五条悟の領域とほぼ同時に、宿儺の領域が崩れていく。
魔虚羅が影に溶けるように消える。
受肉の進んだ宿儺は、二本の腕、四つ目、腹に口があり、腰から首の辺りまで筋肉の鎧を纏っている。
しかし腰から下はほっそりとした──もちろん、平均よりかは、筋肉質な──二本の足がついていた。
その異形を目にした日下部篤也達は驚く。
「なんか伏黒恵の体が変わってないか!!?」
「恐らく、宿儺の受肉が進んでいるのだろう。あの姿には見覚えがある」
唯一、本当の宿儺を見たことがある天使だけが落ち着いていられるようだ。
ただ、天使が受肉している相手である、来栖華が一番取り乱しているので、はたから見ればまた別なのだが。
「そんなことより今は....」
余裕がないのか来栖華を放っておいて天使は、領域展開の後は術式が焼き切れ、術式の使用が困難になること、それは五条悟や、宿儺でさえ例外ではないこと、
そして、"術式が使えないのなら、五条悟は苦戦を強いられるだろう"と、いうことを日下部篤也達に話す。
しかし、
「苦戦?なんか普通に術式使っていないか?」
画面に集中していた脹相がしれっとそう言った。
「えっ?」「は?」
領域展開の後は術式が焼き切れ、術式の使用が困難になる。
それは五条悟や、宿儺でさえ例外ではない、そう思い込んでいた常識が崩れていく。
崩れていく常識の中で乙骨憂太が反転術式による術式の焼き切れの回復の可能性を示唆するが、そんなことはもうまったく頭の中に入ってこない。
"五条悟で無理ならもう俺たちが行っても無駄死にだろ"
「俺はもう考えるのをやめるぞ...」
そう言ったきり、日下部篤也は考えるのをやめる。
そして、肩の荷が下りたように、帰りてぇ~、と呟いた。
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宿儺が領域外に逃げた直後、五条悟は即座に宿儺の呪力を探る。
そのあと、領域から出た時、安全な範囲で出来るだけ宿儺の近くになるように、領域の出口をズラした。*1
そして、"五条悟"は領域を解く。
それに並行して、反転術式による焼き切れた術式の回復を行う。
"痛ッッ!!?"
凄まじい激痛が頭を貫く。
"原作の五条悟はこれを何回もやったのか...."
痛みで思考がどこかへ飛んでいく。
しかし、ゆっくりしている時間はない。
そう自分へ言い聞かせる。
「"九網""偏光""烏と声明""表裏の狭間"」
術式が回復すると同時に呪詩と掌印をによって威力を底上げする。
原作で、最初に五条悟が術式を回復させたとき、宿儺は対応できていなかった。
だから、次の虚式は恐らく、当たるだろう。
さすがの宿儺も領域から出たすぐあとに、虚式を放たれるのは想定外だったのだろうか。
宿儺が"五条悟"から距離を取ろうとしているが、すでに遅い。
この距離なら避けることさえできないだろう。
「虚式"茈"」
近距離からの虚式。
砂ぼこりで見えないが、仮に領域展延で術式効果を中和したとしても、確実に両腕が吹き飛んでいる。
それに、宿儺は焼き切れた術式の回復もまだだろう。
だからこそ、ここで、
「領域展開」
二度目の領域展開で決める!!!
また遅れ(ry)