召喚獣がサイヤ人みたくなったんですが、これ俺の力なんすかね? 作:エア_
あ、死んだわこれ
ある日、スマホでドラゴンボールGTの最終回まで全部見終わった俺は一つ大きく息を吐いた。
闘いは銀河を超え、敵も強くなり、ついには究極神である超一神龍までも倒した救世主である孫悟空。
俺は彼に非常に憧れていた。ひっじょおおおに憧れていたのだ。
下級戦士だといわれていた孫悟空はエリートであるベジータを倒し、悪の帝王フリーザを倒し、究極生命体であるセルに互角で挑み、魔人ブウを倒しとあげればきりがないほど地球を救い宇宙を救い。それでもなお彼は強さを求める凄い人。
幼い頃、彼は俺にとってとても深く印象的だった。彼に憧れたものは必ずいる。いや、彼の場合なら大勢が、世界中が憧れているだろう。
小学生の頃、かめはめ破を何度練習したことか。
中学の頃、授業が面倒くさくて、何度残像拳が出来ればと考えたことか。
高校の今、塾へ行くときやらいろんな移動の時、何度瞬間移動が出来ればと思ったか。
体は悟空を目指して毎日鍛えた。休む日はトコトン休み、鍛える日は死に物狂いで鍛えた。おかげで、巷で絡んで来る奴は人っ子一人いない。なんせ返り討ちだからだ。全然嬉しくないが。引ったくりなんか後ろから走ってくるが自分のほうが強いのか首根っこ引っ張られたようにひっくり返るほどには充分強くなった。
酷いときにはバイクで突っ走る奴らを全員返り討ちにしたことだってある。嘘じゃあない。
現に目の前にはボコボコになった暴走族の山があったのだ。
「・・・・・・これでいい?」
「お、おおおう! なははは、た、助かったぜ!」
同じ高校に通う先輩に頼まれ、うるさい暴走族から先輩の彼女を助け出すために突貫し、無事救出。そこまではいいが、後が面倒だったから追ってきたやつらを先輩から引き離すために一匹残らず見せしめとして血祭りに上げた。気分はもうブロリーだ。敵だから好きなキャラではないが、やっぱり圧倒するのは気分が良い。
「じゃあ、いつもどおり。僕の手柄じゃなくていいんで後は頼みます」
「んんっ、後は任せなさい」
さっきまで情けなかった先輩はいきなりヒーローになったかのように気取りだした。嫌いじゃないんだけどほら吹くのは上手いんだよなぁ、そこ以外は良い人なんだけど。
俺はついでに言うとコミュ症という訳じゃあ断じてない。ただ回りの人とあまり話さないだけで話すときは話す。友人は少ないが、よく喋るなと驚かれることが多々ある。
とまぁ、こんな風にまるで自分が物語の主人公になったかのような語りを入れながら、俺は暗闇の中、山のほうへと向かった。
目的はそう、鍛えることだ。少しでも悟空のようになりたい。せめてクリリンのように強くなりたい。そんな俺は日々勉強もしつつ己を鍛えていた。
あ、ヤムチャはいいです。足元がお留守なので。
山を登るのは結構怖い。なんせ夜だからだ。夜の山は何が起こっても可笑しくはない。前に酷いのがあったのは例の【山で藁人形の杭を打っている】ところに遭遇したことがあって、案の定ばれて追い掛け回されたことがあった。埒が明かないから返り討ちにあわせて説教食らわせたのはいい思い出だ。だって幽霊じゃないんだ。殴れば勝てるかもしれない。そう思ったのだ。
頂上には俺の訓練用のものがいっぱい置いてある。親父に通販で買ってもらったサンドバックからグローブ。いろいろなものが揃っている。山の頂上だからといっても、ちゃんとテントを張ってその中にしまっているため雨にぬれても多少は無事な上に手入れも欠かさずしているから長持ちしている。すでに外に出してから6年は経っているから長持ちしているほうだと思われる。
「っしゃあ! 目指せ! 孫悟空!」
俺は今日も孫悟空のような強い漢を目指して、体を鍛えるのだった。
☆
鍛え始めてからすでに3時間はたった。俺が鍛えていることは両親も知っており、それを承諾しているため遅くになっても問題ない。なんせゲームとかからきしだから金いらないし、犯罪に巻き込まれても返り討ちに出来るほど強くなっているから問題ない。中学生のころは全国総合格闘にでて覇者になった
「いっただきま~す!」
母親お手製の弁当に感謝しながら食べその味をあじわう。鯖の煮付けが好物の俺にとって母の作る鯖の煮付けは一番のお気に入りなのだ。同レベルでお気に入りなのは祖母の作ってくれる鯖の煮付けだ。二人とも良い仕事をする。
「やっぱ旨いよなぁ。鯖の煮付けは」
知り合いが聞いたら、お前爺くさいなと口を揃えていってくるのだ。酷い言われようだとは思わないか?
