IS×SWORD   作:フジ

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遅れてスイマセンッしたぁぁぁぁぁぁぁぁ

後、話がすすまねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ


episode Ⅴ 復讐するは我にあり ②

episode Ⅴ 『復讐するは我にあり』 ②

 

 

 

『ヴァンさん、ラングレン先生! IS学園へようこそ!』

 

時間は、授業を終えた放課後。IS学園の食堂では集まった少女達によって昨日赴任してきた2人の男の為に歓迎会が開かれていた。

 

「あー……この度は、このような場を設けていただき……」

 

「感謝の気持ちがあるなら、そのやる気の無い棒読みの敬語をもうちょっと何とかしなさいよ……」

 

少女達に対して棒読みではあるが感謝の言葉を告げるヴァンにたいして鈴がジト目で見ながらツッコミを入れる。

 

「別にいいだろ。 というか、お前確か別のクラスだろ、何でいるんだ?」

 

「べ、別に! 偶々、通りかかったから参加してるだけよ!」

 

勿論、嘘である。歓迎会を開いているのは一組の生徒達が主体だが、参加している生徒には他の組や上級生、果ては千冬や真耶以外の教師達の姿もある。IS学園に置いて数少ない男性絡みのイベントということもあり、年齢や立場に関わらず様々な人物が食堂に集まっていた。

 

「弁当箱を持って偶々通りかかるもんなのか」

 

「そ、それは……」

 

その言葉で顔を赤くした鈴の手にはヴァンの言う通り弁当箱が握られている。その中身は昼休みの際に箒に遅れをとるまいと作ってきていた渾身の出来の酢豚だが、箒と同じく渡すタイミングを失ってしまっていた為、歓迎会で一夏に食べて貰おうと持ってきたのだ。

 

「あの仏頂面や金髪お嬢様もそれらしい物を持っていやがるが、そんなに一夏の野郎に食って欲しいならこんなとこで油を売ってないで、さっさと行ってきたらどうなんだ」

 

心底どうでも良さそうな声で核心を突くヴァンに鈴は慌てた反応を見せる。

 

「な、なんで」

 

「オイオイ、隠しているつもりだったのか……モロ分かりだよ。昼のやり取りみてりゃあな」

 

「う……よりにもよって、恋愛に縁が無さそうなアンタですらわかるレベルだなんて」

 

「失礼な奴だな。少なくとも一方的に盛り上がってるだけのお前らよりはマシな自信があるぞ」

 

「な、なんですって!」

 

ヴァンの発言に噛み付く鈴だが、そこに割って入るようにヴァンへ声がかけられた。

 

「えっと、ヴァンさん? 今、いいですか?」

 

「あ? 誰だお前ら?」

 

声をかけてきた2人の少女に覚えのないヴァンは首を傾げる。

 

「あはは……一応、山田先生のクラスの生徒なんだけどな……」

 

「こうも見事に覚えられてないのは流石にくるものがあるね……」

 

話しかけてきた少女、相川清香と谷本癒子は自分達の事を微塵も心当たりが無さそうに対応するヴァンの反応に少し凹み気味に苦笑する。

 

「あー、アイツのクラスの生徒なのか、それで? 俺に何か用か?」

 

話しかけられる心当たりが無いヴァンは、ストレートに質問する。

 

「あ、えっとですね……この前のクラス対抗戦での襲撃騒ぎがあった時、ヴァンさんは謎のISを倒してくれましたよね?」

 

「あの時、1組の生徒は試合を観戦していて全員アリーナ内に閉じ込められたんです。けどヴァンさんのお陰で皆、無事でした。だから改めてお礼を言おうと思って……ヴァンさん、助けてくれて、ありがとうございます!」

 

「あ? いや、別に俺は「あっ、私からも、ありがとうございました!」「ハイハーイ、わたしからも!」「抜けがけ禁止! ヴァンさん!助けてくれてありがと!」」

 

感謝の言葉に困惑するヴァンだが、彼女達からの言葉を皮切りに、歓迎会に、参加していた生徒達から次々にヴァンへ感謝の言葉が送られる。

 

「あのな……俺は『俺の理由』で戦っただけなんだ、別にお前達を助けようとしていた訳じゃない、結果的にそうなっただけだ。だから恩なんぞ感じなくてもだな……」

 

生徒達からの感謝の言葉に困りながら突き放すように返答するヴァン、だが少女達はその程度では怯まない。

 

「そうだとしても、みんなヴァンさんに感謝しているんです。助けられたのは事実ですから」

 

