FAIRY TAIL~もう一人の火竜~   作:ドラグニル

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忘れられない怒り

 

「羽…まだ消えないわよね…」

 

 

「あい」

 

 

「フレイヤは大丈夫でしょうか…」

 

 

「とーちゃくです」

 

 

「っと!ありがとねハッピー」

 

 

ナツ達は日の出を探すためエバルー公爵邸に突撃するはずだったのだが、ルーシィの提案によりナツ達は屋敷の屋上の外から侵入することになったのであった。

 

 

「作戦Tってのはな、突撃のTだ。正面玄関から入って邪魔な奴は全員ぶっとばす」

 

 

「ダーメ!!」

 

「で、本を燃やす」

 

 

「だからそれじゃだめなの!!あんたらが今まで盗賊退治やら怪物退治やらいくつの仕事してきたのか知らないけどね、今回のターゲットは街の有力者!ムカつく変態オヤジでも悪党じゃないのよ?ヘタなことしたら軍が動くわ」

 

 

「確かに、今回に関しては突撃はあまりよろしくありませんね…ですが良いのですか?ルーシィさんも許さないとおっしゃっていましたが…」

 

 

「ええ!許さないわよ!あんな事言われたし!!だから…」

 

 

「本を燃やすついでに靴を隠す…などとは言いませんよね?そして靴の中に画鋲など…ありえませんよねルーシィさん?」

 

 

ココアの返答にルーシィは汗をかきながら下を向く。

 

 

「ま、まさかそんなこと…」

 

 

あまりの動揺にナツとハッピーは唖然とする。

 

 

「うっわ…小っさ…」

 

 

「あい…」

 

 

 

 

 

第18話『忘れられない怒り』

 

 

 

 

 

「ふぅー危なかったぁ…てかアウトよね」

 

 

「うおお!!スゲエ数の本でごさる!」

 

 

「あい!!でごさる!」

 

 

―――――ルーシィ達はあの後、結局窓から侵入したものの、ナツとハッピーは物置のような部屋で敵に見つかり、物置から出るとあの巨漢の女メイド+αの女メイド達に攻撃を仕掛けられるもナツが一掃するのであった。

そして…現在に至る―――――

 

 

「エバルー公爵って頭悪そうな顔してるわりには蔵書家なのね…」

 

 

ルーシィはそう言いながらエバルー公爵邸の本棚を漁る。

ナツとハッピーは魚図鑑や文字だらけの本などを探す。

 

 

「恐らくこの中の大半は読んではいないでしょうね」

 

 

「あー…多分そうね、あの顔だし…」

 

 

「おおおっ!金色の本発っけーん!」

 

 

「ウパー!!」

 

 

「あんたら真面目に探しなさいよ!!」

 

 

「いや…ちょっと待って下さいルーシィさん!これは…」

 

 

ナツが見つけた金色の本をココアが見ると、本の表紙にはDAYBREAKと書かれた目的の日の出の本が見つかる。それを見つけたナツは直ぐに燃やそうと試みる。

 

 

「さて、燃やすか!フレイヤも助けなきゃならねえし」

 

 

「簡単だったね!」

 

 

「ちょっ…ちょっと待って!こ、これ……作者ケム・ザレオンじゃない!!」

 

 

「ケム・ザレオン…!!あの魔導士で小説家の人ですか?」

 

 

「そう!あのケム・ザレオン!あたし大ファンなのよー!うっそぉ!?ケム・ザレオンの作品全部読んだハズなのにー!未発表作ってこと!?」

 

 

それを聞いたナツはそれでも早く燃やそうとルーシィに話すがルーシィは断固として否定する。それでもナツは燃やそうとする。

だが、その時地面が盛り上がる。

 

 

「なるほどなるほどボヨヨヨヨ…貴様等の狙いは日の出だったのか…泳がせておいて正解だった!我輩って賢いのうボヨヨヨ」

 

 

地面から出てきたのはエバルー本人と、それに連れられてメイド姿のフレイヤが出てくる。

 

 

「ホラ…もたもたしてっから!」

 

 

「ご…ごめん。あ!でもあれ!フレイヤ君がいるわよ!」

 

 

「ほんとだ」

 

 

「ココアーー!」

 

 

そういうとフレイヤはナツ達の方へ走り去り、本棚の物陰で自分の服へと着替える。

 

「むぅー…やはり我輩ではなくそちらに付くか…まあ良い。しかし、魔導士どもが何を躍起になって探してるかと思えば…そんな“くだらん本”だったとはねぇ」

 

 

