第五特異点「北米人雄混戦 イ・プルーリバス・ウナム」開幕です。
#29 所長、特異点に立つ
【side:オルガマリー】
『前提としてオルガマリー所長にはマスター適性、いえレイシフト適性がありません』
『それが如何なる要因なのかはまだ不明ですが、その適性者の肉体構造が関係しているという仮説があります』
『コフィンの中で生死不明の状態にするべく肉体を霊子変換し分解するプロセス、それに適した身体であるかが適性者を分ける篩になっているという可能性です』
『この仮説に乗っ取るならレイシフト適性者とは霊子変換に耐えうる肉体を持つ人間であり、所長はそうでないということになります』
『――つまり所長がレイシフトするにはそれが可能な肉体、或いは状態になる必要がある』
☆
「くそ、あと少しなのに……!」
「まだ魔力は残ってる、凌ぐぞ」
「それはアンタだけでしょ!?」
十八世紀の北米大陸。未だ発展途上である町と町とを結ぶ道の途中に彼らはいた。
国籍も性別も違う3人の若者だが、全員が白い制服のようなものを着用している。しかしその全てがボロボロで、上がる声にも余裕がない。
そんな彼らの武装はクラスカードと呼ばれる魔術礼装だ。繋がっている英霊の力を具現化する代物だが、全員ともその英霊の武器だけを再現する
「こんなところで終わるなんて俺はごめんだ。最後まで抵抗する」
「あぁもう、逃げる方がいいに決まってるのに!」
「ごちゃごちゃ言うな、来るぞ!」
一人の発言を皮切りにしたように、彼らを追い詰める敵が動き始める。
その正体は黒化英霊と呼称されるサーヴァントの紛い物、その群れだ。真名が分からない程に黒く塗りつぶされてはいるが、その力までは失われていない。少なくとも三人の現代人を追い詰めるには十分な戦力を持つ彼らが、各々の剣や弓や槍を携えて攻撃を開始する。
傍から見てそれは、黒い嵐と例えて差し支えのない光景だった。
「くっ……!」
有利な側の黒化英霊たちは一言も発さず、三人の苦悶の声だけが戦場に響く。連携や動きのキレは悪くないが、扱う武具の性能がこの戦況の優劣を分けていた。
「いや、死にたくない、まだ――!」
一人のマスターがよろめいた隙を黒化英霊の槍が襲う。刃こぼれした剣と折れかけた心境では躱せぬ一瞬に、残りの二人がその終わりを予期したその刹那。
「何やってるのよ、あなた達」
――私の槍の方がはやく、その運命を切り裂いた。
☆
あれほど待望したレイシフト、その最初を飾る感覚は風を切る音と支えるモノのない浮遊感だった。
「ってここ空中じゃない――!?!?」
そんなことを叫びながらどうにか着地して、他の二人と逸れたことや通信機器も不調なことを確認してから探索することしばらく。最初に見つけた黒化英霊の群れで我が目を疑った後、それに追われてる彼らを見て卒倒しそうになりつつもどうにか乱入したのだが、さて。
「え?」
「なんだ、敵じゃないのか!?」
「……冗談でしょ、私が誰か分からないの? まさか記憶まで失ってたりしないわよね」
へたり込んだその一人を庇うように現れた私への態度にうんざりする。
確かに今の私はカードを
そんな私の様子を見て、ようやく気付いた別の一人がその顔色を変えた。
「オルガマリー所長、なのか!? いやこんなところにいるはずが……!」
「敵の幻術か? 所長はレイシフトが出来なかったはずだが」
「ああもう、うるさいわね! 折角助けに来てあげたんだから感謝の一つくらい……いえそんなことはどうでもいいわ、早く立て直して! 死にたいの?!」
