Aすいません、つい……
取り敢えず外伝を投稿、もう一人のガン×ソードの主人公ともいえるアノ男が主人公です
前回と同じく、3話くらいで完結すると思います。ヴァン篇との繋がりは無いです
今回は、殆どがガン×ソード側のストーリーのダイジェストになってしまっており本編のネタバレ全開ですがご注意ください
episode Ⅰ 終わらない夢
男は、穏やかで優しい人間だった
男は、愛する妻と唯一、血の繋がった家族である弟と共に幸せに過ごしていた
男には、夢があった
愛する女性と平和に穏やかに暮らしたい、そんな、ささやかな、何処にでもあるような夢だった
だが、その夢は引き裂かれた
突如現れたカギ爪の男
彼の計画への協力を断った妻は殺された
最愛の妻を失った男は、復讐の鬼となった
妻の遺したヨロイを戦闘用に改造し、豹変した兄の身を案じて復讐を止めようと説得する弟を振り切り仇であるカギ爪の男への手掛かりを追い求め、男は世界を彷徨う
男は、優しさを捨て自身の復讐の邪魔となるものは女であろうが子供であろうが容赦無く排除した
復讐の旅の中、男は自分と同じくカギ爪の男に最愛の女性の遺したヨロイを駆り復讐を誓う、タキシードを着た男と出会う
「お前の復讐は……随分優しいな」
「俺に無駄な優しさを振りかざすな」
「お前は、あの子を見捨てる事ができるか?」
足手まといな娘を連れ、復讐と関係の無い事にまで首を突っ込み、敵であっても女・子供であれば命を奪おうとしないタキシードの男と彼は、似通った境遇でありながら酷く、対象的だった
カギ爪を追う中で、すれ違い、交錯する二人の男は、衝突と共闘を繰り返すが決して馴れ合うことは無い
そして、三度目の邂逅、二人の前に、カギ爪の男の計画の障害を排除するべく現れたタキシードの男と同じ特別なヨロイを駆る双子を迎え討ち、これを撃破する
しかし、その代償は大きかった
激昂した敵の最期の悪足掻き
その攻撃で男は、自身が得意とする銃での戦闘スタイルにとって致命的となる目にダメージを負い、右目の視力を大幅に失う
それが原因で、その後、カギ爪の刺客とした現れた女のヨロイとの戦闘で男のヨロイは、大きなダメージを負い、タキシードの男のヨロイもまた、発進基地となっている衛星を破壊され機能を停止してしまう
ヨロイに定期的に乗らなければ死んでしまうタキシードの男を救うべく、彼に同行していた弟とその仲間は、ヨロイを宇宙に打ち上げる為、男に強力を願いでる
弟と、その仲間の女性の説得を受け、ヨロイの修理と改修を条件に、男は、それを受け入れる
そして、ヨロイの打ち上げ前夜、打ち上げの陣頭指揮をとり疲れて眠る弟に毛布を掛ける男に、タキシードの男が話かける
「お前……目が……」
男の視力は悪化の一途をたどり、もはや両目とも、まともにみえていなかった
投げ渡した通信機を取り損なった男の様子にタキシードの男は、男の状態を理解する
「貴様こそ、身体にガタがきているようだな、明日、死ぬそうじゃないか」
男は、皮肉で答える
「治すんだよ、お空の上で」
「なら気長にやれ、カギ爪は俺が殺る」
「そいつは困ったな……俺が殺らなきゃだめなのに」
二人の間の空気が張り詰めていく
「標的は1人……狙うは2人」
「少し多過ぎる……」
「減らしておくか?」
「同感だ」
男は銃を、タキシードの男は蛮刀を抜く
「嬉しいね同じ考えか!」
蛮刀を回しながら切り掛かろうとするタキシードの男だが
「ぐぁッ!」
ヨロイに長期間、乗っていないことからくる痛みで体制を崩し膝をつく
「そこかッ!」
すかさず男は銃を撃つが、タキシードの男はギリギリでその弾丸を蛮刀を切り上げて防ぎ、そのまま、地面に突き立てるように、蛮刀を男の銃口の前に振り下ろし、銃口と刃がぶつかり火花が散る
「「フっ……」」
2人は静かに笑う
「ポンコツめ」
「ガラクタが……やはりカギ爪を殺るのは俺だ」
「ちょっと待て、そりゃ俺だろ」
「いいや、俺だ」
睨み合っていた男達は、静かに武器を納める
「やれるもんならやってみやがれ」
「お前もな」
捨て台詞を吐き、去っていくタキシードの男は、男のヨロイを見上げ言い放つ