飯を食っていると突如、上空から垂直降下してくる飛行機のあの甲高い音が耳に聞こえた。すかさず弁当箱を肌身離さず持ち、上空を見ながらその地点から距離をとった。
数秒後、自分のいた場所に何かが衝突した。大きな爆発が俺を襲い、持っていた弁当箱を吹き飛ばされた。安心しろ、中身はちゃんと全部食べた。
俺自身はちゃんと足腰を鍛えていたため、吹き飛ぶなんていうことはなかった。だがしかし、土埃で前が見えない。暫く俺はその場から動けなくなった。
しかし、煙が晴れた次の瞬間、俺の目に恐ろしい光景が飛び込んできた。
「な、なんなんだ!?」
そこには紅く光り輝く黒髪の筋肉モリモリマッチョマンがいた。上半身は赤い毛皮のコートを羽織り、下半身は黄色い布製のジーンズではない何かを履き、特徴は生えた尻尾。
まさしくそれは語り始めの最初に見ていたドラゴンボールGTに出てくる超サイヤ人4の状態の孫悟空そのものだ。違うのかもしれないが俺の目には孫悟空にしか見えなかった。
対するは何かは分からない。だが、分かるのはまるでその顔はエジプトの猫のような顔をしているという事だった。紫色の俺の目に見えるオーラを纏いながら悟空(仮)と戦っていた。
すごい。俺の目の前であのドラゴンボールの戦闘が見れるとは、違うのかもしれないが俺にはそう見えた。とっても感動する。非常に感動する。
互いの叫び声がする。いや、咆哮といったほうがいいのかもしれない。すさまじいラッシュ。俺にはまるっきり見えない。これが【見えん。この神の目を持ってしても】とかいう神様の台詞の本当の意味だったのかと思うと胸が熱くなってきた。高ぶる。自分よりも圧倒的に強い存在に俺は戦いたいと思った。
恐怖心なんて麻痺して今は一切感じない。絶望感なんてこの高ぶりの所為で理解が出来ない。
ただ一言、俺もこの戦いに混ざりたい。そう思ったのだ。
そう思ったつかの間、猫みたいなのが放った光線が俺を包んだ。
ドラゴンボールじゃあ何で避けないんだよと思ったが、これ光速で撃ってんのね。そりゃあ避けられませんわ。
俺は、何故か死ぬことに関しての悲しみよりも、闘いを見れたっていう感動のほうが強く残り、死んだなと確信するまでその光線の暖かさを身に刻んでいた。
★
「おーい、起きろ~」
「起きなきゃ殺すぞ人間―ッ!!」
突然耳元で叫ばれた俺は、寝坊でもしたのかと驚いて勢いよく起き上がった。
「「ぎゃひん!?」」
額に衝撃が走り、酷く情けない声を上げた。なぜか自分のと違う声も聞こえたが今はそんなところじゃあない。岩に頭突き突貫した時よりも痛かった。
「っっっつつつっ!? 額がかち割れそうだ」
「おい人間! 僕にむかって何てことするんだ!!」
なんかいきなり怒られた。ここは素直に謝っとこう。声低いし、親父か? でも親父ってこんな声だったっけ?
