クロスボーンガンダムが大好きだった少年の話   作:海野守葛

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プロローグ

幼い頃に読んだクロスボーンガンダムは、それはもうかっこよかった。

主人公のトビアやその仲間たちが、どんなピンチな状況に追い込まれても機転を利かせることによって逆転勝利。幼い僕は次のページを捲る手が止まらなかったし、ワクワクが止まらなかった。

 

トビア・アロナクスは僕にとってのヒーローだった。

 

やがて僕はガンプラも作るようになり、僕はクロスボーンガンダムに登場する機体ばかり作った。

当時の僕にとってガンプラを組み立てるのは難しかったが、憧れの機体達を作るのは、とても楽しかった。

 

やがて、組み立てるだけでは飽き足らず、塗装をしてみたり、他の機体のパーツを使ってミキシングビルドしてみたりするようになった。

その時くらいから、ガンプラバトルというのが発表された。

なんでもプラフスキー粒子とかいう特殊な粒子を使ってガンプラを実際に動かすらしい。

 

その時の僕には仕組みがよく分からなかったが、組み立てた自分のガンプラが動くのを初めて見た日の夜はあまりの興奮で眠れなかった。

 

ガンプラバトルを知った僕は、それはもうのめり込んだ。

学校が終われば、友人たちと模型店に駆け込み、ガンプラバトルをした。

勉強そっちのけでハマり込み、何度母さんに注意されたことか……。

 

そんなわけで、小学校時代をガンプラバトルに全て費やすことになる僕だったが、1つだけ誤算があった。

それは周りの友人達よりも僕は強かったことだ。

実際、友人たちと戦って負けたことはなかった。

 

特にクロスボーンガンダムを使っている時にそれは顕著に現れた。

全盛期は友人の使う機体4機を同時に相手どって、僅か2分ほどで全滅させたりしていた。

 

そんなわけで、友人たちからはクロスボーンガンダムの使用禁止が言い渡され、渋々僕も従った。

しかし、別機体を使っていても僕は強かったので、そのうち誰も僕とガンプラバトルをしてくれなくなった。

 

それから僕は、模型店に訪れる大人を相手にガンプラバトルをしていた。

皆友人たちとは比べ物にならないくらい強かったし、僕を弟のようにかわいがってくれた。

僕は負けず嫌いだったので、模型店に訪れる大人たちに勝つため、試行錯誤を繰り返した。

その結果、店内ではそこそこ戦えるくらいには強くなった。

もっとも、何度やっても1回も勝てない人もいたし、最強にはなれなかったけれど。

この先もこんな感じの楽しい日々が続けばいいなと僕は思っていた。

 

でも僕は……。

 

 

 

――僕はガンプラバトルを辞めてしまった。

 

 

 

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