未だ目の前にいる黒化英霊の方が数も多く、戦況が好転したわけではない。それをようやく理解した三人が再び体制を整えた。新しく参戦した私への視線は驚き半分、懐疑半分といったところだろうか。自分が所属する組織のトップがいきなり前線に現れたと考えたら納得の態度かもしれないけど、驚かれる側からすれば心外もいいところだった。
「どうやら、お前は今までの者たちとは違うらしいな」
黒化英霊の言葉で逸れかけた意識が引き戻される。
他の黒化英霊たちに守られるように立つその1体は、闖入者である私へと警戒の目を向けている。
「驚いたわ。黒化英霊には会話するだけの理性がないはずなのだけど、そういうあなたこそ違うわけね」
「……なるほど、カルデアの来訪者。お前がそうだということか」
「更に私たちのことも知ってると。私としてもあなたに興味が出てきたわ」
うっすら笑みを浮かべながら、内心では目を見開きそうのなるのを抑えてどうにか冷静に言葉を紡ぐ。
黒化英霊はカードを核として実体を得ているが、英霊の完全な再現には至っていない。大抵は魔力が足りないせいで意識もないままに力を振るうだけの存在なのだ。
けれど話せることを珍しいと評した時、コイツは何を言ってるんだと驚くように表情を変えた。つまりこの特異点には他にもある程度の理性を保った黒化英霊がいるのだ。オルレアンでの黒い聖女のような存在が複数いるとするのなら、それは厄介なことこの上ない。
「いいわ、すぐに仕留めてあげる。それから詳しい話を聞かせてもらおうじゃない」
「随分な威勢だが、させると思うか? 逆にお前のカードも回収させてもらうとしよう」
私の挑発を本気にしたのか、リーダー格の黒化英霊がナイフを取り出して祈るように顔前に掲げる。
周囲の魔力が強まると同時に巨大な狼の影、いや精霊が咆哮を始めた。
「精霊よ、太陽よ。今ひと時、我に力を貸し与えたまえ! その大いなる悪戯を……! 『
「いきなり宝具だなんて、威勢がいいのはどちらよ……!」
次いで出現した目を焼きかねない程に眩い太陽の幻が周囲にその陽光をばら撒き始める。
身を焼くような熱、と思いきやそこまでのダメージは見受けられない。けれど夢幻召喚していればまず耐えられる程度の攻撃が宝具と呼ばれるはずはない。そんな私の懸念は間違っていないとでも言うように、その変化は起こった。
「……他の黒化英霊の魔力が高まっている」
「支援強化系の宝具だったのかよ!? これ以上はもう無理だぞ……」
宝具による戦力増強効果にマスター三人が絶望の面持ちになっていた。限定展開止まりの彼らには陽光のダメージもあるらしく、今にも膝を屈してしまいそうにすら見える。
「戦闘不能にはさせてもらうが、命まで獲れとは言われていない。心配はするな」
「殺さないのはあなた達みたいに黒化英霊の核にする為でしょう? 同じことじゃない」
士気を削ぐようなその言葉をぴしゃりとはね除ける。けれどこの三人にはもう戦えるだけの余裕はない。どちらも貴重な情報源であり、負けてやるわけにはいかなかった。
「オルガマリー所長、俺たちも――」
「いいえ、今は自分の身を守ることに専念しなさい。その状態じゃ足手まといだから」
「…………はい」
バッサリと切り捨てられてショックを受けているようだが、そう意気込んでいるのも一人だけだ。他の二人はそこまでの気力もないし、そんな彼らと息を合わせられる程の余裕もこちらにはない。
「大体ね、私のことを見くびってるんじゃないの? この程度、一人でもどうってことないわ」
