ワンダーワールドを開く者   作:ボルメテウスさん

25 / 67
胸に残る物語

 飛羽真と上條は、同じ仮面ライダーセイバーへと変身していた。

 

 その手に持っている武器も、また同じ火炎剣烈火。

 

 だが、その差は明らかに大きすぎる。

 

「ぐっ」

 

 それを現すように、飛羽真は、その手に持つ火炎剣烈火を構えながら、眼前からの、上條からの攻撃を受け止めるのが精一杯だった。

 

 元々、剣士としての力量では上條の方が上である。

 

 それに加えて、飛羽真が変身に使用しているブレイブドラゴンは、セイバーの基本的な姿である。

 

 だが、上條が変身しているドラゴニックナイトは、そんなブレイブドラゴンをより力強くした姿。

 

 それによって、上條は現状、剣士としての腕でも、変身に使うワンダーライドブックの質においても、飛羽真よりも上である。

 

 その上、今この場には、二人の戦いを見守る俺達は、それを見守る。

 

「勝てると思いますか」

 

「このままでは、無理だろうな」

 

 その言葉と共に、飛羽真と上條の戦いはさらに激化していく。

 

 だが、それでも、飛羽真の劣勢に変わりはない。

 

 飛羽真はまだ、火炎剣烈火の力を完全に引き出せていない。

 

「そして、この試練がそれが目的だろう」

 

 だが、それが出来ない理由がある。

 

 

 

 その理由とは──―。

 

 飛羽真が、上條から距離を取り、火炎剣烈火を構える。

 

 そして、上條もまた、それに合わせるように、構える。

 

「神山飛羽真、お前は、何を信じて戦う」

 

「っ」

 

 そう、上條は問いかける。

 

 その言葉に対して、飛羽真は一瞬だけ、目を見開く。

 

「お前の、物語の力を信じる心は素晴らしい。だからこそ、ワンダーライドブックもお前に多くの力を貸す。

 

 だが、それと共に、お前は火炎剣烈火の事を信じられているか」

 

「火炎剣烈火の事を」

 

 その言葉と共に、飛羽真はゆっくりと火炎剣烈火を見つめる。

 

 これまで、多くの戦いを共にした飛羽真の相棒。

 

 だが、飛羽真は、本当の意味で信じられるのか。

 

「剣士は、聖剣に選ばれる為にたゆまぬ努力を続ける。お前は偶然で、その聖剣を手にした。

 

 それは、お前が聖剣に選ばれるだけの素質があるが、それと共に今のお前にその聖剣をどこまで信じられるかだ」

 

「……俺は」

 

 その言葉と共に飛羽真は構える。

 

「覚悟を越えた先に希望はある。俺が、最も心に残るのは、上條さん、あなたがくれたあの言葉だ。そして、その言葉と共に燃え上がる火炎剣烈火の事は、今でも残っている」

 

 それと共に飛羽真の手にある火炎剣烈火の炎が燃え上がる。

 

 それはこれまで以上に純粋な赤い炎。

 

 それが刀身に宿っている。

 

「だからこそ、見ていて下さい! 俺の覚悟を! その先にある希望を!!」

 

 赤い炎を舞い上がりながら、飛羽真はそのまま火炎剣烈火を上段に振りかぶる。

 

 それに対し、上條もまた、火炎剣を振り上げる。

 

 互いの力がぶつかり合う。

 

 激しい爆発が起きると同時に、辺り一面に砂煙が上がる。

 

 だが、そんな中でも、飛羽真は立っていた。

 

 そして、そのまま倒れそうになる体を必死に抑え込む。

 

「はあぁぁぁ!!!」

 

 互いの火炎剣烈火がぶつかった事で、衝撃が生まれ、それによって発生した衝撃波によって吹き飛ばされたのだ。

 

 それでも、飛羽真はまだ戦える。

 

 そんな飛羽真に対し、上條もまだ倒れる訳にはいかない。

 

 この程度で倒れるようなら、上條にとって、この戦いの意味がないからだ。

 

 しかし、既に飛羽真も限界に近いはずだ。

 

 このままでは決着がつく前にどちらかが倒れる。

 

 だからと言って、どちらも引く気はない。

 

 だからこそ、上條はこの一撃にかける。

 

「うぉりゃああぁ!!!!」

 

「負けない!! 俺は絶対に諦めたりしないんだ!!!」

 

 二人の思いを乗せた必殺の一撃が放たれようとした瞬間だった。

 

 その空間を揺るがす程の衝撃音が響いたのだ。

 

 それと共に、その戦いの決着がついた。

 

 既に2人の変身は解除されていた。

 

「……どうやら、聖剣は覚醒したようだな」

 

 その言葉と共に、飛羽真が見つめた先には、火炎剣烈火は確かに赤く燃え上がっていた。

 

「上條さん、あなたは一体」

 

「俺は上條であって、上條ではない。この姿は、お前にとって、この剣の象徴になった人物の幻影に過ぎん」

 

 それと共に上條の姿はゆっくりと消えようとしている。

 

「忘れるな、その覚悟を、物語を信じる力を」

 

「……はいっ!」

 

 その言葉を最後に、上條はその姿を完全に消える

次回作の原作は

  • クウガ
  • アギト
  • 龍騎
  • 響鬼
  • カブト
  • 電王
  • キバ
  • ドライブ
  • ゴースト
  • エグゼイド
  • ビルド
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。