スピカトレは設定画に西崎リョウと名前があったらしいですが、その後の公式からは特に発表が無く、採用されたか不明であり沖野トレーナーの方が認知度高いので沖野トレーナーにしています。
まあこの辺の匙加減は二次創作書いてるメリットとして許して♡
ちなみに前作?とは別時空なのでテイオーがスピカだったりします。
――――トレーナー同士の交流は、意外にも多い。
もちろんレースでウマ娘が不利になるようなことは避けるが、最新の怪我予防だったりトレーニング方法の知見の交換だったり、あとは単純にお酒を飲んで騒ぎたいだけだったり。
「―――えー、ではサトノダイヤモンドのメイクデビュー勝利とハッピーミークのみやこS制覇を祝って――――かんぱーい!」
「「「かんぱーい!」」」
―――イカれたメンバーを紹介するぜ!
まず今回の企画者であるライスシャワートレ(お姉さま)。
ライスシャワーで春の天皇賞三連覇、宝塚記念勝利とエグいことをやってくれて、ライスの笑顔に貢献した偉人である。
割とお酒が大好きでいつも飲み会やってるイメージがある。彼氏はいないらしい。
そしてその友人である桐生院葵トレーナー。
世間知らず、お嬢様、謎の身体能力と正統派に見せかけた暴走特急のダイヤよりよっぽどお嬢様している先輩である。ハッピーミークは今のところGⅠにこそ手が届かないが重賞戦線で活躍している秀才。
そしてその同期であるサイレンススズカのトレーナー。
サイレンススズカを幼少期から面倒見てたり、デビュー時点で某天才ジョッキーの大逃げ戦法を完成させてたり、無敗十冠達成させたり、レース中に告白したりと伝説の枚挙にいとまがない男。生けるMAD素材。
で、そのスズカトレの友人でもあるスピカトレーナー。
良い感じのトモを見ると撫でさするという犯罪でしかない悪癖を持ちつつも見逃されているくらいには腕利き、というか目利きのいいトレーナーである。変態かと思いきや生徒にそういう意味で手は出さないし。熱血で、根は真面目だし。でもなんかいつもウマ娘のためにお金を使っていて貧乏なイメージはある。
そして俺、サトノダイヤモンドのトレーナー。
……なんか場違いな気がする! ダイヤは場違いじゃないというか、まあこの面子に入ってても全く問題ないけどさ。
とりあえず一杯飲んだところで、お姉さまトレが言った。
「よーし今日は語るわよ! さあまず推しウマ娘談義からね!」
「もうできあがってんな……」
「はい言い出しっぺの私から! 今日勝ったサトノダイヤモンドね! 別に現役だから~ってだけじゃなくて、デビュー戦とは思えない落ち着いた走りと芸術的な抜け出しに鋭い末脚、ものすんごぉい優等生ね! 今後にも期待! はい次!」
「え、俺? じゃあハッピーミークかな。ダートマイルでも芝長距離でも走れる適応力が流石だから、まあここから何を目指すかに期待。熱い勝負でもいいし、狙えそうな栄冠を狙ってもいい。何でもできるだけにトレーナーは難しいだろうけど」
ダイヤが高評価で嬉しい限り。
スズカトレは浪漫の人かと思いきや意外と堅実派だったりする。ただちょっとサイレンススズカに脳を焼かれただけで。
「えっと、じゃあ次私ですか? そうですね、キタサンブラックの長距離のタフネスは素晴らしいと思います。強みが分かりやすいっていいなぁと……もちろん私の指導の問題で、ミークは凄い子ですけど!」
「で、俺か。あー、じゃあまあ無難というか釈迦に説法だがサイレンススズカの走りかな。スタートから突き放して競り合われても問題にしない上に最後まで垂れない。58秒で逃げて58秒で上がれば、そりゃ負けないよな」
え、何。みんなそれぞれ褒め合う流れ?
残りは……ライスか!
