デジモンストーリー サイバースルゥース リブート 作:リハビリ中のとある作者
真っ暗闇の中、誰かの声が聞こえて来る。
「――――――」
何を言っているかは解らない。
ノイズのせいでうまく聞き取れなかった。
だが、私はその声に対してこう返答する。
「待ってて……必ず助けに行くから!!」
===
目覚めると自室のベットの上だった。
しばらく見知った天井を眺めた後、ベットから起き上がり着替えを始める。
着替え終えるとキッチンに向かい、トーストとコーヒーの準備を開始した。
「いただきます」
自分で用意した朝食を食べる。
途中テレビをつけて今日のニュースを見る。
『ここ最近、EDEN症候群になる人が増えているそうです』
「…………」
私はテレビの音量を上げた。
『EDEN症候群とは、電脳空間であるEDENのヘビーユーザーが陥る症状のことです。負荷の蓄積により意識障害などの体の不調が生じ、重傷の場合は昏睡状態になるケースも報告されています。EDENを運営しているカミシロ・エンタープライズは、長時間のログインは避けるようユーザーに呼び掛けているようです……次のニュースは―――』
『きゃあああ! ジミケンサマァ!!』
『ちょ、静川アナ!?』
次のニュースの内容で何やら放送事故が起きたが興味なし。
私はテレビを消してコーヒーを飲んだ。
「やはりテレビのニュースで知れる情報はたかが知れているか……」
仕方ない。
EDENを運営しているカミシロ・エンタープライズは大きい企業だ。
テレビ局に多額の出資をしていると思われるし、敵にはしたくないはずである。
「ごちそうさまでした」
朝食を食べ終え、食器などの後片付けを済ませる。
「……さて、行きますか」
虎穴に入らずんば虎子を得ず……
私はEDENにログインをした。
===
EDEN症候群……
先ほどテレビニュースでやっていた通り、電脳空間であるEDENを使用しているヘビーユーザーがなりやすい病のこと。
アバターを通じて情報を直に体感している為、長時間の使用は体に負荷が掛かる。
その蓄積した負荷により意識障害などを引き起こす。
重傷の場合、昏睡状態に陥ることもある。
軽症者のケースについては問題ない。
問題は重傷者である昏睡状態に陥った者たちだ。
私が知ってる者で四年眠り続けている。
更に重傷者の中で目を覚ました者はいないと言う。
まるで魂が抜け落ちたのではないか?
……いや、この場合は精神と言った方がいいかもしれない。
もしもそうなら、抜け落ちた精神はどこへ消えた?
EDEN内を彷徨っているのか……
または別の場所に集められているのか……
もうこの世にない可能性もあるだろう。
その答えのヒントになり得そうな情報を一つ見つけた。
EDENに棲む白い少年の幽霊
電脳空間に幽霊なんて馬鹿馬鹿しいだろう。
だが、もしもその幽霊の正体がEDEN症候群患者の精神データであれば……
確かめなければならない。
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EDEN クーロン level1
クーロンはハッカーたちが多くいる。
最近ではアカウント狩りが増えていると言う。
とても危険な場所だが……それは百も承知である。
(いい加減あの寝坊助の目を覚まさせないとな)
この四年、ずっとEDEN症候群について調査をしている。
寝坊助のあいつのこともそうだが、一番はやはりあいつらのことが理由だ。
あいつらの悲しそうな顔が脳裏に焼き付いて離れない。
どうして……あの時私はあいつらと一緒にいなかったのだろうか?
私がいたところで何も変わらなかったかもしれない。
しかし、それでも……私は……
「!?」
目の前に件の白い少年の幽霊が現れた。
その少年の顔を見て、私は驚きを隠せないでいる。
「ゆ―――」
白い少年の幽霊はそのまま私の方から遠のいて行く。
「ま、待て……待つんだ、ゆ―――」
「ダメクル!!」
「ごふぅ!?」
何か白くて小さな物体が突進して来た。
その反動で私は尻もちをつく。
「な、なに?」
「あっちには危険な奴がいるクル! だから行っちゃダメクル!!」
私はあいつの去った方を見た。
確かに何かヤバい感じがする。
このまま行ったら戻れなくなるそうな……そんな感じだ。
「……わかった。行かないよ」
「本当クル?」
「えぇ……」
白い少年の幽霊の正体があいつだった。
それだけで大きな収穫だ。
(それに私までEDEN症候群になるわけにはいかないしね)
私は元来た道へと戻った。
この時、私はあの白い生物に救われていたことを知らない。
もしもあの時、アイツを追っていたら……
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『それでいい……君までこっちに来る必要はない』
白い幽霊の少年はそう呟いて消え失せる。
その後、空間に歪みが生じそこから数体のアンモナイトみたいな生物が現れた。