「てめぇは虫が好かないが、こいつは良いヨロイだ」
「……お前も……ヨロイと女には、恵まれたようだな」
「……あぁ」
それが、2人の交わした最期の会話だった
タキシードの男のヨロイの宇宙への打ち上げは、無事に成功したが、カギ爪の計画の発動まで残された時間は少なく、タキシードの男が帰還しないまま一行は、最終決戦に突入する
決戦を前に、彼は弟と言葉を交わす
「ジョシュア、俺はヴォルケインでカギ爪を殺す。お前が反対していたことだ、本当に、それでいいんだな?」
嘗て、兄がカギ爪の男に放った銃弾を、その身で受けてでも弟は、兄に人殺しになってほしくなかった
「だって……兄さんは、もう止まれないじゃないですか」
弟は辛そうに告げる
「僕は、兄さんに生きていて欲しい、生き続けて欲しい。もし、カギ爪の人を殺さないと、次に進めないなら……そうして欲しい。それを助けたいんだ!」
「だって、僕には、それしかできないから!」
弟は兄の為に覚悟を決めた
「レイ兄さんの為に……レイ兄さんを好きだったシノさんの為に……それしかできないんだ!」
会話を終え、去っていく弟と入れ替わるようにやってきた、弟と一緒に男にヨロイの打ち上げへの協力を説得してきた女性は、彼に質問する
「どうするんですか?復讐が終わったら」
「ヴォルケインを……あいつを静かな海に沈めてやりたい……誰も来ない……深く静かな海に……それで、やっとシノは……」
哀しげな瞳で形見のヨロイを見つめる男を女性は心配そうに見つめた
そして、始まる最終決戦、大量に現れた無人ヨロイの相手を同行していた2機のヨロイに任せ、男は、カギ爪の男に従う女と相対する
女は告げる
「彼方たちは、私怨の為に戦っている。私達は同志の夢を守る為に戦っている!命は、守る物を持つ方が強いのです」
男のささやかな夢を奪った連中は、正義の味方の様な台詞で言い放つ。より多くの人々が救われる夢の前には、個人のちっぽけな夢など対した価値では無いのだと
「なぁ?……どうなる?……夢を奪われた者は……その先どうなると思う?」
そして再び戦いが始まる
「わかりません……そんなヨロイで……ただのヨロイ乗りでしかない彼方がどうしてオリジナルセブンと互角に?」
【オリジナルセブン】
囚人惑星エンドレスイリュージョンに存在する原初のヨロイ。多くのオーバーテクノロジーを詰め込んだ最強のヨロイ。それ以外のヨロイは、全て、それらを形だけ真似たレプリカでしかない。
ましてや、男が戦っているのは、そのヨロイに光学兵器を追加し、操縦者も特異な体質により身体の改造を必要としない、選ばれた存在、ネオ・オリジナルだ。
ただのレプリカのヨロイで更に視力を大幅に失った男に勝てる道理など無いはずである。
だが……
「ほう、知らなかったのか。お前達が使っている光学兵器、元になったその技術は……その根本こそが……」
「このヴォルケインだと!」
執念で女のヨロイを撃破した男は、弟が操縦する移動用の大型マシン、ホバーベースで、弟と2人でカギ爪の男がいるポイントへと先行する。
その道中、男は、弟にどうしても聞いておきたかったことを質問した。
「ジョシュア……お前は、シノを好きだったのか?」
一瞬驚いた表情をした弟は誤魔化すかの様に笑い返答する。
「当たり前じゃないですか、あんな素敵な人を嫌いな訳が……」
だが、観念したのか弟は言葉を止める
「はい、好きでした」
「そうか……」
「……はい、だから兄さんが羨ましかった。義姉さんと義姉さんのヨロイを手に入れて」
心の奥底にあった想いを吐き出す弟の言葉を男は、何も言わず受け止める
「でも、僕は兄さんみたいになれなかった義姉さんが死んでも兄さんみたいには……」
自分を責める様に弟は言葉を吐き出す
「とても、とても悲しかったけど兄さんみたいなことはできなかった……僕は臆病な人間です」
「それは違う」
その言葉を男は、静かに、しかし力強く否定する
「でも……」
「俺は逃げたんだ。悲しみから……今も逃げ続けてる。そうしなければ俺はシノを失った悲しみに耐えられない」
男の口から初めて自身の歩んできた道に対して否定的な言葉が漏れた
