銀狼哀歌~逸般人が征くホロライブラバーズ難易度『オーディション』ゆっくり実況プレイ~   作:LR44(ゆっくり)

8 / 47
 毎度毎度、文字数が想定オーバーする……
 早い所あやふぶみ残り二人も出したいのに……


part6『準備期間の3月 ④:鬼人と闇市』

「どうも皆さん、おはこんにちばんは。

 LR44(ゆっくり)チャンネルの中の人代理兼うp主もどきみないな何か、山さんです」

「中の人のリア友代理、松だ」

「前回はホロライブ学園がある街に移動して、百鬼嬢と合流した所までだったな」

「物理最強格のお嬢が協力者とは、心強い限りだな」

「だな。正直、よっぽどなイレギュラーでも起きない限りは負ける未来が見えないぞ。

 タッグトレーニングにも持ち込みやすそうだし、こりゃぁ今回は勝ったなガハハ」

「明らかにフラグ立ててるんだよなぁ……」

 

「っと、ここで本編前に現時点で狙えそうなトロフィーについて語っておくか」

「確か、オーディション限定金トロフィーを狙うんだったよな。

 オーディション限定金トロフィーと言えば、大体の動画で狙ってプレイしてる印象あるよな。

 ただ、その人たちは一点狙いで、この動画は狙うの決めてないんだよな」

「まあ、正直失踪したくはないし高度な柔軟性を維持しつつ臨機応変に対応できるようにした方が良いと思ってな。

 それに、実は今回プレイするバージョンは大分厄介なことになっててな」

「厄介な事?」

「そう。なんと、イベントの発生やトロフィー獲得の前提条件になるトロフィーが存在するんだよ。

 具体例としては、オーディション100回クリアのトロフィー[地獄の先を見た者]を獲得してないと派生しない高難易度ルートと、そのルート専用のトロフィーなんかが存在してるな。

 当然、コレは一例でしかないからもっと面倒なのも山ほどあるぞ」

「うげっ……そりゃぁ本当に面倒だな。

 じゃあ、それを踏まえた上で今回はどんなトロフィーが狙えそうなのか?」

 

「先ずは『人魔戦争』関連のトロフィーだな。

 人間と魔王軍、そしてそれ以外の種族全てを巻き込んだ戦争である人魔戦争は、ホロメン同士で争うことになったり、ホロメンが死亡したりが当たり前のように起こる超ハードモードルートだ」

「だが、人魔戦争を発生させない方法もいくつかあるんだよな。戦争前に魔王を倒したり魔王と交渉したり。

 まあ、どれも厳しい下準備が必要になる所為(せい)で難易度は尋常じゃないくらい高いんだがな。

 今回はどんなルートで称号を狙うんだ?」

「今回メインで攻略するホロメンは全員人間陣営だから、人魔戦争が激化してもそこまで影響はないが……流石にそれは避けたいからな。戦争回避ルートを狙うぞ。

 その中でも、今回は『カーディナルサイン』っていう第三勢力がいる訳だし、第三勢力ルートを通ろうと思う」

「あぁ、そもそもランダムで出現する第三勢力がいないと派生しないせいで突入自体面倒な奴な。

 その上、ルート分岐も第三勢力の動向次第でいくらでも変化するせいで、未だに完全解明されてないとかなんとか。

 今回は……どうなんだ?」

「今回は“人類至上主義”とかいう面倒な理念を掲げてるからなぁ。間違いなく敵対することになるな。

 だとすると、打倒第三勢力のために魔王軍と協力するルートが一番現実的な気がするな。

 後、レアケースではあるが第三勢力のお代わりが来ることもあるから、対処するなら早めにしときたいな」

 

「後は、今回はかなり引きがいいし、バトロワ関連のトロフィーも狙えるかもな。

 例えばオーディション限定銀トロフィーに[頂点に立つ者]っていう、全てのバトロワで1位を取るのがあるんだが、金トロフィーにはその上位互換があるんだよ。

 [殺し愛]、[鏖殺(おうさつ)]、[国士無双十三面(ライジングサン)]とかが代表例だな」

「ラ……何て?」

「“国士無双十三面”って書いて“ライジングサン”だな。

『ムダヅモ無き改革』ってイカサ麻雀漫画のネタだな」

「そ、そうなのか……」

 

