よう実RTA 決闘者チャート   作:KKKK

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裏 5

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 松下SIDE

 

 

 

 

 

 

 五月にこの学校のシステムが公表された時、私はざっくりとだけどどうするべきか計画を立てた。このクラスメイトたちと一緒にAクラスになれるだろうかと。

 

 Dクラスは最低評価の生徒たちが集められている。私自身もそこに入っている。正直納得はできないけれど、言われてみればどこか納得できるのだから困る。

 

 自慢じゃないけれど私は優秀だ。育った環境も悪くなかったし、両親だって優秀な人たちだと思っている。やる気を出せばきっとこの学校でも上位十パーセントくらいの成績だって残せるはずだ。

 

 けれどただそれだけ、どこまで行っても優秀という物差しで全てが語れるだけの存在でしかない。クラスを導くこともできなければ、特別試験で名案が出せる訳でもない。

 

 リーダーシップを発揮して色々な問題を解決するよりも、楽な方へと流されていって、これまではそれでも十分に結果を残せる環境だったんだと思う。

 

 だけどこの学校ではそんな甘えは許されなかった。突出して変な僻みを向けられたり重たい責任を背負わされるのを避けていた私はDクラスにいる。

 

 さて、身の振り方をどうするか、このクラスでAクラスになれるのかを考えて、もし無理そうならポイントを集めてクラス移動を狙う。

 

 だからまずはこのクラスのメンバーをしっかり見定めて……なんてことをやっている内に勝手にAクラスになっていた。

 

 あれ、おかしいな、もっとこう……色々苦労して、困難や逆境を跳ね除けて、その末に勝ち取るものなんじゃないの?

 

 いや、良いんだけどね、もの凄く楽だったし……これで一安心だ――。

 

 

「これで一安心だと思ってそうな顔をしているな」

 

「え?」

 

 私の内心を見透かすように本剛君がそう言い放つ。夏休みで豪華客船だというのに何故か私たちは勉強合宿をしていて、その最中のことだ。

 

 本剛防人君、もう色々とアレ過ぎて一言で表現できない人。彼は手元にあるノートに色々な問題を書き込んで小テストを大量に制作しながら視線を私に向けて来た。

 

「Aクラスになるのなんてスタートラインだ。これで終わったと思っているようでは話にならんぞ。松下、お前にもしっかり働いてもらうからな」

 

「えっと、でも私にできることなんて何もないよ? 成績だってもの凄く良いわけじゃないしさ」

 

 優秀だとは自覚しているけれど、何もかもを引きちぎれるほどじゃない。きっと私が付き合っている友人たちは怪しむだろうし、変に一度出来上がった人間関係がこじれるのなんて凄く面倒だしね。特に女子はそうだと思う。

 

「俺がお前たちに毎回渡している小テストがあるだろう?」

 

「うん」

 

「須藤や軽井沢や佐藤たちに出した小テストは何度も消しゴムで消した後があるが、お前の小テストは綺麗なものだったぞ。簡単すぎたようだな」

 

「……」

 

「それともなんだ、俺を試していたのかアレは? つまらん駆け引きだ、私は優秀だと遠回しに伝える意味などない。なんの為に口が付いていると思っているんだ」

 

「……あ~」

 

 どう返したものだろうか、そういった意図があったのは確かにその通りなんだよね。大量のポイントを稼いでいる彼に近づいて援護することで分け前を貰おうとしていたのは事実だ。

 

 もしDクラスがAクラスへ進むことが難しそうなら、彼と近い位置にいるのが最も可能性を高められるだろうから。

 

 まぁ尤も、Aクラスになったから全部無駄になったけど。

 

「いい加減やる気を出せ。Aクラスになって全て終わったと思ってる奴なんて何も為せないぞ。ようやくスタートラインに立てたと身を引き締めるべきだろう」

 

 こちらの全てを見定めるかのような眼差しに、私はあっさりと白旗を上げるしかなかった。無理だねこれ、ちょっと生物として差がありすぎる感じかな。

 