「くだらん本?」

 

 

「も…もしかしてこの本もらってもいいのかしら?」

 

「いやだね。どんなにくだらん本でも我輩の物は我輩の物」

 

 

「ケチ」

 

 

「うるさいブス」

 

 

ルーシィはエバルーのブス発言にまた眉をぴくりと動かす。しかし、そこにナツは会話に混ざる。

 

 

「燃やしちまえばこっちのモンだ」

 

 

「だめ!絶対だめ!」

 

 

「ルーシィ!仕事だぞ!」

 

 

「そうですよルーシィさん!流石に」

 

 

「じゃあせめて読ませて!」

 

 

「ここでか!?」

 

 

ルーシィのあまりの行動にその場にいる全員が驚く。それを見て堪忍袋の緒が切れたエバルーは本棚の方へ振り向く。

 

 

「ええい!気にくわん!偉ーーい我輩の本に手を出すとは!来い!バニッシュブラザーズ!そして、猟犬の牙《ファングゴーチャヤ》の魔導士!!」

 

 

本棚が開くとそこからは四人の人影が現れる。そこにはバニッシュブラザーズと呼ばれる二人組と、闇ギルド猟犬の牙の魔導士の男二人が現れる。

 

 

「グッドアフタヌーン」

 

 

「こんなガキ共があの妖精の尻尾の魔導士かい?」

 

 

「まあそう言うなやお二人さん」

 

 

「そうですよ。どうせ皆抹殺するのですから、肉塊になれば皆同じです」

 

 

「あの紋章!!傭兵ギルド南の狼だよ!」

 

 

「こんな奴等雇ってたのか!?」

 

 

「それにあの紋章は闇ギルド猟犬の牙ですね…」

 

 

「…闇ギルド!」

 

 

「ボヨヨヨ!!南の狼は常に空腹なのだ!!そして猟犬の牙は痛いじゃすまんぞ~?ボヨヨヨ!」

 

 

9人が睨みあう中一人だけルーシィは日の出を見ていた。それはもう完全に周りなど気にせずに…

 

 

『おい!』

 

 

あまりのルーシィの常識はずれの行動にルーシィ以外の全員がツッコミをいれてしまう。

 

 

「なんとふざけた奴等だ」

 

 

「これが妖精の尻尾の魔導士か…」

 

 

「中々おもしれえじゃねえか!」

 

 

「やれやれ…このような魔導士と戦わないといけないとは…」

 

 

「バニッシュブラザーズと猟犬の牙の魔導士よ!あの本を奪い返せ!そして殺してしまえ!!」

 

 

その時ルーシィは何かに気付いたのか本を持って部屋から出ていく。そしてそれを見たエバルーは日の出の本に財宝の地図が隠されていると思い、作戦を変更して自らルーシィを捕まえに地面へ潜る。

 

 

「やれやれ身勝手な依頼主は疲れるな」

 

 

「まったくだ」

 

 

「だりぃなくそ」

 

 

「お互い苦労様ですね…」

 

 

「めんどくせえことになってきたなぁ…ハッピーはルーシィを追ってくれ」

 

 

「ココアもルーシィさんをお願い」

 

 

「相手は南の狼と猟犬の牙二人だよ!?オイラ達も加勢する!」

 

 

「そうですよ。無茶は駄目ですよフレイヤ」

 

 

「「二人で十分だ(よ)」」

 

 

それを聞いたハッピーとココアはナツとフレイヤの心配をしながらルーシィのもとへと急ぐ。

ハッピーとココアの二匹がドアから出るのを合図に4人の敵が動き出す。

 

 

「さてじゃあ行くぜ!」

 

そう言うと猟犬の牙の魔導士の緑髪のオールバックの男と赤色の長髪の男はフレイヤの方へ走る。

そして、バニッシュブラザーズの二人はナツの方へ攻撃を仕掛ける。

 

 

「行くぜチビ!猟犬の魂《ファングソウル》!手!」

 

 

そう言うと緑の髪の男は右手を犬のような手に変身させるとフレイヤの服を切り裂く。それを間一髪でかわす。

 

 

「おら!そっちいったぞ!ガリョウ!」

 

 

ガリョウと呼ばれる赤色の長髪の男は両手から光の球体を放つ。

 

「言われなくても分かっていますロウ!くらいなさい…光の豪球《ライトボブ》!」

 

 

「くっ!水竜の円尾!」

 

 

フレイヤは水の尻尾を作り、四方八方から飛んでくる光の球を破壊する。

 

 

「ほお!やるじゃねえかチビ!」

 