「ご、ごめん親父。寝起きは前見えないんだよって、貴方だぁれ?」
目蓋を開けると一番最初に目にしたのは。スフィンクスみたいな奴だった。そう、あの猫みたいな奴だ。あれ? あれって夢じゃなかったのか。よかった。あれが夢だったら頭が痛い奴じゃん。
「僕はお前なんかのお父さんじゃないんだけどね」
「あ、すんませんでした。寝ぼけてて」
目の前の全身紫猫男さん(仮)は少し怒ったようにも見えたがそんな事もなかった。まぁすぐ怒る人なんて見たことないよ。チンピラ以外。
「いや、ほんとすまねえなぁ。ビルス様の攻撃がおめぇに当たってよぉ、おめぇ死んじまったんだ」
「いやぁ、あんな戦い見れたしさぁ。俺にとっちゃあそれで充分」
「充分ではありませんよ」
ちょっと高音気味な声の人が横から声をかけてきたものだから正直に返した。今思うとあの声最近良く耳にした声とおんなじだった。孫悟空の声そのまんまだった。しかし、その驚きもするまもなく、別の声が聞こえた。
「貴方は死んでしまいました。本来は死ぬことはなかったんですよ。この星は我々のいた世界とはまったく別の世界なのですからね。ここの世界の最高神ともめるのは流石にまずいのですよ。そこで、貴方にはこの世界にいたという事実を“破壊”し、これから行く世界に元からいるという事実を“創造”しなければなりません」
クドクドといわれたがつまりは別の世界から来た人が戦闘中に民間人殺したからその事実を隠蔽するために別の世界に飛ばすということらしい。まぁ、唯一の気がかりは自分の両親の安否と祖父母の安否だけなのでそれ以外は別段どうでもよかった。だって充分満足してたし、戦闘以外。
「にしてもおめぇすっげー鍛えてんだな。オラといっちょ修行してみねえか?」
「あ、それはこっちからお願いしたいくらいですよ。あんな凄い闘い目の当たりにしてワクワクしない訳がない!」
「まぁ、ここは精神と時の部屋見てえなところだからよ。向こうの神様にはばれねえからさぁビルス様。いいだろぉ?」
「まぁ、本来は僕の所為になっちゃうのを防げるし別にいいよ。こっちの破壊神僕より強いらしいし」
なんか周りで凄い話になっているがそんなことはどうでも良い。今目の前いにいる人物が孫悟空であるのは確信できた。あの独特な喋り方。そしてワード“精神と時の部屋”間違いない。この人は孫悟空だ。
「えっと、先ず自己紹介させてください。僕の名前は
「おっす、オラ孫悟空。よろしくなぁ拳冶!」
やっぱり孫悟空だった。生悟空だよ。まじか、俺最高についてるわ。ドラゴンボールの世界に生まれなかったのを不幸だと思っていた俺だったが、この時のための布石に違いない。素晴らしい。神はいたのだ!
「僕は破壊神ビルス。よるしくね~ん」
「あ、よろしくお願いします」
なんか欠伸しながら紫猫もといビルスさん。いや、破壊神って言ってるし、ビルス様のほうがいいのかもしれない。マジかよ。モノホンかよ。神様は実在したのか。
「私は創造の神を務めているウィスといいます」
「あ、ご丁寧にありがとう御座います。拳冶と申します」
こっちの人はとても丁寧な口調の方だった。すごい、神様三人も出会えるとは、
「にしても、何故にあげなところで
「オラが死んでから神龍といっしょによぉ、数千年くれぇした頃か時にさ。急にオラと闘いてぇってことで戦ってたんだけどさぁ」
ナハハハとおどけた様な笑いをしだす悟空。それを聞いたウィス様が言葉を続けた。
「勢い余って戦っていた場所に次元の穴を開けてしまいまして、二人とも気づかずその穴を戦闘しながら通ったのです。するとちょうど貴方のいた山の上空7000mについたという訳ですよ」
「ほぇ~。次元に穴あけるとか凄いですねぇ」
「まぁ、僕は破壊の神だからね。なんたって出来るのさ」
なんか想像以上に凄い人がいるもんだ。世の中広いな。いや、悟空達のインフレが凄いだけかな?
とまぁ、その事は一先ず置いといて。悟空さんと修行がしたいぞ。すんごく。どんな訓練だろうか。亀の甲羅からうのかな? それともカリン塔登るのかな? どちらにしろワクワクがとまらないのは確かだぜ。
「おっし、修行すっぞ!」
「おう!」
「なんか、勝手に始まったけど。いいの?」
「まぁ、こちらに被害はありませんから・・・・・・プリン作ってきます」
俺の輝かしい栄光の