「そうするよ。確かにまだ一年の夏だもんね。慢心しちゃダメだ」

 

「それでいい。どれだけ優秀でも走らない車などただの鉄くずだ。本当のワタシは優秀なんていうつまらん優越感などさっさと捨ててしまえ」

 

 辛辣な言い方だけど、全くもってその通りだから困っちゃうな。

 

「と、殿ぉ、拙者はいつまでこうしていればいいのでしょうかッ!?」

 

 せっかくこうして彼が私に意識を向けているのだから、これを機に更なる保険として距離を詰めておこうかと考えていると、汗だくになってフラフラしている博士君がこちらに近づいてきてそういった。

 

「ノルマは終わらせたな? では運動は終えて次はこの小テストをやるんだ」

 

「と、殿は鬼すぎるのでは?」

 

「やれ。お前は地頭は悪くないんだ」

 

 辛辣に突き放して本剛君はこれまで走りまわされていた博士君を今度は勉強合宿に閉じ込めてしまう。彼はちょっと肥満気味だったんだけど、最近は本剛君にしごかれることでちょっと痩せたようにも見える。

 

「幸村、堀北が面倒を見ているグループを吸収してまとめて勉強を教えろ。堀北、お前は勉強合宿の最後にやる総合テストの問題文を作っていけ」

 

「ちょっと待て、これ以上人数が増えたら面倒を見切れないぞ」

 

「私は小テストも並行して作っているのだけれど?」

 

「俺はそれができない者にやれとは言わない。だからやれ」

 

 幸村君と堀北さんの抗議を押しのけて強引に仕事を押し付けた本剛君は、今も絶えず手を動かして総合テストを作っているのがわかった。

 

 相変わらず強引な人だけど、不思議と逆らえないから変な人だよね。

 

「博士、ぐったりしてないで手を動かせ。山内、ノートに落書きするな」

 

 視線も手もテストを作ることに向けられているのに周囲の状況を何故か把握している彼はとても厳しい。けれどきっとDクラスに配属された私たちにはそれが必要なんだろう。

 

「と、殿……少し休ませてくだされ」

 

「ふむ、パワフルドリンクでも飲むか」

 

「こ、これはッ……激マズで有名な」

 

 よくわからないドリンクが完備されている。そう言えば本剛君はよくこの怪しいドリンクを飲んでいたっけ。

 

 いや、というかあまりにも自然でスルーしてたけどさ……。

 

「本剛君、殿って呼ばれることに違和感ないんだ?」

 

 あまりにも博士君が殿って自然に言うものだから私も受け入れちゃってたけど、よく考えたらおかしな話である。

 

 だがそんな私の言葉に、本剛君は何を当然とばかりにこう返してくるのだった。

 

 

「偉大な相手とは輝いて見えるものだ、仕方がないだろう」

 

 

 なんてことを言ってくる。恥ずかしがることもなく、それが当然だとばかりに。

 

 普通、ここまで不遜な態度を見せられると呆れるものなんだけど、彼が言うと不思議な納得があるのだからおかしな話である。

 

 まぁ彼がいればクラスは安泰だろうね、私は私でやる気をだそう。覚えめでたくなればもしAクラスから転落してもワンチャンあるだろうから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 茶柱SIDE

 

 

 

 

 

 

「一本……勝者は本剛とする」

 

 私がそう宣言すると、Bクラスの……いや、今はCクラスとなった神崎が悔しそうに表情を歪める。しかし明らかな敗北であると受け入れたのか抗議をしてくることはなかった。

 

「お前の負けだ、神崎」

 

 片膝をついて悔しがる神崎は、先程まで本剛と空手競技で競い合っていた。格闘技の心得があったのか強い自信と共に挑んできたのだが、僅か数手で沈むことになってしまう。

 