「それ以外にも狙えそうなトロフィーはいくつかあるが、とりあえず今はプレイの中で自然に取れそうなこの辺りだけ意識しとけば問題ないだろうな。

 ってな訳で前置きが長くなっちゃったが、本編どうぞ」

 

 ◆

 

「成程な。それは大変だったな」

「ホントだよ。あんな経験二度と御免……って、このセリフ口癖になってきてる気がするなぁ……」

 

 久々の邂逅から数分後の瑞樹とあやめ。二人は派出所に併設された飲食所にて情報交換を行っていた。

 年齢の割に過酷な経験をし()()()いる瑞樹が、もはや口癖になりつつあるセリフを零せば、あやめはその特徴的な笑い声を零す。

 瑞樹が忘れかけていた穏やかな時間が、確かにそこには存在していた。

 

「それじゃあ、この後は現地の下見に行くのか?」

「いや……その前に、装備の補給に行きたいな。

 昨日ので消耗品が碌に残って無いんだよ」

 

 瑞樹が腰の小物入れを叩いて見せれば、ポスポスと気の抜けたような音が聞こえてくる。

 本人が言ったように、瑞樹は双子宮(ジェミニ)の大虐殺を切り抜けるために消耗品の大半を消費してしまっている。

 それだけに留まらず、メイン武器である短刀ですらメンテナンスのしようが無いレベルでボロボロになっているのだ。当然、買い替える必要が出てくるというものだ。

 

「あぁ……あ、それなら余、いい場所知ってるぞ?」

「いい場所……?」

「ああ──」

 

 瑞樹が疑問を投げかけると、あやめがにやりと笑みを浮かべる。

 

「──闇市だ」

 

 ◇

 

「この辺りの闇市は、偶に非正規ルートでの流通品だとか、表立っては取引でいない危険物だとか。そういう掘り出し物が見つかるんだ。

 見つけるのに少しコツがいるが、いいものが売ってるからな。余もよく顔を出すんだ」

「つまりは行きつけの店ってことか?」

「う~ん、そうなるかな。余もこっちに来たのが最近だからそこまで詳しくは無いけどな」

 

 路地裏の薄暗い道を進む。いくらホロライブ学園のお膝元とは言え路地裏は治安も悪く、よほど腕に自信がある奴かイカレた奴ら(不良やヤクザの類)以外が訪れることは殆どない。

 逆に言えばそれは人が殆ど訪れない環境が出来上がっているという意味。表立っては取引できないような品が見つかることもある、ということでもある。

 現に、二人はそういった品を求めて路地裏へと足を運んでいるのだ。

 

「あ、見つけたぞ!」

「お? ……おぉ、嬢ちゃんか。今日はどうした?」

「瑞樹の……こいつの装備を買いに来たんだ余」

 

 入り組んだ道を何度も曲がり、路地裏を暫く進んだ頃。看板も出さずに営業している、小ぢんまりとした店が、そこには存在した。

 中に入ると、白髪(しらが)を短く切り揃えた老人が出迎えてくれる。いかめしい表情からは厳しい印象を受けるが、その口調からは好々爺のような印象も受ける。

 どこかつかみどころのない人物だが、腰に巻いた作業道具から、鍛冶職人であろうことは推測できる。

 

「ふむ、中々に腕は立つようだが……恋人か何かか?」

「そんなんじゃないよ。仕事仲間。……そういうのも悪くないかもだけど、ちょっと硬すぎるかな」

「ほう、そうかそうか」

 

 老人は、呵々とした笑い声をあげる。何かを見透かしたように、どこか愉快そうに。

 老人はひとしきり笑ってから、真剣な顔をして瑞樹の方を向き告げる。

 

「して、瑞樹とやら。何を所望(しょもう)だ?」

「……早急に必要なのは短刀。刃渡り30cm程度で、出来る限り丈夫なのを。

 それに、苦無(投擲武器)閃光弾(フラッシュバン)があれば当面は。

 他は……このメモにあるモノが揃えば文句はないな」

 

 そう言いながら瑞樹が手渡したメモを見て、老人は軽い驚きの表情を見せる。

 瑞樹の体つきをじっと見つめたかと思えば、直後には合点がいったような表情で呟く。

 

「成程。【緑の影】の弟子か」

「……師匠を知ってるんだな」

「当然だ。昔……あいつが駆け出しのころからの付き合いだからな」

 

