再教育センター脱出 With スウィンバーン   作:Jeep53

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続いた。

今回の621の装備
フレーム オールメランダーC3
右重ショ 左初期ブレ 右肩歌鳥 左肩タキガワシールド

初期ブレはウォルターにもらってからずっと大事にしてきたものだといいなあって。


5.企業勢力迎撃

 高台に降り立つ。

 

〈始めるよ、ビジター〉

 

無線越しに私に問いかけるカーラの声は心なしか重たいように感じられる。

 

〈どうやらV.Ⅰの投入まで猶予があるようでね。その間に企業の主力機体を叩いて欲しい)

「了解」

〈MTはチャティとトイボックス連中で何とでもなるからね。HCとLCを頼むよ)

 

無線が切られるのと同時にABを吹かす。行く手を阻む機体が何機も出てくるがそのほとんどがツィマーマン(重ショ)の一発で沈む脆い無人機だ。

 

〈第2隊長閣下に報告。例の独立傭兵と接敵しました)

〈ほう…駄犬がそんなところに〉

 

アーキバスの公用回線から聞こえてくるのはスネイルの声だ。なんだ、あいつも来ているのか。

 

〈私は地上の火消しに忙しい。些事は任せます。処理しておきなさい)

 

なんだ、来てないのか。せっかくお礼参りができると思ったのに…。

 

〈些事とはなめられたもんだね。やっちまいな、ビジター〉

 

カーラが呆れたようにそう言った時、終わったと思ったスネイルの通信が再開した。

 

〈それと、スウィンバーンの姿は見えますか?〉

〈い、いえ…確認できる機影は独立傭兵のものだけです。第7隊長殿は…〉

〈ヴェスパーには第6隊長までしかいません。いいですね?〉

〈し、しかし…〉

〈ハァ…貴方達はほぼ後方任務だった第7大隊から特別攻撃大隊への栄転を果たしたのです。何も気にすることではないでしょう〉

 

そう言ってあっちの回線は切られたようだ。ところで気になる言葉を聞いた。第7大隊から特別攻撃大隊への栄転、とスネイルは言っていた。

 

(スネイルのやつ、スウィンバーンの部隊を捨て駒に使ったな)

『彼らしい合理的な策ですね。私のレイヴンを傷つけたので嫌いですけど』

(エア、共用回線って今開ける?スウィンバーンの部隊なら殺さずに済むかも)

『できますが…これ以上の人員を養う余裕は今のRaDにはないと思います。帰ってもらうにしても良くて再教育センター送り、悪くて即死刑にされてしまうと思います。彼らには申し訳ないですが、死んでもらった方が幸せなのでは?』

(まぁそうかもだけど……やるだけやってみようよ)

『はぁ…分かりました。貴女は相変わらずですね。その優しさでよくここまで…』

(これは優しさじゃないよ、エア。私のエゴだ。何も言わずに殺すより、せめて事実を伝えてからやった方が報われると勝手に考えてるからだよ)

 

エアからの返答はなく、回線が開かれる。

 

「あー、テステス。こちら独立傭兵レイヴン。聞こえるかな?」

〈独立傭兵レイヴン!?何の用だ〉

〈ビジター!?なにやってんだい!?〉

「君らさっきのを聞く限り元スウィンバーンの部隊でしょ?スウィンバーンのこと知らせとこうと思って」

 

目の前のLCの動きが止まった。というよりかは止まってしまった、の方が正しいかもしれない。

 

「彼なら元気に生きてるよ。今はACがないから本拠地でお留守番してる」

〈本当か?〉

「本当だよ。えーっと、こうかな…。スウィンバーン!聞こえる!?」

 

私は私のACと本部をつなぐ回線の一部をアーキバス側に共有しながら本部へ話しかけた。

 

〈…大きな声を出さずとも聞こえているぞ、レイヴン。何故私を呼んだ、私は彼らに合わせる顔がないというのに〉

 

少し間が開いてスウィンバーンが返答した。効果は…

 

〈第7隊長殿…!〉

 

どうやら抜群のようだ。

 

〈私は元気だ。良くしてもらってるとも。……レイヴン、本当に何故私を出した。気まずいぞ〉

「一応知らせておこうかなと思って。RaDで養えないから相手するしかないんだけど、(多分)尊敬してた上司の安否が分からないまま死ぬのは嫌だろうと思って」

〈お前は人の心があるのかないのかどっちなのだ…?まぁいい。元第7大隊の者へ最後の命令だ。全力でここから逃げろ、レイヴンからも、アーキバスからもだ!〉

〈隊長殿…!……了解!隊長殿もお元気で!〉

 