 私は決闘部の顧問なので本剛がやっている部活動の審判役に呼ばれることが多い……多いというか休む暇もない程だった。

 

「挑戦料を払ってもらおうか」

 

「……まさに金の亡者だな、お前は」

 

「酷い言われようだな」

 

「無人島で俺たちのクラスを裏切ったんだ、相応しい評価だろう」

 

「それは違う、俺はお前たちを騙していない」

 

「どの口がッ」

 

「事実、リーダーカードを見せた筈だ。その情報をどう扱うかなんてお前たちの責任。自分たちのミスを他人に押し付けるな」

 

 そんな物言いに神崎は表情を歪めて睨みつけてくるのだが、そんな視線を本剛はあっさりと受け流す。まるで興味がないとばかりに。

 

「納得できないというのならば、また挑んでくればいい。俺に勝てばお前たちと結んだ契約を破棄しても構わんし、挑戦料の十倍……ではなく、今のレートは百倍だから1000万ポイントをくれてやる」

 

「余裕だな、思い上がりが過ぎる……誰にも負けないと思っているのかお前は?」

 

「よくわからんことを言う奴だな、俺が負ければただそれまでの男であったというだけの話だろう。そこに慢心も余裕も油断も思い上がりも入り込む余地はない。後は俺に勝った誰かが俺の屍を超えていけばいい。決闘とはそういうものだ」

 

「……」

 

「なんだ、ただ思いあがっただけの男だと思われていたのか? 悪いがこちらはその程度の認識でこんなことをしてる訳じゃない。これからも挑んでくるというのならば認識を正した方が良いぞ……勝負をしかけるのではなく、殺すつもりで来い。それができなければお前はいつまでも地面を舐めるだけだ」

 

「……」

 

 神崎はまた表情を歪める。そして立ち上がって本剛に背を向けてこの船の中にあるスポーツクラブから出ていくのだった。無人島試験で結んだ契約を破棄する為に挑んできたのだが、結果は振るわなかったようだな。

 

「よし、茶柱教諭、次だ」

 

 常識外の怪物が同学年にいることに少し同情していると、そんな私に本剛は追加の仕事を押し付けてくる。

 

 こいつが作った決闘部の顧問になってからと言うものの、私は激務に追われているのだが……本剛は一切の容赦なく仕事を増やしてくるのだから困る。

 

 朝起きた時、瞼の下に隈ができているほどであり、授業中にも集中できない毎日が続いていた。

 

「ルービックキューブを取り寄せておいてくれ、船の売店の中に無かったからな。それと勉強合宿の最後で行う総合テストの問題を一部作って……後、勉強合宿そのものに顔を出せ、教師が足りていないんだ」

 

「あ、あぁ……いや、少し待て。私は私で仕事があるんだが」

 

「生徒があれだけ頑張っているんだ、担任が背中を押さなくてどうする。まさかAクラスになったことで気を抜いている訳ではないだろうな?」

 

「そんなことはないが」

 

「では働け。よりよい未来は椅子に座っているだけではやってこない。自ら掴み取るものだ……そもそもアイツらのやる気をださせて勉強の面倒を見るのはそちらの仕事だと思うのだがな」

 

 言外にお前はこれまで何をしていたんだと言われているような気がするな。いや、実際にこいつはそう思っているんだろうが。

 

「働け、労働しろ、進め、教え導け、やれ、やってやれないことなどないのだ。総合テストを作れ、問題集を作れ、小テストを作れ、生徒の面倒を見ろ、決闘部の審判をしろ」

 

「まて、待て待てッ、頼む待ってくれッ……いいか、本剛、ブラック労働は止めろ。今日日流行らんぞ」

 

「なんだ、疲れていると贅沢を言うのか? ならばこれを飲んでおけ」

 

 そう言って本剛は奇妙な色の栄養ドリンクを私に押し付けてくる。

 

「パワフルドリンクだ。疲れが吹っ飛ぶし、一日分のカロリーとビタミンをそれ一つで補給できる。最後に頼れるのは脂肪と糖質だ、しっかりと蓄えておけ」

 

 こいつ、私を倒れるまで利用し続けるつもりか?