「臆病なのは……俺だ」
そんな兄の言葉に弟は心を痛める
「だが、それも、もう終わりだ。奴とのケリをつけたら、俺は昔に戻る。もう、一度……シノと向き合うつもりだ」
「お前も、お前の夢をみつけろ、誰にも邪魔されないお前のやりたい事を」
それが、兄が弟に最期に伝えておきたい言葉だった
「僕の夢は、この先もずっと兄さんと」
だが、その言葉は、男の手刀により遮られる
ホバーベースから弟を降ろし、男は、1人でカギ爪の男のいる座標へとたどり着く、そこにあるのは巨大なヨロイ、カギ爪の男の世界を平和へと導く計画は最終段階へと移り、タキシードの男は、今だに宇宙から帰還しない
防衛の為の無人兵器は、足止めされオリジナルセブンをかる女は、男に倒された、もはやカギ爪を殺す邪魔者はいない
だが……
「夢が、私を殺させない!」
巨大なヨロイの前に立つカギ爪の言葉と、共に、宇宙から、カギ爪の男に組みする最後のオリジナルセブンが舞いおりる
男のヨロイは、先程の戦闘で既にボロボロで勝ち目は無い。敵は容赦無くホバーベースを破壊し、続けて男のヨロイへと刃を突き立てる。
しかし……
「許せ……ヴォルケイン」
最愛の女性の形見すらも囮にし、生身でホバーベースから脱出するのと同時に敵の至近距離で、男はヨロイを自爆させる。撃破は、できないが、時間稼ぎとしては、十分だった
警備兵を片付け、満身創痍の身体で、男は、仇を目指し長い階段を登る
階段の頂上付近に差し掛かりその先に立つ、仇へ男は、銃弾を放つ、しかし、視力を失いかけた男の放つ弾丸は、狙いを外し床や柱に当たる
「残念ながら、ここで終わりです。これ以上、彼方に付き合う時間は無い。これから長年の夢が花開くもので」
カギ爪の男にとって、この瞬間は何よりも待ち遠しいものだった。彼に残された寿命は少なく計画の延期は許されない。そして、自身の命を捧げ世界を平和へと導く
計画発動の核となる巨大ヨロイの準備が完了し、カギ爪の男は、それに乗り込むために、男に背をむける
「夢を……」
男の言葉に反応しカギ爪の男は、足を止め振りかえる
「夢を失った者がどうなるか知っているか?」
銃を構えながら男は言葉を続ける
「どうにもならない。決して埋まらない苦しみに、怒りに、悲しみに、心と体を苛まれるんだ……それが、どれほど苦しいか……」
「選べ!命を取るか!夢を守るか!」
その言葉と同時に放たれた銃弾は、しっかりとカギ爪の男の頭を目指して進む、しかし・・・虫でも払うかのように振るわれた右手のカギ爪によって弾丸はあっさりと弾かれる
「残念でしたね」
余裕を崩さないカギ爪の男
「いや、これでいい」
その言葉を訝しむカギ爪の男の背後から小さな異音が響き、振り向いたカギ爪の男は、思わず目を見開いた
巨大なヨロイの頭頂部にある、計画の要といえる巨大な装置、その歯車の僅かな隙間に男の放った弾丸は寸分の狂いもなく突き刺さっていた
機能障害を知らせる音がカギ爪の男の組織の管制室になり響く
「お前の夢は……終わった」
男が最期に選んだ復讐の手段は命を奪うことでは無く、カギ爪の男自身の手を介して、その夢を破壊することだった
次の瞬間、増援として現れた警備部隊の放った銃弾が男を撃ち抜いた
後ろに倒れ階段から落ちて行く男
その目に一瞬だけ、狼狽し絶望する仇の顔が写る
「……やった!」
何よりもその貌が見たかった
「ありがとう……『ジョッシュ』」
復讐を誓い決別してから呼ばなくなった弟の愛称で弟に感謝を告げる、男は復讐を果たした
通信機から弟の絶叫が響く
「うわぁぁぁぁぁ!兄さん!今行きます!だから!だから返事をして!にいさぁぁぁぁぁん!」
結果から言えば男が引き起こした機能障害自体は、計画の破壊には至らなかった。男の命を掛けた一撃は計画の発動を僅かに遅らせただけだったのだ
だが、男が作ったその時間は、計画の致命傷となる
「兄さんの最期、汚させはしない!僕がさせない」
兄の名誉の為に立ち上がった弟とその仲間達
そして……
「お前は、運が悪いな……俺は奴のような『善人』じゃない!……バラバラにしてやる」
宇宙より舞い戻った、タキシードの男の手によって……
