とりあえず異世界に行けたので貰ったチートスキルの数々で気楽な商人を目指す   作:のこのこ大王

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第30話

 

 

 

 

 とりあえず俺は店の地下に来ている。

 探してみると言って一人になったのだ。

 

 俺の選択肢は2つ。

 それっぽい日本刀を売り捌いて放置すること。

 もう1つは余計なおせっかいをすること。

 

 商売人としては放置一択だ。

 人としては一応、お節介を焼く必要がある。

 

「ホント、迷惑な客だよ」

 

 こんなことで悩まなければならないのだから。

 

 10分ほどして俺は客の所に戻る。

 もちろん手には日本刀のようなものを持ってだ。

 それを見たムゥトゥが目を見開く。

 

「無い訳ではない」

 

 そう言って俺は目の前に刀を置いた。

 

 

 ■ミスリルサムライソード

  ミスリルの刀身にオリハルコンのコーティングを施した日本刀のような剣。

  切れ味が非常に鋭い反面、折れやすく、切れ味維持のために日々のメンテナンスが必須。

  使い手の技量に左右されやすい。

 

 *付与特性:切れ味+300%

       力+10

       

 

 平均価格;金貨350枚~450枚

 

 

「おお、かたじけない」

 

 素直に頭を下げる男に、俺は待ったをかける。

 

「しかしこれからどうするんだ?」

 

「どう、とは?」

 

「今回は入手出来たから構わんだろう。だがその次は?武器はいつか必ず潰れる。その時毎回刀が手に入ると?」

 

「そ、それは……」

 

「悪いことは言わん。手頃に入手可能な西洋剣というか片手剣や両手剣を扱いなれた方がいい」

 

「……」

 

 自分でも薄々理解していたのだろう。

 俺が事実を突きつけると黙り込んでしまった。

 

「それにこう言ってはなんだが、刀ってのは切ることに特化した、言わば対人に特化したようなものだ。硬い毛皮や装甲を持つバケモノ相手では折れやすい」

 

 折れたミスリルサムライソードは、明らかに硬いものにぶつかって折れた感じだ。

 そう考えるとこの男も決して刀を扱い切れているとは言えないだろう。

 

「こう言っては何だが、冒険者ってのは1つの武器にこだわってると逆に死ぬぞ?いくつもの武器を相手に合わせて使い分けることで相手に不利を押し付けるってのが一番だ」

 

 とりあえず説得を試みたが、反応が無いのでよくわからん。

 まあここまでやれば、もう俺の中で義理は果たしたと言えるだろう。

 

「まあ後はアンタの好きにしてくれ。とりあえず金を払ってくれるならコイツは売ろう」

 

「……ちなみにいくらだろうか?」

 

「ぶっちゃけ言って支払えるのか?先にいくらまでなら出せると言うべきだろう?」

 

「そ、それは……」

 

「コイツの相場は金貨400枚もするんだぞ?払えるのか?」

 

「そんなにするのか……」

 

 見ていて本当にイライラしてくる。

 よほど世の中を気軽に生きてきたのか、色々と足りていない。

 

「……とりあえず金貨150枚ほどならあるのだが」

 

「……なら折れたカタナと150枚で、コイツと交換で構わん」

 

「ほ、本当か!?」

 

「その代わり、俺が言ったことをちゃんと考えておけよ」

 

「わかった」

 

 本当に理解したのか怪しいが、とりあえず150枚と残骸で売ってやる。

 正直、さっさと終わらせたかったという気持ちが強い。

 

 男は何度も頭を下げて去っていった。

 

「……本当に150枚でよかったのかしら?」

 

「ん?ああ、それで構わんよ」

 

「もしかして、また高額な引き取りが?」

 

「意外と気にするんだな」

 

「色々と勉強したいと思いまして」

 

「……あの刀の仕入れ値、いくらだと思う?」

 

「そう言われるということは、金貨100枚ぐらいだったとか?」

 

「金貨50枚だ」

 

「はぁ!?」

 

「ちなみに折れた剣は、金貨30枚で売れる予定だ」

 

「……意味が解りませんわ」

 

 そりゃそうだろう。

 神様チートの商売なのだ。

 

「まあそんな世界もあるってことさ」

 

「シン様は、本当に商売の才能がありますのね」

 

「どちらかと言えば運が良かったってだけだけど」

 

「運も実力のウチですわ」

 

「そんなもんかねぇ」

 

 シャーリーと雑談をしながら店の商品を並べていると、一人の警備兵が店に駆け込んできた。

 

「至急、ギルドまでお越しください!ギルドマスターがお待ちです!!」

 

 ……嫌な予感しかしない。

 今日は面倒な日だなぁ。

 

 適当に返事をしてから行こうとすると、馬車が止めてあってそれに詰め込まれる。

 よほど急いでいることを考えれば、絶対ロクなことではないだろう。

 

「ああ、めんどくさい」

 

 

 




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