サトノダイヤモンドが砕けたら   作:アマシロ

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こちらも書かねば無作法というもの




なんか早く書けました。これが執筆追い比べの力…!?

読者♡書いて♡ 追い比べして♡



ダイヤとデート?

 

 

 

 

 

 

 

――――ライスに告白された。断った。

 

 

 

 まあ元々ファンとGⅠウマ娘という間柄、どうなっても大差はない。ないったらない。

 

 

 

 

『――――ずっと待ってます』

 

 

 

 

 寝る前やふとした拍子に思い出す、気丈に微笑むライスの顔。

 しかしここで折れたら無駄にライスを悲しませただけのクソに成り下がってしまう。最早退路はなく、俺にできるのはこの道を信じて走り抜けることだけ。

 

 目が覚めれば仕事に打ち込み、雑念があれば更なる仕事で押し流す。

 

 

 

 ダイヤは、もしかしたら気づいていたのかもしれないが何も言わなかった。

 そんな心遣いがありがたくも情けない。

 

 

 

 

 しかし一難去ってまた一難。

 今度はダイヤとのデートの約束がある。

 

 告白されたら『お前が夢を叶えるまで遊んでる余裕はない』とでも言うしかないだろう。そりゃあダイヤの事は大事に思ってるが、お子様だし…。まだ12歳の相手に本気になるようではトレーナーなんて務まらない。

 

 とはいえ『そういう対象に見れない』とバッサリ切るとそれはそれでダイヤのメンタルに影響がないと言い切れない。史実より戦績が悪化してGⅠ勝てない可能性だってあるのだ。

 

 

 

 そんなわけで、胃が痛い日々を過ごしていたのだが―――。

 

 

 

 

 

「――――どうしてデート先がゲームセンターなんですか!?」

「だって好きだろ?」

 

 

 

 ちゃんとSE〇Aのゲームセンターを選んだのだから許してほしい。

 

 

 

「……好き、ですけど! でも初デートなんですよ!?」

「他の候補だと……サトイモ畑とか?」

 

 

 

 

 お出かけなら散々しただろ、海とか山とか遊園地とか。

 と言いたいところだが気分の問題というのはその通りだろう。

 

 

 

「12月にですか!? もうそれただの畑です!」

 

 

 

 

 なんてぶつくさ言っていたのだが――――。

 

 

 

 

 

「トレーナーさんっ、見てください! 最新のぱかプチです! 特別な衣装のオルフェーヴルさんにジェンティルドンナさん……これは取るしかありません!」

「あ、うん」

 

 

 

 

 やっぱり好きじゃねーか。

 最新機種にとりついたかと思うと、百円玉が詰め込まれた専用の財布らしきものを取り出して――――あ、もう落とした。

 

 そうして瞬く間に目当てのぱかプチを掻っ攫っていくSE〇Aのご令嬢。

 確率機(一定確率でちゃんとアームが掴んでくれるが普段は貧弱)に唸ったり、二人でああでもないこうでもないと言いながら巨大サクラバクシンオーぬいぐるみを攻略したり。

 

 

 

 

 こうしていると子どもの頃に戻ったような、ただ楽しいだけの時間で。

 アームを当てて景品の箱を回転させて落としたりと、何かプロっぽい技を使い始めたダイヤを応援したり、トレーナーで鍛えた観察眼で弱点を分析して教えたりと無駄に暴れまくった。

 

 そうして一通りゲームセンターを遊び尽くしたところで、不意にダイヤが呟いた。

 

 

 

 

 

「―――キタちゃんも、ぱかプチになるのかなぁ」

「どうした急に――――いや、まあなるだろうなキタサンブラックなら」

 

 

 

 

 ぱかプチになる基本は、GⅠを2勝すること。アイドルホースぬいぐるみかな?

 例外もあるらしいが、基本はそれだ。なのでアプリではぱかプチがあったカノープスはぱかプチが無かったりする。無節操だと作り切れないから仕方ないね。

 

 もちろん、GⅠを勝ったことがないサトノ家のぱかプチも無い。

 最近では投票で勝ったウマ娘は特別に作成されるなんて話もあるみたいだが、ぱかプチは一つの憧れなのだ。

 

 

 

 有マでは勝てないだろうが、春の天皇賞では勝つはず。

 親友が先にGⅠを勝利して、先に進んでいる状況――――歯がゆいだろうそれに、ダイヤは小さく呟いた。

 

 

 

 

「じゃあ、沢山とってキタちゃんをびっくりさせてあげないと。トレーナーさんにも大きなキタちゃんを取ってあげますね」

「そうだな。キタちゃん飾っとくと縁起良さそうだし」

 

 

 

 

 

 

 

 

 やっぱり強いよ、ダイヤは。

 サトノ家の悲願のために真っ直ぐで、好きなことにも真っ直ぐで。窮屈そうなのに、誰よりも楽しんで生きている姿は、それこそ宝石のように輝いている。

 

 

 

 この輝きを、曇らせたくないと強く願う。

 

