五条悟を救いたい!   作:Tsutsutsuki

14 / 23
なんか考えすぎて分からなくなっちゃったので、読者の皆様は読み飛ばしても大丈夫です。

それよりも感想欄の皆様のコメントめっちゃ面白いからみんな見てみて!


第14話 硝子と反転術式について語る回

 呪力量の次は、呪力操作の技術。

 現在、硝子は反転術式を行使する際に、治療部位に触れる必要がある。

 その常識をなんとか取っ払いたい。

 そうすれば、複数の負傷者を同時に治療する事ができるはずなんだけれど……。

 

「硝子は反転術式を使う時に、患者の治療部位に触れているよね?」

「そりゃあもちろん」

「それはなんで? 優しさ? それともメンタルケアの一種とかでそれ自体もう医療行為とか?」

 

 質問された硝子は、うーんと唸っている。

 改めて自分が反転術式を行使してる時の事を考えているのだろう。

 

「いや、そうでは無いけど……なんでって言われたら確かになんでだろ? 無意識かな」

「無意識で行っている、ということはそこに何か意味があるのかもしれないね」

「うーん、例えば、反転術式の対象設定を視覚だけではなく触覚でも行っているとか?」

「ああ、それもありえそうかも?」

「しっくり来てないって顔だね」

「あれ、顔出てた?」

 

 私の微妙な表情に、硝子はジト目で返してくる。

 

「普通に遠くから敵を攻撃する術式あるし……って思っちゃう。正のエネルギーはリコイルムズいとか無さそうだし……」

「なら……医療行為の1番最初に当たる大事なことは、状況の把握。素早く処置をする事も大事だけど、病気や負傷内容の正しい情報がなければ、どのように処置すれば良いかなんて分からないから」

 

 つまり、と硝子はそのまま推理を披露した。

 

「負傷者の情報を知るために触るのかもしれん」

 

 なるほど、原作キャラは呪力や術式の本質を見抜く力に長けているのかもしれない。

 そうしないとこの呪術廻戦(ハードモード)の世界では生き残れないもんね。

 

 私も頭を働かせねば。

 硝子の推察を聞いて自分の考えと統合し、上手くパズルのピースを合わせていく。

 

 ええい、全然頭回らん……このままではダメだ。

 もっと呪力の核心に触れねば。

 

「指パッチン黒閃!」

 

 バチンッ!! 

 

 右手の親指で中指を弾いた瞬間、そこに黒い閃光が現れた。

 よし、ゾーン&呪力の核心ベタベタ状態完了。

 

 それを見ていた硝子からの一言。

 

「かつてそんなに黒閃を無駄遣いした術師がいただろうか」

 

 私が平然と黒閃を撃つことに驚かなくなってきたなぁ。

 あの時の純粋な硝子は何処へ。

 

「まあまあ、そう言わずにこっちの方が良い考えが浮かぶことは確かなので」

 

 この状態なら、私の脳みそが120%の力で考えてくれるはず。

 

 早速気になったのは、自身を反転術式で治療する時と、他人を反転術式で治療する時の難易度の差は、どこで生まれるのか。

 上記の問題と、先程の何故反転術式アウトプット時に対象部位に触れるの問題。

 なんとなくこの2つは、密接に繋がっているはず。

 そんな気がする。

 これを感覚やセンスといった、不完全な説明で言語化を諦めていては先に進めない。

 

「硝子は反転術式を自分にする時、その箇所を手で触れる?」

「反転術式を他人に使い過ぎて、最近自分に使う事なかったから、どうだったか忘れた」

「えー、そんなー」

 

 確かに硝子は、高専の要と言っていいほどの任務を日々こなしている。

 そんな彼女が何らかの負傷したら、この組織は成り立たなくなる可能性すらある。

 自分がどれくらい重要なのか分かっている。

 偉い。

 後はタバコを辞めるだけだね。

 

「いや、タイム。もしかしたらあるわ。てか全然2日前にあったわ」

「えっ……無事? 大丈夫? なんで私に言ってくれなかったの??」

「メンヘラやめろ。提出書類で指切った。その時自分に反転術式使ったけど普通に治せた。反対の手で触れる必要もなかった」

「あ、なーんだ大怪我したと思ったよ。心配したよぉ」

「今大丈夫なんだから大丈夫に決まってるでしょ。大袈裟だなぁ」

 

 私は硝子の手を握って、指の1本1本を丁寧に確認していく。

 

 彼女は将来、いや今現在もこの高専を支えるヒーラーなのだから、体に負傷ひとつでもあったら大変だ。

 というのは体裁です。

 本当はこうやって過保護なくらい心配してあげたり、いっぱい褒めてあげる。

 すると、頬を少し朱に染めて、口角がほんの少し上がるのだ。

 これは硝子マニアじゃないと気づかないかもしれないけれど、普段の飄々とした表情から外れた『照れ顔』なのだ。

 この表情を引き出すために、私は何度も硝子にアプローチを繰り返し──。

 

 これ以上はガチ感出るな。

 自分でも気持ち悪く感じてきたからやめよう。

 

 話を戻して。

 

「硝子の話によると、自分の体の場合は触れないくても良い。他人の場合だと触れないと出来ない。これで良い?」

「うん、そんな感じ」

 

 硝子が頷いてる、ちゃんと話を聞いてくれる。

 優しい。

 あ、顎で話の続きを促された。

 

「ならさっきの『医療行為の最初に大事な云々』がかなり正解に近い気がする。自身に反転術式をする時は、既に自分の受けた傷がどこにあってどんなものでどのような経緯で負傷したのか。そしてどのように治したら良いかが既に分かっている。だから()()()()()()()()()()()触れる行為が省略されるのかも」

「雪菜もアウトプットで触れる意味が、術式対象の情報を得ることだと考えてるのね」

「そっちの方向で考えてる」

「ならアウトプットの場合は、見るだけでは情報を得る量が少ないから触れることは必要なこと。これ以上は省略出来ない」

 

 ううむ、確かにその通りだ。

 でもそれじゃあ、呪力総量を拡張してつよつよになった硝子の反転術式を最大限に使用する事が出来ない。

 なにか、触れる以外で情報を得る方法は……。

 そうだ、私には原作知識があるッ! 

 何か思い出すのよ、雪菜。

 

 

 ポクポクポク、チーン。

 

 

 三輪霞『シン・陰流 簡易領域』

 

 

「これだぁ!」

「うわ、急に大きな声出さないで」

「硝子」

「なに」

「生得領域、広げよう」

「は?」

 

 その日から、硝子の地獄の鍛錬が始まったのだ。




誤字脱字感想評価等なんでもござれ。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。