 

「流石は妖精の尻尾の魔導士…というわけですか…」

 

 

「…2つ聞いてもいいですか?」

 

 

フレイヤの質問に二人は首をかしげる。

 

 

「貴方達は…いったいどこのバラム同盟の手下なのですか?」

 

 

「失われた化身の傘下ですが何か?」

 

 

「おい!良いのか?こんなチビに教えても」

 

 

「別にいいですよ…どうせ死ぬんですから」

 

 

それを聞いてフレイヤは拳を握る。そして怒りに震えながらもう1つの質問をする。

 

 

「なら…最後の質問です…貴方達は…闇ギルドとして…一ギルドとして人を暗殺する依頼を受け、人を殺すとき…何を思っているんですか?」

 

 

「「別に…何も?」」

 

 

二人の言葉にフレイヤは怒りを顔に出す。

 

 

「もう結構です…貴方達はもう喋らなくて良い!耳障りだ!」

 

 

「親切に質問に答えといてそりゃあねえんじゃねえかチビ!」

 

 

ロウは両手両足を接収すると四足歩行で一気にフレイヤの所まで駆ける。

 

 

「水竜の翼撃!」

 

 

「おせえぞ?チビ!おらぁぁ!」

 

 

「ぐっ!」

 

 

フレイヤの攻撃をかわすと背後に回り込み、ロウの爪がフレイヤの背中を切り裂く。

 

 

「終わりです妖精の尻尾の魔導士…光の槍《ライトスピアー》!!」

 

 

フレイヤの体を光の槍が貫く。それを見たガリョウは、勝利を確信して笑みを浮かべる。

しかし、ガリョウの口からは血が溢れる。

 

 

「がふっ!な、何ですか…これ…は」

 

 

ガリョウの腹には数本の水の槍が刺さっていた。それを見たガリョウはフレイヤの方を見る。

するとそこには光の槍で貫いた筈のフレイヤがいないのであった。

ガリョウの後ろにフレイヤは背中を預けていた。

 

 

「何故…私は貴方を貫いたはず…」

 

 

「…教えてあげますよ。貴方達が攻撃したのは僕ではありません。正確には僕の映った水面です」

 

 

「そんな…事が…」

 

 

「出来るんですよ。…昔ある人に教えてもらったんです。『お前は魔力コントロールが上手いから水面を作って自分の分身を作ることが出来る』って」

 

 

「随分…変わった…人です…ね」

 

 

フレイヤは歯を噛み締める。

 

 

「ええ…変わった人でも僕にとっては…妖精の尻尾にとっては大事な人だったんですよ!…けど、貴方達はその人を奪ったんだ」

 

 

それを言い切る頃にはガリョウの意識は飛んでいた。

そして、ロウはそれを見て驚愕するのであった。

 

 

「ガリョウ!?」

 

 

「この人は死んでません…妖精の尻尾の魔導士として言います…今ならまだ失われた化身の情報を言えば見逃します。ですが、…これ以上やるのであれば…貴方達を見過ごすわけにはいきません…どうしますか?」

 

 

「俺はよォ腐っても闇ギルドのメンバーなんだ…敵に教える情報なんざねえよ!」

 

 

「……?闇ギルドの人が…あの人を殺したギルドの傘下が…そんな綺麗事を!」

 

 

そう言うとフレイヤは両手に水を纏う。それと同時にロウも接収をする。

 

 

「猟犬の魂!全身接収!」

 

 

ロウの体は全身を全長3mほどの大きさの犬に接収するとフレイヤの喉元を噛み千切ろうと突進する。それに合わせてフレイヤは拳を地面に叩き付ける。

 

 

「水竜槍…獄山」

 

 

「がはっ!?」

 

 

地面から何本もの水の槍がロウの体を貫く。ロウの体からは血が溢れ、気絶する。

ロウが噴出した血がフレイヤの頬に触れる。そしてその血を拭わず、ただフレイヤの頬から流れ落ちる。

 

 

「…こんなことをしても…あの人は…師匠は喜びやしないというのに…僕は………そこで少しのあいだ倒れていてください…猟犬の魔導士さん…」

 

 

フレイヤは振り返りルーシィのもとへ一歩…また一歩血の水溜まりをひたひたと歩くのであった。




今回はフレイヤの闇ギルドに対する悪意を書こうとこのようにシリアスな展開になりました!

ナツとバニッシュブラザーズは?って人もいてますでしょうが安心してください!次回にナツはバニッシュブラザーズと戦います!
感想等お待ちしております!
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