目が覚めると大量の骸骨に囲まれていた。
「は?」
ここはどこだ? この骸骨は何だ? 誰が何のために、俺のような一般人をこんな場所に連れてきたんだ?
様々な疑問が頭をよぎる。
「てか明らか人骨っぽいのあるのに謎に冷静なのウケるな」
俺はこんな状況でも冷静で入れられような人間だったんだろうか?
そもそも俺には家族や恋人はいたんだろうか?
知識を思い出すことはできる。
だけど俺自身の情報がまったく思い出すことができない。
唯一思い出せるのは俺が呪術廻戦がそして呪術廻戦のキャラクター達が好きだったということだけだ。
記憶喪失という言葉が俺の脳裏によぎった瞬間、俺の脳に"五条悟という人間"の記憶が流れ込んできた。
「痛っ」
突然、膨大な情報を流されて頭痛を覚える。
どうやら俺は呪術廻戦の"五条悟"に憑依したらしい。
"呪術廻戦"
人間の負の感情から生まれる呪霊と呪詛師、それを呪術で祓う呪術師との闘いを描いたダークファンタジー。
その中でも五条悟は"最強"を自称するほど自信家なキャラクターだ。
だが実際、五条悟に真っ向から勝てるのは同じく最強と称される呪いの王、両面宿儺くらいのものだろう。
創作物のキャラクターに憑依するなんて非現実的な出来事に"俺"ならしばらく思考停止に陥るところだが"五条悟"に憑依したおかげか、すんなりと受け入れられた。
「なるほどね。ここが獄門疆の中か」
"五条悟"の、"
思い出せる限りでは"僕"の記憶と"俺"の原作知識に違いはない。
原作で描写されてない場面では違いがあるのかもしれないが。
「原作と違うところ見当たらないし、渋谷事変...なんとかならないよなぁ」
"渋谷事変"
呪術廻戦の話の中でも本格的にインフレが始まる場面だ。
そのインフレは凄まじく、一級呪霊を相手に一方的に祓える一級呪術師七海建人、禪院直毘人の二人相手に有利に勝負を進める陀艮よりも強い指一本でも特級呪霊を容易に祓える宿儺の指8,9本分と評される漏瑚すら一撃すら入れることができない指15本の宿儺とある程度やりあえる魔虚羅を呼び出せる伏黒恵と言ったインフレ具合で
宿儺>~>魔虚羅>~>漏瑚>>>陀艮>直毘人>七海
と一級呪術師という呪術界の上澄みですら陀艮以外では戦力外だ。
その上、真人というチート術式*1を持っている特級呪霊もいる。
「ま、今は渋谷のことを考えてもしょうがないか」
獄門疆から出られない以上、今渋谷で起きてしまっていることはしょうがない。
問題なのは獄門疆から解放されたあとのことだ。
原作では五条悟は虎杖悠仁達*2の活躍で獄門疆解放される。
だが、その頃には、とっくに"渋谷事変"は終わり"死滅回遊"が始まっており、その上、宿儺は虎杖悠仁*3から伏黒恵に受肉し、*4完全な自由に加えて魔虚羅まで手にしている。
そして五条悟は伏黒恵に受肉した両面宿儺に殺害される。
だが"俺"はそんなのはまっぴらごめんだ。
"俺"には虎杖悠仁や乙骨憂太が宿儺に勝利したかわからない。
"俺"の記憶にあるのは鹿紫雲一が宿儺に殺される話までだからだ
もしかしたらこの先虎杖悠仁や乙骨憂太が宿儺に殺されるかもしれない。
"俺"は虎杖悠仁や乙骨憂太が好きだ。
せっかく呪術廻戦の世界に来たのに好きなキャラクターを殺されるなんてとんでもない。
「生徒と約束したんでね。宿儺には悪いけど遠慮なくやらせてもらうよ」
虎杖悠仁や乙骨憂太を殺させやしない。
"俺"はそう決意し、虎杖悠仁達の助けがくるまで無下限呪術と向き合った。
続きません