 

 

 

 

 

「――――…私も、勝ちますから。サトノ家のためだけじゃない。私を信じてくれるトレーナーさんのためにも――――貴方のためにも、私が勝ちます」

 

「俺のことは気にするな、って言いたいところだが」

 

 

 

「私がしたいんです。受け取ってもらいますから」

「なら、ありがたく貰っておこうかな」

 

 

 

 まあ、こんな俺にも感謝してくれるのはダイヤの良いところ。

 あんまり断るのも失礼だろうし、くれるなら受け取る。

 

 

 

 

「……トレーナーさんは、欲しいものはないんですか?」

 

 

 

 

 

 

 ――――…不安げな声だった。

 

 

 

 ダイヤらしくない、と言ってしまえばそれまでだけれど。

 俺のために気を使ってくれるのは素直に嬉しい。

 

 

 

 

「いいんだよ、いつも通りでいい。お前が素直に楽しんでれば、俺だって楽しんでるさ。いつだって、そうだっただろう?」

 

 

 

 

 キタちゃんに振り回されて二人でがっくりと肩を落としたり、三人でギャーギャー騒いだり、あるいは二人で必死になって後始末をしたり。ダイヤの暴走をキタちゃんと必死に宥めたり、後始末したり、駆けずり回ったり。

 

 退屈しようがないくらいには、賑やかだった。

 思うままに輝くダイヤは面白可愛かったし、キタちゃんにも元気をもらっていた。

 

 

 

 

「……そう、ですね。貴方はそういう方でした」

「そうそう」

 

 

 

 

 なんとなく二人でゲームセンターを離れて。

 すぐ近くにあった公園を歩く。どこか遠くで子どものはしゃいでいる声がするけれど、少なくとも目に見える範囲には人はまばらで。

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………皐月賞、必ず勝ちますね」

「……おう」

 

 

 

 

 

 普段のダイヤからも、ジンクスを打ち破るという気概は大いに感じていたのだが。

 それよりもなお、“重み”のある声だった。それに、なんとなく流れを察しつつももう止める術は持たない。

 

 ライスとデートしたことは、恐らく知っているのだ。

 避けようがなかったのだろう。

 

 

 

 

 

「皐月賞と、日本ダービーと、菊花賞で勝てたら――――大事な話があります」

「……そうか」

 

 

 

 

 

 

 

 何と言っていいのか分からなかったけれど、一つだけ。

 どうしてもそれだけは聞いておきたいと思った。

 

 

 

 

 

「なあ、サトイモ」

「あ、それまだ続けるんですね……」

 

 

 

「だってまだGⅠ勝ってないだろ。……で。それが、お前の夢でいいのか?」

 

 

 

 

 

 もっと、大事なことがあるんじゃないのか。

 サトノ家にGⅠ勝利をもたらすことでもいい。キタちゃんに勝つことでもいい。凱旋門賞で、日本に新しい栄冠を――――なんか先頭民族が先に達成したけど――――もたらすのでもいい。

 

 

 

 

 そのメッセージは伝わったのだろう。

 耳をしょげさせたダイヤは、年頃の少女らしい拗ねた顔で言った。

 

 

 

 

「……だって、素直で良いって言ってくれたのは貴方じゃないですか」

 

 

 

 

 

 そう言われると何も返せないのだが。

 

 

 

 

 

「夢を叶えたら、トレーナーさんもついてくるなら幸せだなって思いませんか?」

「それ俺視点だとサトイモ貰えるのか……サツマイモの方が―――」

 

 

 

 

「ダメだったら、結婚できる年齢まで我慢します」

 

 

 

 

 いや諦めないのかよ。

 完全に負けたら諦める流れじゃなかっただろうか。

 

 

 

 

「いやそれまで俺が待てないと思うけど?」

 

 

 

 

「………待ってくれないんですか?」

「うん。まあ、多分」

 

 

 

 

 

 

「……とりあえず、無敗の三冠ウマ娘になれたら婚約してくれますか?」

「やだ」

 

 

 

 

 スッ、と一瞬真顔になったダイヤはどこかで見たような妙にあざといポーズをとりつつ笑顔で言った。

 

 

 

 

「――――婚約(さいよう)です♡」

「可愛く言ってもダメなものはダメ」

 

 

 

 

「とりあえず皐月賞で勝ったら宣言しますね♡」

「振るぞ」

 

 

 

「泣きます」

「……やめろマジで」

 

 

 

 

 

 いや、皐月賞は勝てないハズ。そのハズなんだ。

 ちょっと併走でバリバリ鍛えているけど――――でも、何だろうか。この子がそれで幸せなら、この賭けに負けてもいいかな、と。そう思ってしまう自分もいるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 










どうでもよくはないけど特に意味はない後書き













ところで今更ですがこの話は短編なのでそろそろ最終回です

本当は10話以内に完結予定だったのですが、こんなにも長く時間がかかってしまった……

次回作のモチベのためにも読者♡ 書いて♡




 
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