「それに山田先生も助けてくれたじゃないですか。 あっ、もしかして『俺の理由』ってやつは山田先生のことですか!?」

 

「えっ!? そういうことなの!? そういえば、『俺はその女を死なせない』とか言ってたような……ということは、もしかしてお二人はそういう関係!?」

 

「違う、面白い奴だとは思っているが、真耶と俺はそういう関係じゃない。そもそも出会ってから1ヶ月くらいしか経っていない」

 

盛り上がり始める女生徒達に呆れるヴァンだが、其処で違和感を覚える。

 

「(そういえば真耶の奴はどうしたんだ? いつもなら、顔を赤くするか小言のお節介が飛んくるってのに)」

 

そう思い食堂を見渡すと少し離れた場所に真耶の姿を見つける。生徒達と会話している彼女だが、ふとヴァンの方を視線を向け、ヴァンと視線がぶつかると焦ったように視線を逸らしてしまう。

 

「なんだ?真耶の奴? 」

 

そんな真耶の態度に疑問を覚えるヴァン。昼休みの時は、いつもと変わらない態度を取っていた筈だったと思い、何か知っていないかと昼休みに一緒だったシャルロットの方へ視線を向けるが、真耶と同じく生徒達と話していたシャルロットもまたヴァンと視線が合うと慌てて目を逸らしてしまった。

 

「アイツもか……いったい、なんだってんだ……」

 

女心の浮き沈みはよくわからないヴァンとしては、こういう時は非常に困る。嘗て、一緒に旅をした少女が機嫌を損ねた時のことを思い出したヴァンは、小さく溜息をついた。

 

__________________________________

 

そんなヴァンの困惑を他所に、離れた場所から少女達に質問責めされるヴァンをレイと千冬が見つめていた。

 

「あいかわず騒がしい男だ」

 

「フッ、諦めろ。良くも悪くも賑やかなのがこの学園だ。そういう意味ではヴァンの奴には順応しやすい場所だろう」

 

呆れたように告げるレイに苦笑しながら答える千冬。

 

「それよりも、歓迎会の主役のお前がこんな食堂の端にいていいのか?」

 

「賑やかのはあまり得意では無いんだがな……」

 

「フン、お前は少しばかり暗いんだ、これ位、周りが騒がしいくらいでもいいだろう」

 

「……かもな」

 

ふとレイは一夏の方へと視線を向ける。

 

「一夏! ……その……昼休みは食事ができずに空腹だろう! お弁当を作ってきたんだ、良かったら……食べてもかまわないぞ!」

 

「 一夏! アンタ、わたしの料理食べたがってたわよね! さぁ食べなさい、酢豚は体にいいわ!」

 

「一夏さん、わたくしサンドウィッチを作ってみましたの、宜しければ召し上がりませんか?」

 

「ちょっ! 三人とも、有難くいただくから、一斉に料理を押し付けないでくれ!」

 

唐変木の弟分は少女達からの強烈なアプローチにたじたじになっていた。

 

「……やはり、あぁなるのか」

 

「なんだ? 一夏が心配か? 過保護な奴だ」

 

「心配にもなるだろう。あのままいくと、本当に将来、女性絡みで刺されかねん……もう手遅れなのかもしれんが」

 

「……確かにな」

 

「いっそのこと、恋人でも出来れば一夏の女難も落ち着くのかもしれんが。こればかりは本人の気持ちを尊重すべきだからな」

 

「ほう……一夏が誰かと恋仲になることには肯定的なんだな」

 

「お前と違ってそこまで過保護じゃない」

 

そのレイの言葉に千冬はムッとした表情になる。

 

「私は過保護でもブラコンでもない。唯、私には姉として、保護者として、一夏の相手を見定める義務がだな……」

 

「ほう……出会った頃、俺に一夏を取られたと思って不貞腐れた挙句、泣いたお前がか?」

 

「そ、その話はやめろ!」

 

レイの言葉に赤面する千冬だが、そこに別の人物から声がかかる。

 

「あらあら、織斑先生とラングレン先生は仲が良いんですね」

 

「……エドワース先生、冷やかさないでくれ」

 

「本心ですよ織斑先生 ♪ それからラングレン先生、改めてこれから宜しくお願いしますね ♪」

 

「数学担当のエドワース・フランシーだったな、此方こそ宜しく頼む」

 

「あら、もう憶えてもらえてるの? 嬉しいわ ♪ 因みにカナダ出身で趣味は盆栽、現在はフリーで彼氏募集中よ ♪」

 

「……後半の紹介は必要なのか?」

 

