ソードアート・オンライン〜失色の戦士〜   作:熾照

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 11月3日某所。

 俺はベットで寝そべりながら雑誌を読んでいた。

 読んでいる内容は3日後に正式サービスを控えたフルダイブ型VR初のMMORPG『ソードアート・オンライン』だ。

 特に俺がSAOのコーナーの中で注目して読んでいるのはSAO開発者茅場晶彦のインタビューだ。

 茅場晶彦は量子物理学者兼天才的ゲームデザイナーとして知られており、SAOのハード機でもあるナーヴギアの開発者でもある。普段彼はマスコミを嫌っており、メディア露出も極めて少ない。

 そんな彼の珍しいインタビューを読んでいると気になる言葉があった。

 

「これは、ゲームであっても遊びではない…か」

 

 その言葉を反芻していると、横からシャーペンの蓋部分で突かれる感覚を感じる。

 

「龍悟〜ここの問題教えて欲しいんだけど」

 

 俺…一条龍悟がベットから体を起こし声もとい突かれたの方を向く。

 

「オッケー何処だ?って一次関数じゃねぇか。道葉もうここ完璧って言ってなかったか?」

「だって〜面積を半分にする方程式なんて分かんないもん」

「はぁ〜これじゃあ道葉はSAOお預けかな」

「えー!?一緒に遊ぼうって約束したじゃん!」

「俺が出した課題を終わらせたらの話だろ?」

「むぅ〜」

 

 今拗ねている子は四ツ谷道葉。

 コイツとは幼馴染の関係であり、俺と道葉の両親達は仕事の関係上海外出張が多く、幼い頃からよく2人で暮らしていた。そのため今でもお互い勝手に家を出入りする仲になった。

 そんな俺達に最近嬉しいことがあった。それは1000人しか参加出来ないβテストに俺と道葉が参加出来たことだ。

 そのため8月の1ヶ月間は学校から帰ったらすぐにSAOにログインするという生活を繰り返したため勉強が疎かになってしまった…道葉が。

 今は勉強が疎かになった道葉のために勉強会を開いているところだ。

 

「まぁ安心しろよ。俺がちゃんと教えてあげるから」

「ん。ありがと」

「よしさっさと遅れを取り戻して快くSAOを始めるぞ!」

「おー!」

 

ーーーーーーーーーー

 

「…うん!こんぐらいの点数を取れるならもう大丈夫かな」

 

「ふわぁ、やっと終わったよぉ」

 

 道葉は自作最終確認テストを終え、机の上に突っ伏していた。

 

「お疲れ。今の何時だ?…9時か。道葉、今日は俺ん家で寝るだろ?夜飯はカップ麺でいいよな?」

「あー!また龍悟カップラーメンで済まそうとしてる!今日は泊まるから私が作るよ。」

 

 道葉はキッチンに向かいエプロンなど料理の支度をし始める。

 

「別に良いだろ?カップ麺の何が悪いんだよ〜」

「そればっかり食べる龍悟が悪いんでしょ!私が作るからご飯の準備して」

「へぇーい」

 

 

 

「「ご馳走様でした」」

 

 食事を済まし道葉は俺が勉強会の時に読んでいた雑誌を読んでいた。

 

「うーん。フルダイブの仕組みいつ見てもよく分からないなぁ」

 

どうやらナーヴギアの仕組みのページを見ているようだ。

 

「まぁ中学の俺らじゃ分からないよ。」

「そっかー。…ふぁあ。私お風呂入って先に寝るわね。」

「うい〜」

 

 

 

 それからの3日間は一瞬で過ぎていった。

 俺と道葉はビデオ通話でずっとSAOの話をしていた。

 

「遂に始まるよ龍悟!βテスト終了から2ヶ月も待ったんだよ!」

「あぁそうだな。道葉、昼飯は食ったか?水分補給は?トイレは済ましたか?準備万端か?」

「もちろん!因みに龍悟はお昼はなんだったの?」

「カップ麺」

「あー!またカップ麺で済ましたね!」

「夜はちゃんとしたの食うから良いじゃねぇか。」

 

 そんな痴話喧嘩をしていると時刻は12:58になっていた。

 

「ヤッベ、もうこんな時間だ。おい道葉!待ち合わせ場所は黒鉄宮の入り口な!」

「分かってるわよ!じゃあSAOで!」

 

 道葉が電話を切ると同時にベットに向かいナーヴギアを被る。

 ようやく、ようやくだぁ、待ちに待ったSAOだ。

 元々俺はSAOのことは興味がなかった。どちらかと言えばFPSゲームをやってたMMORPGとは疎遠だったからだ。

 じゃあなんでこうなったかと言うと道葉が「一緒にSAOのβテスト募集しない?」と誘われたためだ。俺は乗り気じゃなかったが道葉が駄々こねたせいで俺も募集することにした。

 結果奇跡的に当選したためβテストに参加した。βテストが終わったら売ろうと考えていたが、ログインしたときにその考えは一瞬消え去った。

 それ以降俺はSAOに夢中になった。平日では学校から帰ったら、休日は朝からログインしてずっと遊び尽くした。勉強に関しては8月分の勉強はもう予習しきっていたから特に支障は出なかった。

 俺は目を閉じて剣の世界への合言葉を唱える。

 

 

 

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