共用回線からは幾重にも重なった了解の声が響いた。…どうやら本当に部下に好かれていたらしい。

 

〈…レイヴン、敵が逃げたぞ。…追うんだ〉

 

絞り出すような彼の声が小さく無線から聞こえた。

 

〈敵側に与したまま終わるかと思ったが…けじめはしっかりとつけたみたいだね。改めて見直したよ〉

〈ビジター、スウィンバーンの言うとおり、敵が逃げ出したよ。追うんだ〉

 

優しい声から一転、厳しい声でそう言った彼女は一呼吸置いた後こうも言った。

 

〈……おや、アンタの機体のブースター、ちょっと調子が悪いみたいだね?追いつけそうかい?〉

「…!…あれ、おかしいな、不調だなーこれは追いつけないなー」

 

ブースターを焚いて全力で離脱するLCをトコトコと歩いて追いかける。

 

〈……ありがとう〉

 

彼はそう言うと回線を閉じた。すすり泣きが聞こえたのは気のせいだろう。

 

『レイヴン、貴女という人は…』

(嫌いになった?)

『いいえ、もっと好きになりました』

(そ、そっか)

 

〈ビジター!残っているのはどうやら無人化されたMTどもだけだ!今度こそやっちまいな!〉

「了解!掃討終わったらそっちに合流するよ」

 

 無線を切り無人MTの掃討を開始する。無人というだけあって動きは単調で、ただ数が多いだけの的だった。

 そう、数が多い。バカなんじゃないのかと思うほどに多い。今回のミッションはフロイトが来ると事前に言われたからツィマーマンを持ってきたが、これでは弾数が足りない。どう考えてもレーダーに表示されている輝点数の方が残弾数より勝っている。

 左手に装備したパルスブレードや右肩のソングバードも使ってはいるがそれらだけでは対処できない。

 

(フロイトが来る頃には重ショの弾なくなってそうだなぁ…)

『大丈夫ですか?レイヴン』

(ちょっと配分ミスったかも)

 

 自分をまきこまないように上昇してからソングバードをマニュアルエイムでそれぞれ別の場所へ叩き込む。こうすると効率よく殲滅できるのだ。

 

〈ビジター、大分と苦戦してるようだが、大丈夫か〉

 

ついにはチャティから心配の無線まで飛んできてしまった。

 

「大丈夫!すぐ行くよ」

〈大丈夫ならいいんだ。こっちはまだ片付きそうにない。封鎖機構から鹵獲したであろうLC達が帰ってくれたのは僥倖だったな〉

「ほんとにね。…ところでカーラは?」

 

今気づいたが、カーラの反応がマップ上にない。もしや…と悪い予感が駆け抜けた。

 

〈ボスは担当区を終えて帰投した。ちょっと損傷がひどかったからな、帰らせた〉

〈まだ大丈夫だって言ったんだけどねえ…〉

 

先ほどまでスウィンバーンと会話するのに使っていた回線からカーラの声が聞こえる。どうやら帰還していたらしい。MTの対処に追われて気づけなかった…。

 

〈現在進行形で包帯を巻いている奴が何を言っているのだか…〉

「包帯!?」

 

スウィンバーンは呆れた声でそういうが、カーラは結構重傷のようだ。何故残ろうとしたんだろう。

 

〈ちょっとランチャーの直撃を食らっちまっただけだというのに…〉

 

ACS負荷限界の時のランチャー直撃か。今カーラが死んじゃったらザイレムの制御できる人いなくなっちゃうし、帰投したのは賢明な判断だったかもしれない。

 

〈ビジター、そういう訳で私は戦線からリタイアだ。そろそろV.Ⅰが到着する頃だろう。マーカーの方に向かってくれ〉

 

視界にマーカーが表示される。場所は…。チャティの近くか。急がなきゃ。チャティじゃフロイトは倒せない。

 私は若干焦りながらABを吹かして目標地点へ向かう。途中は若干複雑な作りになっていたが待ち伏せなどはあるはずもなく、すいすいと進むことができた。

 

〈ビジター、悪いが補給は手配できない。こっちもリソースがカツカツでね、大丈夫かい?〉

「…大丈夫…多分。まだ弾切れにはなってないから」

 

かろうじて残弾を残せているツィマーマンとソングバードだけど、正直不安。でもできないというのならこれでやるしかない。

 細い通路を進んでいる。マーカーまではまだある。なんだか嫌な予感がする。

 

〈ボス、敵の増援だ。それと高速接近する機体を確認した。識別コードは…V.Ⅰだ〉

〈いよいよ動き出したか…急いでもらうよ、ビジター!〉

「もちろん!」

 