 

「安心しろ、俺は死ぬまで全力でポイントを稼いでやる。だからそちらも死ぬまで働き続けろ。良い関係じゃないか」

 

 

 休ませてください、お願いします。

 

 

 私は生まれて初めて心の底からそう思うのだった……私は利用する相手を間違えたのかもしれない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 橋本SIDE

 

 

 

 

 

 

 豪華客船の一角、人通りの多い所にはこんな看板が掲げられていた。

 

 

「出張決闘部ねぇ……勝ったら1000万ポイントか」

 

 そう言えば夏休みに入る前辺りに校内放送で報酬金が上がったって言っていたな。

 

 10万ポイント払って勝つことができれば1000万……いや、レートやばすぎだろ。どう考えても挑戦者側有利なんだよな。実際にアイツの決闘部には絶え間なく人が訪れているって話だしな。

 

 レートから見ても、美味しい話ではある。それは俺も理解するし、実際に繁盛しているのだから他の奴らだって同じように考えるんだろう。

 

 まぁ尤も、還元率は未だに脅威の0パーセントらしいが。

 

 今もウチのクラスの戸塚がルービックキューブで挑んで瞬殺されているのがわかった。アイツはなんで得意でもない競技で挑んでいるんだろうか? それとも俺が知らないだけで得意なのか?

 

 だが本剛は一瞬でルービックキューブの色を揃えてしまい、戸塚は四苦八苦しながら弄っていき最後には諦めてしまう。

 

 そしてアイツは10万ポイントを奪われてトボトボと帰っていくことになる。

 

「よう、繁盛してるみたいだな」

 

 誰もいなくなったことを確認してから俺は本剛に声をかける。前々から接触したいと思ってたので、良いチャンスと見るべきだろう。

 

 焦る必要はないと思っていたが、俺たちのクラスがBクラスに落ちたことでそうも言ってられなくなったからな。

 

「橋本か」

 

「俺を知っているのか?」

 

「坂柳の手駒だろ」

 

「まぁその通りだけど、別にそれだけでもないんだぜ」

 

 すると本剛は手元で弄んでいたルービックキューブから視線を外して俺を見つめて来る。こっちの何もかもを見透かすような眼差しはあまり向けられて良い気分になるもんじゃないな。

 

「なんだ、保険が欲しいのか?」

 

「……どういう意味だそれは?」

 

「お前のような男は何度も見たことがある。誰かのおこぼれで食い繋ぐハイエナだ」

 

「おいおい酷い言われようだな」

 

「なら蝙蝠とでも言おうか。節操なく噛みついて血を啜る卑しい羽虫だ」

 

 滅茶苦茶辛辣だなコイツ、俺たち一応は初対面だよな? そこまで言うかよ。

 

「まぁなんとでも言えよ、バランス感覚ってのはこの学校じゃあ必須なんだからな。それよりこの賭け、俺でも参加できるのか?」

 

「構わんぞ、競技は何にする?」

 

「いや、俺の負けでいい。アンタに十万……いや、二十万を払おう。代わりに俺の名前を覚えておいてくれよ。良い取引が出来る相手だってな」

 

「つまらん真似はするなと言いたいが……よし、不満がないのならばジャンケンをするぞ、お前が勝てば20万の百倍で2000万をやる。そして名前も覚えておいてやる」

 

「……マジで? ジャンケンだぞ?」

 

 運ゲーで2000万……勿論三分の一で負けるけど、逆に言えば三分の一で2000万。

 

 美味しいなんてもんじゃないけど、何か裏があるのかこれ? いや、でもジャンケンだしな。

 

「いいぜ、二言はないよな?」

 

「納得したのならば契約書にサインしろ。お前からポイントを貰うにしてもタダで渡されるなんて気分が悪いのでな」

 

