五条悟を救いたい!   作:Tsutsutsuki

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ごめん、みんな。
雪菜の過去編、3本でも終わらなかった。
構成下手くそだけど、私は書き続けるからよぉ…だから、止ま(ry


第8話 雪菜空白の12年間【後編】 (回想が終わるとは言ってない)

 狐呪霊の尻尾は残り8本。

 このまま黒閃弾で牽制しつつ、間合いを詰めた所で本体に黒閃を直当てして、より大ダメージを狙っていこうかな。

 

『グルウウウ……ササゲ、ヨ……』

 

 よく見ると残る8本の尻尾の内、3本の先に青い炎が灯っている。

 最初見た時は、1本の先だけに灯っていたのに。

 

 まさか終焉のカウントダウン的なヤツ!? 

 いや、私が尻尾1本消し飛ばしたし、カウントダウンなら成立しないのでは……。

 

 あっ、また灯った。

 これで4/8、半分だ。

 私がそのカウントダウンを観測出来ているわけだから、狐呪霊の縛りなのだろうか? 

 相手に情報を与える代わりに、全部灯ると超強くなるとか。

 

 ううむ。

 呪術の世界は奥深過ぎて、能力の解明や結んである縛りの推理が難しい。

 この青い炎だってそうだ。

 まともに当たったら死ぬ未来しか見えない。

 どうせ当たったら死ぬ威力なら、術式開示でもなんでもしてさらに火力を上げてもらっても良い。

 その代わりもっと情報ちょうだい。

 このまま押し勝てる相手なら良いが、何か嫌な予感がするような。

 

 しゃん、しゃん、しゃん、しゃん。

 

 私の周りで4度の爆発が起こる。

 ひとつの爆発が既に広範囲なのに、数が増えるほど回避できる場所に限りができ、大きく距離を詰められなくなってきた。

 

 でも今は私が優勢なはず。

 ならばそのまま押し切るべし。

 

『雷迎』『水墨』『陰りと歪み』『雲間の差光』

 

 呪詞の詠唱で更に火力を上げる。

 

『呪力操術、術式順転、【黒閃弾】』

 

 一度目の投擲時に得た黒閃効果により、私のポテンシャルは120%解放状態だ。

 

「ゾーン状態の私のシュートは落ちん」

 

 どうも緑間雪菜です。

 やっとこさ距離も詰めて来れたので、そこまでロングレンジでは無いが、確実に尻尾に当てて狐呪霊の防衛機能を低下させていった。

 途中で炎が灯っている方の尻尾に黒閃弾当てれば良いのでは? という天才的な発想により、灯った尻尾に狙いを定めて消し飛ばしていった。

 現在は尻尾2本、青い炎が灯っているのは1本のみ。

 

 そして狐呪霊とは既に一足一拳の間合い。

 ここからなら確実に残り2本の尻尾を掻い潜り、黒閃を本体に突き刺すことができる。

 

『……ガ、ガアア、ササゲヨ……』

 

 狐呪霊もかなり弱っているようだ。

 体に纏っている呪力が戦闘開始時点よりかなり薄くなっていて、肩で息をしている様子が見て取れる。

 

「さて、さっさと終わらせて、実験2は別の呪霊で試すとしますかっ!」

 

 三眼を解除し足元に一点集中させた呪力を爆発させて、地面を踏み込む。

 その際、地面反力と呪力の衝突の誤差を0.000001秒以内にすることを忘れずに。

 

『呪力操術、術式順転、【縮地・歪】』

 

 黒い雷のようなライトエフェクトが地を走る。

 音を置き去りにして超加速する私。

 一瞬のうちに狐呪霊に肉薄し、今度は右腕に呪力を集める。

 

『呪力操術、術式順転、【黒閃】』

 

 イメージに一切の揺らぎがない。

 確実な一撃必殺。

 

 そして私の突きが狐呪霊の顔面に当たる──。

 

 その直前。

 

 

 

 

きつねが、にやりと、わらった。

 

 

 

 

 瞬き。

 拳を振るう、確実に当たるコース、術式による完璧な呪力操作。

 それ故にほんの瞬間の油断。

 目を開くと、九(・)尾(・)全(・)て(・)に(・)青(・)い(・)炎(・)が(・)灯(・)っ(・)た(・)狐呪霊がこちらをニヤけた表情で覗き込んでいた。

 

「は?」

 

 どういうこと? 

 呪霊は呪力で治癒を──いや、三眼で視た時は、まさかッ! 体外の呪力を意図的に抑えて、体内の呪力だけを回復に回した? 

