プラマイ零のヤンデレ   作:中田 旬太

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 新年、明けましておめでとうございます!(大遅刻)

 なろうの方ばっかり書いてました。
 なかなかこっちが思いつかなくて………。

 今回は過去編です。ひょっとしたらしばらくは過去編かも。


過去編
過去編1話


 

 オラクルの親玉であるヨミを倒したデュエマ探偵団。

 しかし、依然としてオラクルの影響を受けたカードは存在しており、デュエマ探偵団の活動は続けることに。

 

 そして、迎えた夏休み。

 世の小学生が大はしゃぎするイベントの、その終盤。太陽の姿は病院のベッドにあった。

 

 額には包帯が巻かれて右腕にはギプスを付けており、見ただけで何か大怪我を負ったことが分かった。

 

「はぁー」

 

 病院のベッドから外を眺め、ため息を吐く太陽。別に何か辛いわけでは無いのだが、夏休みの終盤に病院のベッドにいることに物悲しさを感じて出てしまった。

 

 なぜ、太陽が病院にいるのか。それは、世間を騒がせたお化け騒動から始まる。

 

 

 

 

 

 

 とある森でお化けを見たという騒動から始まり、それを見に行こうと人が沢山訪れる。最初は姿だけだったのだが、徐々に周りの木々が動き出しただの、動き出した木に足を掴まれて転んだなど実害が出るにまで至ってしまった。

 

 これはカード事件だと踏んだデュエマ探偵団は森に行くが、森に入った瞬間カード事件特有の謎の空間が生成され、その空間内で探偵団はバラバラになってしまった。

 

 分かれ方としては太陽と零、そして零の相棒であるエグザイルクリーチャーのブータン。そして残りの探偵団と二つに分断されてしまった。

 

 その空間内は見渡す限り木しかなく、その空間を探索すると味頭領ドン・グリルに遭遇。ドン・グリルが今回の犯人だと分かるが、ドン・グリルの猛攻にブータンはデュエルゾーンを展開出来ずに一旦引いて態勢を立て直すことに。

 

 しかし、逃げる最中にドン・グリルの操る木に襲われる零。ブータンが防ぎ切ることができず、迫る木から零を庇ったことで太陽は負傷してしまったのだ。

 

 結構な重傷であり、攻撃を受けたときは頭から血を流して気絶してしまうほどであった。

 その後は駆けつけた勝太たちのおかげでどうにかなったことを、後日太陽は聞かされた。

 

 太陽はというと、病院に搬送されるもすぐに目を覚ました。しかし、頭を怪我して気を失ったということで、大事を取って少しの間入院という形になったのだ。

 

 以上が、太陽の怪我と入院の経緯である。

 

 

 

 

 

 

「まあ、しゃーないよな。あー、デュエマやりたい」

 

 太陽はそう言うとベッドに寝転がる。本来なら複数人用の病室なのだが、他に患者が居ないことで実質一人部屋になっていた。

 一人の気楽さを噛み締めるも、話し相手が居ないことに退屈する太陽。そんな病室にコンコンっと、扉をノックする音が響いた。

 

「どうぞー」

 

 太陽がそう言うと扉が横に開き、人影が現れる。太陽は現れた相手に若干嫌そうな顔を見せた。

 

「なんだお前か………」

 

「………来ちゃいけないのだ?」

 

 太陽の病室に現れたのはプラマイ零であった。

 

 太陽のぶっきらぼうな対応に、零も太陽を軽く睨みつける。しかし、太陽はその睨みをどこ吹く風と流した。

 

「別に………」

 

 太陽はそう言うと再びベッドに寝転がり、顔を病室の扉から反対の窓へと移す。

 零はそんな太陽の対応を気にすることなく、太陽の側まで行くと置いてある折りたたみ椅子を広げて座る。

 

「………林檎いる?」

 

「………貰う」

 

 片言に話す二人。この様子から何故零が見舞いに来るのか、そして太陽は何故それを受け入れるのかが分からないほど、仲は良く見えなかった。

 

「………ブータンは?」

 

「撒いてきた」

 

「………そうか」

 

 会話は長く続かない。というよりも、零は太陽が入院してからの三日間、見舞いに来ても会話を一切しない。こんな風に林檎を持って来ては皮を剥き、太陽に食べさせると暗くなるまでそこに座っているだけ。

 

 太陽もそれに関しては触れず、ただ時間が過ぎるのを待つだけだった。

 しかし、流石に三日間もそれが続くと苛立ちに似た感情で気になり出す。零が林檎の皮をを剥くなか、太陽は体を起き上がらせて零へと苛立たしげに尋ねる。

 

「お前、なんで三日間毎日来るんだよ。来ても林檎剥くだけだし」

 

「………来たらダメなのだ?」

 

「そうじゃねえ。俺は来る理由を聞いてるんだよ」

 

 太陽がそう尋ねると、零は剥いていた林檎を側にある棚の上に置く。

そして、ゆっくりと話し始めた。

 

「だってその怪我、私のせいだし………」

 

 若干俯きながらそう言う零の姿は、どこか弱々しかった。そして、その珍しい零の姿に太陽も刺々しい雰囲気を潜める。

 

「別にお前のせいじゃないだろ。ドン・グリルのせいだ、ドン・グリルの」

 

 変わらずぶっきらぼうではあるものの、先ほどより言葉は優しい太陽。その言葉に零は俯かせてた顔を上げ、呆然とした表情で太陽を見つめた。

 

「………なんだよ」

 

「………なんで私のこと助けてくれたのだ?」

 

「なんでって、大した理由なんて………」

 