「じゃあ俺はライスシャワーで。菊花賞の走りもそうだけど、特に春の天皇賞でのマックイーンとの激戦はもうどっちも最高だった。小柄なのに気迫が伝わってくる走りというか、名だたるライバルとの死闘が応援したくなる」
「ふえぇええ!?」
何故かライスがすごいタイミングで扉を開けて部屋に入ってきた。
割烹着姿で、手に持ったお盆から手作りパン?を今にも落っことしそう。というかびっくりしすぎて飛び跳ねたのでパンもライスも宙を舞った。
「いえーいドッキリ大成功!」
「うわ危ねっ!?」
「ご、ごめんなさーい!?」
咄嗟に、いやこれはトレーナーなら分かってもらえると思うのだが職業柄転びそうなウマ娘を見ると支えにいくようになってるというか―――ついつい抱き留めたライスの重み(軽い)を感じてつい動揺してしまう。
というか本当にドッキリだったのか、ちゃんとライスが危なそうなら支えに入れるようにライスのトレーナーもすぐ近くにきていた。そしてお盆とパンをキャッチしていた。器用である。この世界やっぱりヒトも身体能力高いよね。
あともしかしなくてもライスが来るタイミングでライスを褒めるように誘導されていた…!? 一流トレーナーは孔明か何かか。人間辞めてるな…。
「ご、ごめんなさいお兄さま!」
「いやこっちこそごめん。ゆっくり下ろすぞ」
大変申し訳ないが怪我しないのが一番大事なので。
ライスの腰ほっそ! とか、なんかいい香り(パン)する……とかまあ意識しないように気を付けつつ。
「へぇー、お兄さまかぁ」
「あ、お前もスズカにお兄さん呼びだもんな」
へぇー、ふーん、と何故か意味深な雰囲気を醸し出すスズカトレ先輩。
「スズカに言わせるとトレーナーさんって何かしっくりこないらしいな」
「後はカレンチャンのお兄ちゃんか」
「スズカさんに並ぶトレーナー大好き勢ですね」
何かを察したように観戦ムードになってるスズカ、スピカ、桐生院の三トレだがこの気まずい空気をなんとか打破してくれないものだろうか。
「怪我はないか?」
「…は、はいっ! その、お兄さまが受け止めてくれたから…………あ、ありがとう。お兄さま」
遠慮がちに微笑むライスが健気カワイイ。
なんていい子なんだ……ダイヤなら――――いやまあダイヤも同じような感じになるか? 隙が無いからそもそも抱き留める必要もないけど。キタちゃんは割とある。三階から落ちてきたりとか。
「えとえと、それでね――――。いつも応援ありがとう、お兄さま! その、お礼に頑張ってパンを焼いたから……もし迷惑じゃなかったら、食べてほしいなって」
「応援団のご神体として飾りたいくらいだが喜んで頂戴します」
「……っ、うん! あのね、ライスはいつも最初は何もつけないで食べるんだけど……最近はお姉さまと、ジャムも手作りしてるの」
「うめぇ。………うめぇ」
やばい。
うまい。ふわふわが押し寄せてくる。
「なんだか静かですね。食べてからはコメントも無いし、さっきまでと違う」
「ああ。語彙力は全部味覚に回してるのかもな」
「まあもうそんなの関係ないですけどね!」
「上機嫌だな……」
「そりゃあもう。私も胃袋掴まれたもん」
ふわっふわじゃねーか。
ライスも頑張ってたし、俺も(食レポ)頑張らないと。
「ああ……ライスが積み上げてきたものは全部無駄じゃなかった。尊い……」
「美味そうだなー。なあ、俺らも少し―――」
「やめましょう沖野先輩。ウマに蹴られます」
「私もミークに何か作ってあげようかなー……キャロットクッキーとか」
「――――はっ!?」
いつの間にか完食していた!?
ジャムもパンもどっちも最高だった。ジャムの種類も豊富だったし、飽きることなく完食できてしまった。何故か脳裏に大量の白米と缶詰を差し出すライスが浮かんだような気がしたが。
と、ここで控えめなノックとともに、今度はエプロン姿のサイレンススズカが入ってきた。山盛りのクッキーの皿を持って。なんか一際大きなハート型クッキー(にんじん色)があるが。
「こんばんは。お兄さんに聞いて、私も差し入れを持ってきました」
「あ、スズカ」
「ちょうどクッキーの生地は作ってあったので……お兄さん、差し入れOKなら言って下さいね?」
「いや俺もさっき知ったんだけど。というか早くない?」
「だってお兄さん、たまにあんまり食べないで帰ってきますし……準備はしてあるんですよ?」
「走ってきてない?」
「………えっと、少しだけ……?」
「目が泳いでるぞサイレンススズカ」
なんてことを言いつつ、みんなでクッキーもつまむ。
うん、美味い。しかもちょうどライスのジャムもあるので味変もできてお得。
いつの間にかライスが隣に座っていて、その向こう側のお姉さまがぐいぐい押すせいでライスがこっちに押し込まれているのだが。どことは言わないが、ライスの身体の一部分がなんか柔らかいしふわふわなのだが。
「お、お姉さま!?」
「ライス、マークよ。徹底的にマークしてマーキングして勝負を決するの。はいお酌する!」
「ふえぇえぇ!? お、おおおお兄さまっ、これ―――ひゃぁ!?」
こぼれそうになったお酒をなんとかうまい事グラスで受け止めることに成功。仕方ないのでそれを飲みほして―――けっこう強い酒じゃね!?
