おいでよ、犯罪者デュエリストたちの蠱毒の村!!(外界隔絶) 作:SOD
「くそっ……が…………!」
デュエルに敗北した名蜘蛛が倒れ伏す。
サテライトの人間としては、ベストバウトと言っても良い内容の決闘であったものの敗北は敗北。勝者と敗者は残酷に分かたれる。
「すぅ〜〜っぷはぁ……」
デュエルの勝者となった石井というメガネの男は、勝利の余韻に浸りながら煙を燻らせて木々で覆われて姿を見せない空を見上げた。
「名蜘蛛ぉ……」
「井守……っ」
敗者の二人はボロボロの身体を地に預けて呻くだけ。互いの名前を口にすることしか出来ずにいる。
「さあてと……雑魚のシツケも済んだトコで本題だ。
そのシンクロモンスターだ。何処で手に入れた?」
「…………へっ、聞いてどうする? テメエには一生縁のネェことだ」
「あ? お前まだそんな口利いてんのかよ」
名蜘蛛の言葉にイラつきを隠さない石井。
「あわよくばシンクロモンスターを、手に入れるつもりだったんだろうが無理ってもんよ」
「…………あ?」
「ケケケ……っ、テメエは融合で喜んでんのがお似合いだよ。ノーマル野郎」
「…………ブッ殺す」
ピンと煙草の吸殻を弾くと、石井は宣言を実行するべく名蜘蛛の頭を踏み抜いた。
「グブッーー!?」
「な、名蜘蛛ぉ!!」
「だぁ〜れがテメェ、融合がお似合いのノーマル野郎だよサテライトのクズがよぉ!!!」
名蜘蛛が知るよしもないが、この世界で
この世界の最強の召喚方はシンクロ召喚であり、融合召喚は場にシンクロ素材を揃えるだけの運命力や技術力、そもそものカードとの縁がない未熟な決闘者の救済措置。それが融合召喚に対するこの世界の認識。
つまり『融合がお似合い』とは、『シンクロ召喚が扱えない弱者』という意味になるのだ。
「ちっと偶々シンクロ召喚手に入れたぐれえで、イキってんじゃねえぞゴルァ!!」
「ガァっ!!?」
「や、やめろよ!! ソレ以上やったら死んじまう!!」
「殺すっつってんだろうがよ。耳付いてんのかオルァ!!」
足で身体中踏みつけにするだけの幼稚な攻撃。だが、サテライトに住む人間は一部の例外を除いて栄養失調スレスレで満足に身体が出来上がっていない者が殆どだ。
よって、通常の同世代よりも簡単に骨折するし治りも遅くなる。
「ガハッ……!? グフッ……!!」
「死ね……! 死ね死ね死ね死ね死ね死ね!!」
まして、こんな森の中に医者なんてものが居るわけもなく…………。
「止めろぉ!! 止めろ止めろー!!」
「死ねえええええーー!!!!」
自然治癒が追い付かない重症を負えば、それはイコール死へと繋がる。
だから。
「ーー殺されては困るなぁ。彼は僕の部下なんだよねぇ」
「あ……?」
この森の中では、強い者の庇護無しで生きるのは困難である。
もし、コレを観ている者がまかり違って森の住民と成ってしまったのなら。間違っても一人で戦おうとはしないことだ。そうでなければ、より強い者に喰われて終わることになる。
「やあ、始めまして。僕の名前は浮浪者夜遊だ。フフフ、変な名前だろう?」
「な……な……!?」
異様なモノを見た石井は言葉を喪った。
夜遊の白銀の髪。耳と唇のピアスをチェーンで繋いだアクセサリ。獲物を見つめるような瞳。
の、いずれでもなく…………。
「あ……ああ…………!?!?」
「………………………………おいおい……」
「………………………………フローシャ様……??」
全裸でこの場に現れただけでは飽き足らず、その美麗な両足の間に繋がり腰を持ち上げられて腕だけで犬のように歩かされている麻由里。
すなわち……。
「変態ダアアアアアアアアアアァァァァーーー!!?!?!?!?」
浮浪者夜遊は、絶賛犬の散歩プレイ中に現れたのだった。
「フフフ。そんなに叫ぶことかい? 案外純情なのかな。
どう思う? 麻由里」
「……………………殺して……殺してよぉ……」
「フフフフフ。人生は楽しいよ?」
最近モチベが上がらなくて、毎日大変なんですよねぇ。今も布団の上でゴロゴロ。