通路の先のドアにアクセスして解錠、その先に広がっていた大きな空間を飛行し、マーカーへと向かう。たどり着いた場所ではもう既に戦闘が起こっていた。

 

〈待ちわびたぞ、ビジター〉

〈間に合ったみたいだね。良く持ちこたえたよ、チャティ!〉

〈そうだな、これでようやく反撃に移れる〉

 

どうやら防戦一方だったようで、敵方の戦力は全くと言っていいほど減っていないみたいだ。残弾的に…今見えている敵はブレードのみでの対処になるかな。

 

〈すまないね、ビジター。補給が手配できれば苦しい戦いを強いずに済んだんだがね…〉

「ん、問題ない。私は大丈夫」

 

ブレードで敵を斬りながらそう答える。実際このくらいなら問題はない。リペアキットの残数もあるし、AAもある。

 

〈LC機体が複数、あとはプロテクション展開ドローンだが…こいつら無人だね。アーキバスは人員難なのかい?〉

〈そうだったら笑えるな、ボス。ビジター、俺は正面で敵を引き付ける〉

 

LC機体は先ほどの有人のものと同じく封鎖機構からの鹵獲機体であるため生半可なステータスではないけれど、無人であるためか動きが些か単調すぎる。動力系統の中枢が通っているところにブレードを叩き込むのが簡単すぎる。

 

〈…ボス、V.Ⅰの反応が近い〉

〈そうかい…休ませてはくれないみたいだね…!〉

 

カーラがため息とともにそう言った。次の瞬間、別の通信が入る。アーキバスの回線だ。

 

〈どういうことだ…些事ではなかったのか?まぁいい、そのためのV.Ⅰです〉

「ざまーみろスネイル!スウィンバーンより人望ないやつめ!」

『それは侵攻部隊が彼の部隊だったからでは…?』

 

共用回線ではないので聞こえてないけど。スッキリしたからいいや。

 

 ABを使って高速で接近してくる機体が建物の影から姿を現した。アーキバスの所属なのにベイラムのヘッドパーツを着けている変態だ。

 

〈レイヴン、久しいな。こうして生で会うのは初めてか〉

〈フロイト?駄犬と会ったことがあるのですか?〉

〈シミュレーターでちょっとな〉

 

アセンは…変わってる。ライフルがランセツRFになってる。あの時助言しなきゃよかった。そして、できることならもう会いたくはなかった。

 

〈ようやくやり合えるわけだ。退屈させてくれるなよ〉

 

今回はシミュレーターとは違う。普通に敵として戦闘しなければならない。やるからには、全力で。でなければこちらが死ぬ。

 

〈まずは安そうな方から片付けよう〉

 

そう言ってフロイトはチャティの方へと向かう。

 

(マズい、今のチャティにフロイトの一撃を受け流せる余裕はない!)

 

とっさに私はABを吹かし、フロイトとチャティの間に割り込む。もちろんシールドは展開して。だがそんなもので受けきれるのならば苦労はしない。フロイトのレーザーブレードが私の機体を溶断する。

 

(よし、ギリギリコアブロックには到達してない。けど、AAとシールド、RaDの無線はもう使えないね)

 

シールドユニットをパージしながら、何とか守れたことに安堵する。だが攻撃は止まない。

 

「チャティ、撤退して!急いで!」

 

フロイトの攻撃をさばきながら共用回線に叫ぶ。RaDの無線しか積んでいないから、返事はできないはず。でも届いてはいるはずだ。コンマ数秒後、チャティの機体がABを起動した音が聞こえた。

 

〈お前ほどのやつが、何故守る必要がある。あいつは無人機体だろう?そういう動きだ〉

 

再度襲い来るレーザーブレードをQBで躱し、距離をとる。レーダーによれば…チャティは無事離脱できたようだ。

 一度姿勢を立て直し、フロイトに向き直る。

 

「たとえ無人機体だとしても、チャティは共に戦った戦友だから」

 

「それに」

 

距離は保ったまま、フロイトは動かない。私の言葉を待っているように見えた。

 

「もう誰も失いたくないから。まして守れる距離にいるんだから、守るよ」

〈そうか、分からんな〉

 

そう言ってフロイトは動き出した。レーザードローンを展開し、私の動きを牽制してくる。いつもの動きだ。

 

『レイヴン、その、言うタイミングを完全に逃していたのですが…大丈夫ですか?』

(私自身を心配しているんだったら大丈夫。どこにもケガはないよ。コックピット内も増設されたRaDの無線機が煙吹いてるくらい)

『それは良かった…ですが機体は…』

(…なんとかするよ!)

