召喚獣がサイヤ人みたくなったんですが、これ俺の力なんすかね?   作:エア_

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お久しぶりです。




FvsD ごめん、俺その日試合だから

 

 

Fクラス対Dクラスの戦いがちょうど行われているであろう木曜日、俺は残念ながら文月にいない。ちょうど俺はトライアスロンの予選大会に県外へと出かけていたのだ。西村先生も応援に来るはずだったのだが、4月の初っ端であるためか、忙しくてこられていないのだ。代わりに福原先生が来てくれた。非常に嬉しいんですけど、あなた一応Fクラスの担任でしょうに。

 

「はっはっは、本戦には多分西村先生が行きますよ。私はこれだけで充分ですからね」

 

「安心してください。先生の前だからいつもより速い記録出してみせますよ」

 

「それは楽しみです。頑張ってください」

 

福原先生の応援を背中に浴び、俺はトライアスロンのスタートラインへ立った。皆が戦っている間。俺も頑張ってここの猛者たちと戦うのだ。頑張って上位に残り本戦へむかうとしよう。まずはスタートダッシュが勝負の要だ。これで先頭に立つのもいいが、自分のスタミナを考えるとどの程度相手を離すかによってすべてが変わる。離しすぎるとつまりはスタミナを一気に使い切ったということになる。近すぎればスタミナ云々以前に抜かれるかもしれない。スタミナと筋力には自信があるが、こういった計算は難しい。西村先生ならすぐに俺にアドバイスをくれるのだが、今はいない為そうも言っていられない。

 

なんて柄にも無く考え事をしていたら、鞄の中に入れていたケータイが音楽を鳴らした。曲的にメールの類なのだけども誰からのメールだ? 母上たちは朝激励もらったし、先生達もその朝に挨拶はしたから・・・・・・。いったい誰からだろうか。

 

そう思ってメールを確認したらなんと秀吉からだった。そう言えば、あの自己紹介の後、ケータイのメアドとか交換したなぁ。向こうは今頃何やってんだろうか。

 

「なになに? [今日は試召戦争じゃ。お主は居らぬが、その分はワシらでカバーするのじゃ。安心せい。拳冶は大会をかんばるのじゃぞ? 今日中に戦争が終われば応援に行けるからのぅ]まじか、確かに本戦は明日だけど今日中に終わるもんなのか? 戦争って」

 

まぁいいや。兎に角、応援に来てくれるのなら場所を教えておこう。住所かいて送信っと。

 

それにしてもやけに騒がしいな。メールしていたから周りのことぜんぜん見てなかった。

 

振り返ってみるとそこには相当な人だかりが出来ていた。多くの選手やそのサポーター達が、そこでガヤガヤとその人物の周りを囲んでいた。俺も気になったけど、どうせ終わりごろとかに会えるだろうと今はその場を離れて軽く運動とストレッチをした。まだガキだからか肉体の限界を感じていた。やはり気の解放を起こさなくては自分の進化は望めないのだろう。バキや北斗と違い、俺の身体はあそこまでムキムキにはなれないし、何よりあれは漫画だから俺には無理だ。ドラゴンボール? あれは現実にあったからあれなら目指せるだろう。悟空と会ったんだし。

 

「さて、体の柔軟もすんだ事だし。早く泳ぎたいぜ」

 

今は春真っ盛り、少し水温は冷たいが泳げないレベルではない。寒中水泳で肉体を鍛えていたことを思い出すとまだ暖かいだろう。いざとなれば無理矢理速度を上げて体の中から熱を生成すればいい。ようはこの冷たさの中でどれだけ俺の精神が耐え抜くことが出来るかだ。

 

『選手の皆さんはスタートラインまで集まってください』

 

おっしゃ、ついに俺の戦いが始まるぜ。目指せ一番。二位じゃあ駄目だ。狙うなら一番。何故ならきりがいいからな!

