あの作品は良くも悪くもマジンガーのバカっぽさが表れた作品なのでうまい具合に調整できるかは課題ですね。
推しの子二期は楽しみですが、キン肉マンというインパクトの塊が控えているので同年代からおっさん趣味と呼ばれる作者としては複雑な気分です。
突貫工事で仕上げた話ではありますが、満足いただけたら幸いです。
それではどうぞ。
「ガラダブラ〜!」
人型の手脚と蛇を思わせる2つの長い首、頭に異様なサイズの鎌を携えている怪獣と言っても遜色ない外見をしている怪物が建物を薙ぎ払い、2つの頭から放たれる光線が街を焼き尽くす。
「撃てぇ!なんとしてもやつを食い止めろ⁉︎」
自衛隊の戦車隊が煙が立ち込める程の激しい砲撃を開始する。
戦争映画のワンシーンを切り取ったような、明らかな敵に対する攻撃だ。
煙が晴れると、そこには全く応えていない怪物の姿があり、激昂したのか雄叫びをあげながら戦車に襲い掛かった。
「ガラダー‼︎」
そう叫ぶと左側にある鎌をギラリと煌めかせながら取り外しブーメランの要領で投合した。
命中した戦車や隊員は包丁を入れた豆腐のように容易く真っ二つにされてしまった。
「ぐわぁ!」
「ぎゃあ!!」
そんな断末魔さえ虫けらのごとく踏み躙ると怪物はテレビ局のヘリすら撃ち落とし、目的地に進行して行った。
近くに衛星らしきカメラがある事に気づかれずに。
「まったく、何たる事だ。あのような怪物がこの世に存在するとは....まさに機械の怪獣、機怪獣と名付けるべきでしょうな」
「なに人事みたいに言ってんだ⁉︎あんなバケモノがここに来たら、俺たち全員オダブツだぞ‼︎」
その一部始終を見ていた光子力研究所のメンバーや暗黒寺は、騒いだり対抗策を考えたりとてんやわんやであった。
「パパ!甲児くんの、十蔵って人の作り上げたマジンガーZなら、ひょっとしたらいけるんじゃない⁉︎」
さやかの鶴の一声で弦之助と暗黒寺はおぉ、と閃いた。
「確かに、アフロダイよりもパワーや装甲の性能は格段にアップしているだろうが、操縦を覚えたばかりの甲児君にやらせるというのも...」
しかしそれに対して暗黒寺が反論する。
「アンタ!そんな事言ってる間にもあのガラダブラ〜って鳴くバケモノはこっちに来てるんだ。賭けてみようじゃねぇか、アンタの師匠が作ったロボットをよ‼︎」
『弦之助さん!俺、やってみます!マジンガーを、おじいちゃんの遺産であるロボットを使って戦ってみせます‼︎』
迷った末に弦之助は苦い顔をしながらも決断を下した。
「甲児君、操縦を覚えたばかりで申し訳ないがこの研究所と街の命運は君にかかっている。あの怪物__鳴き声から名称をガラダブラと命名する、不安だろうがどうか頼んだぞ」
それを聞き届けた甲児は静かに頷くと、送信された地図に従い光子力研究所へマジンガーZを動かした。
「おじいちゃん、おじいちゃん。俺はマジンガーZを悪魔ではなく、世界を救う神にしてみせますよ!」
場所は変わり、ここはとある海底基地の内部
大画面に映し出されているのはガラダブラが暴れて街を破壊されている様子がリアルタイムで流されている。
「ホホホホホ。久しぶりに起動するから不安だったけど、どうやら杞憂だったみたいね」
「ヒヒヒヒヒ。いいぜぇ、もっと暴れろ!我が機怪獣!」
男女の話し声が響くものの、それは2人の人間というワケではない。
性別の異なる人物が
「我らが力を使えば、あの兜十蔵の作り出したものとて....」
「なにを言っている。十蔵はもはやこの世におらず!我々の力を、Dr.ヘルのお力を知らしめる時!」
そう高らかに叫ぶと背後から変な格好をした人物から情報が届く。
「あしゅら様、機怪獣ガラダブラMK01は順調に光子力研究所へ向かっております」
「このままの速度だと、あと30分もせずに到達すると思われます」
鉄の仮面と鎧を身につけた、部下らしき人物の言葉を聞いた人物__あしゅら男爵は笑みを浮かべると手にした杖を掲げて叫んだ。