「同じ職場で働く者同士お互いを知る事は大切でしょ?」

 

「そういうものか? ん、どうした千冬?」

 

フレンドリーに話しかけてくるエドワースのペースに少しばかり戸惑うレイだが、隣にいる千冬がレイ達のやり取りを見て不機嫌そうなことに気付き声をかける。

 

「な、なんでもない(落ち着け織斑千冬、悔しいがレイが愛している女性は今も変わらず妻のシノさんだ。ポッと出の女がいくら色目を使った所でどうこうなる訳がない、だからこそ、余裕を持って冷静に大人の女性としての対応を……)」

 

レイに色目を使われることに不満を感じるものの大人の対応を心がけるよう、自分に言い聞かせる千冬。だが……

 

「ラングレン先生、昨日の授業では助けてくれて、ありがとうございました!」

 

「これからよろしくお願いします!」

 

追撃とばかりに1組の生徒である、鷹月静寐と夜竹さゆかからレイに声がかけられる。心なしか彼女達の視線が熱を帯びて見える(千冬視点)。

 

「(くっ、やはりこの学園は敵だらけだ! こんなことになるなら、もう少し積極的にアプローチをしておくべきだった! ドイツ軍での教導後に玉砕覚悟で告白するつもりが、結局怖気付いて何も言えずズルズルと今に至ってしまったが、告白すれば例え失敗しても女としては意識してもらえていただろうに!)」

 

自分の恋愛に関してのヘタレっぷりに対して今になって脳内で反省会を開く千冬を他所にレイは二人に対応する。

 

「鷹月に夜竹か……ボーデヴィッヒに関しては、俺は俺の仕事をしただけだ。気にしなくていい」

 

「そんなことないです! 凄い助かりました」

 

「そうか……それで、その後ボーデヴィッヒはどうだ?」

 

「それが……本当は今日の歓迎会はデュノア君とボーデヴィッヒさんも対象にしてたんですけど誘ったら断られちゃって……」

 

「……道理で見当たらないわけか」

 

予想はできていたのかレイは表情は変わらない。

 

「ラウラの奴め、やはり機会を見て注意しておくべきか……あまり学園で孤立するようなことにはなってほしくないんだが」

 

脳内反省会を終えた千冬は、教え子のこれからを案じ、話し合う機会を設けることを考慮する。

その時、千冬の反応を見たレイがおもむろに扉へ向け歩き始めた。

 

「……少し席を外すぞ」

 

「歓迎会の主役がいなくなるのは褒められないぞ、レイ?」

 

「野暮用だ。すぐに戻る」

 

そう告げてレイは食堂から去っていく。

 

「どうしたんだろう、ラングレン先生?」

 

首を傾げる、鷹月と夜竹。

 

「あらあら、大切にされてますね織斑先生」

 

レイの行動に何かを察したのか、冷やかすような言葉を千冬へと向けるエドワース。

 

「フン……言われるまでもない。」

 

僅かに頬を染めながらもどこか嬉しそうな千冬がレイの背中を見送った。

 

 

 

 

__________________________________

 

 

一方、ヴァンは生徒達との会話も程々に食事にありつこうとしていた。歓迎会ということで、食べ物は用意されていたが、そこは女子が用意した物ということもあり、軽く摘むようなものばかりで、昼食にありつけなかったヴァンには物足りなかったのだ。

 

「すいません、昼飯が食えなかったので、なにか腹の膨れそうなもの大盛りでお願いします」

 

食堂で調理を担当するおばちゃんに無気力感溢れる敬語で声をかけるヴァン。だが、そんなヴァンにもおばちゃんは活気の溢れる笑顔で答えてくれる。

 

「あぁ、新しく赴任してきた人だね! 今日なら日替わりメニューのトンカツ定食がオススメだよ」

 

「じゃあ、それで」

 

「あいよ! 新任祝いに特盛りにしとくよ。アンタ身長の割には体が細いんだ。たんと食べな!」

 

「どうも……それと、もうひとつ追加してほしいものがあるんですが、お願いしてもよろしいですか?」

 

「なんだい?可能な限りは要望に応えるよ」

 

 

「調味料を全部」

 

 

「……え?」

 

 

「全部」

 

 

 

__________________________________

 

「ね、ねぇヴァン? 僕、日本の料理について詳しくはないんだけど、トンカツっていうのはこんなに調味料を使って食べるものなの?」

 

席に着いたヴァンのテーブルに並べられた様々な調味料を見たシャルロットは、これから何がおこなわれるのか想像がつかず冷や汗を流しながらも、おずおずと質問する。

 

