【転生者だけど何か質問ある?】   作:かりん2022

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誰もいない……踊るなら今のうち

「はぁ? 宿儺の指を狙った呪霊が脅されてた?」

「スペシャルズって名乗ってました。あと、お前の父ちゃんやらかし魔って」

「ハロウィンに東京タワーでイルミネーションがどうとか、下の兄弟のいどころを知りたければ従えとか」

 

 メカ丸も見つからず、不穏な気配にイラッとしていた五条は、考える。

 

「聞き覚えがないな。第三勢力? この忙しい時に……サクッと潰すか。いや、宿儺の指を狙ってた呪霊の事を知ってたなら、情報を搾り取りたいな。ハロウィンに東京タワーね」

 

 そして、ふぅ、と息を吐いた。

 

「少し気晴らしも兼ねて、東京タワーに観光に行っちゃう? もちろん、調査依頼もつくけど」

「「「行く!!!」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「とりあえず、この辺で潜伏していてくれ。必要なものは用意しておいた。当日、迎えに来るから」

 

 半呪霊の二人はスペシャルズの一人に廃屋に案内される。

 しかし、奥まで行くと、居心地のいいよう、準備を整えられていた。

 部屋の一つに、何故かかぼちゃのランタンが山積みにされている。全て呪具だ。

 

「ハロウィンまで兄弟の情報は教えてもらえないと言うわけですか」

「いや? もう縛りは結んだわけだしな(結べてない)。さっき居た術師の男の方がお前達の弟。虎杖 悠仁。あいつの母親が、お前達の父親だ」

「はあ!?」

「さっきいた奴か!?」

 

 驚く壊相と血塗。それと共に、スペシャルズの性格の悪さに歯噛みする。

 

「ちなみに、夏油の皮をかぶったお前らの父親に、ハロウィンに宿儺の指10本食わされて大量虐殺を強制される予定。助けたいだろ? 俺達も助けたい。だから、力を貸してほしい」

「ならば、さっきそれを伝えれば!」

「わかってるだろ? 悠仁の所蔵する組織には大量にスパイがいる。情報だだ漏れなんだよ。俺達も、悠仁たちや計画のことを知ってるってバレたらやばい。ハロウィン当日に、奇襲を仕掛けて、ようやくなんとかなる可能性が1%出るかどうかだ」

「それは……待て、私たちの父が夏油だと?」

「中身な。中身。脳みそ入れ替える術式なんだよ。頭に縫い目があったろ?」

「……なるほど」

「俺達の目的は、五条悟の封印阻止と、宿儺の器の顕現阻止。協力してくれるなら、俺達なりにお前達の穏やかな生活に協力する。五条と交渉決裂した場合の避難場所の提供や生活資金の提供とかな。廃墟で匿うぐらいしかできないから、できれば呪専と和解出来た方がいいと思うけど。あ、お前の父、お前ら含めた日本人全員一個の呪霊にする事を狙ってるから。好奇心で。なのでつかない方がいいぞ」

「わかりました。協力しましょう」

「お前らの位置はメロンパンにはバレバレだから、俺はもう行く。迎えにきたら上手い事誤魔化してくれ。これ、偽物の計画書。じゃあ、ハロウィンに」

 

 そうして、スペシャルズはそそくさと去る。

 

 置いて行かれたそれには、東京タワーイルミネーション計画と書かれていた。

 

 そうして、血塗と壊相はひとまず、計画書を読み、打ち合わせをする事にした。

 

 しばらくして、真人と夏油、脹相が迎えに来る。

 

「兄さん……!」

「大丈夫だったか、お前達。生きている兄弟がいるとのことだったが」

「そうなんだよ。一人、弟がすり替えられてたそうなんだ」

「弟が生きてるんだぞ!」

「なんだと……? それで、居場所は」

「この計画に協力してくれないと教えないそうだよ」

 

 そうして、東京タワーイルミネーション計画書を腸相に渡すが、横から夏油が奪った。

 

「フゥン、ハロウィンに何かするんだ? 呪術師の手を割けるかも……いや、取り込んだ方が……。彼らは君らの父に詳しいようだったけど?」

「弟から聞いたらしいですね」

「へぇ」

 

 パラパラと計画書を見る。

 

 それに、大量に置かれた呪力で術師にしか見えない光を放つかぼちゃ型の呪具も。

 

 呪力によるイルミネーション計画……?

 息ぴったりの術師の必要性……? バカじゃないのか?

 バカすぎて、罠の可能性を考えるが、罠にしてもバカすぎる。

 そして夏油は知っている。

 

 馬鹿はいる。信じられない馬鹿はいる。

 

 故に、馬鹿と罠の可能性の両方を考えておくことにする。

 放置はない。

 新たな手駒を増やすのはいいかもしれない。それに、手駒にならずとも、術師の注意を引けるならば……。

 

 そして、さらにもう一つ、理由がある。

 

 純粋にこの馬鹿な企画と不可避なスペシャルズの破滅を見たい。

 リアルで見れるショートコントとか見逃せるはずがない。

 大変な時に人手を消費させられた術師はさぞ怒り狂うだろう。それだけで面白い。

 イルミネーションをしただけでは大した罰にならない?

 まさか。秘密の規定に引っ掛かれば死刑である。

 知ってにしろ知らずにしろ、これは命を賭けた悪戯だ。

 

「いいじゃないか。ぜひ手伝ってあげるといいよ。私も呪霊を派遣しよう」

「兄さんも一緒に頑張りましょう」

「兄者も一緒だぞー!」

「そう、だな……。わかった。弟のためだ」

 

 そうして、目立たないはずだった計画は、ガッツリ視線を独り占めするのだった。




マシュマロ
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