんな中に潜っている彼女はひとたまりも無く。

 

「シャチの煮物の一丁上がり、ってな」

 

 退場の光が地面から漏れ、彼女──沙花叉クロヱの退場が確定する。

 ふぅ、と一息ついた。丁度そのタイミングで、地面が、壁が……否、巨人そのものが、揺れ始めた。

 

「チッ、瑞樹がケリつけるまでに間に合わなかったか。

 脱出は……間に合わないな。こりゃ」

 

 そうぼやいた直後。頭上から大量の瓦礫が降り注いできた。

 





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 気が向いたら、是非。

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