 

 そうは言ったものの、初撃のチャージレーザーブレード直撃で私のACの機能はボロボロだ。リペアキットでは治せるレベルじゃないし、そもそもリペアキットは損傷具合に応じてアクチュエータを最適化するだけのものだからレーザーブレード直撃の傷を治せるはずがないんだよね。

 有効射程ギリギリから重ショを叩き込みつつ、ドローンの攻撃をQBで回避する。レーザーは弾速が早くて厄介だ。

 何回かそのループを続けていると、右腕から武装がパージされた。弾切れだ。

 そして弾切れ後の隙を見逃してくれるほどフロイトは易しい相手じゃない。レーザードローンを新たに展開、拡散バズーカの発射でQB先を潰してからのランセツRFのチャージだ。すべてを同時にやってのけるのはさすがランク1位といったところか。

 ピピピピ、という音と共に私の機体が硬直常態に入る。最悪だ、このタイミングでACS負荷限界を迎えるとは!

 

『レイヴン!』

 

フロイトはレーザーブレードを構えて私の機体に高速接近する。でも、この距離なら、まだ間に合う!

 回復した機体から右肩のソングバードをパージしQBを吹かす。機体重量が軽くなったことにより、先ほどまでより強力な横推力を得られた。どうせ残弾2発だったんだから、惜しくはない。

 レーザーブレードはパージされたソングバードを切断した。瞬間、ソングバードは誘爆。フロイトの機体は爆炎に包まれた。あれで多少のダメージは入るだろう。想定外の戦果だ。

 

〈なるほど、そういう動きもあるのか。面白いな〉

 

こっちはギリギリで返事を返す余裕もないのに!まだまだ元気そうで嫌になるよ全く。

 

『レイヴン!』

 

エアの声にハッとして反射でQBを吹かす。先ほどまでいた位置にバズーカが着弾した。

 

(危なかった、ありがとうエア)

『体は大丈夫だったのではなかったのですか!?』

(ちょっと視界が狭くなってたみたい。もう大丈夫)

 

とは言ったもののどうしたものか。私の機体にはウォルターからもらったブレードしかない。そのせいでさっきからフロイトは中距離でチマチマ撃ってくるだけだ。到底回避し続けられるはずもなく、次第にACSに負荷がたまっていく。このままではまずい。

 その時、フロイトがレーザーブレードを構え、接近してきた。

 好機ととらえた私はパルスブレードを構え、同じく接近する。

 

『レイヴン!罠です!』

「…えっ?」

 

エアの声にハッとすると目の前のフロイトはいつの間にかQBで距離をとっており、肩の拡散バズーカがこちらを向き、QB先として考えられる場所には浮遊しているドローンがこちらを向いていた。

 

(誘われた…!?)

 

瞬間、私の機体に衝撃が走る。ACS負荷限界などはとっくのとうに超えた、これまで感じたことのない衝撃だ。

 私の機体は地面に膝をつく。かろうじて生きてはいるが、損傷がひどすぎる。眼前のモニターによれば右腕欠損、および左足首の欠損だ。これじゃあ立つことも叶わない。

 フロイトは先ほどの位置から動かず、チャージランセツRFを構えている。

 

〈終わりだ、レイヴン。他人の前に自分の心配をすべきだったな…いや、あれは無人機体だったな。まぁいい…言い残すことはあるか?そのくらいなら聞いてやる〉

 

 ブレードの届く距離ではない。ブースターは使えない。万事休すか、と思い目を瞑る。

 

『レイヴン、まだ…諦めるのは早いです!』

〈うん?何っ!?〉

 

エアの声に目を開ける。

 金属と金属の衝突する音が周囲一帯に響き渡り、フロイトの機体が横方向に吹っ飛び、ビルに激突した。吹っ飛んだフロイトの代わりに目の前に残ったのは、見たことのない機体。だが私はそれが誰のものなのかを瞬時に理解した。

 

〈レイヴン、生きているか!?〉

「スウィンバーン!」

〈なんとか間に合ったようだな。ここからは私がやろう。けが人は下がっていることだ〉

 

 


 

 

「なんとか間に合ったようだな。ここからは私がやろう。けが人は下がっていることだ」

 

そう言い残し、私は主席隊長…いや、フロイトを吹き飛ばした方へと向き直る。

コンクリートの壁面にめり込んだロックスミスはようやく出てこられたようだ。この機体重量とブースターに感謝だな、前の機体ではこうはいかなかっただろう。そしてこいつを動かせるVP-20Cはやはり傑作だな。まぁ、多少の改良はしているらしいが。