「ほう?」
「宝具を開帳した以上真名も割れた。コヨーテを召喚するアパッチ族の戦士、『ジェロニモ』でしょう?」
「いかにも。そこまで聡明なら分かるだろう? 宝具を使用した以上、お前たちに勝利を掴ませることはない」
「だからそれが、見くびってるって言うのよ。――
込めた魔力と煌めくカードの光によって、姿と武装が変化したのを実感する。貴族然とした黒いコートは動きやすい翠緑の衣装となり、握る感触で持っていた槍が弓へと変わっていることを確かめながら、己の魔力を高めていった。
「
「宝具が来るぞ! 防御を固めろ!」
天に向けて放った矢が光に変わる。先程の太陽には届かなくても、二大神へと奉ったその矢は強力な範囲攻撃の雨となって黒化英霊を襲った。
「凌げ! 一発の威力は低く狙いも正確ではない! 何よりコヨーテの加護がここにある!」
対する『ジェロニモ』の行動も迅速だ。耐久の高い黒化英霊を前に出し、降り注ぐ矢をその後ろから撃ち落とさんと陣形を組み替えていた。最小限の被害で逃れようとするその判断は司令官として賞賛に値する。
「けどね、それは織り込み済みよ」
消費魔力を抑えた宝具で一掃しようとは思っていない。
『ジェロニモ』の宝具でどれだけの強化が入ったのかも確認できた。ならば次の行動に移るのに何の支障もないというものだ。
「セイバー、ランサーは前に出ろ! ライダーは突撃を、アーチャー及びキャスターは後方からの援護に回れ! 私を狙って一気に接近して来るぞ!」
接近を始めた私に合わせて指示を飛ばす『ジェロニモ』。
たった一人で突貫してくる私を決して逃がしはしないという気概を感じる。波状攻撃の構えと私の目標を正しく看破する戦術眼も悪くない。
けれどそれは、私が負けを認める理由にはならない。
「オルガマリー所長、なんて俊足……!」
「この速度、相当敏捷の高い英霊だな」
持ち前の脚力を活かして敵集団との距離を詰めていく。同時に阻害の為の矢を放っていくが、走りながらでも矢の命中度が下がらないのは流石神代の狩人と言ったところか。
無論大きい隙が生まれるわけではない。しかしその僅かな間があれば突破は出来るはずと見て、足裏と腿に力を込めた。
「ふっ……!」
「跳躍した!?」
立ち塞がる黒化英霊の頭上を、身をくねらせながら飛び越える。
速度の乗った私の動きを捉えきれなかったセイバーやランサーらしき影が向きを変えるよりも早く、着地と同時に地を蹴った。
「『アタランテ』の力か。ならば――!」
『ジェロニモ』の合図で援護に徹していたキャスターとアーチャーが各々の武器に力を溜めていくのが見えた。これ以上近づかれる前に威力重視の一撃で仕留める腹づもりだろう。
「いいわ、迎え撃ってあげる――!」
速度を落としながら姿勢を正し、弦を引く手に集中を注ぐ。真っ向から打ち勝つのに十分な魔力を込めてその矢を放つ。
相手側の矢と魔力砲が放たれるのもまた同時であり、お互いのちょうど中間辺りでぶつかった末に爆発を生んだ。
「相殺されたか、侮れない魔力の量だな……!」
「
爆発による砂煙を突っ切りながら別のカードを使用する。
『ジェロニモ』までの距離はあと僅か。その数刻で死力を尽くすのは互いに同じだ。だからこそ私は更なるカードを使用したし、相手も最後の砦を築く。
「敵は一人だが油断はするな! 刺し違えてでも止めろ!」
護衛に残っていたセイバーとランサーが私に迫りくる。
真名解放寸前の剣と槍。弾くも受け止めるも必死。ならば対抗手段は一つだけ――!
