僕たちは1年A組は今バスに乗り救助訓練を行うための施設に向かっている。
僕はデッキのカードをシャッフルし試しに5枚引く。それを何回か繰り返していると
僕の行動が気になったのか梅雨ちゃんが僕に話しかけてきた。
「緑谷ちゃんさっきから何をしてるの?」
「デッキの最終チェックだよ。僕は戦闘時の前にカードを5枚引くんだけど、
その時手札次第じゃ完全に不利になる場合があるからさ。事前にそういうことにならないように
デッキを構築するんだ。そして今その最終チェックをしてる」
「ケロ。調整が大事な個性なのね」
「でもよ緑谷。わざわざそんなことをしなくてもカードの置く順番
自分で変えちまえば自分の好きなタイミングで引けるんじゃねーの?」
瀬呂君が僕に疑問を投げかける。まあ瀬呂君の意見はもっともだ。けど
僕の個性はそんなことはできない。
「実はさデュエルディスクにカードをセットすると自動的にデッキのカードがシャッフル
されちゃうんだ。だから順番通りにカードを上に置いて行っても意味がないんだ」
「そうなのか。本当に不思議な個性だよな」
続いて切島君も話しかけてきた。
「それにしても緑谷の個性って本当に派手でいいよな!一体何体の
あのヒーローたちを呼び出せるんだ?」
「ん~。まだちょっと数えきれないかな.......HEROカードは本当に数えきれないほどあるし」
「マジかよ!個性把握テストや訓練の時と言い本当に多彩なヒーローを呼び出せるんだな!
本当に派手ですごい個性だぜ!」
「ありがとう切島君。君の個性もすごいと思うよ」
そしてしばらくしてバスはその施設の到着する。
水難事故、土砂災害、火事。あらゆる事故や災害を想定し作られた
訓練施設 ウソの災害や事故ルーム。通称USJ。今日はここで初めての
救助訓練だ。
「13号、オールマイトは?ここで待ち合わせるはずだが」
「先輩、それが……」
相澤先生達は何やら打ち合わせをした後、授業を開始した。
「えー、始める前にお小言を一つ、二つ……三つ……四つ……」
あ。これ多分すごく長くなるやつだ。
「·······今回の授業で人命のために“個性”をどう活用するかを学んでいきましょう。
君達の力は人を傷つけるためにあるのではない。救けるためにあるのだと心得て帰って下さいな」
あ、やっと終わった。まあためになるお話だったな。さあ訓練開始·······ん?
「クリクリー!クリクリー!」
「どうしたのハネクリボー?」
突然ハネクリボーがカードから出てきて必死に僕の腕を掴んだ。
その時僕はこの施設の真ん中にある噴水の所に何か嫌な気配を感じる。
そしてそこに黒いモヤが現れた。そしてそこから謎の人物たちが
「ひとかたまりになって動くな!!13号!生徒を守れ!!」
「な、なんだ?もう試験は始まってる的な」
「動くな!あれは……ヴィランだ!!」
「13号に·······イレイザーヘッドですか……先日頂いた
教師側のカリキュラムではオールマイトがここにいるはずなのですが·······」
「13号!!生徒たちを避難させろ!!俺が奴らを食い止める!!」
まず相澤先生は大勢の敵達の中に飛び込み戦闘を開始する。
相澤先生は自身の個性である抹消を駆使しながら捕縛付にて、
卓越した技量を持って敵ヴィラン達を無力化していった。
だが避難しようとしてた僕たちの所に黒いモヤのヴィランが現れる。
「初めまして、我々は敵ヴィラン連合。僭越ながら……この度、ヒーローの巣窟、雄英高校に入らせて頂いたのは平和の象徴、オールマイトに息絶えて頂きたいと思ってのことでして。本来ならばここにオールマイトがいらっしゃるハズ……ですが何か変更あったのでしょうか?まぁ……それとは関係なく……私の役目はこれ」
直後、かっちゃんと切島が前に飛び出し、黒い靄を攻撃した!