「いやいや、トンカツってそんな料理じゃないから」

 

日本人として間違った印象を訂正する清香。

 

「味が薄いと食った気がしないんだよ。俺が食べるんだ、別にいいだろ……所でお前、なんかさっきから妙によそよそしいな、どうかしたのか?」

 

そんな周囲の言葉を適当に受け流したヴァンは、ふと先程目が合った際のシャルロットの反応を思い出しその理由を問いかける。

 

「え、えっと……き、気の所為だよ! 」

 

ヴァンの問い掛けに対してシャルロットは誤魔化すような返答をする。

 

実際の所、彼女自身何故あのような態度を取ったのか自分でもよくわからないのだ。

 

諦め流されるだけだった自分が変わる切っ掛けを作ってくれた男、生まれて初めて強く興味を抱いた異性。そんな彼が発していた『エレナ』という名前、その名前を出した時の彼の表情、そして昼休みにみ見た写真が彼女の中で、彼女自身にもわからないモヤモヤとした感情を生み出していた。

 

「(あの写真は……)」

 

昼休みにシャルロットと真耶が見た写真にヴァンとレイが彼女達の知らない人物達と一緒に写っていた。恐らくは、何かの記念でとった集合写真だろう。そのメンバーは個性的だ。

 

写真中央に座るヴァンの左手を笑顔で抱き締めるシャルロット達より少し年上であろうピンク色の髪の少女。

 

その反対側に座る、ボリュームのあるお団子を連続させた髪を後ろに流す独特のヘアースタイルをした中学生くらいの少女。

 

青みがかったショートヘアーに褐色気味の肌をした豊満な胸を持つスタイルのいい女性。

 

明るい金髪に聖職者のような服を着た人懐っこそうな少年。

 

60代くらいに見える四名の老人達。1人は楽しそうに写真にピースサインをし、1人はニヒルな笑みを浮かべ、一番体格の大きい者はレイと親しげに肩を組んでいる。一番小柄な老人は座りながら眠ってしまっており、そんな彼を優しそうな女性が隣で支えていた。

 

 

「(山田先生も気になってるのかな?)」

 

同じく、写真を見た真耶に視線を向けるシャルロット。ヴァンの所持品の入ったバッグを持ちながら中々渡しに踏み出せないでいる、自分と同じくヴァンに対してよそよそしくなっている彼女の気持ちをシャルロットはなんとなく理解できた。

 

山田真耶はヴァンに対して好意を抱いている。それは昨日出会ったばかりのシャルロットでもわかるほどだ。そんな彼女に取って想い人であるヴァンの口から出た女性の名前が気にならない筈がない。まして、それを語るヴァンの表情は明らかに特別な感情を含んでいるものだったなら尚更だ。そこに『あの写真』を見たこともあって、あの中の誰かがヴァンの言う『エレナ』なのではないかと気になって、彼女は気が気でないのだろう。

 

「へー、ならいいや」

 

だが、そんな二人の気持ちなど露知らずヴァンは思考を切り替えるようにトンカツ用のソースを掴みトンカツにかけ始めた。

 

「あれ? 以外と普通だね?」

 

それを見た癒子は素直な感想を述べるが……。

 

「ヴァンさん? も、もうかけなくてもいいんじゃないかな?」

 

ドボドボとヴァンはいつまでもトンカツにソースをかけつづけている。そしてトンカツがソース漬けになったかと思うと次に塩コショウの入った容器を持ちふりかけ始めた。

 

「ヴァン? トンカツはステーキとは違うんじゃないかな?」

 

しかしヴァンは次にドレッシングを持ち、トンカツにかけ始める。

 

「ヴァ、ヴァンさん? それサラダ用の……」

 

だが止まらないヴァン、次にケチャップやマヨネーズ、タバスコやマスタードなどの容器を両手の指に挟み一斉にトンカツにぶちまける。

 

「ちょっ! ヴァンさん! ストップ! ストォォップ!」

 

周りの女生徒達の声がドンドンと悲鳴じみたものに変わり始める。

 

そんな中、『ドサッ』と厨房から人の倒れる音がした。

 

「おばちゃん!? 大変よ! おばちゃんが白目をむいて倒れたわ!」

 

あまりの光景に料理を作っていたおばちゃんが倒れ、阿鼻叫喚の中、ヴァンは我関せずと言わんばかりに気にせず調味料をぶちまけたトンカツをフォークで刺して口へと運ぶ。

 

そして……

 