 狐呪霊が弱っている姿を見せたのは、治癒に呪力を回していることを悟られないためのブラフ。

 私が最後の一撃で確実に祓うために接近してくるところを、全力でカウンターするための布石……か。

 

 即座に行動を攻撃から回避に変更。

 

 狐の呪霊だからって狡猾さまで狐を見習わなくていいよ。

 

「ダルいな」

 

『ヒヒヒ、ササゲヨ』

 

 しゃん、しゃん、しゃん、しゃん、しゃん、しゃん、しゃん、しゃん、しゃん。

 

 鈴の音とともに、狐呪霊は私の周りをぐるっと囲むように青い火粉の配置した。

 その数、全部で9つ。

 

 なるほど、尾先の炎は同時に操れる火粉の数か。

 読み間違えた。

 尾先の炎と鈴の音、爆発する火粉の数は全て同じ。

 狐呪霊の尻尾の数は9つ、これ以上増えることないが、既にフルパワーであると。

 

「回避不可能か」

 

 即座に行動を回避から防御へ変更。

 身体を全力放出した呪力で包み、頭を丸めて更に腕で頭を包む。

 大事なのは頭を守ること、死守だ。

 

 そして爆発と轟音。

 

 私の四肢は木っ端微塵に吹き飛ばされ、胴体には数箇所風通しの良い穴が空いた。

 爆風に扇がれていた私は、風が止むと無様に地面叩き落とされた。

 

「ゔっ……がはっ」

 

 口内から溢れ出す血を吐き出す。

 喉もほぼ焼き切れている、呼吸するだけで激痛が走る。

 耳は使い物にならない、爆発音で鼓膜は破れたか。

 

 したり顔で私を見る狐呪霊。

 気持ち悪い顔面を更に歪ませて笑っている。

 呪霊って必ずどこかが気持ち悪く出来てるのかな。

 

 許せないよ。

 私の体をこんなボロボロにしたことを。

 許さないよ。

 雪菜、あなたはこんな所で死ぬの? 

 遺書残したから、死んでもいいの? 

 誰も居ない所で寂しく死ぬの? 

 

 電車に轢かれた時と何ら変わらない体してるね。

 あちらこちらがほつれてさ、ボロ雑巾みたい。

 そんなんで死んでいいの? 

 私は嫌だよ。

 

 この世界は呪術廻戦の世界なんだよ。

 まだ登場人物誰とも会えてないよ。

 それがあなたの次の目標だったはずなのに。

 

『大目標その1、家族守れる程度に強くなる』

『大目標その2、呪術廻戦の登場人物に会いたい!』

 

「死に、た……くな、い」

 

 そして、

 

『大目標その3』

 

「死にた……くない」

 

『推しを』

 

「死にたくないッ!!!」

 

『五条悟を助けたい!』

 

 漫画の中の登場人物を、死の運命から救ってあげたい。

 本来ならば、夢絵空事。

 しかし、私が存在しているこの世界は現実。

 ならばどうする? 

 こんなところで伏してる時間はない。

 

 まずは、負のエネルギー解放による呪力の回復。

 思い起こす感情は恐怖と憎悪。

 生命の危機という人間の根底にある恐怖は、純粋な負のエネルギー。

 それに加えて、奴(きつね)を絶対に殺す(はらう)というこちらも純粋な殺意、良い負のエネルギーになるはずだ。

 

 体の奥底から湧く2つの負のエネルギーである呪力を掛け合わせて、正のエネルギーを生み出す。

 

「ひゅー、ひょ、いっ……」

 

『呪力操術、術式順転、【反転術式・辿】』

 

 暖かい光と共に消し飛ばされた四肢も、焼き切れた喉も、鼓膜も体の穴も。

 時が遡るように、全てが元に戻っていく。

 

 このために狐呪霊の攻撃から、頭を全力で守ったんだ。

 

「反転術式は、頭で回す。だったよね」

 

 え? 反転術式でも流石にありえない? 

 その通りだ。

 しかし私の反転術式は呪力操術によって、体(・)が(・)攻(・)撃(・)を(・)受(・)け(・)る(・)前(・)の(・)状(・)態(・)に(・)戻(・)す(・)イ(・)メ(・)ー(・)ジ(・)が(・)付(・)与(・)さ(・)れ(・)た(・)、治癒の仕方に別視点の解釈を取り入れた特別製でね。

 みんなには内緒だよ? 

 

「今日だけで、かなり成長出来たよ。ありがとうね、狐さん」

 

 明らかな動揺を見せる狐呪霊に対して、今度はこちらが笑みを浮かべる。

 

 さて、ここからが本当の。

 

「反撃開始」

 

 その言葉と共に、笑みを消し去り。

 静かに、しかし揺るぎなく、負の感情を積み重ねる。

 

 雪菜(わたし)はより上質な呪力を練り上げて、術式を発動するのだった。

 

 




誤字脱字感想氷菓お待ちしております。

いつも見てくれて感謝だよ!
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