 うん?レイヴンは脚部損傷で動けないのか。これはフロイトを釣って別の場所へ誘導するしかないな。

 

〈まさかお前が出張ってくるとはな。来るんだったら何故最初から来なかった〉

「さっき機体が出来上がったのだよ」

〈なるほどな…楽しめそうだな〉

 

そろそろ来るか、と身構えていると、あちら側に通信が入った。

 

〈フロイト、時間が押しています。早くザイレムの撃墜を〉

〈そうだな〉

 

そう言って彼は回線を切った。

 

〈よし、これでやりあえる〉

 

…はっ?いや、この人ならこういうことするか。

 迫りくるロックスミスをQBで躱した後、もう一度QBを吹かすことで追撃し、蹴りを入れる。4脚は蹴りが強いと整備士に言われたからやってみたが、なるほど、これは良い。

 

〈追ってくるか!なかなかいい動きするようになったじゃないか!スウィンバーン!〉

「私もレイヴンに毒されたかな。今は接近戦で貴様を葬り去りたい気分だ」

 

そのまま至近距離でRaD謹製の大型グレネードキャノンを叩き込む。EARSHOTの代わりに積まれたものだ。

 ABを起動、距離をとろうとするフロイトを追いかける。一体何を熱くなっているのか。私の中の理性がそう言うが、今はその声を無視する。ここで距離をとれば0からこいつとやりあわねばならない。ここは勢いに任せて畳みかけるしかない。

 

〈無策な突撃は厳禁だぞ、スウィンバーン!〉

「無策などではない!」

 

フロイトが反転、チャージブレードを叩き込もうとするが、それを()()()()()QBで回避する。

 

〈そんな動きもあるのか!?面白い…!〉

 

面白がっているフロイトの頭上に前部の2脚が来た瞬間、()()()()とQBを吹かす。

 

〈何!?〉

 

こちらにもとてつもない衝撃が来るが、あちらはこちらの比ではないだろう。仕組みは分からんがそうなるようになっているとカーラが言っていた。

 ロックスミスの姿勢制御システムを踏み倒してうつ伏せに転倒させたのだ、このチャンスを逃す手はない。

 

「主席隊長、フロイト!これまで会計書類を散々遅延された恨みだっ!」

 

再度、グレネードを叩き込む。これで終わりだ。これを耐えられるはずが…

 

〈動け、ロックスミス…!まだだ…まだこれから…面白く…なる…!〉

「何だとッ!?」

 

まだ動けるだと!?どうなっているんだ!うつ伏せからのAB…マズい、この姿勢では回避が間に合わない!

 

 その時、視界の端に動くものが映った。

 レイヴンだ。パルスブレードを起動させ、明らかに出力の足りてないABでこちらへ向かっている。

 

〈うあああああっ!〉

 

レイヴンは高い声で叫びながら、機体はパルスブレードを前に構えて、ロックスミスに衝突した。

 

フロイトのレーザーブレードは空を切る。

 

〈レイヴン…!まだ動けたとは…ここ、までか…〉

 

その通信を最後に、フロイトからの通信はなくなり、機体は爆散した。レイヴンを巻き込んで。

 

「なんだと…レイヴン!レイヴン生きているか!?」

 

返事はない。あんなボロボロの機体で巻き込まれたのだ。生存の方が絶望的……。

 

 そう思い、取り乱していた私の目の前に一つの小さな座席が空から降りてくる。

 

「ははっ…なんだ…」

 

その座席には、疲れた表情ながらもこちらに手を振るレイヴンの姿があった。

 

「ちゃんと、脱出レバーを引けたんだな。良かった…!」

 

こみ上げてくる変な笑いを抑え、レイヴンを手でキャッチした。




スウィンバーンの新機体

AC「ADVANCE」

頭 在庫があったVP-44S(墜落した輸送機から強奪したもの)
腕 在庫があったMIND ALPHA(ラミーがログハントのランク1を達成した後カーラに献上(強制)した)
コア 在庫があったCC-3000 WRECKERを小改修したもの
脚 シースパイダーを参考にした4脚。シースパイダーの動きができる。見た目はベイラムの4脚が一番近いかもしれない。

右腕 在庫があったファーロン4連ミサイル
左腕 RaD謹製のスタンバトン
右肩 RaD謹製大型キャノン
左肩 在庫があったランセツRF(仮積載)

ジェネレータ VP-20C(小改修)
ブースター 在庫があったBC-0600 12345
FCS RaD謹製のFCS。性能は技研のFCSに似ているとか…?

他にも笑える仕組みがたくさん仕込まれている(カーラ談)

矛盾点などありましたらご指摘をお願いします。続かない。
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