リサーナの謎の死から一年が経ち、ギルドもようやく落ち着きを取り戻したある日、レツはいつものようにギルドの依頼を見ていた。
「……うーん、やっぱりS級の依頼はどれも面倒くさそうなのばっかだな…」
「どうしたんだレツ?」
レツの近くにエルザが寄ってくる。
「おぉ、エルザか…、実はどの依頼にしようか迷っていてな…」
「依頼?……そうだ!!マスターがお前を探していたぞ」
「俺を?」
「何でもお前に重要な頼みがあるとか…」
レツはマカロフからの頼みと聞かされて疑問に思いながらもマカロフの下へと向かっていくのであった。
第7話『潜入調査』
レツは一人でマカロフの下へと行くとそこにはラクサス、そして最近S級魔導師になったと言われるミストガンがいた。
その光景を見てレツはただ事ではないと分かり、表情を固める。
「S級魔導師が3人も同時収集とは、一体どういう事だ?ジジイ…」
「……、それには俺も少し気になります、マスターマカロフ…」
「……ラクサス、ミストガン、そしてレツ…、貴様らにあるギルドの潜入調査をしてもらう…」
「まさか…失われた化身!?」
「その通りじゃ…」
マカロフの言葉にラクサス、ミストガン、レツの三人は驚きの表情を隠せない。
「お主らにしか出来ない事じゃ…、本来ならばシャウトや、ギルダーツにも頼みたいところじゃが、あやつらはどちらも100年クエストに行っておる…」
「…まぁあいつらが居れば結構楽になるんだがな」
「明日の朝日が上る前にはここに来い、私が転送魔法で一気にギルドの近くまで飛ぶ…」
「サンキュー、ミストガン…」
「礼には及ばない…」
「では、頼んだぞ…」
マカロフはそう言うと三人に解散させる。
ミストガンとラクサスは、一度ギルドを出ていき、レツはいつものように仲間達と騒ぐことにする。その途中エルザだけがレツのいつもとは違う事に気付いていた。
――――
翌日、レツは家を出て行く途中エルザと出会ってしまう。
「こんな時間に何処に行くつもりだレツ?」
「 ただのランニングだよ、エルザ…」
「違う!!昨日のお前はマスターと話を終えてから、何かおかしかった!!本当はなんなのだ!?」
「……お前は俺の今から言うことをギルドの皆には言わねぇと約束するか?」
「約束する、だから教えてくれ!!」
レツはエルザの真っ直ぐな瞳に負け、エルザにマカロフ達との話を教えた。
「……と言うことなんだ」
「そ、そんな無茶な任務止めろ!!お前は、お前達はそんな事をする必要ないだろ!?」
エルザの言葉にレツは首を横に振る。それでもエルザはレツにその任務を辞退するよう説得を試みるが、レツはそれに応じない。
「何故だ、何故お前達がそんな思いをしなければいけない!?」
「……力の有るものがギルドの為に頑張るのは当然の事だろ?」
「なら、なら一つだけ約束しろ!!ちゃんとギルドに帰ってくるのだぞ…ぐすっ、絶対だぞ!!」
「…あぁ、絶対、約束だ」
エルザの涙の約束にレツは微笑みながら答える。
「レツ…、ちょっとこっち来い…」
「?…何だ…!?」
レツはエルザの言葉に不思議に思いながらもエルザの近くまで来るとエルザはレツの頬にキスをする。
「…っ!?」
「レツ…その、帰ってきたらお前に伝えたいことがあるから…だからほんとの本当に…帰ってくるのだぞ!!」
「分かったよ…、本当の約束だ。絶対に帰ってくる!!」
レツはエルザにそう言うと ギルドの下へと向かっていくのであった。エルザはレツの背中を見て何故か不安に思ってしまう。待って、と伝えようとした時にはレツの姿はもう無かった。
「ようやく来たかレツ」
「悪いなラクサス、ミストガン…始めてくれ」
「あぁ…、それとマスターマカロフからの伝言だ…『もしも敵と遭遇すればその時は直ぐに逃げろ!!』との事だ…」
「仕方ねぇ…今回は戦いじゃなくて調査だからな…」
「まぁ俺も死ぬわけにはいかねぇからな…(エルザの為にも)」
ラクサスとレツはミストガンの言葉に了解すると、ミストガンの転送魔法で一気に三人は闇ギルド失われた化身の下へと向かっていくのであった。
――――
ここは闇ギルド失われた化身の基地の近くの森。
「何とか転送は成功のようだな…」
「あぁ…」
「それにしても…ここからでも嫌な魔力が3つは感じるぜ…」