 

 

「うまぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁい!」

 

 

 

『えええええええええええええ!?』

 

 

 

明らかに残飯へとクラスチェンジしたソレを食べたヴァンの口から出た言葉に生徒達から驚愕の声が上がる。

 

「なぁ、ミルクはあるか?」

 

続けて嬉しそうに質問するヴァンだが……

 

「なにしてるんですか!ヴァンさん!」

 

そこに怒った表情をした真耶が突撃してきた。

 

「あ?なんだよ真耶」

 

「なんだよじゃありません! 前にもその食べ方はやめてくださいと言ったじゃないですか、見てください! 調理師さんがショックで気絶しちゃってるじゃないですか!」

 

「はぁ、さっきまで大人しかったと思ったら結局こうなるのか……」

 

「え、あ、その……」

 

諦めたような表情で告げるヴァンの言葉に、勢いでいつものように話しかけてしまった真耶は、再びよそよそしくなってしまう。

 

「お前といい、コイツといいさっきからなんなんだ? 変にオドオドしやがってよ」

 

「え、えっと……」

 

言い淀む真耶、そこに割って入るようにヴァンに声がかかった。

 

「失礼しまーす! 新聞部の黛薫子でーす。噂の男性職員にインタビューに来ましたー。」

 

眼鏡を掛け、赤みがかったショートヘアーを後ろで纏めた少女が好奇心に溢れる眼差しで現れたが、それに対してヴァンは胡散臭い物を見る目で対応する。

 

「あ? インタビューだ? お断りだね。俺は今、食事中なんだ」

 

そう言ってヴァンは調味料塗れのトンカツを再び口へと運び始める。

 

「まぁ、そう言わずに〜、学園で貴重な大人の男、しかも特別なISを使えて、クラス対抗戦のヒーローなんて新聞部として放って置けないネタじゃないですか、ねぇ?『ガンソードのヴァン』さん?」

 

「生憎だが、さっきの授業から俺は『子守のヴァン』だ他をあたれ」

 

食い下がる薫子に対して取り付く島もないヴァン。

 

「そこをなんとか、簡単な質問に答えるだけですから。ラングレン先生は見当たらないですし」

 

「何?あの野郎、また俺に面倒を押し付けやがる気かよ」

 

いつの間にか食堂から消えているレイに悪態をつくヴァン。

 

「まぁまぁ落ち着いて、すぐに終わりますから、それでは一つ目の質問いきますよ〜」

 

そこから薫子によるインタビューが始まった。内容は基本的なヴァンのプロフィールについての質問から始まり、ヴァンのヨロイや、クラス対抗戦での戦いについてなど様々だが、ヴァンは食事をしつつ適当に答えていく。

 

そして……インタビューも終盤へと差し掛かかり、薫子からの質問もドンドンと内容がエスカレートしていく。

 

「ISを使える世の男性代表として何か一言! 」

 

「知るかよ……俺は俺だ。男性代表(そんなもん)になったつもりは無いし、他の奴のことなんぞ知ったことじゃない。」

 

「ほうほう、では数少ない男性職員として、学園の女生徒達はどう見えます? ISスーツを着た授業とか目のやり場に困りませんか?」

 

どこか、からかうような薫子の質問だが、ヴァンは心底どうでもいいと言わんばかりに答える。

 

「ガキに興味は無い」

 

「そうですか〜? 最近の子は発育もいいですよ〜?」

 

「ガキはガキだ」

 

微塵も動揺しないヴァンに、すこし面白くなさそうな表情をした薫子は気を取り直し次の質問をする。

 

「じゃあ教員の方達について、どう思います? 例えば親しい関係と噂の山田先生とか?」

 

その言葉に強く反応したのはヴァンでは無く不意打ちを貰った真耶だった。

 

「えぇっ!? ヴァンさんと私が!?」

 

急に話を振られ驚いた真耶は思わず持っていたバッグを落としてしまう。

 

その結果……

 

「あれ? なにこれ? 写真? 」

 

「見て! ヴァンさんとラングレン先生が写ってる!」

 

「レイ兄の写真!? どれどれ?」

 

「何それ、私にも見せなさいよ!」

 

「あ! 待たんか一夏!」

 

「ちょっと一夏さん!? 箒さんと鈴さんの料理は食べて、私のサンドウィッチだけ召し上がらずにどこに行くんですの?!」

 

「レイの写真だと? どれ見せてみろ」

 

金属製の額に入った写真がバッグから出てきてしまい生徒や教員達の注目を浴びてしまった。

 

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