「行くぞ!目標は、光子力研究所及びジャパニウム鉱石!我らがあしゅら軍団の力を見せる時だ‼︎」
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「しっかし、改めて見てみるとなんて恐ろしいマシンなんだ。さやかさんの操縦していた、アフロダイAってやつのパンチにもビクともしなかった。それに__」
甲児はサラリとボタンのついた部分を指で撫でた。
そこにはイニシャルのような2文字のアルファベットが刻まれており、甲児自身も本能的に感じ取っていた。
(おじいちゃんは、その昔太平洋戦争で科学者をしてたって聞いた事がある。もしかしたら、あの家に何かマジンガーZに関係するデータなんかがあるかもしれない。)
家に戻った時の遺品整理の事を考えながらも研究所に到着した甲児はまだ見えぬ相手に対して身構えていた。
そうして10分程経過すると、通信が繋がれた。
相手は弓教授であり、機怪獣の反応があったとの事だ。
『敵は南西の方向から向かってきている、あと5分もせずにここに到達するだろう。甲児君、命の危険を感じたら無理はせずに撤退してくれ、わかったね?』
「死ぬつもりなんて毛頭ありませんよ、弓教授。何より俺はおじいちゃんを、このマジンガーを信用してますから」
自信満々な甲児の返事に弦之助はそうか、とだけ返すと通信を終了した。
そしてその言葉通りにすぐに奴さんはやって来た。
「ガラダブラー‼︎」
ガラダブラの身長は大きめに見積もっても、マジンガーZの2倍はある程のサイズだが甲児はヒュウ、と笑うなど余裕のある表情であった。
「こりゃ、タチの悪い怪獣映画だな。アメリカのB級映画でももうちょいマシなモン出すぞ」
「ダブラ!」
ガラダブラのその声と共に2つの長い首を伸ばすと、蛇のようにマジンガーZの両腕に巻き付いた。
「バカめ!ガラダブラとパワー比べでもするつもりか!」
あしゅら男爵の声を反映したかのようにマジンガーはガラダブラと力比べをしていた。
が、兜甲児は慢心していたわけでも、強がっていたわけでもない。
そう、それはマジンガーZの強さを信じた故の言動であったのだ‼︎
「腕を取られたぐらいでなんだ!いくぜ必殺‼︎」
そのセリフと共に甲児はスイッチを押し、叫んだ!その必殺技を!その拳の名を‼︎
その言葉と共に放たれた2つの鉄拳はロケット噴射による脅威的なスピードで放たれると、拘束を引きちぎり首元すら打ち砕いた。
「どうだ、超合金Zのゲンコツの味は!」
2つの首をやられはしたが、まだ骸骨のような鎌つきの頭がマジンガーの首を狙っていた。
『やらせるもんですか、くらえミサイル!』
アフロダイのミサイル(通称オッパイミサイル)の援護は頭部に命中はしたが、やはり有効打ではないらしく今度はアフロダイを睨みつけていた。
「ガラダ」
ガラダブラは右の鎌を手に持ち替えると、腕を護謨かと思うくらいに引き伸ばし思いっきり投合した。
そしてマジンガーとアフロダイはかわしたかと思うと、急に軌道が変わり、豆腐を切るかのように容易くアフロダイの右腕を切断してみせた。
『キャー‼︎』
と、さやかの悲鳴が木霊し、鎌が再び頭部と合体すると今度はマジンガーに狙いを定めたのか両方の鎌を取り外し、いつでも投げられる状態になった。
「ガラダブラー‼︎」
その掛け声によって投げつけられた2振りの鎌はマジンガーZのボディを何度も切り付けるとまた頭部に戻ったが、それはアフロダイの時とは真逆の有様であった。
「なんて事だ!ガラダブラの合金Zすら切り裂く鎌が刃こぼれを!」
あしゅら男爵がそう驚いてしまうのも無理はない。
実際、マジンガーのボディには傷一つついておらず、反対にガラダブラの鎌はズタボロになるほどの刃こぼれを起こしていた。
「どうした?ご自慢の鎌が傷だらけだぜ、機怪獣‼︎」
そして甲児は狙いを定めて、もう一つのスイッチを押す。
マジンガーの力が、ジャパニウムによる光子力の力が、目の前の敵を穿つその技の名は!