「二人とも…帰りはまた同じ場所だ、分かったか?」
ミストガンは二人の返事を聞き、三人は失われた化身のギルド内に潜入する。
「ここが闇ギルド失われた化身…!!」
「何か気味悪いな…」
「それにしても、あの男共がお前の言っていた奴等か?」
レツ達は入って直ぐにとてつもない魔力を感じてしまう。レツは首を縦に振る。三人は男達の会話を聞き、メンバーの名前と情報をミストガンは魔力を粒子化してマカロフに送っていく。
「それにしても…、そろそろ出てきたらどうだ?そこの魔法で隠れているもの!!」
男はそう言うとラクサス達に攻撃を仕掛ける。
ラクサス達は直ぐにその攻撃を避けるが、その後ろにあった木は破壊されてしまう。
「やはり 、ファルブブ様の仰っていた通りですね…」
「おぉ!?おいシバ!!お前の言っていた炎の魔法を使うやつはどいつだ?」
「あらあら、炎の魔法使いさんはあの長い髪の毛の方よ、ヨルズ…」
ファルブブ達はそう言うと誰と戦うかを決めていた。レツ達は今の内に逃げようとするがその時ファルブブ達は…
「心配しなくてもこのギルドには私達三人だけですわよ?」
「闇ギルドの言葉なんか信用できるかよ!!」
「しようがしまいが関係ない…お前達はここで死ぬのだから…」
「それはやってみなければ分からない…」
「俺らはここを三人で任されているからな!!」
「ちょうど良いじゃねえか?こいつら倒せばじっくり調べさせてもらうとしようぜ!!」
ファルブブはレツ達も三人、ファルブブ達も三人と言うことに気付き、笑みを浮かべる。
「どちらも三人ずつ居るわけだし、1つゲームをしましょう?」
ファルブブはそう言うとラクサスとヨルズ、ミストガンとファルブブ、レツとシバの三つの空間を作り出す。
「ここは一体?」
「ここは私が作った空間よ!どちらかが勝てばその空間は無くなるわ…」
ミストガンとファルブブは何もないただの広い野原に飛ばされていた。
一方こちらはラクサスとヨルズ…
「はぁ~、何で炎の奴じゃなくてこんな弱そうな奴何だよ…」
ヨルズは一人あくびをしながらラクサスを呆れながら見る。ラクサスとヨルズは雷が来そうな雲が上空にある空間に来ていた。
「俺も、お前みたいな弱そうな奴じゃなくてあの青い男の方がよかったぜ…」
二人の挑発で二人同時に殴りかかる。
「「誰が弱そうだとこの野郎!!」」
二人の拳はお互いの拳に触れ、大きな音が鳴り響く。
――――
レツとシバの方では、柱が何本もある、博物館のような空間にいた。
「炎の魔導師か、1つ忠告してやろう…」
「何だよ?」
「ファルブブ様と闘うことになったミストガンとか言う男…死ぬぞ」
「ミストガンをあんまり舐めんな、あいつは強いぜ!!」
「ミストガンがどういう男かは知らんが、あの程度の奴ではファルブブ様の足下にも及ばない…」
シバの言葉にレツは少し違和感を感じる…
「お前…随分優しいやつだな?」
「!!黙れ!!」
「敵の心配するとは結構お人好しじゃねえか?」
「……お前は俺を侮辱した事を存分に後悔させてやろう!! 確か人間共の間では倒す相手には名を名乗るのだったな…俺の名はシバ!!与えられた化身の力は…単純なる破壊の力だ!!」
「俺の名はレツ・ドラグニル!!妖精の尻尾《フェアリーテイル》の魔導師だ!!」
二人の拳が両方の顔を捉える。
――――
これは、この戦いの少し先の話…
「おぉ!!ラクサス!!帰って来たか…レツはどうした?」
マカロフの言葉にラクサスは唇を噛みしめ答える。
「レツは…、レツは死んじまった」
その言葉にギルドの皆の力が抜ける。そして口々に声を漏らす。
「そ、そんな、兄ちゃんが死ん…だ?」
「嘘だ!!あいつが、レツが死ぬわけねえ!!」
「そうだぞラクサス!!冗談はほどほどに…」
「本当に死んじまったんだよ!!レツは!!…レツは俺達の目の前で光になって消えちまったんだ…」
ラクサスの言葉にナツやグレイ、ライト達が黙りこむ。レツの死を聞いたエルザは大声をあげてしまう。
「いやあぁぁあぁぁ!!」
「エルザ!!落ち着いて!!」
ミラの言葉も今のエルザには聞こえず、エルザはただ地面に崩れ落ちながら泣き叫ぶ。
今回は少しだけ後の話を混ぜてしまいました!!最近感想が無いので良いのか悪いのか分かりません…感想がほしい…。