プラマイ零のヤンデレ   作:中田 旬太

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 新年、明けましておめでとうございます!(再び大遅刻)
 なろうの方で少し行き詰まって、息抜きに書きました。

 なんとなく察しているでしょうが、今回のお話は「プラマイ零のヤンデレ」でも「オラクルの零のヤンデレ」です。


IFストーリー
IFストーリー:もしも太陽の前世がオラクルだったら


 

  零が連れ去られ、オラクルとしての前世の記憶を思い出した後のこと。

 空が分厚い雲で覆われてるせいもあってか廃墟のように見える城で、二人の人物がバルコニーに現れた。

 

「レイ、覚えているかい。お前はここが好きだったんだ」

 

「覚えていますわ兄様。私が兄様にデュエマで負けた時、悔し泣きする私をいつもここに連れて来て来れましたわ」

 

 最初に現れたのは全身に包帯を巻き、左目と包帯の隙間から覗く白髪が不気味さを醸し出したオラクルの幹部、イズモ。

 身長は小学生並に低く、声も幼い。しかし、今の風貌と声が掠れて弱々しくなっていることも相まって不気味さに拍車をかけていた。

 

 続いて現れたのはアウトレイジの書に選ばれたはずのデュエリスト、プラマイ零であった。

 しかし、今は前世でイズモの妹であった記憶を思い出し、人格もオラクルに染まっていた。

 目つきはどこか鋭く、その身に纏う衣服も神聖さを放ちつつも邪悪さを感じるオラクル特有の服を纏っていた。

 

「魂に刻まれた記憶が完全に蘇ったようだね」

 

「はい、再び共に作りましょう。オラクルの世界を」

 

「ああ」

 

 完全に記憶を取り戻した妹に、イズモは嬉しそうに目を細める。

 しかし、レイは笑顔から一転して少し寂しそうな表情を浮かべた。

 

「どうかしたのか、レイ」

 

「………兄様、一つお願いがあるのです」

 

「お願い?」

 

「はい。比良坂太陽のことです」

 

「………そうか。やはり、気づいていたんだね」

 

「っ! ということは兄様も………!」

 

「ああ、気づいていたよ」

 

 イズモの言葉に零は嬉しそうに笑顔を浮かべる。

 そして、子供が親にお願いするように慌ただしく話し始めた。

 

「ならば話は早い! 私のお願いというのは………!」

 

「ああ、勿論だとも。レイを取り戻したら、次は彼をと思っていたからね」

 

「兄様………!」

 

 零が内容を言い切る前にそれを肯定し、自身もそのつもりだったと明かす。

 自身の願いを聞き入れてくれるどころか、同じ考えを待ってくれていた兄に零は尊敬と愛情を込めた眼差しを向けた。

 

「迎えに行っておいで。僕の義弟(おとうと)であり、君の(おっと)であった彼。比良坂太陽―――テラ(・・)を」

 

「はい! 兄様!」

 

 

 

 

 

 

 零を連れ去られ、デュエマ探偵団の一同は手掛かりとその本人を手分けして探していた。

 そして、太陽は一人街はずれの森の中を探していた。

 

「クッソ! 一体どこに連れてかれたんだよアイツ………」

 

 苛立たしげに愚痴をこぼしながら森の中を進んでいく太陽。

 その怒りは連れ去られた零に対してではなく、自分に対するものだった。

 

(俺が居ながら………、情け無い………!)

 

 目の前で零を連れ去られたことを悔やみ、その情けなさに苛立つ太陽。

 辺りを見渡しながら森の中を進み、やがて木々が生えていない開けた場所に出た。

 

「手掛かり無しか………。ハァ………」

 

「ようやく見つけたぞ」

 

「!」

 

 突如として上空から聞こえた声に太陽は目を見開く。

 何よりその声には聞き覚えがあり、太陽は慌てて空を見上げた。

 

「零!」

 

 そこに居たのは連れ去られたはずの零であった。

 探していた相手が見つかり安堵―――とは行かなかった。

 

「………零、なんだよな………?」

 

 明らかに様子がおかしい。格好もいつもと違ければ、宙に浮いているというのが異常であった。

 何より、零から感じるオラクルの邪悪な波動を太陽を感じとっていた。

 

(なんだ、このオラクルの気配は………!)