「その前に、俺達にやられることは考えてなかったか!?」
しかし、ダメージは入っていない。
「ダメだ!どきなさい、ふたりとも!!」
13号先生が個性を使おうとしたとき、あの人の射線上に、二人が入ってしまった。
「危ない危ない……生徒とはいえど金の卵。散らして、嬲り殺す」
当然、明確なその隙を見逃す敵ヴィランではない。
黒い靄が、僕たち達を覆うように広がる。
「うわー!」
この瞬間僕たちはこの施設の色んな場所にワープされた。
「く!ここは!?」
僕の周りの霧が晴れる。僕があたりを見渡すとそこは船の上だった。
そしてその場には梅雨ちゃんと峰田君もいた。
僕たちはすぐさま船の外の状況を確認する。なんと水中には
水中に特化した個性を持ったヴィランたちが!
「大変なことになったわね」
「うん。それにしても奴らオールマイトを殺すって言ってたけど」
「でもよでもよ!オールマイトを殺すなんて出来っこねぇさ!
オールマイトが来たらあんな奴らケチョンケチョンだぜ!」
峰田君はとても自信満々そうに言った。けどそんな簡単なことじゃない。
「峰田ちゃん、殺せる算段が整っているから連中こんな無茶しているんじゃない?
そこまでできる連中に私たち嬲り殺すって言われたのよ?オールマイトが来るまで持ちこたえられるのかしら?
オールマイトが来たとして、無事に済むのかしら?」
梅雨ちゃんの言葉に峰田君は青ざめ不安の表情を見せる。確かに梅雨ちゃんの
言う通りだ。けど今はこの状況を何とかしないと。僕はデュエルディスクを
左手に出現させデッキをセットする。
「ドロー!」
僕は最初の5枚をデッキから引く。そしてすぐさま手札を確認した。
「このカード·······」
「ど、どうしたんだよ緑谷!まさかよくない引きだったんじゃ·······」
峰田君は不安な表情を見せる。そんな彼を安心させるために
僕はニッと笑い笑顔を向ける。
「大丈夫だよ!むしろ最高の手札さ!」
そして僕は船の手すりの上に乗っかりカードを一枚高らかに
掲げ発動させる。
「僕はフィールド魔法フュージョンゲートを発動!」
その瞬間船の上に謎のワームホールが出現しあたりが暗くなる。
「うお!?なんだありゃ!?」
「なんかまずそうだぞ!」
フィールド魔法は魔法効果だけではなく
絶対の雰囲気をがらりと変える能力を持っている。僕の得体の知れない
力にヴィランたちは恐れていた。
「そして僕は手札のエアーマンを召喚!」
E・HERO エアーマン
効果モンスター
星4/風属性/戦士族/攻1800/守 300
(1):このカードが召喚・特殊召喚に成功した時、以下の効果から1つを選択して発動できる。
●このカード以外の自分フィールドの「HERO」モンスターの数まで、
フィールドの魔法・罠カードを選んで破壊する。
●デッキから「HERO」モンスター1体を手札に加える。
「エアーマンの効果で僕はリキッドマン手札に加える!そしてフュージョンゲートの
効果によりエアーマンとリキッドマンを融合!!」
そしてエアーマンとリキッドマンがワームホールに入っていく。そして
ワームホールから激しい風が吹き荒れる!