 表立った記録には一切その名を残しておらず、噂話すら聞いたことのない特色【緑の影】。

 その名をさも当然のように出すだけに留まらず、昔からの付き合いだと宣う老人が、瑞樹には際立って異常に感じられた。

 そもそも常に命の危機があるようなフィクサー界隈。老人と言うだけで珍しいものではあるが……それにしたってこの老人は異様すぎた。

 

「それで、所望の品だが……ふむ。4日もあれば揃えられるな。仕事の期日はいつまでだ?」

「1週間だな。準備期間で六日(むいか)貰ってる余」

「それならば五日(いつか)後に来るがいい。それまでにメモの物は全て用意しておこう。

 主武器は……そうだな、間に合わせではあるがコレをやろう。それなりの品ではあるぞ」

 

 そう言って投げ渡された短刀は、適当な店で売っている短刀から(やいば)部分の素材だけを取り換えたような、奇妙な印象を受けた。

 丈夫さを確かめるように軽く叩いてみて瑞樹は驚愕する。

 

真銀(ミスリル)……いや、屑真銀の短刀か。屑とは言え真銀だぞ? いいのか?」

「構わんよ。どうせ手慰みに作った失敗作だ。

 成功すれば屑だろうとオリジナルの真銀に匹敵する性能になるのだがな……」

 

 真銀(ミスリル)。その字面からも分かるように、対霊性を持つ“銀”をより()()()()()()形に改変した魔法合金である。

 銀と何種類かの魔法金属を、専用魔法によって混合する事で完成するソレは、銀の性質を引き継ぎながら非常に高い耐久性を示す素材として高価で取引されている。

 

 だが、いかに専用魔法とは言え混ざり方にはムラが生じ、場所によって性質の違いを現す。

 混ざり方が完璧な部分は“神銀(ミスリル)”と呼ばれ通常の真銀が比較にもならない高い性能を示す一方、もはや真銀とも呼べないお粗末な混ざり方の部分は“屑真銀”や“真銀屑”と呼ばれ二束三文で取引される素材となる。

 真銀屑をオリジナルの真銀に匹敵する性能にする、というのはその特許だけで一生遊んで暮らせるほどの金を生み出す夢の技術と言える。

 

「おいおい、とんでもない爆弾落とすんじゃないよ……」

「別に構わんだろう。お前はおいそれと外に漏らす手合いでは無かろう?」

「まあ……ただでさえ実力が隔絶してるのに、()()()()()まで見せられちゃぁな……」

 

 そう言う瑞樹の視線の先には、鍛冶用の耐火手袋から微かに覗く老人の素肌……否、義手の表面。

 よくよく探ってみれば、老人の両腕は二の腕の中ほどから完全に金属製の義手へと変わっていた。単体で武器として機能する程頑丈に作られたソレは、見るからに並大抵の技術で作られたものではない。

 その上……信じがたい素材が使われているのだ。人間の神話に登場する伝説の金属“緋緋色金(ヒヒイロカネ)”とX社の合金の複合材、と。

 到底信じられるものではないが……そうとしか思えない反応が返ってくるのだ。

 

「流石、アイツの弟子だ。将来は有望だな」

「それはどうも。じゃあ、俺はこれでお暇させてもらいますかね」

「うむ。っと、自己紹介がまだだったな」

 

 老人は姿勢を正すと、自身の背後にかけてある木製の看板を手で指し示し、告げる。

 

「儂は(じん)。『灰色熊』の刃。この、『灰熊工房』の(ぬし)だ。どうぞ、御贔屓に」

 

 ◆

 

「……なんかエグイ奴が出て来たぞ……?」

「『灰熊工房』……見た感じ、ワンオペ工房か? 

【緑の影】と古い知り合いで、老人……【藍色の老人】*1みたいにトンチキな実力者の可能性があるな、コレ……」

「っと、考察の前に貰った短刀の性能を確認しとくか」

 

真銀(ミスリル)屑の短刀 改伍】

 Str+100

 耐久値減少半減

 耐久値1000/1000

 

「ふむ、Str補正値は【安物の短刀】の4倍。耐久値は5倍……じゃ無くて実質10倍か」

「コレ、Str補正は序盤終わりごろの水準だが、耐久面は中盤どころか終盤でも通用する水準だぞ!?」

「長く使えそうだし、有難い限りだな。

 こんないいものが売り物にもならないような工房の主と知り合えたのは相当でかいぞ」

 