「ご、ごごごめんなさいっ!?」
「いやそこの酔っ払いが悪いから……ライスは大丈夫か? 怪我してないか? 不快だったら先輩にそこのトレーナー引っぺがしてもらうから」
「……う、ううん。ライスは大丈夫。………その、お兄さま、あったかいね」
ちょっと伏し目がちに微笑んで小首を傾げるライス。
はぁーーーっ!?
何この癒し力……卑しかウマ娘は!?
今まで何人の男を勘違いさせてきたんだこの可愛さでよぉ……!
「お兄さん、私もアレやりたいです」
「いつも似たようなことしてない?」
で、何かイチャイチャしてるカップル(夫婦)もいるし……。
助けを求めようとお姉さまを見る。サムズアップして酒を一気飲みしている。これはダメだ。
ならば、と沖野先輩と桐生院トレーナーの方を見て――――。
「ミークのトレーニングか……そうだな、アイツが試していたが、やっぱり併走はいいかもな。相手を集めるのは大変かもだが……今度スピカの練習にも参加してみるか? ウチはダートとか短距離走れるヤツがいないからな」
「いいんですか? スピカとの合同練習は正直とてもありがたいです」
けっこう真面目にトレーナーしてるじゃねぇか……。
「………お兄さま?」
なんて声、出してやがる……ライスぅ……。
いや、俺はお兄さまだぞ。こんくらいなんてこたぁねぇ……。
「……お兄さま、ライスなんかのために、本当にいつもありがとう。菊花賞の時も……本当に、うれしかったの」
いや本当に認知されてたのか。
僅かに目を潤ませて、それでも本当に嬉しそうなライスの笑顔にいつか感じた悔しさが消えていくのを感じる。
「……いいんだよ。俺はライスの走りに、頑張る姿に魅せられたから応援したかった。それだけだ。ライスが走り続ける限り、応援してるから」
「お兄さま………あの! あのね、ライス――――お兄さまのことが――――!」
「ちょっと待った―――――!」
「あ、ダ―――サトイモ」
スパーン! と扉を撥ね開けて乱入してきたのは私服姿のダイヤで。
何故か今にも泣きそうな目で頬を膨らませてこっちを睨んでいた。
「トレーナーさん!」
「どうした急に」
「どうしたもこうしたもありませんっ! どうして他の担当の人と抱き合ってるんですか!?」
……言われてみればほぼほぼ抱き合うような格好だった。
これはしたり。いやなんでと言われれば完全に出来上がってるそこのトレーナーがぐいぐい押してくるからなのだが。
「え、っと、これはその……ライスがちゃんとお姉さまを止めなかったからで……」
「ぅっ………と、ともかく離れてくださいっ」
「うーん、ざんねーん」
ぽいっと一応丁重に、けどそこはかとなく雑にはがされたお姉さまについてくようにライスも離れ。今度はダイヤが無言で隣に座った。
……いやその、前髪でよく見えないけど怒ってる?
「なんか昼ドラ始まったな」
「……これは……レースで決着をつける流れ…?」
「頭サイレンススズカかな」
「うそでしょ……お兄さんそれ気に入ったんですか…?」
「………ダメです」
「ダイ―――…サトイモ?」
「トレーナーさんは、私のトレーナーさんなんです。………サトノ家の悲願も、私の…………も………だから、私から離れちゃ……ダメなんです」
「イモ……」
「――――もうっ! イモって何ですか!? わ、私だって――――」
「!?」
むぎゅっと押し付けられる柔らかい感触――――こ、これは!?
なんで俺、ダイヤに腕を抱きしめられているのか。
………酒、飲みすぎたかなぁ……。
色々ありすぎて眠くなってきた。
もういっそ眠ってしまえ―――――何かダイヤが叫んでいるような気がしたが、そのままテーブルに突っ伏すように意識を手放した。
『トレーナーさんは―――――――――サトノ家に――――』
『――――ライスだって―――――』
勧誘系のあとがき
なんか仲間が増えたらしいですね
もっとだ……もっと書いて……♡
素晴らしい提案をしよう
貴方も二次創作作家にならないか?