「来なさい、
「まだ宝具を使うのか! いやこれも抑えているな?」
私の周囲に出現させた幾つものアイアンメイデンが壁となって攻撃を封じ込める。
本来ならば対象を中に入れて使う器具だが、今はその為だけのハリボテだ。
私の魔力だって無尽蔵ではないし、そもそも最初の『
「ここまで来れば十分、覚悟しなさい!」
夢幻召喚した『カーミラ』の鈎爪を素早く振るう。
キャスターであればまず防げない近距離での物理攻撃によるアプローチは、
「この私をクラス名どおりの魔術師だと思ったか? そうであるなら否だ」
ガキンと鈍い音と共に防がれた。宝具でもないナイフで器用に爪を絡めとりながら泰然としており、追撃を加えても難なく凌いでみせる姿にはまだまだ余裕を感じさせる。
「そもそも戦士だったわね、あなたは。むしろこっちの方が得意そうじゃない」
「その通りだ、異邦の魔術師。望むなら弓の腕や槍裁きも御覧に入れようか? そら、ここを凌ぐだけで私としては十分だからな」
戦いながら彼が目を向けるのは周囲に残った黒化英霊だ。アイアンメイデンで壁を作ったが長く続くものではない。突破されてしまえば不利なのは言われるまでもないことだ。
「言ったはずよ、ここまで来れば十分だって。――
「なんだと?」
排出された二枚のカードを回収しながら、仕切り直すようにその武器を持ち直す。
再び身に纏った黒コートと相反する白い芸術品のような槍。
膠着状態に陥りかけた現状を打破するに足る威力を、その槍は持っていた。
「はぁぁぁぁぁ!」
「これは出力差か、英霊としての格か? 何がここまで……!」
戦況は拮抗から一方的なものへ。槍を振るう速度が加速し、込める手と槍に熱が籠りだす。
けれど思考はクールなままに、最後の一手へと近づいていく。
「所長って、こんなにも……」
離れたところにいるはずのマスターの内の一人の声が耳に届く。
聞こえるはずはないけれど、自負から来る言葉が自然に漏れた。
「何って、そんなの当たり前でしょう?」
射程と速度を追いきれなくなった『ジェロニモ』の胸を必殺の一槍で刺し貫く。
最後の呻きを聞きながら槍を引き抜き、この戦いの勝因を口にした。
「レイシフトさえできれば、そうそうあなた達に遅れは取らないわよ」
私だって元々はマスター候補だった。
ロードの娘として結果を残せるよう努力してきたのだ。この程度が出来ないはずはない。そうでなければ、他者から賞賛や承認が与えられる前に私が私を認められない。
「司令官は倒したわ! 撤退しなさい!」
「は、はい!」
アイアンメイデンの壁を解除して彼らの元へと舞い戻る。
『ジェロニモ』を倒したことで他の黒化英霊の動きが乱れていた。包囲も崩れた今なら脱出できるとみて移動を開始しようとする。
「っ、伏せて!」
「え? うわぁあ!?」
私の急な怒声にビビって体制を低くした一人のその頭上を、黒い刃の一閃が通過する。
戻った彼らの傍にはいつの間にか近づいていたアサシンの影があった。
「アイツの指示ね、全く抜け目のない……!」
倒してなお牙をむく『ジェロニモ』の策に小さく悪態をつく。
弱った三人を守りながら戦うのは少し骨が折れるし、アサシンが一体だけじゃないのも面倒だ。はやく抜け出したいのにそれをさせない采配が何とも憎たらしい。
「あと少しなんだ。これくらい俺たちでやるぞ」
「ああそうだな、ってうおお!?」
あと少しだと奮起する三人の目の前で、一体のアサシンが吹き飛んだ。
打撃や斬撃ではなく銃撃にあったようなその有様を見て、該当する記憶が一つあった。
「――所長、あと一体です!」
「! ええ、まずはそっちね!」
いつの間にか復旧していた通信から聞こえた声で推測が間違っていなかったことを知りつつ、残るアサシンの撃滅を優先すべく動き出す。一人ではないと分かれば、踏み出す足の震えもなくなるというものだ。
「これで、終わりよ!」
最後のアサシンを難なく仕留めて今度こそ完全な退路を確保する。
まだ黒化英霊は残っているが、今すぐ移動すれば追いつかれることはないだろう。そう思ってマスター三人に目を向けた。
「拠点があるんでしょう? 案内しなさい!」
「はい、あっちです! あの、さっきの狙撃は一体誰が?」