「融合召喚!現れろ!E・HEROグレイトトルネード」
E・HERO Great TORNADO
融合・効果モンスター
星8/風属性/戦士族/攻2800/守2200
「E・HERO」モンスター+風属性モンスター
このカードは融合召喚でしか特殊召喚できない。
(1):このカードが融合召喚に成功した場合に発動する。相手フィールドの全てのモンスターの攻撃力・守備力は半分になる。
トルネードが嵐を纏いこの空間に現れる!そしてその風はヴィランたちの
水面を激しく揺らし大きな波を立たせた。
「リキッドマンのモンスター効果により僕は二枚ドローし
一枚カードを墓地に捨てる。僕はネクロダークマンを墓地へ送る。
そして更に僕は手札のアイスエッジとバブルマンを融合!!」
僕の言葉に従うようにカードからアイスエッジとリキッドマンが
現れ、空中のワームホールへと入っていく!そして寒い風が全体に吹き始めた。
「融合召喚!現れろE・HEROアブソルートZERO」
E・HEROアブソルートZERO
融合・効果モンスター
星8/水属性/戦士族/攻2500/守2000
「HERO」と名のついたモンスター+水属性モンスター
このカードは融合召喚でしか特殊召喚できない。
このカードの攻撃力は、フィールド上に表側表示で存在する
「E・HERO アブソルートZero」以外の
水属性モンスターの数×500ポイントアップする。
このカードがフィールド上から離れた時、
相手フィールド上に存在するモンスターを全て破壊する。
アブソルートZEROが風が吹き荒れるこの水辺に
青白く美しい鎧で身を包み純白のマントを身にまとったその姿を現す。
そしてアブソルートZEROの周りには極寒の風が吹いていた。
「峰田君!梅雨ちゃん!船の中に入って身を屈めて捕まってて!絶対に
出てきちゃだめだよ!」
二人は僕の指示に従い船の中へと逃げていく。そして僕は二体のHEROに
叫んだ!
「さあ二人の力を見せてくれ!ダブルアタック!ゼロストーム!!」
「「ハアー!!」」
二体のHEROが同時に能力を発動させる!すると極寒の竜巻が氷の破片を
纏いながらヴィランたちに向かって行った。
「「「「「ギャーーー!!!!!」」」
そして水中にいたヴィランたちは一人残らず極寒の竜巻により持ち上げられ
氷の破片で引き裂かれていった。
その後僕たちは無事水難エリアを脱出に成功。そしてみんなと
合流するために施設の真ん中にある噴水エリアに向かった。
そして僕たちはそこで恐ろしい光景を目の当たりにした。
「あ、相澤先生?」
それは腕のマネキンを顔に着けているヴィランの個性によって肘を破壊されてしまい、
脳ミソを剥き出しにした巨大な怪人に組み伏せられた相澤先生の姿だった。
捻り上げられた右腕は歪に変形し、手首から先は力なく垂れ下がっている。
そしてその巨大な怪人が相澤先生にとどめを刺そうとする。
「やめろ!!行け!二人とも!!」
僕の叫びにうなずきトルネードとアブソルートは怪人に突っ込んで行く。
その二人に気が付いたのか怪人を二人に向かって突っ込んいく。
僕はその隙をついて相澤先生の元へ走った。
「相澤先生!大丈夫ですか!?」
「み、緑谷·······!逃げろ·······!」
「え?」
その時二人を吹き飛ばした怪人が僕たちの方へと走ってきた。
まずい!このままじゃ殺される!僕はすぐさま行動をとった。
「墓地のネクロダークマンの効果により僕は手札からネオスを召喚する!
来い!ネオス!!」
「ハア!!」
ネオスがその姿を現し突っ込んでくるその怪人を抑えにかかる。
しかしネオスは奴の歩みを抑えられない。じわじわと僕たちの方へ来る。
だがその時アブソルートが冷気を放ち怪人の足を氷漬けにする。そしてネオスが
一旦奴から離れ、トルネードが暴風を起こし奴を吹き飛ばした。
「「「ハア!!」」」
三人のHEROたちは掛け声のように声を出しながら
その背中をみせに僕たちの前に守るように立つ。
「もう大丈夫!!私が来た!!」
その時!聞き慣れ憧れに憧れた声が施設に響き渡った。
「この声は·······オールマイト!!」
そうオールマイトが駆けつけてきてくれたのだ!オールマイトは
すぐさまこっちに飛んできてくれた。
「相澤君遅れてすまなかった。そして緑谷少年よく頑張ってくれたね。
あとはこの私に任せて君は逃げなさい!」
「わ、分かりました!けどこの三人はここに置かせてください!
