キーンコーンカーンコーン、キンコンカンコーン
と今日授業最後の授業を終えるチャイムが学校に響き渡る。そして、教室の掃除を終えた後、
大輝「祐希。今日一緒に近くのプラモ屋に行く予定なんだが。」
裕也「新しい。戦車のプラモが発売される日ですよ。目玉商品は、あのディッカーマックスですよ。」
大輝「気になるだろ。だからな、一緒に。」
祐希「いや、悪いが今日は帰ってやることがあるから。」
大輝「あぁ、もしかしてあのガラクタの修理か。」
祐希「ガラクタじゃねぇよ。あれは、親の方見だ。俺にとって大事な物なんだよ。だから、悪いが今日は抜けさせてもらう。」
裕也「そうですか。じゃあ、仕方ないですね。じゃあ、また明日。」
祐希「あぁ、また明日。」
と同じクラスメイトでミリオタ部という部活で活動している裕也と大輝が帰っていく。そして、俺はそのまま荷物をまとめ、家へと向かった。
ガチャ
ガラガラ
祐希「ただいま。」
と鍵を開け、家に入るが、
シーン
祐希「まぁ、住んでるのは俺だけだから、言っても仕方ないですが。」
と言って、俺は家に上がる。そして、帰ってきて最初にする事は
チーン
祐希「父さん。母さん。ただいま。」
と亡き父と母に手を合わせる。俺の名は上田祐希。大洗東高校に通う2年生。家族は、俺1人。俺が5歳の時に家族と車で出かけた時に、居眠り運転をしていたトラックに横から追突され、右側に座っていた運転手の乗っていた父とその後ろに座っていた母は亡くなり、唯一左側に座っていた俺は助かった。その時、負った傷は今も消えず俺の右腕にに残っている。その後は、ある一家に引き取られ、育てられたが色々あって、今は父と母が残してくれた家に住んでいる。しかし、父と母が残してくれたのは家にだけではなかった。
祐希「さて、やるとしますか。」
と俺は作業着に着替え家の横にある車庫へと向かった。
ギーーーー、ギーーー
と扉を開ける。中にあったのは
祐希「さて、始めるぞ。トゥラーン。」
かつて、第2次世界大戦中にハンガリーで開発され、運用されたトゥラーンⅠだ。生産台数は400両余り。当時、ハンガリー陸軍は同じ陣営で連合国を相手に猛威振るったあのドイツの機甲師団で運用された中戦車のⅣ号戦車に目をつけ、自国でも中戦車の開発に着手。結果生まれたのが、このトゥラーンだ。しかし、第2次世界大戦においての戦車の進化は早く、ソ連のT-34、ドイツのパンターやティーガーに、アメリカのシャーマンなど大国の戦車開発速度に小国であるハンガリーは置いていかれ、やがてトゥラーンも同様に主砲の威力不足などにより旧式化。最後はソ連の波に飲まれ、敗北した。なぜ、ここにこの戦車があるのかは俺には分からない。何を理由に父と母が残したのかも。そう思いつつも、俺はコイツの整備を始めた。
2時間後、
祐希「ふぅ〜、終わった。」
と俺はトゥラーンの整備を終え家に上がる。作業着はオイルなどにより汚れおり直ぐに洗濯機に放り込む。そして部屋着に着替え、テレビをつける。すると、
『戦車道の勝利の秘訣とはなんですか。』
と戦車道の特集がテレビで流れていた。そして、そこで取材を受けていたのは
まほ『諦めな事。そして、どんな時でも逃げない事です。』
西住まほ。戦車道における流儀【西住流】を編み出し、今でも戦車道に大きな影響を与えるた西住家の長女だ。俺が両親を亡くした後、俺を養子として迎え入れ、ここまで育ててくれたのはまほの母親で西住の家元でもある西住しほさんだ。しほさんは、俺の母とは友人関係だったらしく俺が両親を亡くして、育ててくれる親戚がおらず、孤児院に入る直前に俺の元を訪ねてきて、俺を息子として迎え入れてくれると言ってくれた唯一の人であり、俺はもう1人の母親でもある。しかし、1年前に俺としほさんはある事で対立し、西住家を出た。家を出る直前までまほは俺を必死に説得し、止めようとした。