 しゃあないか。俺は差し出された契約書をよく読みこんでからサインをした。

 

「それじゃあ一発勝負だ、異論は?」

 

「ない、そっちも後から無しだなんて言うなよ」

 

 まぁ契約書があるのでごねられても学校に訴えれば良いか。そんな思いで俺はジャンケンに挑んで……一発で負けた。

 

「運がねえな俺は、ここぞという所で勝てない」

 

「運なものか。お前の体幹や視線や呼吸、指先の動きを見て出す手を予想したんだ。百回やっても百回勝てるぞ」

 

「……マジで?」

 

「運否天賦だけで大事な決断をするなということだ。だからお前は負けたんだ」

 

 なるほどね。今の言葉が嘘か本当かはわからないが、コイツはコイツなりに自信があってこんな決闘部なんてことをやってる訳か。俺たちのクラスがBクラスに落ちたのも自然なことかもな。

 

「橋本、二十万を払え」

 

「はいよ……ついでだけどお前の連絡先を教えてくれないか?」

 

「坂柳の血でも啜ってろよ」

 

「やだよ。あの人、前に俺らにポイント貸してくれないかって聞いてきたんだぜ? すぐに冗談ですよって笑って誤魔化されたけど、少しでも隙を見せたらアンタとのギャンブルに使う為に回収するつもりだったぜあれは」

 

「ならお前も俺に挑めば良いだろう、これからもな。勝てれば話が早いぞ」

 

「やだよ、俺は俺を正しく評価してるもんでね。無駄なことはしたくない。ジャンケン一つで格の違いを見せつけられたんだ、やっぱり蝙蝠が一番似合ってるって自覚したね」

 

「つまらん男だなお前は」

 

 呆れたように溜息を吐く本剛は、俺から興味を失ったかのようにルービックキューブをまた弄り出す。

 

「おい待て待て、興味を無くすな。せめて交渉相手として認識くらいしてくれよ」

 

「ならまた挑んでくることだな。負け額が百万を超えたらカモリストに加えておこう」

 

「ひでえなおい」

 

「何とでも言え、他者からの評価など気にしていられるか」

 

「はいはいわかったよ……一つ相談なんだが、何か俺に手伝えることはないか?」

 

「挑め」

 

「それ以外でだよ……というかなんでそんなに挑ませたいんだよ。決闘部だって今は上手く行ってるかもしれないけど、いつかどこかで負けるかもしれないんだしさ。この辺で撤退するのもアリだと思うぜ俺は」

 

「それはできん」

 

「なんでだよ?」

 

「挑まれるのは王者の責務だからだ」

 

 よくわからない言い分である。そう思うのはきっと俺だけじゃない筈だ。

 

「相手が誰であれ、どんな状況で、どれほど困難だろうとも、挑まれたならば叩き潰す……下剋上の権利を背後にいる全ての者に与えてこその王者だ」

 

「お、おぅ……でも負けたらどうするんだよ」

 

 ガンギマリの瞳でそんなことを言われれば、ちょっと怖いと思ってしまう。

 

 

「俺の屍を超えていけと言えばいい。それもまた王者の責務だ」

 

 

 こうして本剛防人と話した結果、俺はコイツのことが余計にわからなくなる。もっと賢くて利口な奴だと思っていたんだが、どちらかというと理解の及ばない存在なんだという印象が強くなってしまう。

 

 まぁ、何であれだ、コイツに俺の存在を認知させることには成功した。今後のクラス闘争がどう転ぶにせよ、それは重要な意味がある筈だ。

 

 俺は俺を正しく理解している、保険は多いに越したことはない。なによりあのお姫様はギャンブル狂いだしな、勝てればそれでいいけれど負ければ話にもならない。

 

 運否天賦に賭けるなと言われたばかりだし、俺はこれからも色々な相手の血を啜っていくつもりだぜ。

 

 

 

 

 

 

 

 

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