作者の元にはサンタさんは来ませんでした。
きっとサンタ的いい子判定で悪い子認定されてしまったのでしょう。
来年度はいい子になるので、読んでくれている皆様、来年もよろしくお願いします!
本編がアツい!頑張れ日車!
雪山をさまよって早2時間、一切呪霊が現れる気配がない。
「何故っ! 私のデータが間違っていたというのッ!?」
「……いや、もっと根本的な話さ。私たちが遭難できていない」
「えっ、それはどういう……」
話を聞くと、夏油くんは呪霊ゲットの旅を過去に行っていたらしく、呪霊の出る地域で迷う=死、という意識を持っていたそうだ。
その癖で現在2時間弱蛇行してみたり引き返してみたり色々歩いて来た道を、脅威の脳内マッピングで完璧に覚えているらしい。
…………。
いや、凄い特技みたいな話されてますが、その話をもっと早くしてくれて良かったんだよ。
なんで2時間も極寒の雪山を登山させたん?
まあ今回は君の顔の良さに免じて、ここでは私が大人になってあげるけども。
「わ、私なんて登山開始5分くらいで振り返った時に、足跡が雪にかき消されたのを見てからなんも覚えてないなぁ……スゴイナー」
「ふっ、私の有能さが逆に呪霊遭遇のチャンスを逃してしまったみたいだ」
「……えっと、夏油くんはまだまだ元気そうだね。もうマフラー要らないかな、お菓子も必要無いね」
「安心してくれ、そして冷静になってくれ。冗談だから」
結局、登山から1時間くらい経った頃、夏油くんの我慢にも限界が来ていたらしい。
現在は千変万化マフラーをしっかり巻き付けて、私持参のチョコバーを口いっぱいに頬張っている。
いや、ならなんで2時間も……いや、この話はいいか。
もう、遠足じゃないんだからね。
心の中でプンスカしていると、夏油くんはこちらを向いて私の顔を見ると小さく笑った。
あれ、ちょいおこなのバレた?
「君の表情はいつ見ても……ううん。しかし、参ったな。これは長年の癖だから、私が意識して忘れようとしても、そう簡単に忘れることは出来ないな」
「そうだね……何か別のことに意識を集中させ続けることが出来れば……あっ!」
「何か閃いたようだね、雪菜」
そういえば、漫画にて夏油傑がめちゃ強いことはよく知っているのだが、この世界の夏油くんが現在どれくらいの強さなのかちゃんと知らなかった。
だって任務でたまに一緒になっても、大抵彼の呪霊が相手を丸呑みして祓うか、夏油くんが丸呑みして野生の呪霊をゲットするかですぐ終わっちゃうんだもん。
迅速に任務を遂行できるその技量があれば、それはもちろんこの世界でも強いと言えるだろう。
流石に特級なだけはある。
しかし、それが相手と実力が均衡しているもしくは相手の方が強い場合はどうだろう。
相手の戦力と戦況を見極める能力。
力や物量で勝てない時に立てる作戦。
呪霊操術の真髄と体術のセンス。
今の彼の全力を見てみたい。
「夏油くん、私と
「……ふっ、ようやくか……」
この言葉だけで十分、彼には伝わっているはず。
少しして、夏油くんは千変万化マフラーを首から外した。
軽く肩を回して一言。
「OK。いつでも」
「うん、いいお返事!」
山道の合間に見つけた広場。
お互い荷物は少し離れたところに置いてある。
辺り一面の雪景色。
足がとられる程ではないが、まあまあ積もってはいる。
天然の衝撃吸収板だ。
お互いにそこまで大きな怪我はせずに済みそうだ。
少し離れた地点でお互いに向き合い、構えをとる。
「夏油くんが帰り道を忘れちゃう程度には、本気を出させてあげないとね」