そんなまほも、今では戦車道の日本代表戦手として注目を浴びている。
祐希「代表選手ねぇ。またデカくなったな。まほ。」
と俺はつぶやく。すると、
『現在、戦車道連盟から発表された男性の参加についてはどう思われますか。』
まほ『そうですね。男性も戦車道に参加できるようになれば、更に多くの人に戦車道の素晴らしさを知ってもらえるようなになると思っています。』
と内容を聞き、
祐希「・・・・・男の戦車道か。」
と呟くと同時に嫌な過去を蘇る。
1年前
?「私、もう分からないの。辛いの。私のせいで・・・・、私のせいで・・・・・。」
祐希「違う!!○○は間違ってなんか・・・・・。」
しほ「あの子は西住の者として西住流の道を歩まなければならないの。」
祐希「それが彼女の大きな足枷となっている。それがどうして分からないんですか!!」
しほ「犠牲なくして、勝利はない!!」
まほ「待ってくれ!!祐希!!私が説得するだから・・・・・。」
祐希「悪い今の俺には・・・・・。」
祐希「クッ・・・・・。」
思い返すだけで、頭がいなたくなる。無力だった自分を、逃げ出した自分を思い返す頭が痛い。
祐希「・・・・・ッ!!(もう、過去の事だ。もう、終わった事だ。)」
とそう言い聞かせ、俺は食事を支度をして、食べ、片付けをした後、眠りについた。
翌日、
今日は、部活動の日。そのため、俺は学校から借りている部室に部員全員が集まる。
ガラガラ
祐希「お待たせ。」
大輝「ああ、来た来た。」
裕也「見てください。昨日、買ったディッカーマックスですよ。いやぁ〜。夢中になっちゃってもう、寝るのが深夜を過ぎてしまいました。」
と今、話しているのは坂口大輝と名倉裕也。大輝は実家が農家でトラクターなどに詳しい。裕也はアニメ、戦車、戦闘機、軍艦に詳しくいつもメガネをかけており、オタク感が半端ない奴。歴史にも詳しく将来は歴史学者を目指している。そして、このミリオタ部にはここにいる俺を含めた3人以外にも2人がいる。
ガラガラ
京介「悪い。遅くなった。」
吾郎「お待たせしました。」
と今、入って来た残りの2人だ。最初に入ってきたのが1人は河本京介。戦車及び、戦車道関係に詳しく大人しい性格のイケメン野郎。小坂吾郎、大輝と同様で実家が農家をしている。大輝とは昔からの農家での付き合いもあり、幼馴染の関係。性格は大輝とは逆でマイペースな性格の持ち主。この5人がミリオタ部の部員全員だ。俺がこの高校に来たのは去年の秋。来たばかりで慣れない環境の中、この4人は俺を強引にミリオタ部に入部させてきた。ミリオタ部の活動とい言っても戦車の絵を書いたり、歴史について調べたりなど色々やっている。最初は意味が分からん部活だと思っていたが、今では4人に感謝ている。おかげでこの高校に直ぐに馴染めた。そう過去を振り返っていると、
大輝「おっ、そういえば昨日のニュース見たか。」
裕也「はい。西住まほさん、やっぱりカッコいいですね。」
大輝「そこじゃねぇよ。戦車道において男も参加できるようになるって話だよ。俺達も本当の戦車に乗って他校とやり合って・・・・・。」
京介「あれ、まだ正式に決まったわけじゃないらいぞ。」
大輝「えっ、そうなのか。」
京介「あぁ、ただ試験的に何かしらの方法で男子も参加できるように検討してるらしいけど、その試験的導入をどこの学校がやるかって話だ。戦車道は金もかかる。戦車道連盟の援助もあるが、援助してくれるのは砲弾や燃料くらいだ。戦車は購入する金までは厳しいだろうな。」
祐希「そうだな。それに、正式に決まったとしても俺達は既に大学生もしくは社会人として働いている頃になるだろうからな。諦めろ。」