 

 零に対して懐疑的な目を向ける太陽。

 そんな目を向けられても、零はただ不敵に笑っていた。

 

「ああ、正真正銘。本物のレイだとも」

 

 そう言うと零はゆっくりと太陽の前に降り立つ。

 降りてきた零に太陽は警戒心を剥き出しにし、一歩後ろへと下がって腰にあるデッキケースに手をかける。

 しかし、零は微笑むだけで何もしてこないためデッキケースから手をどけた。

 

「………まあ、無事なら良かった。みんなお前のことを心配して―――」

 

「太陽」

 

 みんなが心配していたと話す太陽の言葉を遮る零。

 この行動に太陽の警戒心は更に跳ね上がる。

 いつでもデッキケースに手を掛けれるように神経を尖らせつつ、零の言葉に耳を傾けた。

 

「なんだ?」

 

「私と一緒に来て」

 

「………来てってどこにだ?」

 

「我らオラクルの所だ」

 

「断る!」

 

 零の誘いを即座に断り、後ろへと跳躍してデッキケースを開いた太陽。

 そして、鬼気迫る表情で零のことを見据えていた。

 

「お前、本当に零なのか⁉︎」

 

「だからそうだと言っているだろう。偉大なる兄イズモの妹。これが私の真の姿だ」

 

「イズモだって⁉︎ しかも妹って、どういうことだ!⁉︎」

 

 かつて倒したはずのオラクルの幹部、イズモの名前に驚く太陽。

 何より、その妹の意味が全く理解できていなかった。

 

 戸惑う太陽に零は再び微笑む。そして、誘うように右手を前へと出していた。

 

「それは私についてくれば分かる。さあ、私と共に来るのだ太陽。共にオラクルの世界を作り上げよう」

 

「だから断るって言ってんだよ!」

 

 デッキケースからデッキを取り出し、右手を前に突き出してデッキを掲げる太陽。

 すると、太陽のデッキが眩い光を放ち始めた。

 

「………真のデュエリスト。カードの力を実体化させることができる選ばれし者。今にして思えば、お前のその力も納得が行くな」

 

「? 一体何の話だ?」

 

「それも私についてくれば分かる。しかし、情けないが私一人ではデュエマでお前に勝つことは難しいだろう」

 

「ならどうする? このまま降参するか?」

 

「言っただろう。私一人(・・・)ではとな」

 

 そう言うと零は懐から三枚のカードを取り出す。三枚のカードはオラクルの邪悪なオーラを纏っていた。

 そして、零はそのカードを空に向かって解き放つ。

 するとカードからクリーチャーが実体化した。

 実体化したのは『妖精左神パールジャム』『爆裂右神ストロークス』『聖忌祀ニューウェイヴ』の三体であった。

 

「これで四対一だ。流石のお前でもこれでは苦しかろう」

 

「チッ! 面倒くさいことになったな。こんなことになるなら誰かと一緒に行動すれば良かった………」

 

 単独行動したことを後悔する太陽。

 弱音を吐いた太陽に対し、零は不適な笑みを浮かべた。

 

「なら、諦めて降参するか?」

 

「ハッ! ふざけんな! こんなのピンチでも何でもねぇよ!」

 

「フフッ、その強がり。一体いつまで持つのやら」

 

『『『ウオオオオオ!』』』

 

 逆境でも諦めず、鼻で笑って大胆に零を挑発する。

 そんな太陽の強がりとも取れる言葉に零は妖艶な笑みを浮かべる。

 そんな二人を取り込むように三体のクリーチャーはデュエルゾーンを展開するのだった。

 

 

 

 

 

 

「メイプルシロップでトドメ!」

 

「ぐあああああぁぁぁぁぁ!!!」

 

 零のクリーチャーである『傀儡のイザナイ メイプルシロップ』の攻撃を生身で受けた太陽。

 体は元からボロボロであり、その攻撃を耐えるだけの力は残されていなかった。

 

 決着がついたことにより、デュエルゾーンが消失していく。

 そして、先ほどの開けた森の中に二人は姿を現した。

 

「さすがと言うべきか、まさか三体のクリーチャーを倒してしまうとは。危ないところだったな」

 

 零が事前に実体化させた三体のクリーチャーを撃破していた太陽。しかし、後一歩のところで零に負けてしまった。

 そして件の太陽は傷ついた姿で地面に倒れ、気を失っているのだった。

 

「だが、これで………! フフッ、フフフッ!」

 

 零はニヤニヤと笑いながら太陽へ近づくと頭のそばで腰を下ろし、正座で地面へと座る。

 そして、太陽の頭を自身の太ももに置くと、愛おしそうにその頭を撫でていた。

 

「フフッ、兄様も待っているわ。早く私達の家に帰りましょう、ア・ナ・タ♡」

 

 恍惚な笑みを浮かべ、愛おしそうに太陽を呼ぶ零。

 熱を帯びた潤んだ瞳で太陽を見つめると、その唇にそっと自身の唇を重ねるのだった。





 オラクルの零のヤンデレ、いかがでしたか?
 へ? この後どうなったのかって?
 それは………どうなったんでしょうねぇ?

 尚、太陽の前世の名前がテラの理由。
 太陽→太陽の神→天照→アマテラス→そうだ『テラ』にしよう!
 以上です!
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