特に感想は良いですね。
作品を通して同じ趣味を持つお友達とお話しているみたいで!(リア友ゼロ人)
……あー、なんか泣きたくなってきた!(負の感情により呪力満タン)
「なんか知らんけど、黒閃打てちゃった! えーめっちゃ嬉しいんだけど!!」
変態おじさん呪霊を祓った後、私は全能感に満ちていた。
それは何故か、齢3歳の幼児(中身はJK)が初呪霊戦闘にて、初手一発で黒閃を決めてしまったからである。
これはもしかして、宝くじで大金が当たるよりもすごい確率なのかも。
そしてこの感じ、超~気持ち良い~。
これが所謂ゾーンに入った状態、というやつなのかな。
全身から活力、じゃなくて呪力がみなぎってくるのを感じる。
今ならなんでもできちゃいそう……!
あの絶体絶命のピンチに、呪力の女神様は優しく微笑んで下さったらしい。
ありがとね、女神様っ。
そして、呪力の核心に触れたことにより、呪力の効率的な扱い方や、私の術式がどういうものなのか完璧に理解することができた。
さあさあ、皆々様。
長らくお待たせしました。
いや、お待たせしすぎたのかもしれませんっ!
聞いて驚け、私の生得術式はこれだ!!
『呪力操術』
…………。
え、呪霊操術だって? 違うよ違う違う。
私の体に刻まれた術式は、呪
あはは、嫌だなー。
まるで、夏油傑様のレア度S級術式みたいに言わないのっ!
……ええと、体に刻まれた生得術式の説明を読みますね(呪力を流した際の感覚で理解出来たことを文章化しますね)。
【呪力操術】
生得術式に呪力を流して効果を発動すると、自身の呪力をイメージ通りに操作することができます。
以上。
いや呪術師なら術式なくても呪力操作できるんですがっ!?
術式に呪力を流して効果を発動してる時点で、既に呪力操作出来ているという……なんとも本末転倒感が否めない生得術式さんです。
あれ、もしかして私、術式ガチャ失敗しちゃった?
ていうか、なんでこんな術式がこの世界に存在するのか謎なのだけれど。
そもそも呪術師の戦い方って、基本的に術式の発動がメインで、そこに呪力を纏って身体能力を底上げした体術が別の攻め口としてあるって感じなのに。
殺し屋が初撃で失敗した時のための、
呪術師は生まれた時から術式が決まっているので、呪力操作の鍛錬と術式の解釈を深めて戦闘時の手札を増やしておくのだ。
例えば私が自身の術式とは別に、呪力で身体強化した体術を修得したとするよ。
それは戦闘時の手札を増やすことに繋がるでしょうか?
答えはもちろんNO。
何故なら、私が普通に呪力を操作して強化した体で戦おうと、術式を発動して呪力を操作をして強化した体で戦おうと結果は変わらないから。
なんなら術式発動のために呪力を消費してるから、むしろ術式を使わない方が良いまである。
術式発動の起こりが分かる宿儺様みたいな最強格には、ハッタリとして通用するかも……いやしないか。
ああ、せっかくあの呪術廻戦の世界に転生できて、初の対呪霊戦にて勝ち星をもぎ取ったというのにこの始末。
泣いても良いかな、ぐすん。
だってこれ、実質術式無いのと一緒だもんね。
転生特典として、チートの無下限呪術とか、世界を断つ解&捌とか、なんなら呪霊の味が不味いのも我慢するから呪霊操術だって良かったのに……なんで……。
いや、ダメだよ私。
いつまでもクヨクヨして現実から目を背けてはいけないよ。
後悔は後からできるから後悔なのよ。
まずはこの黒閃ゾーンに入ってる間に、何とか反転術式を覚えなければならない。
そうしなきゃ、私のお母さんを救えない。
私は急いでお母さんの元へ駆け寄った。
取り憑いていた呪霊は祓ったから、これ以上容態が悪化することは無いはず。
しかし、お母さんを蝕んでいる黒い斑点は一向に消える気配がない。
お母さんに触れて、自身の体に呪力を巡らせる。
よし、ここからだ。
さあ、雪菜。
あなたの無駄に良い記憶力の出番よ。
反転術式はどうすれば行使できるのかしら。
原作を思い出して。
すうっと、大きく深呼吸をひとつ。
頭がクリアになって、より記憶の深いところへ。
よし、思い出したッ! 前世の記憶ッ!
家入硝子(JKのすがた)「ひゅーっとやって、ひょいっだよ。ひゅーひょいっ。分かんない? センスねぇ~」
…………。
いや分かるかーいっ!!
うん、別に過去編のJK硝子ちゃんがかわいいのは、私も認めよう。
かわいいは正義なのだ。
しかし、問題はそこでは無い。
今の私は黒閃キメてゾーン状態且つ呪力の核心にベタベタ触れた完璧コンディションなのに、反転術式の方法が全く分からなーい!
確か、反転術式の知識として。
負のエネルギーである呪力を掛け合わせることで、正のエネルギーを生み出す術……だったよね。
呪力はマイナス、人間に向けると害する力であるのに対して、正のエネルギーはプラス、人間を治癒することができる。
あとは体の部位の話。
負の感情を表す言葉として、「腹が立つ」「腸が煮えくり返る」等のお腹(丹田)を重要視する表現が多いのは、呪力は丹田を中心として運用するから。
しかし、正のエネルギーである反転術式は、頭(脳)を起点として運用する。
これは人を治癒する際に、治す部位や損傷の原因を正しく理解し、どのように治すのか常に考え続ける必要があるからだと思う。
実際に原作にて電気ビリビリ青年受肉おじいちゃんこと鹿紫雲一さんも、頭を一撃で狙うか有害物質特定に時間がかかる毒物の使用が弱点だって言っていたはず。
「ううむ、知識はあるのにやり方がわからん……」
お母さんの衰弱具合は目に見えて進行している。
苦しそうだ。
何とかしてあげたい。
「ううううう、もうっ! なんとかなれーッ!!」
私は手のひらいっぱいに呪力を込めて、お母さんの呪いが治ってくれと願った。
そう、手詰まり。
ならばひたすらに、ただがむしゃらに。
先程もそうだ。
呪霊を呪力操作覚えたての3歳児が本来倒せるわけない。
しかし、
ならば。
掌に集めた呪力のマイナスエネルギーが、別の呪力と掛け合わさり、正のエネルギーへと変化する。
頭を起点にする反転術式により、朧気だった「母を治そうとする」想像を、完璧な『母の完治』というクリアなイメージに変わる。
一瞬の発光。
暖かな光が一戸建ての一室を白く染めた後。
3歳のものとは思えないほどに慈愛に満ちたその手は、完治して規則的な寝息を立てている母親の頭を、優しく壊さないように撫でるのであった。
名前:夕霧 雪菜(ゆうぎり せつな)
性別:女
生年月日:1990年1月1日(現在3歳)
呪力の性質:鹿紫雲のような電気もなく、裏梅のような氷もなく、ただし普通の呪力では無さそう。色で例えるなら、白ではなく透明。
生得術式:呪力操術。自身の呪力をイメージ通りに操作できる。
やったことある呪力操作:呪力を纏う、呪力を体の一部に集める、黒閃、反転術式。