裕也「そうですよね。僕も大洗女子学園にいる知り合いから聞いたのですが、大洗女子学園でも戦車道が復活したらしいですよ。そして、今年の全国大会での優勝を目指してるとか。」
と教えてくれたが、
祐希「無理だな。」
裕也「何がですか。」
祐希「優勝だよ。何を思ってそんな目標を掲げたか知らないが、1戦目で勝てるのも無理だろ。あの大会には黒森峰、聖グロ、サンダース、プラウダ。強豪も参加する。復活したのはおめでたい事だが、第一に何年前に大洗女子学園の戦車道が無くなったんだ。」
裕也「えぇと、20年も前って聞いてます。」
と聞いて、
京介「無理だな。1、2年前というなら違ったかもしれないが、20年も前となると結果は目に見えてる。出るだけ無駄だな。」
祐希「そうだ・・・・。」
大輝「あっ!?」
と突然、大輝が叫ぶ。
祐希「何だよ。急に。お前、声がデカいんだよ。鼓膜破れるわ。」
大輝「祐希。頼みがある。」
祐希「金なら貸さないぞ。」
大輝「違う。昨日、うちの実家のトラクターが壊れて困ってんだよ。」
祐希「それで。」
大輝「頼む。今日、お前のトゥラーンを貸してくれ。」
祐希「昨日、ガラクタ呼ばわりしただろ。」
大輝「悪かった。でも、この時期は大事なんだ。下手したら出荷に大きな遅れが出る。頼むよ。」
と手を合わせて頼んでくる。家計がかかっているのだから俺は仕方なく
祐希「良いよ。今日部活終わったら、俺が運転していくわ。」
大輝「助かる。この恩、必ず返す。」
祐希「じゃあ、飯を今度奢れよ。」
とこうして、俺はその後、4人ともに家へと戻った。
ゴゴゴゴゴゴ
大輝「オーライ。ゆっくり、ゆっくり。」
と俺はトゥラーンを家から操縦する事、30分近く走らせ無事に大輝の実家に着いた。すると、着くと同時に
大輝の父親「祐希君。悪いね。トラクターが壊れちまったって、動かなくて。」
祐希「お気になさらず、いつも、野菜などを分けてくださってるので出来ることはしますよ。」
大輝の父親「そう言ってくれると、助かるよ。じゃあ、早速準備をしても良いかな。」
祐希「はい。」
と俺早速準備に取り掛かる。
3時間後
大輝「祐希。京介達も。ありがとな。」
祐希「おう。また、明日な。」
京介「トラクター早めに直せよ。」
と農作業の手伝いを終え、エンジンを始動し、トゥラーンを前進させ、京介と裕也を家まで送り、自分の家へと俺は戻った。
ガラガラ
祐希「ただいま。」
と戻った時には20時を過ぎていた。
祐希「ハァ〜、明日が休みで良かった。」
明日は、学校の用事により全生徒が休みなのだ。そのため、明日はゆっくり出来る。
祐希(明日は何しようかな。)
と考えつつ、洗濯などの家事を終わらせ、
ドサッ
2階の自室のベットに倒れるように飛び込む。そして、
祐希「・・・・スゥ~。」
俺は眠りについた。
翌日、
カチッ、
祐希「チッ、相変わらず複雑だなコイツのエンジンは。」
と学校が休みである今日、俺は昼からトゥラーンの整備を行っていた。すると、
?「御免ください。」
と女性の声が聞こえてくる。
祐希「客か。珍しい。」
基本、この家に来るのはミリオタ部の大輝達くらいで、他は滅多に来ない。しかし、無視するわけには行かないので俺は作業をやめ、車庫から家に戻り、玄関へと向かう。そして、
祐希「はいはい。どちら様ですか。」
ガラガラ
と扉を開けると、
?「えっ!?」
祐希「はっ!?」
とそこに居たのは、
みほ「祐希君!?」
祐希「・・・・・みほ。」
西住家の次女で、まほの妹であり、そして戦車道における絶対的な戦力を持つ強豪校黒森峰女学院の元副隊長である西住まほがそこに居たのだ。
続く
現在、2話編集も行なっています。編集が終わり次第投稿するので、よろしくお願いします。では、次回も楽しみに。