 

「秀吉達も、戦争頑張れよ」

 

今は午前11時。俺の戦いの火蓋が斬って落とされる。

 

 

 

 

ちょうどその頃、文月学園では。

 

「・・・・・・」

 

補修室にて、補修担当の西村先生が顔に似合わず貧乏ゆすりをしていた。初っ端から補修室に送られた生徒の監視をしながらも、そろそろ拳冶がトライアスロンの予選を受けている頃だと内心不安で仕方が無かったのだ。

 

なんせ、本来なら自分が予選と本戦の応援に向かい、アドバイスをするはずだったのだ。だがFクラスの問題児である坂本を筆頭に試召戦争を起こしてしまったものだから、その応援に行けなかったのだ。一年の頃から良い意味で交流を深めてきた拳冶の今年最初の晴れ舞台を拝めず悔しがっていたのだ。

 

「せ、先生? 何故に俺らを睨んでるんですか?」

 

「死後を慎まんかこの馬鹿者共がっ!」

 

『ひぃいい!?』

 

補修室は地獄と化していた。勿論閻魔は西村先生で残りの生徒は全員罪人である。

 

 

視点が変わって秀吉は、テストを受けていた。

 

朝からはじめていたこの戦争ですでに自分の教科の殆どを削られていたからだ。吉井と交代をし戦線を離脱。そしてすぐにテスト教室へと向かいそこでテストを受けていた。担当者はAクラスの担任である高橋先生。彼女もまた拳冶に語学を福原先生友に教えていた先生の一人だった。

 

「むぅ~、高橋先生。テストはまだかのぅ」

 

「もう少し待ってください。今受けている人が終わってから出ないとこちらも把握が出来ませんので」

 

秀吉の要望をすっぱりと切り捨て公平にするあたり、流石は学年主任といったところだろうか。私情など一切仕事に入れないその姿は女生徒達の憧れでもあった。これまでも他の男子生徒が文句を言ったが尽く却下されていることから彼女の意志の固さは素晴らしいものだった。

 

「じゃが、速くこの戦争を終わらせなくては明日の拳冶の本戦の応援が出来んのじゃ」

 

「ペンを持ってください。はじめますよ」

 

『テノヒラクルー!?』

 

そんな事も無かった。

 

 

 

スターターピストルの合図と共に、俺を含めたトライアスロンの選手たちは一斉にスタートを切った。早速回りの人間をかき分け前方集団と共に着水。そして4km先を目指して爆走するのだった。俺の選んだのは長距離と短距離の両方。今回の大会は長距離からなのでそれに出場しているのだ。はじめ審査委員からドン引きされたがそんなのお構いなし、俺の修行の成果を発揮する場なのだから関係ないのだ。残念なことにアイアンマンディスタンスには出場できなかった。この試合は短距離と長距離しかないからね。仕方ない。

 

さて、早速クロールで、先頭集団を抜かして、先導するように泳ぐ。息継ぎを殆どせずに泳ぐことは今回の目標の一部な為、12かきに1回のペースで息継ぎをしている。はいも鍛えているからか一回の呼吸量がバカにならない。おかげで速く泳げるし、空気を体に長くためていられるから体が上手く浮いて溺れることが無い。段々と先頭集団を離して行き、俺は独走になる。何故分かるのか? その都度後ろをちゃんと確認しているからだ。

 

にしてもこの独り言は本当にいい。一人じゃないって感じが素晴らしい。何より少しきついことでも考えていればその苦しみも和らぐ。しかもモチベーションもあがる。一石二鳥だね。

 

と、気がつけばもう3kmを越えていた。追っ手とはすでに1km離した。悟空ならもっと早いだろうな。俺も精進が足りん。スタミナをつければもっと差を開いてもスタミナ切れなど起こさなくなるだろう。

 

岸が見える。俺は少しペースを上げて冷たい体を無理矢理温かくした。これから確かに汗を掻く競技となるが、体が冷たいとバイクを上手く扱げないからな。あっためておくことに悪いことは無い。

 

