プラマイ零のヤンデレ   作:中田 旬太

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 初めましての人は初めまして。お久しぶりの方はお久しぶりです。

 なろうで活動を始め、その息抜きで書きました。

 ヤンデレ初挑戦です!


第1話

 

 デュエル・マスターズ。

 通称、デュエマ。

 

 五つの文明のマナを貯め、山札に眠るクリーチャーを召喚。

 敵のシールドを破壊しトドメを刺す。

 それがデュエル・マスターズだ!

 

 

 

 

 

 

 ベッドや勉強机などが置かれている、如何にも小学生の部屋らしい部屋。変わったところがあるとすれば、その部屋にはいくつものトロフィーと賞状が飾ってあることぐらいだろう。

 その部屋の床でカードを並べ、デュエルする二人が居た。

 

「ボルメテウス・ホワイト・ドラゴンでシールドをW(ダブル)ブレイク。ボルシャック・NEX(ネックス)でトドメ」

 

「ああ、また負けたのだー」

 

 部屋の主である少年のボルメテウス・ホワイト・ドラゴンが少女のシールドを破壊する。ボルメテウスの効果でシールドは手札に行かず、そのまま墓地へ。そして、シールドもブロッカーも無い少女にボルシャック・NEXで攻撃。これにより少年の勝ちが決まった。

 

「ぐぬぬ、このままでは終われない! もう一回なのだ!」

 

「はいはい、もう一回な」

 

 悔しがる少女ことプラマイ零。彼女の再戦の申し込みを比良(ひら)(さか)太陽は笑顔で受ける。そして、もう一度デュエルが繰り広げられた。

 

「むふふ、私の勝ちなのだ!」

 

「あー、負けたかー」

 

 さっきと違い、今度は零が太陽に勝利した。勝ったことがよほど嬉しいのか零は自慢げに鼻を鳴らし、小学六年生とは思えぬほど豊かに育った胸を張る。

 太陽はそんな彼女に目を向けず、自分のデッキを広げてうーんと悩ましげに唸っていた。

 

「どうかしたのだ?」

 

「いやー、来週の月曜の大会に向けてデッキ調整悩んでてさ」

 

「………なるほどなのだ」

 

 何を隠そう、太陽は小学六年生にしてすでにプロのデュエリスト。数多くの大会に参加し、華々しい成績を修めてきた。部屋のトロフィーと賞状が何よりもそれを物語っていた。

 

「なら、私が応援に行ってやるのだ」

 

「それは嬉しいけど、学校はどうすんだよ」

 

「そんなもの休めばいいだけなのだ」

 

「いや行けよ学校」

 

 そんな漫才のようなやり取りをする二人。しかし、会話の最中も太陽はカードから目を離さない。

 

「………むぅ」

 

 次第にそんな太陽に不満を抱き始める零。立ち上がり、太陽の後ろへと回るとその背中に抱き着いた。

 そうなれば当然、彼女の胸が彼の背中で押し潰されることになる。太陽は抱き着かれたことと背中に感じる柔らかい感触に顔を赤くする。

 

「ちょ、おまっ………!」

 

「かーまーえー! なのだ!」

 

「分かった! 分かったから一回離れろ!」

 

 

 

 

 

 

「むふふーふふーん」

 

「………まったく」

 

 さっきとは違い、正面から太陽に抱き着く零。太陽の胸に顔をうずめ、抱きしめられていることに嬉しそうに声を出す。結局抱き着かれている太陽の顔を赤く、腹に感じる零の胸の感触にさらに顔を赤くさせた。

 

「………触りたかったら触ってもいいのだぞ」

 

「よーし、今すぐ俺から離れろ」

 

「ああ! ごめんなのだ! 悪かったのだ! もう言わないからこのままでいさせて!」

 

 無理やり引き剥がそうとする太陽に抱き着いていたい零は謝罪の言葉を口にする。それを聞いた太陽はため息を吐くと、引き剥がそうとするのをやめた。

 しばらくそのままの状態が続くと、零は右耳を太陽の胸に当てる。その行為を不思議に思った太陽は首を傾げる。

 

「零?」

 

「………よかった。ちゃんと動いてる」

 

「………!」

 

「時々、凄く不安になるの。これが全部夢で、目が覚めたら太陽があのまま死んでるじゃないかって。幸せな今が全部、偽物なんじゃないかって」

 

「………零」

 

 不安そうな零の言葉に、何とも言えない表情になる太陽。

 

 ほんの少し前まで起こっていたアウトレイジとオラクルの戦い。その戦いの最後の方で、太陽は一度イズモに殺された(・・・・)

 

 しかし、レイジクリスタルとオラクルジュエルが融合したオメガクライマックスの力で奇跡的に生き返ることが出来た。それがなければ太陽はこの場には居ないだろう。

 その事実が、その不安が、零はどうしても頭から離れなかった。

 

「………大丈夫だ零。俺はちゃんとここに居る」

 

「………絶対に、居なくならない?」

 

「ああ。ずっとお前のそばに居るよ」

 

「―――太陽、大好きなのだ」

 

「俺も大好きだよ、零」

 

 そう言うと太陽は零を抱きしめる腕の力を強くする。彼女を安心させるために。

 

 零もまた、抱きしめる腕の力を強める。彼をどこにも行かせないように。

 

 

 

 

 

 

 彼を抱きしめる腕の力を強め、彼の体の感触とその温もりを強く感じ取る。耳を澄ませ、彼の心臓の鼓動に聞き入る。ドクン、ドクンと脈打つ彼の心臓に強い安心感を覚えた。

 

 ふと思い出すのは兄様に殺されそうになったときのこと。

 私を庇い、その命を落とした。

 息をせず、呼びかけには何も答えてくれない。

 音の聞こえない心臓と冷たくなっていく肌の感触が、ずっと頭から離れなかった。

 

 それだけではない。

 オラクルの影響を受けたカードから私を守ってくれた。前世の記憶が蘇り、敵になってしまった私を助け出してくれた。酷いこともたくさんして、重傷も負わせた。

 それでも私のことを助けてくれて、大切な友達だと言ってくれた。

 

 好きになるな、というのが無理だった。

 

 ―――好き。好き。大好き。離れたくない。失いたくない。

 

 そんな想いが私の心と思考を支配した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 お願いだから、居なくならないで。

 ずっとそばに居て。

 離れないで。

 もし、居なくなったら君の後を追う。

 そして、もう一度君と出会う。

 もう一度君のことを好きになる。

 それほどまでに君のことを―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ―――愛してる

 

 



















 続き書くかはわかりません。作者の気分次第です。
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