「だって、太陽は私のこと嫌いなのだろう?」

 

「………あー、そういうことか」

 

 そこで太陽は悟る。零が毎日見舞いに来ていたのは罪悪感と、自分を助けた理由を尋ねるためなのだと。

 太陽は面倒くさいと言いたげな表情で頭を左手で掻く。そして、ゆっくりとその理由を話し始めた。

 

「確かに嫌いだよ。でも、なんだ………死なれたら嫌だし、ちょっと寂しいかなとは思う」

 

「―――」

 

 太陽からの返答に零は目を点にさせる。その表情を見た太陽はいたたまれなくなり、少し恥ずかしそうに顔を再び窓へと向ける。

 その一連の動作が可愛く思えた零はクスッと笑った。

 

「フフフッ」

 

「笑うな!」

 

 その笑い声を聞いた太陽は顔を真っ赤にして怒鳴るが、それさえも今の零にとっては可愛く見えてしまった。

 

「ああー、クッソ………! 余計なこと言うんじゃ無かった」

 

「………太陽?」

 

「………なんだ?」

 

「デュエマしようなのだ!」

 

「はあ? なんで俺がお前と………」

 

「もしかして、デッキ持って来てないのだ?」

 

「いや、まあ………持って来てるけどさ」

 

 そう言うと太陽は棚の上にあるバックを見る。太陽はプロのデュエリスト。近くに自分のデッキが無いと落ち着かないため、デュエマをしなくても病院に持って来ていた。

 

「なら、やろうなのだ! まさか、プロデュエリストが片腕じゃできないなんて言わないのだ?」

 

 ニヤリと笑い、明らかな挑発をする零。その挑発に太陽はムッとなるも、そこでふと一つの事実に気がつく。

 

(そういえば俺、コイツとデュエマしたこと無かったな)

 

 零と出会って五ヶ月近くになるが、今まで一度もデュエマをしたことが無い。それは零が仮面のデュエリストとして太陽達の前に現れたときも含めてである。

 

 少し考えるように黙る太陽。しかし、すぐにニヤリと笑って見せた。

 

「いいぜ。デュエマしよう、“零”」

 

「―――っ! うん!」

 

 花が咲くような可愛らしい笑顔を見せる零。

 

 依然として太陽は零のことが嫌いである。しかしこの日、その嫌いの形が少しだけ変わったと感じる太陽であった。

 

「あ、林檎忘れてた」

 

「あ!」

 

 

 

 

 

 

 私、プラマイ零は比良坂太陽が嫌いだ。

 向こうが私のことを嫌っているのだ。こっちが好きになるなんてことそうそう無い。

 

 なのに、アイツは私のことを助けた。もしかしたら死ぬかもしれなかったのに。事実、アイツは私を助けた直後に気を失った。

 

 胸中に渦巻く罪悪感と、何故私を助けたのかが気になる私はアイツが入院してからの三日間毎日病院に通った。

 しかし、普段から親しく会話をすることはなく、怪我をさせた申し訳無さから中々聞くことが出来なかった。

 

 しかし、怪我を私のせいだと思っていないことを知って、ようやく尋ねることができた。そして、どんな答えが返ってくるのだろうと思っていたら―――

 

『確かに嫌いだよ。でも、なんだ………死なれたら嫌だし、ちょっと寂しいかなとは思う』

 

 そんな答えが返ってきた。

 嫌いなのに、居なくなったら寂しいと思ってくれるんだ。

 

 その答えが、なんとなく嬉しかった。私は自分の居場所が分からないからオラクルになった。それで居場所を見つけたと、そのときは思った。

 だけどこのときはそれ以上に、自分の居場所を見つけたような気がした。

 

 その後、ぷいっと子供みたいに顔を逸らす“太陽”は凄く可愛くて笑ったら、顔を真っ赤にして怒って来た。それが更に可愛くて笑ってしまった。

 

 そこで私は初めて、太陽にデュエマをしないかと誘った。

 思い返せば太陽とデュエマをしたことが無く、今は無性に太陽とデュエマをしたくなったからだ。

 

 私の誘いを嫌がるも、こっちが挑発すれば太陽はニヤリと笑って誘いに乗って来た。

 

『いいぜ。デュエマしよう、“零”』

 

 このとき、私は思わず嬉しくなって笑顔を浮かべた。

 なんで笑ったのかこのときは分からなかったが、後々その理由に気づいた。

 太陽は私のことを『お前』や『コイツ』としか呼んでくれない。初めて面と向かって名前を呼ばれたことが、私は嬉しかったのだと。

 

 その後のデュエマは凄く楽しかった。

 だからといって太陽のことはまだ嫌いだ。

 

 けど―――以前のように不快に思うことは無くなったと思う。

 

 

 

 

 

 

 夏休み明けの教室

 

零「おはようなのだ太陽!」

 

五年二組『!?』ザワッ

 

太陽「ああ、おはよう」ニヤリ

 

五年二組『!!!?』ザワワッ

 

 

 

 

 放課後

 

零「太陽! デュエマするのだ!」

 

五年二組『えっ!?』

 

太陽「いいぜ。今日もボッコボコにしてやる」

 

五年二組『ええええええええ!!!?』

 

五年二組(夏休み中に一体何が………!!!?)





 You◯ubeでもうすぐビクトリーV3の配信ありそうなので嬉しい。
 けど、期間限定だからストーリーにまつわる話は書けないだろうなー。

 次回の更新も未定です! 気長にお待ち下さい!





 追記
 公式配信無さそう。ガーン………
 あと、X(旧Twitter)始めてみたので気になる方はフォローを!
 なんか適当に呟きますので
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