「ふふ、噂には聞いていたが、私は実際の君が反転術式を行使している姿しか見たことがなかった。だから術師としての君の実力がどれ程なのか少し楽しみなんだ」
どこか少しだ戦闘狂。
纏ってる呪力マシマシじゃないですか。
私も気を引き締めて行かねば、久しぶりの戦いだ。
「ふふ、ちょっぴり頑張っちゃおうかな」
「随分余裕そうだな。なに、高専にとって君は貴重だ。気絶させる程度に抑えてやるよ」
お互いに気合い十分。
そんな2人の間を一陣の吹雪が駆け抜けた。
お互いの視界を1度、完全に隠す程の猛吹雪。
そして、吹雪が止み、視界が開け──。
「まずは質より量で、準備運動でもどうだろうか?」
「くっ……!」
開けた雪菜の視界全てを埋め尽くしたのは、大人1人分の大きさがあるムカデ型の呪霊。
その数99匹。
夏油傑の生得術式である【呪霊操術】によって操られたムカデ型の呪霊その全てが、同時に彼女へと襲いかかる。
「うわっ、流石にキモイって!」
ムカデ呪霊の牙が雪菜を捉えようとした時、彼女は足に集めていた呪力を爆発させて跳躍、いや飛翔とも呼べるべき高さまで跳んでみせた。
余裕をもって大群ムカデによる大津波を回避する。
「おっと、空中への回避は悪手だが?」
空中では遮蔽物が無いので、逃げ場がない。
移動するために蹴る地面も無いので、更なる回避も困難だ。
そんな隙を傑が逃すはずも無く。
彼は右手を銃の形にして、空中へ跳び上がった雪菜に照準を定めた。
すると、彼の周りにイカの姿をした呪霊がその槍先を雪菜へ向けて展開された。
傑を中心に、左右に25門ずつで合計50門。
「撃て」
全てのイカ型呪霊の槍先から、呪力のレーザー砲が一斉に放たれた。
2人の間を吹き抜ける吹雪を、50の光線が一瞬にして空間ごと焼き切りながら、真っ直ぐ雪菜へ飛んでいく。
「相変わらず、数が多いことで……っ!」
雪菜は【呪力操術】によって、風呂敷状の呪力を形成。
それに自身を呪力放出による推進力で回転させて全身に巻き付けた。
完全に纏った後もそのまま回転し、速度をぐんぐんと上げていく。
これによって、レーザー砲の接触を呪力の風呂敷で防ぎ、更に高速回転によってレーザー砲の衝撃を後方へ逸らした。
「ほう、雪菜の術式は中々に器用なことができるな」
傑は目の前で起こったことに目を見開き、素直に感心を抱いた。
「夏油くんの術式ほど器用ではないけどねー!」
「ははっ、確かにその通りだな。では君に勝る器用さで、その着地を狩らせてもらうとしよう」
雪菜が風呂敷呪力と高速回転を解いて地面に着地する瞬間、その地面から直径10メートル程の巨大な穴が出現した。
「鮫型のそれもメガロドンを超える超弩級の呪霊だ。最近手懐けてね、是非堪能してくれ」
「オーマイガー」
バクンッ
鮫型呪霊は雪菜をあっという間に飲み込んだ。
そして沈黙。
「おいおい、まだこんなもんじゃないだろう? 早く出てきなよ」
『ぐるるるあああああああああぁぁ! 』
傑の言葉に反応するかのように、鮫型呪霊が巨大な体を震わせて、悲鳴を響かせた。
そして爆散。
鮫型呪霊がいた場所には、拳を振り抜いた姿勢の雪菜が立っていた。
「ほう、やるね」
「今度は、私の番!」
雪菜の体から黒い閃光が迸った。
誤字脱字評価感想なんで良いです!
是非ともよろしくお願いします!
特にね、感想は良いよね。
なんか同じ趣味を持つ人とお話してるみたいで…なんか…友達って感じなのかな?(リア友皆無人間による急な妄想)