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男が目を覚ますと、其処は海辺の家だった
忘れもしない。最愛の妻と共に過ごしていた自分の家だ。視界にシーツを干している女性が写る
絶対に忘れない、誰よりも大切な最愛の女性だ
「起きたのレイ?」
酷く懐かしい声だ、2度と聞けないと思っていた
「夢を見ていたよ……悲しい夢だった……だけど、もう終わったよ」
彼女を失った、その日から、彼の現実は、悪夢そのものだった
壁に立て掛けられた銃、復讐を誓い、決して手放さなかったそれを一瞥し、男は、それを置いたまま、シーツを干す『彼女』の元へと向かう
「1人にさせて悪かった」
「ううん」
『彼女』を抱きしめようとシーツの向こう側へ行こうとする男
「待ってレイ」
それを彼女は止める
「何故だ?シノ、漸く一緒に……」
「ううん、彼方はまだ死んでない、彼方は、まだこっちに来ちゃいけない……」
「何を言う!シノ!俺はお前が!」
声を荒げる彼に、寂しげな声で、彼女は、告げる
「大丈夫、寂しいけど私はずっと待ってるから。今の彼方ならきっと、大丈夫……ヴォルケインも力になってくれる。だから……だから生きて……レイ」
「何を言っているんだ?!待ってくれシノ!」
直後、世界は暗闇に染まった
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「漸く帰れる」
長く綺麗な黒髪を束ねたスタイルの良い女性、織斑千冬は、一週間振りに帰宅できる自宅を目指していた
二十歳を目前にした彼女が何故そんなことになっているのか、それは、彼女を取り巻く特殊な事情にある、彼女の両親は、数年前に彼女と幼い弟を残し、何処かへ蒸発してしまったのだ
それから、彼女は、唯一の家族である弟を守るべく必死に生きてきた
親友の発明を世に広める為の共犯者となり、そして、世界を歪めた。
インフィニット・ストラトス、通称IS五年前におきた『ある事件』を機に、世界は女尊男卑の世界となった
女性のみが使えるパワード・スーツであるIS、その性能の高さから国際法にて戦闘への使用を制限され、各国が代表を競いあわせるスポーツの様な扱いを受けていた
その中で、彼女は、日本の代表として、世界大会モンド・グロッソに出場し、優勝を収め、若くして、自身の立場を不動の物とした。それが、弟を守ることに繋がると信じて
もはやIS関連に関しては、開発者に並び最高クラスの看板と呼べる彼女の仕事は激増し、今回も海外へ行かなくてはならなくなりその結果、一週間もの間、家に帰れなかったのだ
今年で10歳になる弟は、家事が苦手な自分とは対象的に、家事が得意でしっかりしているが、それでも、生活の為とはいえ、姉弟として過ごす時間が減ってしまったことに彼女は、罪悪感を覚える
「漸く、纏まった休みが取れた、明日は、一夏と一緒に出かけようか」
久しぶりの家族水入らずの時間を想像し、普段はクールな彼女の表情が緩む
そして、彼女は弟がいる自宅へと到着した、玄関を開けるとリビングから、料理の匂いがして、帰って来たことを改めて実感する
「あっ!千冬姉!おかえり!」
帰宅に気づき笑顔で迎えてくれる弟
「あぁ、ただいま、いち……か」
だが彼女の表情は直後に固まる
姉弟の2人で食事をするリビングの机に、もう一つイスが置いてあり、其処に、見知らぬ金髪の男が座っていたからだ
「だ、誰だ!?」
男は、何処か困ったような顔で告げる
「俺は……レイ、レイ・ラングレンだ」
episode Ⅰ 『終わらない夢』
舌の根も乾かない内に何してんのお前?とか思わないでください
レイ鬼いさん版もやって見たかったんですハイ
そんでもって今日、仕事が休みで盛り上がって、つい・・・
最初は、漸く嫁と一緒になれたレイに生き残らせるとかイジメじゃね?とか思ってたんですが、復讐を終え生き残ったレイの苦悩や日常での意外な一面を描いていけたらなと思います。
ガンソ側の回想長くね?と思われたかかもしれませんが、ガンソを知らない人にレイを説明しようとおもったら、こうなっちゃって・・・