「う〜ん」
ルーシィは1人ギルドの掲示板を見ながら次の仕事探しに専念していた。
しかし掲載されているものは魔法の腕輪探しや火山の悪魔退治など種類が豊富だった為悩んでいた。
「へぇー…依頼っていろいろあるんですね」
「気に入った仕事あったら私に言ってね。今は総長いないから」
ミラの言葉にルーシィは気付く。
総長、マカロフは現在定例会に出向いているのである。
定例会とは、地方のギルドマスターが集って定期報告をする会のことである。
しかし、このギルド同士の連携を大切にせずおろそかにすると…
「黒い奴らが来るぞォォ」
「ひぃいいい!」
「うひゃひゃひゃっ!!ひいい!だってよ!!なーにびびってんだよ」
「もぉ!おどかさないでよ!」
「ビビりルーシィ!略してビリィーだね!」
「 変な略称つけんなっ!!」
ナツとハッピーはルーシィの驚く姿に笑いながら会話に参加する。
ルーシィはいずれナツにも闇ギルドに声がかかるのではないかと口にする。
「つーが早く仕事選べよ」
「前はオイラたち勝手に決めちゃったからね。今度はルーシィの番」
「冗談!チームなんて解消に決まってるでしょ!」
ルーシィの返答にナツ達は疑問をうかべる。
ルーシィは金髪の女なら誰でも良かったのではないかと口にするが、ナツはその通りと軽く相槌する。
「でもルーシィを選んだんだいいやつだから」
ナツの無邪気な笑顔にルーシィは嬉しい半分戸惑い半分といった表情であった。
「なーに無理にチームなんか決める事ァねえ、聞いたぜ大活躍だってなきっとイヤってほど誘いがくる」
そう話したのはパンツ一丁のグレイであった。
グレイはルーシィ達の活躍を褒めていたが大半はナツの手柄と聞いてナツにいちゃもんをつける。
それにナツも乗り2人はいつものように喧嘩をする。
「ナツ!!グレイ!!マズイぞ!!」
「「あ?」」
「エルザが帰ってきた!!」
「「あ!!!??」」
ナツとグレイはのその一言に恐怖を感じ冷や汗をかく。
第20話「鎧の魔道士」
ズシィン…ズシィン。
強烈な足音がギルドへと近付く。
その足音にギルドのメンバーは沢山の表情をみせる。
ある者は驚き、ある者は口を塞ぎ、ある者は恐怖する。
そして足音の正体がギルドに入る。
そこに居たのは緋色の髪の美しい女性が1本の全長5m以上はあるかという巨大なツノを片手で担いでいた。
「今戻った。総長はおられるか?」
「おかえり!!総長は定例会よ」
エルザはミラと会話を終えるとギルドのメンバーに目を向ける。
「それよりお前たち、また問題ばかり起こしているようだな。総長が許しても私は許さんぞ」
「な、なにこの人…」
「エルザ!!とっても強いんだ」
ルーシィはエルザの事が知らないのでハッピーに問いかける。
その答えはシンプル、強いの一言。
「カナ…なんという格好で飲んでいる」
「うっ」
「ビジター、踊りなら外でやれ。ワカバ、吸殻が落ちているぞ」
エルザのギルドメンバーに対する注意は止まらない。
「ナブ…相変わらず依頼板の前をウロウロしているのか?仕事をしろ。ガルムお前はもう少し女性らしい身なりをするんだ」
「……」
ガルム下を向きながら床に落ちていた缶を蹴る。
「ところでナツとグレイ、それに…丁度いいライトとガルム、それにフレイヤ達も来てくれ」
「や、やあ…エルザ…オ…オレたち今日も仲よし…やってるぜぃ」
「あ"い」
「ナツがハッピーになった!?」
ナツとグレイは先程の喧嘩はどこへやら、肩を組んで手を繋ぎながら仲良しアピール。
その光景にルーシィは口をぐもっと開く。
「そうか…親友なら時には喧嘩もするだろう…しかし私はそうやって仲良くしてるところを見るのが好きだぞ」
エルザがナツとグレイに話しかけている間に呼ばれたライトとガルムはエルザの元に足を運ぶ。
ライトは少し震えながら、ガルムは先程の言葉に立ち直れてはいないようである。
そしてフレイヤはというと…
「エルザさーん!!」
エルザが帰ってくるのを知り、エルザに呼ばれて鎧の胸に飛び込む。
ガチィンという金属と皮膚がぶつかる音がする。
「か、かたい」
「ただいまフレイヤ」
その姿にエルザは微笑みながらフレイヤに話しかける。
「は、ハッピーさん?これはいったい…」
ルーシィはその光景に動揺半分嫉妬半分でハッピーにたずねる。
「あい。フレイヤはエルザの事が好きだからね」
「そんなぁぁぁぁぁあ!!!」
ルーシィはその言葉にショックを受ける。
しかしその後のお姉ちゃんみたいに思ってるんだよ、というハッピーの言葉を聴き逃していたルーシィであった。
「実はお前達に頼みたい事がある」
エルザの一言にナツ達は顔を引き攣らせながら話を聞く。
「仕事先で少々厄介な話を耳にしてしまった。本来なら総長の判断をあおぐトコなんだが早期解決が望ましいと私は判断した」
「厄介な話ってなんですか?」
フレイヤはエルザに尋ねると…
「お前達の力を貸してほしい。ついてきてくれるな」
「え!?」
「はい!?」
「まじか!?」
「……!?」
「もちろん!!」
ナツ達はその言葉に驚きを隠せないでいた。
それもその筈、名声実力共に妖精の尻尾でも指折りの実力者であるエルザが頼みをするからである。
その頼みにギルドのメンバー達は色々な反応をする。
「出発は明日だ準備をしておけ」
「あ、いや、ちょっ…」
「行くなんて言ったかよ!!」
グレイとナツは戸惑いをしながらもエルザに意見を口にするがエルザは耳を傾けていなかった。
「まじかよ…」
「ガルム…諦めろ」
「やったー!エルザさんと仕事だ!」
ライトは落ち込むガルドに肩をポンっと置く。
フレイヤは喜びのあまりココアを両手で抱え仕事の準備をしにギルドを出る。
「エルザと…ナツと…グレイ、それにライトにガルム…フレイヤまで…」
「?」
「これって妖精の尻尾最強チームかも…」
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魔導士ギルド鉄の森《アイゼンヴァルト》
「あの鎧女どこのギルドの者よ?」
「知らね」
「いい女だったなァ……クソッ!!声かけときゃ良かったぜ」
「カゲヤマはまだ戻らねえのか」
「"あれ"の封印を解くのはそう簡単じゃねえハズだ仕方ねえよ」
「モタモタしてんじゃねえよ…今が好機なんだぜぇ」
怪しい笑みを浮かべる大鎌を持った男
死神 エリゴール
「ジジィどもが定例会をしてる今がな」
そして闇はいつも必ずひとつとは限らない。
光の数が多ければ多いほど闇もまた然り。
「おいおいおい、ジジィどもには俺たちが先に仕掛けさせてもらうぜぇ?エリゴール」
「あ?」
口を開いたのは全身鎧を纏った大男であった。
大男の後ろには2人の青年が立っている。
「然り。我等はこの日の為に力を蓄えた。」
「右におなじ」
光と闇が今ぶつかろうとしていた。
作者からの一言です。
大変お待たせいたしました。
リアルが少しようやく落ち着いたのでこれからまた開始していこうと思うので応援のほどよろしくお願い致します。
そしていきなり短くて皆様には申し訳ない気持ちでいっぱいです。