「取り合えず、次回は仕事までの1週間で瑞樹を出来る限り強化するターンだな。

 流石にこの初期状態でガッツリ戦闘イベント踏むのは勘弁願いたい」

「多分、瑞樹君が潜入して単身でリーダー格の相手をすることになるだろうからな。

 ある程度は強化しときたいよな。取り合えず、枠が余るのはもったいないから最低限スキル枠が埋めれる程度には」

「【短刀】スキルが取れれば、百鬼嬢とタッグトレーニングが出来るだろうから、先ずはそれが目標だな。

 じゃあ、今回はここらへんで。ご視聴ありがとうございました」

 


「はい、どうも皆さん。オマケコーナーの担当の、中の人のリア友代理、冨遺(とみい)だ。

 オマケコーナー第六回。今回は山さんから説明を任されたバトロワ系のトロフィーについての解説だな」

 

「[殺し愛]。入手条件は全てのバトロワで主人公が1位、かつ2位が特定のホロメン。その上でそのホロメンのルートに入ることで条件成立だ。

 “2位”って書いてるが、正確には『主人公以外で最後まで生き残った対象であり、かつ主人公を除いた最高順位』であることが条件だな。

 つまり、チーム戦のバトロワの場合は対象のホロメンと主人公が同じチームで、かつ二人が属するチームが1位を取る必要がある訳だな。

 ここがこのトロフィーの一番難しい所でな。『前回の上位同士が組めないチーム戦』なんかが開催された時点で、どれだけの技量を持ってようと獲得不可能になる訳だ。

 逆に言えば、通常プレイでも攻略するホロメンと組むムーブは定番だから、運さえ悪くなければ自然に獲得可能なトロフィーって事だな」

 

「[鏖殺(おうさつ)]。入手条件は、全てのバトロワで参加生徒の半数以上を撃破して1位を取ること。

 参加する生徒の数でも難易度が左右されるが、基本的にはバトロワ系トロフィーの中で純粋な入手難易度は一番高いと言われてるな。

 その要因として、モブ生徒同士でも潰し合う事が挙げられるな。速攻で殲滅することが要求されるから、序盤のビルドが本当に難しい。

 パーティーを組んだホロメンが撃破してもカウントされないから、ソロを強要されることになるし、チーム戦があればホロメンより(さき)んじて大量のNPCを殲滅する必要があるからな。

 オンラインで見れるトロフィー取得率も最低クラスだし、本当に難しいことがよく分かるな」

 

「[国士無双十三面(ライジングサン)]。条件は、全てのバトロワでホロメンを同一の13人()()撃破して1位になること。

 例えば……1期・2期・3期全員を倒せば撃破数は丁度13だから、全てのバトロワで1・2・3期のホロメンのみを撃破すれば獲得できる訳だな。

 モブ生徒の撃破数に制限は無いから育成面での支障は大きくないのがせめてもの救いだな。ホロメン撃破数13はむしろ経験値的にとてつもなく美味しいしな。

 まあ、バトロワのルール次第では、序盤のバトロワで13人もホロメンが出場しないことがあるんだよな……。そのせいでデータ次第では序盤で詰みかねないのが一番の懸念点か。プレイヤーの技量についてはその次だな」

 

「さて、今回はここら辺にしとくか。それじゃあ、次回も見てくれよな。

 飛び込め、あなただけのオルタナティブ!!」

*1
『Limbus Company』5章『悪に規定される』で登場した特色。




 最近(執筆時点)流行りの『リーサルカンパニー』。“Lから始まる”“Company”なので毎回『Limbus Company』に空目するんですよね……

 本作に登場させるスキル募集 詠唱募集を行っています。
 気が向いたら、是非。

<今回のネタ解説>

・金トロフィー
 書きながら適当に考えた。【国士無双十三面】は、白上嬢のff14配信麻雀中にムダヅモなき改革に触れてたので思いついた。天地創世(ビギニング・オブ・ザ・コスモス)凄く好き。

・闇市
 ホロラバ定番の奴。主人公の戦い方の都合上、多用することになると思う。

・『灰色熊』の刃
 元ネタはシルヴァリオの『ジン・ヘイゼル』。名前は完全にそのまま。
 因みにこのキャラ、初期案ではただのモブで、第二案では名無しのネームドとかいう一言で矛盾したキャラでした。第三案である今回で名前と詳細な設定を貰ったキャラです。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。