岸についてすぐさま自分のバイク置き場に走った。ここでは絶対にロスは出来ない。すぐに見つけることが出来た俺はすぐさま体を冷やさないように服をはおり、バイクに跨ってペダルを踏んだ。重いペダルを無理矢理扱ぎ、俺はロードをかけた。競輪とかの特別製じゃない俺のバイクは一扱ぎで2回まわすことしか出来ないものだ。高いから一番安い奴にしたのは間違いかもしれない。だけどそこは気合と根性でどうにかする。どうにかしてやる。折角応援がいるのだ。負けるわけにはいかない。

 

そう思っていると、横からカメラをつけた車が現れた。前にも見たなと思ったら中継の車だった。去年もお世話になったなぁ。

 

俺は一回だけ手を振ると自分の出せる速度を思い切りだした。今回のバイクの距離は120kmなるべくここで皆と差を開きたい。そうでもしないと勝てないからだ。何故なら皆の努力は途轍もない。慢心は一切してない身だが、何かあっては元も子もない。今出来る全力で俺は皆に答えなくてはならない。そして自己ベストを更新しなくては西村先生に頭が上がらないのだ。10kmいったところか、途中で応援していたところから救急車の音が聞こえた。多分気絶とかしたのだろう。去年の俺は見捨てることなくその人たちを全員抱えて走ったが、逆にその選手達に怒られてしまった。それよりも記録を更新してほしかったと、【自分たちはこんな奴と競ったんだぞと自慢したかった】とまで言われてしまったのだ。ならば今年は助けることなんて出来ない。俺は必ず記録を縮めなくてはいけないのだ。

 

俺は次第に扱ぐスピードが増したのを自覚した。併走していた車から距離が離れていくのがわかる。車も慌てて追いかけてくるのを目視した。

 

50kmのところまで来た。未だに俺の後ろからはバイクの車輪の回転音はしない。未だ俺の独走だった。だがそれでいい。接戦も好きだが、こうやって独占する方が安心感はある。地平線の先にハーフポイントということで人だかりが大きな場所があった。ここは他のところとは違って一周が70kmもあるのだ。そこからもう一周コースへとむかう。次のところで60km行けばわき道に作られている30kmをランニングすればいい。太陽はもう夕日に変わっている。流石10時間はかかるかもしれないといわれる過酷なスポーツだ。俺自身にも力がはいる。

 

汗の量が尋常じゃない。予めバイクに取り付けていたペットボトルの蓋を開け、中身のコーヒーを飲む。カフェインは体脂肪の分解を促進し、それをエネルギーに変える。そうすればばてることが少なくなってゆくのだ。しかも運動疲労の回復もしてくれる。全部母親の入れ知恵だが、俺にとっては最高の知恵だ。

 

コーヒーを飲み、俺は速度を維持する。コーヒーは苦いけど慣れる。だから必死でコーヒーを飲めるようにした。運動する前は必ずコーヒーを飲む。そうすればエネルギー効率が上がるからだ。まぁ、そんな事今はどうでもいい。

 

75kmの地点で、別のバイク乗りを見かけた。皆必死だ。俺も負けてられないぜ!

 

俺は、残り45kmのバイクと30kmのランを目指し、目の前の猛者達に追いつかんと、必死にペダルをこいだ。

 

 




問題(体育)
()の中に入る語句を正しく書きなさい。
1トライアスロンでの競技は、水泳、バイク、( )の三つに分類される。
2トライアスロンは距離によって種目が変わってくる。短距離走、長距離走、( )の三つが代表的である。


姫島瑞希の解答
1ラン
2アイアンマン・ディスタンス

教師のコメント
素晴らしい。よく勉強していますね。ちなみにチャレンジ・ディスタンスと呼ばれる小学生がすることの出来る種目もあります。

吉井明久の解答
1フライ

教師のコメント
空は飛びませんよ。

島田美波の解答
2アンパンマン・ディスタンス

教師のコメント
だから空は飛びませんよ。

諏佐拳冶の解答
1長距離走
2鉄人レース

教師のコメント
体育を正解するあたり諏佐君らしいですね。放課後の勉強も頑張りましょう。


その日の放課後。拳冶は福原先生の指導の下、古典と必死に睨みあいをした
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