目から放たれたその2本の光線はガラダブラの鎌を薄氷の如く粉砕し、鉄屑に変えてしまった。
武器を失ったガラダブラは後ずさると、覚悟を決めたかのように一気にマジンガーに向かって突っ込んできた。
「そうだ、ガラダブラよ!あのロボット諸共、あの世に行くがよい!」
あしゅら男爵の言うように武器がなくなってしまえば、死なば諸共の精神で突っ込むのはある意味シンプル故に強力だ。
あの様な巨体を止める、ましてや自爆するつもりならば逃走するか、一か八か迎撃するという手立てもあるだろう....それができる兵器があればの話だが。
「しゃらくせぇ!こいつで吹き飛びな‼︎」
そうしてマジンガーの口頭部分であるスリットが展開され暴風が吹き荒れる!
そう、ありとあらゆる物質を腐食させ、崩れ去るその風の名は!
それを真正面から浴びたガラダブラは動きがぎこちなくなっていくと、すぐに立ち止まってしまった。
「どうした⁉︎お前はその程度の風で怯むような機怪獣ではないハズだぞ!」
あしゅら男爵の呼びかけ虚しく、ガラダブラは砂の城が崩れ去るように灰燼に帰した。
「ふむ、どうやらあれは、酸を風で吹き付けることによって相手を錆びつかせる武装のようだ。それにまだ試験段階である光子力ビームの実戦投入、更には超合金Zの拳をロケット噴射により威力を増加させるとは...いやはや、十蔵博士の頭脳には驚かされるばかりだな」
「アンタ、よくそんな冷静に分析できるな。ある意味恐ろしいぜ」
冷静に各武装の仕組みを解説する弦之介に戸惑う暗黒寺だが、スクリーンに奇妙な物が映り込んでいることに気が付いた。
「ん、ちょっと、右上の方に変なモノが映り込んでねぇか?」
「えぇ、私も見えたわ。そんなにはっきりとは見えなかったけど....」
さすがに二人も見間違えることはないだろうと、弦之介はカメラの視点を動かすように命令すると確かにカメラは謎の物体を捉えた。
「なんだいありゃあ⁉人工衛星みてぇなのが飛び回っていやがるぞ!」
暗黒寺が言葉を発するのとほぼ同時に衛星はピタリとその場で静止し、何かを投影し始めた。
放射状に展開された映像は、ホログラムのように人の形を形成していくと最終的に左右それぞれが性別の異なる姿をしている謎の人物、あしゅら男爵へと変化した。
『まずはおめでとうと言っておこう、警察や光子力研究所の諸君。我が名はあしゅら男爵‼偉大なる天才科学者Dr.ヘルの五大軍団の一つであるあしゅら軍団を率いる者である」
その声に研究所は混乱に包まれた。すると、警官の一人が走って暗黒寺の元へとやって来た。
「暗黒寺警部、テレビの各チャンネルはあのあしゅら男爵とやらにジャックされているようで、同じ内容が放送されています」
「少なくとも、単なる悪戯なんかじゃないって事か。ったく、面倒ごとばっかり起きやがる」
するとあしゅら男爵はマジンガーZの方を見やると笑みを浮かべて言葉をつづけた。
『兜十蔵、いや兜甲児!貴様のマジンガーZとやらの性能を見させてもらったぞ!鷹が知れる性能もな』
「あんだと~、なんだテメェ!キカイダーみてぇなツラしやっがて。おじいちゃんの何を知ってやがるんだ⁉」
石ノ森章太郎先生に謝罪しろとファンからツッコミが飛んできそうな啖呵を切る甲児だがあしゅらは怒りに顔をゆがませて続ける。
『十蔵の血統であるキサマは何も知らなくとも死をもってその罪を償わねばならぬ!Dr.ヘルが、世界が味わった苦しみは、そうでもしなければ消えはしないのだ‼』
高笑いをしながら映像を消したあしゅら男爵のメカはそのままどこかに飛び去った。
甲児たちの胸の中に、暗い不安を残しながら。
キカイダーの下りはセンターマンの方がいいかもと思ったのですが、キカイダーの方が伝わりやすいかなと思った次第です。
ここ最近テストだったり休み前の野球応援だったりでモチベーションがもう.....
なので夏休みの間はなるべく投稿するとここに誓います!
キン肉マンは作者の友人が好きなのもあって作者は好きになったのですが、個人的には七人の悪魔超人編が好きですね。
ただしミスターカーメンの谷山紀章テメーはだめだ。
カーメンを弱いというけど、わざわざそれを言うかなという話ですよ!
兎にも角にも、これからもこんな作者をどうかよろしくお願いします。
それでは753101938315でした。