このHEROたちは破壊されてもカードに戻るだけなんで!」
「わかった。じゃあ協力してもらおう」
「三人とも!ちゃんとオールマイト言うこと聞くんだよ!」
「「「ハア!!」」」
「じゃあ行きますよ相澤先生」
「すまない」
僕は相澤先生をおんぶして出口に向かって走る。
「梅雨ちゃん!峰田君!二人も速く逃げよう!」
そしてその後ろを梅雨ちゃんと峰田君が付いていく。
しかしその時僕たちの前にあの黒いモヤのヴィランが。
「く!こんな時に·······」
「フフフ·······役者はここに揃いましたね」
その時黒いモヤのヴィランがその体を広げる。すると
その広がったモヤから轟さんと常闇君、そしてカっちゃんが出てきた。
「キャ!?」
「うお!?」
「クソが!」
三人は押し出されるかのように僕たちの前に飛ばされその場に倒れる。
「三人とも!?なんでここに」
「フフフ·······じゃあ始めましょうか·······闇のゲームを!!」
その呟きと共に突然周りの雰囲気が静かになる。それと同時に
奴の体中からドス黒い霧があふれ出る!そしてその黒い霧はあっという間に僕たちの
いる空間を満たす!
「うわー!?」
そしてその黒い霧はオールマイトたちのいる所まで広がっていく。
「なんだこれは!?ク!?」
その場にいたみんなの視界が黒い霧によって奪われる。
「「「グァ!?」」」
三人のHEROたちと脳無はその霧に触れると消滅した。
そしてしばらくたった後その霧は次第に薄くなっていった。
「う·······こ、ここは!?」
僕の目に入って来たの光景はさっきまでのUSJの光景じゃない。
そこはなんの光もそんな存在しない闇の空間。どこまでも
広がっている闇のフィールドだったんだ。
「な、なんだよここ!?なんかすごい苦しい·······」
「う·······なんか頭が痛いわ」
近くにいた峰田君と梅雨ちゃんがその場にへたり込む。
「く、クソが·······なんだこれは·······?」
「おい踏影!大丈夫か!?」
「ク·······大丈夫だダークシャドウ·······だが·······」
「う·······苦しい·······なんなのここ?」
他のみんなもとても辛そうな表情を見せていた。
「グハ!み、みんな大丈夫か·······」
「ク·······お前ら·······何とか逃げ·······」
オールマイトも吐血してる。相澤先生は気絶してしまった。
僕もなんか体がだるい。
その時黒いモヤのヴィランが僕たちの前に現れ体の形を人に近い
形に形成する。
「ここは闇のフィールド。ここに閉じ込められたものは
決して外には出れず精神を闇にむしばまれやがて死に至ります。
ここから生きて出れる方法はただ一つ。それは·······
緑谷出久!あなたが私とデュエルして勝つことです!」
「な、なに!?」
その時ヴィランの左手が輝きだす。そしてその左手には
禍々しく黒く染まったデュエルディスクが。
「さあ。時間を少し与えます。自分の納得のいくデッキで
私に挑んできなさい。じゃないと私の脳無デッキには勝てませんよ」
そういって奴はディスクにデッキをセットした。
(な、なんだあのデッキ·······。禍々しい波動が伝わってくる)
「さあ。みんなの命がかかってますよ?それとも
諦めて死の運命を受け入れますか?」
「わかった。僕がお前を倒してみんなを救って見せる!!」
緑谷と黒霧のデュエルが始まる。
奴の邪悪の化身のカードとその戦術を緑谷は超えることが出来るのか!?
みんなを救うことが出来るのか!?
次回、【恐怖の脳無デッキと希望のカード】デュエルスタンバイ!!
細かいことは気にしないで楽しんでいただけると幸いです。