「アンジェリカよ。ここにレイシフトした時にはぐれてしまったけど、あちらから見つけてくれたみたいね」
「えぇ!? あのアンジェリカ技術顧問もレイシフトしてるんですか!?」
「驚きだが、それが本当なら実に頼もしいな」
そんなことを言いながら迅速に荒野を駆ける。
頭を潰したことの効果はやはり覿面だったようで、その後は追撃も大してないままに離脱に成功するのだった。
☆
「無事で何よりです所長、それにあなた達も」
「マジかよ、ホントにアンジェリカ技術顧問だ。すごいことになってきたな……!」
「うん、カードについて聞きたいことが沢山あったんです! えっと、その――」
「……なんか私の時と反応違わない? もう少し疑ったりしなさいよ」
追っ手を撒いてから暫くして、安全を確認したアンジェリカと合流を果たした。
彼女もレイシフトに成功したが一人だったらしく、周囲を探索していたら私たちを見つけたとのこと。あえて参戦せずに遠くから狙撃できるよう見張っていたのも悪くない判断だと言えるだろう。
「アンジェリカ技術顧問はなんかレイシフトできてもおかしくないと思いまして」
「オルガマリー所長はその前提を崩してきたので余計に驚いてしまったというか、ははは……」
「もう……まぁいいわ、そんなことよりも早く拠点に急ぎましょう。情報共有はその後よ」
「オルガマリー所長、救助に来たというわけじゃ――」
「だから、そういう話もそこでするのよ。そう思っているのが他にもまだ何人かいるんでしょう?」
淡い希望を持っているようだがその望みが叶うことは当分ない。
そんな面倒な伝達は出来れば一度で済ませてしまいたいのでそう言うと、観念したようにその一人が口を閉じた。
「所長、レイシフトしてから調子はどうですか?」
「……そうね、今のところ問題はないわ」
代わりに聞いてきたアンジェリカに素直に現状を伝える。
元々私はレイシフトが出来ない身だ。その事実に絶望し打ちひしがれたこともあったが、それは今や過去の話。全ては『カルデアのマスター』のカードが見つかったことで一変した。
未だに宝具やスキルの詳細が分かっていないカードだが、その英霊の本質を置換するという機能は他のカードと変わっていないらしい。つまりそれは『カルデアのマスター』が持つ特性を獲得できるということでもある。
それを利用し、『カルデアのマスター』を夢幻召喚することでレイシフト適性を獲得する。それこそ私が特異点に参戦するための策だった。
しかし夢幻召喚したままでのレイシフトでどんな影響が出るかは予想できず、その辺りを確かめることなく初戦闘に突入してしまったのだが、こうして落ち着いてみるとあまり違和感はないように思える。
「カードを使った戦闘に支障はなかった。けど魔術回路が多少制限されているようで、恐らく刻印を使った魔術が使えないみたいね。元々使う気もないから、それだけで済んでよかったと言うべきかもしれないけど」
「なるほど、元々レイシフト先ではカードでの戦闘がメインになるはずですから、そこに不具合がないのは幸運かもしれません」
安堵するアンジェリカに頷いて同意を示す。
使い慣れた魔術を制限されてなお、複数の敵を相手にできるだけの余力があったのだ。これならマスターとして、カルデアの長としての責務を全うできる。そのことを噛み締めるように、ギュッと己の拳を握っていた。
「やるわよアンジェリカ。この私がレイシフトした以上、今までのような醜態を晒すことは許しません。人理保障を理念に掲げるカルデアの本気を見せてあげようじゃない」
私の宣言に一瞬目を丸くした気がするが、すぐに御意と従ってみせるアンジェリカ。
カードの影響、明らかになっていない特異点の脅威など、不安要素を挙げればキリがない。けれどこうして特異点に立った以上は成し遂げてみせると、意気込む私がそこにいた。
レイシフトさえ出来れば、きっと私の力で――
「あとはフジマルと合流するだけですか。あまり遠くに行っていないといいのですが」
「……そういえばいなかったわね、あいつ。一体どこにいるのよ……」
戦闘が挟まると長くなるのは相変わらず。
おかしな所があればこっそり教えてもらえると幸いです。